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霊視鑑定人X氏による鑑定など。
汚点
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今回のお話は、「豆知識編」の「実は無意味な合わせ鏡」で語った
Xさんの失敗談についてお話します。
鑑定人X氏は
「この話を聞いて、馬鹿げた事をやろうとしないで欲しい。」と訴えたいそうです。
始まりは十数年前。
私がXさんと出会った頃まで遡ります。
そして、その時期はXさんの人生において
尤も思い出したくもない「汚点」な時期だ。と語っています。
当時のXさんは
いわば「霊視の駆け出し」だったそうで
そういった世界についても独学で学び、見聞を深めていたとか・・・。
そんな中、Xさんは
ある日、知人女性から相談を受ける事になった。
「家に居ると誰かに見られている様で気分が悪い」
よくある話だ。
Xさんも、その手の話は既に何件か解決済の実績を持っていた様で
この一件についても「解決できる」と踏んでいたそうだ。
更に僥倖だったのは
その知人女性が、恋人と別れたばかりであったこと。
この時点で、Xさんは
その元恋人の「生霊」を疑ったそうだ。
ここで、「生霊」について軽い補足であるが
「生霊」には二種類の存在が確認されている。
無意識下で誰かに念を飛ばしてしまうケースと
明らかな悪意によって念を飛ばすケース。
「生霊」の大部分を占めるのは
「何時までも恨みや妬みを捨てきれない人種による念」だ。
今回もそのケースを疑ったらしい。
しかし、後述するが今回の件は、特別な生霊であったそうだ。
相談を受ける事数日。
Xさんは「合わせ鏡」を用いた「呪詛返し」を行う事にした。
が、これが失敗の元であった。
念の強い場に、鏡を配置し
念が現れた場合、その念を相手に送り返す為
鏡を用いたそうだ。
(ここでXさんが語る特殊な方法があるようだが、それは秘密とされている)
・・・しかし。
その数日後、状況は悪化しその女性はストレスに耐え切れず
飛び降りを図ったらしい。(安否については語られなかった)
後日、改めて知人宅へ向かうと
其処には「元恋人」からの恨み言いっぱいの張り紙や意味の分からない写真などが
散らばっていたそうだ。
そして、その張り紙の中
Xさんは見つけてしまうのだ・・・。
元恋人が此処まで豹変した理由を。
「何もしていないのに警察に通報しやがって!」
「訳の分からない奴に相談しやがって!」
そう、元恋人は実際には何もしていなかった事が警察の調べで分かったのだ。
しかし、恐怖に耐えられなかった彼女は証拠もないのに
警察に通報。
その際「自宅を荒らされた」と話していたそうだ。
だが・・・本当に恐ろしいのはその後の「訳の分からない奴」だ。
これは、Xさん自身を指していたらしい。
警察の調べでは
「彼女が得体の知れない奴に関わっている」と供述し
その人相書きから、Xさんが浮上した。
しかし、なぜ彼がソレをしっていたのか・・・。
それが今回の大きな謎であるが、前述の通り
今回の生霊は、特殊なケースだった。
実際に、元恋人が嫌がらせを開始した事で、彼女が追い込まれ暴挙に出たと
判断した警察は
その元恋人の家を家宅捜索した。
その結果、出て来たのは
小さな「祭壇」と「幽体離脱」にまつわる書物が数冊出て来たそうだ。
ここで、ようやくXさんは「なぜ知っていたのだ?」という矛盾に納得が行ったそうだ。
本来、「生霊」だと思っていた物は
「生霊」ではなく「幽体離脱に成功した幽体」だった可能性が高いのだ。
そして、幽体の経験した事は、体に戻っても記憶を保持できる為
彼女がXさんに相談した事も知っていたのだろう。と結論した。
そして、「呪詛返し」によって
相手方には「警察の手が伸びる」という見方によっては災厄が降りかかった訳である。
本来であれば、これで一件落着なのだが・・・。
Xさんは、ある事をし忘れた事により
合わせ鏡による呪詛返しは中途半端な状態になった。
その結果、更なる不幸を知人女性が体験する。という苦い物となったのだ。
Xさんが、面会にて
元恋人を訪ねた際
その元恋人は「ただ幽体離脱の実験をしていただけで彼女の事はケリが付いていた」と語ったそうだ。
以降、Xさんは独学を辞め、本格的にお寺へと修行に出て現在に至るという。
この一件は
