if you wanna... ~君が願うなら~

メカ

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「貴様!こんな時に何の冗談だ!爆薬だとぉ!ふざけるのもいい加減にしろ!」

「五月蠅いよ!自分の保守しか考えない無能どもが!黙って座っとけ!」

「それで、時間を稼いだ後、君はどうするのだ?茨君。」

「そ、それは・・・。」

俺の作った計画は、会議室での会話を校内放送し、善意あるクルーを脱がす事にあった。
其処に、俺の身の安全や保障など存在していなかったのだ。

「我々の中に、他にも裏切者が居るかもしれないのは分かった。だが、頼みのたった一人の容疑者も
口を割る事無く沈黙だ。どうする気なんだい?」

「・・・疑わしきには死んでもらいます!」

「考えが偏りすぎだよ。最近の若い子は・・・。すぐに暴力に訴える。」

「に、虹色君!後ろ!」

「ん?」

次の瞬間、視界は黒く重い物に変わった。
音を立てず入って来た何者かに背後を取られていた様だ。
再び、目覚めた時
俺は、後頭部の痛みと動かない四肢に気を取られていた。

「・・・やられた・・・。」

こうなっては作戦その物が怪しい物だ。
ガムテープで後ろ手に縛られ、足も拘束されていた。
ここは見るからに、体育館内にある放送室の様だ。
使えそうなものなど何もなく、ただ無意味に時間が過ぎた。
数時間後、ボロボロになった源生が俺と同様に手足を拘束され、監禁された。

「ひ、ひっどい事するわ、ホンマに、いててて。」

「源生さん」

「お互い大変な事になったなぁ。」

「そんな、呑気な・・。」

「分かっとる。連中、もっと酷い事始めようと躍起になっとるさかいな。」

「え・・・?」

「ほかの裏切りモンが誰か、分からんからって、逃げた連中の生け捕り作戦を考えよった。」

「なんだって!」

「しかも、多く捉えた奴が仲間だとかいうふざけた文言付きだな。」

「何とかしないと・・・。」

「今だから言うんやけどな・・・。他の裏切者が何人いるか、ワシ知らんねん。」

「どういう事ですか。」

「ワシのげた箱の中に、指示書みたいな紙がおかれてたんや。」

「・・・。」

「その指示書は、まいど筆跡が違ったが、一人は確実に分かったんや。」

「誰なんですか?」

「リーダー長や。黒板に議題を書いちょる字がそっくりやってん。」

「やっぱり・・・。」

「分かっとったんかいな。」

「さっき、会議室で揉めてた時にね。何となくそうじゃないかなぁ。と。」

「指示書は全部で5枚、つまりリーダー長を除いて他に4人おる事になる。」

「なるほど、議場の3分の1が八百長か。そりゃ多数決も強いわなぁ。」

「っと、話し込んでる場合とちゃうやろう。この先どうするんよ、虹色君。」

「まぁ、今は待ちます。いずれ逆襲の目が出来ますよ。それまでは大人しくしておきましょう。」

「偉く呑気やなぁ・・・そんなんで大丈夫なんか・・・。まぁ、君がそれで良いなら何も言わんよ。」
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