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追従
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目の前に下がる「校長室」の札。
やっとたどり着いた。
数分間、室内を荒らしまわった結果、ようやく見つけたマスターキー。
これで、やるべき事の半分は終わった。
しかし、此処から一歩外に出れば、また俺は襲われる。
一人、二人程度であれば問題ないが、残っている百人以上の刺客を一々相手にするのは
骨が折れるというものだ。
でも、歩を緩めるわけにはいかない。
扉に手をかけ、廊下へ身を出し周囲を伺う。
「左・・・異常なし。右・・・。」
首を右に向け直ぐに映り込んだ3人組。
先ほど、戦意を見せなかった3人だ。
「さっきは見逃したが・・・通す訳にも行かぬと出張ってきたか?臆病者。」
「何だと!てめぇ!!」
「止めろ!さっきの男と同じになるぞ!」
リーダー格の男を挑発したつもりであったが、後ろの男が反応をした。
武器を手に持ち、血気盛んと言う所か簡単に噛みついてきそうな男だ。
だが、リーダー格の男は、それすらも抑え距離を保った。
「俺は仙堂。・・・仙堂 衛だ。茨 虹色で間違いないか?」
「・・・。」
「なぜ校長室なんか目指した?そのまま逃げれば良かっただろう。」
「逃げた先が袋小路でもか?」
「は?」
「これが見えるか。これは宇宙船のマスターキーだ。これが無ければ船は動かん。」
「そ、そうか。だからリーダー長は余裕だったのか。」
「だが、そうも言ってられないだろう。鍵は俺の手の中だ。それが分かれば
奴は全力で俺を抑えに来るだろう。」
「おい、仙堂。アレ持って行かれるのは流石にマズイだろ。早くやっちまおう!」
「待ってくれ!確かに彼を捕まえたいのは山々だが・・・。」
3人では不可能だ。
曲がりなりにも、大人6人が一斉に襲い掛かっても傷一つ付いている様子が無い。
それに、先ほどの体裁き・・・武術の心得がある彼を素人がどうこう出来る物でもない。
俺は知っている。
段一つ違うだけで、その相手がとてつもない化物に変わる事を。
だからこそ、迂闊に手が出せない相手なのだ。
「時間稼ぎなら付き合うつもりはない。道を開けてくれないか?」
「待て!どうしてそこまでする。政府に従っていれば、こんな事には・・・。」
「お前ら、政府が本当に俺達の事を自由にすると思っているのか?」
「何?」
「アレだけの事が分かって・・・かつ、俺達まで地球に棄てられる予定で。
・・・それを知って、連中が黙ってるとでも?」
「だが、政府連中は俺達のノア帰還を約束してくれた・・・。」
「従わせるための茶番だ。いずれは口封じに消されるのがオチだ。今までの船団の様に。」
「・・・。」
「宇宙船は俺達が抑えた。そして、最後の肝であるマスターキーも今や俺の手の内。
・・・どちらに付くべきかは明白だよな?」
「・・・分かった。連れて行ってくれ。」
「おい!仙堂!本気か!?」
「てめぇ、堂々と裏切るつもりかよ!」
「二人とも!落ち着け。この状況下、君らがマスターキーを奪い返せるなら俺は思い止まろう。」
「な・・・!」
「でも、無理だろう!?彼に勝てるか?え!あの鬼のような強さに!」
「・・・。」
「黙って一緒に来るならそれでいいけど、そうじゃないなら・・・ここを通してもらうからね。」
「・・・勝手にしろ。」
「という事だ。案内してくれるね?茨 虹色。」
「寄り道する。付いてこい。」
新たな仲間が加わり、俺は歩調を強めた。
やっとたどり着いた。
数分間、室内を荒らしまわった結果、ようやく見つけたマスターキー。
これで、やるべき事の半分は終わった。
しかし、此処から一歩外に出れば、また俺は襲われる。
一人、二人程度であれば問題ないが、残っている百人以上の刺客を一々相手にするのは
骨が折れるというものだ。
でも、歩を緩めるわけにはいかない。
扉に手をかけ、廊下へ身を出し周囲を伺う。
「左・・・異常なし。右・・・。」
首を右に向け直ぐに映り込んだ3人組。
先ほど、戦意を見せなかった3人だ。
「さっきは見逃したが・・・通す訳にも行かぬと出張ってきたか?臆病者。」
「何だと!てめぇ!!」
「止めろ!さっきの男と同じになるぞ!」
リーダー格の男を挑発したつもりであったが、後ろの男が反応をした。
武器を手に持ち、血気盛んと言う所か簡単に噛みついてきそうな男だ。
だが、リーダー格の男は、それすらも抑え距離を保った。
「俺は仙堂。・・・仙堂 衛だ。茨 虹色で間違いないか?」
「・・・。」
「なぜ校長室なんか目指した?そのまま逃げれば良かっただろう。」
「逃げた先が袋小路でもか?」
「は?」
「これが見えるか。これは宇宙船のマスターキーだ。これが無ければ船は動かん。」
「そ、そうか。だからリーダー長は余裕だったのか。」
「だが、そうも言ってられないだろう。鍵は俺の手の中だ。それが分かれば
奴は全力で俺を抑えに来るだろう。」
「おい、仙堂。アレ持って行かれるのは流石にマズイだろ。早くやっちまおう!」
「待ってくれ!確かに彼を捕まえたいのは山々だが・・・。」
3人では不可能だ。
曲がりなりにも、大人6人が一斉に襲い掛かっても傷一つ付いている様子が無い。
それに、先ほどの体裁き・・・武術の心得がある彼を素人がどうこう出来る物でもない。
俺は知っている。
段一つ違うだけで、その相手がとてつもない化物に変わる事を。
だからこそ、迂闊に手が出せない相手なのだ。
「時間稼ぎなら付き合うつもりはない。道を開けてくれないか?」
「待て!どうしてそこまでする。政府に従っていれば、こんな事には・・・。」
「お前ら、政府が本当に俺達の事を自由にすると思っているのか?」
「何?」
「アレだけの事が分かって・・・かつ、俺達まで地球に棄てられる予定で。
・・・それを知って、連中が黙ってるとでも?」
「だが、政府連中は俺達のノア帰還を約束してくれた・・・。」
「従わせるための茶番だ。いずれは口封じに消されるのがオチだ。今までの船団の様に。」
「・・・。」
「宇宙船は俺達が抑えた。そして、最後の肝であるマスターキーも今や俺の手の内。
・・・どちらに付くべきかは明白だよな?」
「・・・分かった。連れて行ってくれ。」
「おい!仙堂!本気か!?」
「てめぇ、堂々と裏切るつもりかよ!」
「二人とも!落ち着け。この状況下、君らがマスターキーを奪い返せるなら俺は思い止まろう。」
「な・・・!」
「でも、無理だろう!?彼に勝てるか?え!あの鬼のような強さに!」
「・・・。」
「黙って一緒に来るならそれでいいけど、そうじゃないなら・・・ここを通してもらうからね。」
「・・・勝手にしろ。」
「という事だ。案内してくれるね?茨 虹色。」
「寄り道する。付いてこい。」
新たな仲間が加わり、俺は歩調を強めた。
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