見る角度を変えれば、Xさんの手によって二人の人生が狂った出来事とも捉える事が出来る。
それ故に、Xさんは「本当にマズい真実」を語ってはくれないのだ。
Xさんの失敗談についてお話します。
鑑定人X氏は
「この話を聞いて、馬鹿げた事をやろうとしないで欲しい。」と訴えたいそうです。
始まりは十数年前。
私がXさんと出会った頃まで遡ります。
そして、その時期はXさんの人生において
尤も思い出したくもない「汚点」な時期だ。と語っています。
当時のXさんは
いわば「霊視の駆け出し」だったそうで
そういった世界についても独学で学び、見聞を深めていたとか・・・。
そんな中、Xさんは
ある日、知人女性から相談を受ける事になった。
「家に居ると誰かに見られている様で気分が悪い」
よくある話だ。
Xさんも、その手の話は既に何件か解決済の実績を持っていた様で
この一件についても「解決できる」と踏んでいたそうだ。
更に僥倖だったのは
その知人女性が、恋人と別れたばかりであったこと。
この時点で、Xさんは
その元恋人の「生霊」を疑ったそうだ。
ここで、「生霊」について軽い補足であるが
「生霊」には二種類の存在が確認されている。
無意識下で誰かに念を飛ばしてしまうケースと
明らかな悪意によって念を飛ばすケース。
「生霊」の大部分を占めるのは
「何時までも恨みや妬みを捨てきれない人種による念」だ。
今回もそのケースを疑ったらしい。
しかし、後述するが今回の件は、特別な生霊であったそうだ。
相談を受ける事数日。
Xさんは「合わせ鏡」を用いた「呪詛返し」を行う事にした。
が、これが失敗の元であった。
念の強い場に、鏡を配置し
念が現れた場合、その念を相手に送り返す為
鏡を用いたそうだ。
(ここでXさんが語る特殊な方法があるようだが、それは秘密とされている)
・・・しかし。
その数日後、状況は悪化しその女性はストレスに耐え切れず
飛び降りを図ったらしい。(安否については語られなかった)
後日、改めて知人宅へ向かうと
其処には「元恋人」からの恨み言いっぱいの張り紙や意味の分からない写真などが
散らばっていたそうだ。
そして、その張り紙の中
Xさんは見つけてしまうのだ・・・。
元恋人が此処まで豹変した理由を。
「何もしていないのに警察に通報しやがって!」
「訳の分からない奴に相談しやがって!」
そう、元恋人は実際には何もしていなかった事が警察の調べで分かったのだ。
しかし、恐怖に耐えられなかった彼女は証拠もないのに
警察に通報。
その際「自宅を荒らされた」と話していたそうだ。
だが・・・本当に恐ろしいのはその後の「訳の分からない奴」だ。
これは、Xさん自身を指していたらしい。
警察の調べでは
「彼女が得体の知れない奴に関わっている」と供述し
その人相書きから、Xさんが浮上した。
しかし、なぜ彼がソレをしっていたのか・・・。
それが今回の大きな謎であるが、前述の通り
今回の生霊は、特殊なケースだった。
実際に、元恋人が嫌がらせを開始した事で、彼女が追い込まれ暴挙に出たと
判断した警察は
その元恋人の家を家宅捜索した。
その結果、出て来たのは
小さな「祭壇」と「幽体離脱」にまつわる書物が数冊出て来たそうだ。
ここで、ようやくXさんは「なぜ知っていたのだ?」という矛盾に納得が行ったそうだ。
本来、「生霊」だと思っていた物は
「生霊」ではなく「幽体離脱に成功した幽体」だった可能性が高いのだ。
そして、幽体の経験した事は、体に戻っても記憶を保持できる為
彼女がXさんに相談した事も知っていたのだろう。と結論した。
そして、「呪詛返し」によって
相手方には「警察の手が伸びる」という見方によっては災厄が降りかかった訳である。
本来であれば、これで一件落着なのだが・・・。
Xさんは、ある事をし忘れた事により
合わせ鏡による呪詛返しは中途半端な状態になった。
その結果、更なる不幸を知人女性が体験する。という苦い物となったのだ。
Xさんが、面会にて
元恋人を訪ねた際
その元恋人は「ただ幽体離脱の実験をしていただけで彼女の事はケリが付いていた」と語ったそうだ。
以降、Xさんは独学を辞め、本格的にお寺へと修行に出て現在に至るという。
この一件は
見る角度を変えれば、Xさんの手によって二人の人生が狂った出来事とも捉える事が出来る。
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