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筆者(メカ)の経験談。
壊れたオルゴール 2/3
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その一報が入ったのは、一週間後だった。
鳴らないはずのオルゴールが鳴り出した。と言うのだ。
しかも、蓋すら空いてない状況で、音は外に漏れていたという。
彼は試しに、蓋を開けようと試みたが、その蓋が開く事は無かった。
私にそのオルゴールを託すべく、職場へと持ち込んだオルゴールは
他の職員の力も借りて、蓋を開けようと試みた。
だが、その蓋が開くよりも、箱の耐久性に不安を感じ
誰もオルゴールの蓋を開ける事が叶わなかった。
早速、鑑定人X氏に私はこの事を報告し、意見を仰いだ。
「誰かの念を感じる。・・・多分身内の方かな。まずはその人について調べて欲しい。」
との事だった。
調べて分かった事は、このオルゴールは本来
彼の祖父の兄が持っていた事が発覚。
その兄は元々、音楽関係者として働いていたという。
そして、趣味である音楽をオルゴールという形で作り、大切にしていたそうだ。という事が分かった。
暫くの間、職場の人の手を借り、蓋を開けるべく職場に保管したが・・・
そのオルゴールは決まって、私や彼の居ない日に鳴っていたという。
そして、ある日。
職場での休憩中・・・。
彼は同僚にある事を尋ねられた。
「あのオルゴールの音楽、何の曲?」
「え?」
この時、彼は相当に困惑したという。
それほどまでに有名な曲だったようだ。
その曲はベートーヴェンの第九だったという。
祖父の兄は、ベートーヴェンの愛好家だったようで、身内が訪れると
必ずと言っていい程、レコーダーでベートーヴェンの曲を流していたという。
勿論、質問に来た職員も第九を知っていたのだが・・・その職員が聞いた曲は
第九ではない、全く別の曲だったという。
彼が最初にオルゴールの音色を聞いた時
可愛らしい高音で第九が始まったと言っていたが
他にオルゴールを聞いた職員たちは皆、口を揃えて
デタラメな音調で、聞いた事のない音楽が鳴っていた。というのだ。
この事から、私は
「その祖父の兄が、身内を守っている事から身内には第九に聞こえているのでは?」と
仮説を立てた。
私は、私の仮説も含めてXさんに報告を行ったが
Xさんから帰って来た返答は、真逆の物だった。
「その彼、今すぐお祓いに行った方が良いよ。」
「え?」
「祖父の兄、が家族を守っているのなら、他の人にも第九が聞こえてても可笑しくない。
でも、他の人はだたラメだったと言ってる。つまり、身内を守ってるんじゃなくて
身内に何かしらの暗示をかけようとしている可能性があるんだよね。
その、祖父の兄の事、もっと詳しく調べてご覧よ。きっととんでもない事実が埋もれてるはず。」
Xさんの鑑定結果を、彼に伝えるべきか迷いつつ
彼には、祖父の兄についてもっと詳しい事が知りたい。とだけ伝え
調べてもらう事にしたのだ。
鳴らないはずのオルゴールが鳴り出した。と言うのだ。
しかも、蓋すら空いてない状況で、音は外に漏れていたという。
彼は試しに、蓋を開けようと試みたが、その蓋が開く事は無かった。
私にそのオルゴールを託すべく、職場へと持ち込んだオルゴールは
他の職員の力も借りて、蓋を開けようと試みた。
だが、その蓋が開くよりも、箱の耐久性に不安を感じ
誰もオルゴールの蓋を開ける事が叶わなかった。
早速、鑑定人X氏に私はこの事を報告し、意見を仰いだ。
「誰かの念を感じる。・・・多分身内の方かな。まずはその人について調べて欲しい。」
との事だった。
調べて分かった事は、このオルゴールは本来
彼の祖父の兄が持っていた事が発覚。
その兄は元々、音楽関係者として働いていたという。
そして、趣味である音楽をオルゴールという形で作り、大切にしていたそうだ。という事が分かった。
暫くの間、職場の人の手を借り、蓋を開けるべく職場に保管したが・・・
そのオルゴールは決まって、私や彼の居ない日に鳴っていたという。
そして、ある日。
職場での休憩中・・・。
彼は同僚にある事を尋ねられた。
「あのオルゴールの音楽、何の曲?」
「え?」
この時、彼は相当に困惑したという。
それほどまでに有名な曲だったようだ。
その曲はベートーヴェンの第九だったという。
祖父の兄は、ベートーヴェンの愛好家だったようで、身内が訪れると
必ずと言っていい程、レコーダーでベートーヴェンの曲を流していたという。
勿論、質問に来た職員も第九を知っていたのだが・・・その職員が聞いた曲は
第九ではない、全く別の曲だったという。
彼が最初にオルゴールの音色を聞いた時
可愛らしい高音で第九が始まったと言っていたが
他にオルゴールを聞いた職員たちは皆、口を揃えて
デタラメな音調で、聞いた事のない音楽が鳴っていた。というのだ。
この事から、私は
「その祖父の兄が、身内を守っている事から身内には第九に聞こえているのでは?」と
仮説を立てた。
私は、私の仮説も含めてXさんに報告を行ったが
Xさんから帰って来た返答は、真逆の物だった。
「その彼、今すぐお祓いに行った方が良いよ。」
「え?」
「祖父の兄、が家族を守っているのなら、他の人にも第九が聞こえてても可笑しくない。
でも、他の人はだたラメだったと言ってる。つまり、身内を守ってるんじゃなくて
身内に何かしらの暗示をかけようとしている可能性があるんだよね。
その、祖父の兄の事、もっと詳しく調べてご覧よ。きっととんでもない事実が埋もれてるはず。」
Xさんの鑑定結果を、彼に伝えるべきか迷いつつ
彼には、祖父の兄についてもっと詳しい事が知りたい。とだけ伝え
調べてもらう事にしたのだ。
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