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広域展開
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朝一番での会議にて
幾つかの決定事項が生まれた。
一つ、複数の班で広域探索を行う事。
一つ、校門・裏門の近くにテントなどを設置し一つの班で二つの門を見張る事。
一つ、新たな気象観測班の設立。
一つ、校庭の活用法として農場を作る事。
俺達の班は、広域探索の一部に編入された。
「正春。」
「どうした?」
「あのオッサン、どうした?」
「オッサン?」
「え~っと・・・清水さん?」
「あぁ、新しい班編成の時、違う班に編入になってたな。編入先でリーダーになったってさ。」
「へ~。」
「さ、行くぞ。なるべく広い範囲見たいから。」
「見た所で・・・とも思うがな。」
「それは言わないお約束。」
事実、仲間内でさえ情報交換が中途半端な今
外から新たな情報を仕入れてもそれを捌けるだけのブレインも準備されていない。
約300人が何かを決定するにはそれ相応の時間がかかる物だ。
「虹色、アレ!」
「ん?」
目の前に現れたのはその昔「コンビニ」と呼ばれていた建物だろう。
勿論、中は荒れている。
使えそうなものはないかと試しに入ったが、直ぐにどうこう出来る物はない。
しかし、空になったレジなどの機材は、バラせば色んな用途もあるだろう。
「皆、電子機械とか、そういった物をメインに持ち帰ろう。学校では手に入らない物とかね。」
「うい~っす。」
「それから20人総出でこれ以上コンビニを荒らしても仕方ない。4組に分かれて探索。
各組必ず一人は見張りを立てて。12時にこのコンビニに集合!」
こうして、俺達の探索班は方々に散り、使える資材集めを開始。
ここに来て初めて気付いたが、班の中には女性も居て
そして、何の因果か、俺と正春と組んだ3人の内の2人は
赤い雨の存在をいち早く知らせに戻った2人の女性だ。
『木島 沙耶』
見た目から推察するに元水商売経験者か、派手な出立である。
強気そうな面持ちから、男は寄り付きそうにない。所謂姉御肌か。
肩までの金髪にかなりの日焼け具合だ。
『大野 恵』
木島とは対照的で「The OL」という風貌。
此方も負けず劣らずの強気な感じか。
背筋から王道を生きてきた感が溢れている。
そして、最後の一人
『小島 則吉」
ボサボサの髪の毛、季節感を感じないネルシャツ
みるからにオタクである。
が、此処に居るという事はやはり、何かのエリートなのだろう。
そんな事を考えていると、木島が寄って来た。
「あのさぁ、リーダー?」
「何ですか?」
「変だと思わない?」
「何が・・・?」
「昨日はあんなにゾンビがうじゃうじゃ~っていたのにぃ、今一人も見てないよ?」
鋭い。
今朝から一体もゾンビを見ていない。
その事を疑問に思えるだけ直感が優れてはいるようだ。
「ここがこんなに静かなんだ・・・ほかの班ももしかすると安全に・・・?」
「妙だよねぇ?昨日はあんなに居たのにさぁ。」
「まぁ、安全ならそれに越した事は無いですから・・・。」
もうじき、12時になる。
最集合したあとは、学校に帰還し
成果を報告して一日は終わるであろう。
こんな平和であるならば、調査も順調に進むのだが・・・。
幾つかの決定事項が生まれた。
一つ、複数の班で広域探索を行う事。
一つ、校門・裏門の近くにテントなどを設置し一つの班で二つの門を見張る事。
一つ、新たな気象観測班の設立。
一つ、校庭の活用法として農場を作る事。
俺達の班は、広域探索の一部に編入された。
「正春。」
「どうした?」
「あのオッサン、どうした?」
「オッサン?」
「え~っと・・・清水さん?」
「あぁ、新しい班編成の時、違う班に編入になってたな。編入先でリーダーになったってさ。」
「へ~。」
「さ、行くぞ。なるべく広い範囲見たいから。」
「見た所で・・・とも思うがな。」
「それは言わないお約束。」
事実、仲間内でさえ情報交換が中途半端な今
外から新たな情報を仕入れてもそれを捌けるだけのブレインも準備されていない。
約300人が何かを決定するにはそれ相応の時間がかかる物だ。
「虹色、アレ!」
「ん?」
目の前に現れたのはその昔「コンビニ」と呼ばれていた建物だろう。
勿論、中は荒れている。
使えそうなものはないかと試しに入ったが、直ぐにどうこう出来る物はない。
しかし、空になったレジなどの機材は、バラせば色んな用途もあるだろう。
「皆、電子機械とか、そういった物をメインに持ち帰ろう。学校では手に入らない物とかね。」
「うい~っす。」
「それから20人総出でこれ以上コンビニを荒らしても仕方ない。4組に分かれて探索。
各組必ず一人は見張りを立てて。12時にこのコンビニに集合!」
こうして、俺達の探索班は方々に散り、使える資材集めを開始。
ここに来て初めて気付いたが、班の中には女性も居て
そして、何の因果か、俺と正春と組んだ3人の内の2人は
赤い雨の存在をいち早く知らせに戻った2人の女性だ。
『木島 沙耶』
見た目から推察するに元水商売経験者か、派手な出立である。
強気そうな面持ちから、男は寄り付きそうにない。所謂姉御肌か。
肩までの金髪にかなりの日焼け具合だ。
『大野 恵』
木島とは対照的で「The OL」という風貌。
此方も負けず劣らずの強気な感じか。
背筋から王道を生きてきた感が溢れている。
そして、最後の一人
『小島 則吉」
ボサボサの髪の毛、季節感を感じないネルシャツ
みるからにオタクである。
が、此処に居るという事はやはり、何かのエリートなのだろう。
そんな事を考えていると、木島が寄って来た。
「あのさぁ、リーダー?」
「何ですか?」
「変だと思わない?」
「何が・・・?」
「昨日はあんなにゾンビがうじゃうじゃ~っていたのにぃ、今一人も見てないよ?」
鋭い。
今朝から一体もゾンビを見ていない。
その事を疑問に思えるだけ直感が優れてはいるようだ。
「ここがこんなに静かなんだ・・・ほかの班ももしかすると安全に・・・?」
「妙だよねぇ?昨日はあんなに居たのにさぁ。」
「まぁ、安全ならそれに越した事は無いですから・・・。」
もうじき、12時になる。
最集合したあとは、学校に帰還し
成果を報告して一日は終わるであろう。
こんな平和であるならば、調査も順調に進むのだが・・・。
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