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戦慄
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「皆ぁ!大変やでぇ!」
教室に勢い良く走り込んできたのは清水さんだ。
「校門の外に・・・ゾ、ゾンビの群れが来とる!」
「あれ、全部そうなのか・・・。」
「やばいで・・・やばいでぇ!」
「清水さん、リーダー達は?」
「まだ、赤い雨の対策の協議中やがな!」
この時点で、状況はかなり詰んだ。今、体育館へ向かっている余裕はない。
しかし、このまま歩く死体に此処を蹂躙される訳にもいかない。
「と、とにかく・・・清水さん。点呼を取って。それと清水さんの一存で14人選抜して各班へ伝達を。教室から出ないように出入口を固めさせてください!」
「よ、よっしゃ。任しとき。」
「正春!」
「おう。」
「二班のどっかに、新ケ谷 亮太って足の速いスプリンター並みの男が居る。そいつを昇降口まで呼んできてくれ。」
「新ケ谷・・・だな。分かった!」
「急いで!」
「おい、あんちゃん達!どこ行くんや!戻れ!危ないぞ!!」
勝算などない。考えもない。でも勝手に動いてた。
教室のロッカーからモップを取り出し、それを片手に走っていた。
昔からそうだった・・・。
追い込まれた時ほど、楽しくて全力で取り組んで。
意外と何とかなっちまう。出来ちまう。
昇降口の扉の前に到着し、取っ手部分にモップを差し込み、簡単な閂状態にした。
これで少しはマシなロックになった。
だが、問題は此処からだ。
防波堤を作った。は良い。しかし、問題のゾンビはまだ黄門の外。
校門の内側に入れてしまったら、手遅れになる。
体育館と校舎は繋がっておらず、昇降口か裏口を通って行くしかない。
現状、体育館に居る連中はこの状況に気付いておらず、呑気に外に出た所を一網打尽などは
目も当てられない惨劇となる。そうなる前に、何とか校門の守りを固めたい。
「虹色!」
「正春?」
「連れて来たぞ。新ケ谷さん。」
「・・・よし、この勝負。俺の勝ちだ。」
「さっきの・・・。また何か事件かい?」
「詳しく説明してる時間はない。だから良く聞いてほしい。」
「うん。」
「俺と新ケ谷さんで、校門を抑えに行く。その間に正春は体育館組の連中を裏の倉庫へ連れていけ。」
「倉庫?」
「校門前でバリケードを組む為の道具を運ばせるんだ。」
「なるほど。」
「体育館連中が動き出したら、お前は此処の守りに着く。」
「え?」
「間に合わなかった場合、昇降口を最後の砦にする。撤退する俺らを中に入れてバリを組む!」
「急げよ?正春。お前の行動の速さが俺達の命に直結する。」
「・・・おう。」
「よーーい、どん!」
この時の俺は、ゾンビ襲撃の事で頭がいっぱいであり
後に気付く違和感になぜもっと早く気付けなかったのかと
後悔を覚えた。
そうすれば、あんな事にはならなかったのに。
教室に勢い良く走り込んできたのは清水さんだ。
「校門の外に・・・ゾ、ゾンビの群れが来とる!」
「あれ、全部そうなのか・・・。」
「やばいで・・・やばいでぇ!」
「清水さん、リーダー達は?」
「まだ、赤い雨の対策の協議中やがな!」
この時点で、状況はかなり詰んだ。今、体育館へ向かっている余裕はない。
しかし、このまま歩く死体に此処を蹂躙される訳にもいかない。
「と、とにかく・・・清水さん。点呼を取って。それと清水さんの一存で14人選抜して各班へ伝達を。教室から出ないように出入口を固めさせてください!」
「よ、よっしゃ。任しとき。」
「正春!」
「おう。」
「二班のどっかに、新ケ谷 亮太って足の速いスプリンター並みの男が居る。そいつを昇降口まで呼んできてくれ。」
「新ケ谷・・・だな。分かった!」
「急いで!」
「おい、あんちゃん達!どこ行くんや!戻れ!危ないぞ!!」
勝算などない。考えもない。でも勝手に動いてた。
教室のロッカーからモップを取り出し、それを片手に走っていた。
昔からそうだった・・・。
追い込まれた時ほど、楽しくて全力で取り組んで。
意外と何とかなっちまう。出来ちまう。
昇降口の扉の前に到着し、取っ手部分にモップを差し込み、簡単な閂状態にした。
これで少しはマシなロックになった。
だが、問題は此処からだ。
防波堤を作った。は良い。しかし、問題のゾンビはまだ黄門の外。
校門の内側に入れてしまったら、手遅れになる。
体育館と校舎は繋がっておらず、昇降口か裏口を通って行くしかない。
現状、体育館に居る連中はこの状況に気付いておらず、呑気に外に出た所を一網打尽などは
目も当てられない惨劇となる。そうなる前に、何とか校門の守りを固めたい。
「虹色!」
「正春?」
「連れて来たぞ。新ケ谷さん。」
「・・・よし、この勝負。俺の勝ちだ。」
「さっきの・・・。また何か事件かい?」
「詳しく説明してる時間はない。だから良く聞いてほしい。」
「うん。」
「俺と新ケ谷さんで、校門を抑えに行く。その間に正春は体育館組の連中を裏の倉庫へ連れていけ。」
「倉庫?」
「校門前でバリケードを組む為の道具を運ばせるんだ。」
「なるほど。」
「体育館連中が動き出したら、お前は此処の守りに着く。」
「え?」
「間に合わなかった場合、昇降口を最後の砦にする。撤退する俺らを中に入れてバリを組む!」
「急げよ?正春。お前の行動の速さが俺達の命に直結する。」
「・・・おう。」
「よーーい、どん!」
この時の俺は、ゾンビ襲撃の事で頭がいっぱいであり
後に気付く違和感になぜもっと早く気付けなかったのかと
後悔を覚えた。
そうすれば、あんな事にはならなかったのに。
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