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筆者(メカ)の経験談。
壊れたオルゴール 1/3
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これは、筆者のメカが社会人になってしばらく経った時のお話。
とある施設で働いて居た時、珍しくも同い年の青年が職場へ転職してやって来たのだ。
彼とは直ぐに意気投合した。
しかし、私は彼に初めて会った時、違和感を覚えた。
職場で新入社員として紹介されていた彼の後ろに、もう一人立っているような感覚を覚えたのだ。
しかし、実際に見える訳でもなく・・・ただ彼の後ろに、もう一人
誰かが居る。と気配を感じたのだ。
だが、そんな違和感も共に仕事をすると自然と消え、彼の人当たりの良さに感心していた。
そんなある日の事だ。
夜勤で一緒になった彼が、妙に暗い顔で出勤してきたのだ。
本人曰く、別段変わった事は無い。というし
遅番で残っていた人に確認しても普段通りにしか見えない。という。
私は、間違いなく見たのだ。今にも溜息をついて悩み事でも語り出しそうな彼の顔を。
その予感は直ぐに的中した。
「○○君(筆者)、今だから言うんだけどさ・・・。」
「ん?」
彼は夜勤の休憩直前に語り出した。
「うちの押し入れからさ、随分年季の入ったオルゴールを見つけたんだけど・・・。」
「へぇ。なんだか価値がありそうな感じだね?」
「それがさぁ、壊れてるんだよね。」
「え?」
「厳密に言えば、まだ動く代物らしいんだけど・・・。」
昔のオルゴールといえば、ハンドル式のゼンマイ仕掛けで動く物が多い。
彼の家から見つかったオルゴールもそのタイプだったそうだ。
だが、肝心のハンドル部分が抜け落ちてしまい、オルゴールが動く事は無いのだという。
「しかも、それ見つけた時に、なんだか嫌~な気分がしてさ。」
「・・・へぇ。」
「○○君(筆者)は、ホラー好きって言ってたでしょ?どう思う?」
「それだけの情報じゃ、何とも・・・。」
「だよねぇ・・・。」
「今度、写メ見せてくれないかな?」
「それは勿論良いけど・・・。」
その日の話はそこで終わったが、翌日
彼から写真が送られてきた。
見た目の第一印象は、とてもきれいな物で、まさか曰く付きの物だとは予想もしませんでした。
小さな木箱。
温かみのあるチョコレートブラウンの色に塗装され、経年劣化によって褪せた色が
より一層、深みのある外見。表面にはイルカの彫り物もされていました。
そして
話の通り、木箱の横にはハンドルを差し込む為の穴も空いていた。
しかし、その怪異は間髪開けずに彼を襲う事となるのだ。
とある施設で働いて居た時、珍しくも同い年の青年が職場へ転職してやって来たのだ。
彼とは直ぐに意気投合した。
しかし、私は彼に初めて会った時、違和感を覚えた。
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しかし、実際に見える訳でもなく・・・ただ彼の後ろに、もう一人
誰かが居る。と気配を感じたのだ。
だが、そんな違和感も共に仕事をすると自然と消え、彼の人当たりの良さに感心していた。
そんなある日の事だ。
夜勤で一緒になった彼が、妙に暗い顔で出勤してきたのだ。
本人曰く、別段変わった事は無い。というし
遅番で残っていた人に確認しても普段通りにしか見えない。という。
私は、間違いなく見たのだ。今にも溜息をついて悩み事でも語り出しそうな彼の顔を。
その予感は直ぐに的中した。
「○○君(筆者)、今だから言うんだけどさ・・・。」
「ん?」
彼は夜勤の休憩直前に語り出した。
「うちの押し入れからさ、随分年季の入ったオルゴールを見つけたんだけど・・・。」
「へぇ。なんだか価値がありそうな感じだね?」
「それがさぁ、壊れてるんだよね。」
「え?」
「厳密に言えば、まだ動く代物らしいんだけど・・・。」
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だが、肝心のハンドル部分が抜け落ちてしまい、オルゴールが動く事は無いのだという。
「しかも、それ見つけた時に、なんだか嫌~な気分がしてさ。」
「・・・へぇ。」
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「それだけの情報じゃ、何とも・・・。」
「だよねぇ・・・。」
「今度、写メ見せてくれないかな?」
「それは勿論良いけど・・・。」
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