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征伐部隊

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「陛下!第一王女のジュナ様が今、お戻りになられました!」

「そうか!無事か!?」

「はい。ご無事です!」

「直ぐに顔を出すよう伝えるのだ!」

「承知しました!!」

王宮では、波乱の嵐だ。
晩餐会に出席した一部の参列者だ襲われたとなれば、王国ぐるみでの謀を疑われる。
しかも、襲われた面々の中には国に帰り着いた者も居らず、潔白を完全に証明できない。
臣下の者が慌ただしく蠢いている。

「国王様、お呼びに応じ参じました。ジュナです。」

「入れ。・・・ん?ブレアはどうしたのだ。」

「ソレが・・・。」

ジュナは一連の出来事を国王に漏れなく話す。
すると国王は立ち上がった。

「なにぃ!ジャイアントオーガにインプの襲撃だと!なぜ、このような人里に!
マルタン!マルタンは居らんか!?」

「国王、マルタンはここに。」

「急ぎ、ジャンセに征伐部隊を編成させよ!それと、ロード・カステロにこの事を報告し
魔物を放ったものを探らせよ!」

「承知しました。国王。」

「ジュナ、其方はとんぼ返りした身ゆえ疲れも溜まっている事だろう。下がって休みなさい。」

「国王。ブレアは・・・生きて戻るでしょうか?」

「そのための征伐部隊である。心配は無用だ。」

・・・・・。

「何!?姉上の一団が魔物に襲われただと!?それは本当か!じぃ!」

「はい、国王の命です。坊ちゃま、征伐軍を編成し、魔物の掃討を・・・。」

「当然だ!私の愛するこの国に魔物など、一匹たりとも招いてなるものか!支度をする!」

「マルタンめはカステロ卿にもお話がございますのでこれにて・・・。」

「グラムズ!貴様の判断で構わん。手練れを集め戦の準備をさせよ!」

「っは!・・・坊ちゃま、勇ましくなられましたな。」

「こんな一大事に・・・早く行け!」

「失礼。すぐに招集を掛けます!」

伝達が回り、20分。
征伐部隊は城門前に整列し、部隊長であるジャンセの号令を待つ。
その数、100名。
少数の魔物に対して、これ以上ない物量差である。

「皆の者!聞け!報告によれば、アムス草原に現れた魔物はインプ。その数凡そ30。
そして、さらにその先。アムスの坂において、ジャイアントオーガが1匹確認されている!
どちらも、この戦力でかかれば恐れる事は無い小さな障害だ!
それ故に!兵士たる諸君がこの小競り合いで傷付き倒れたとあっては国の笑いものである!
良いか!アムネリスの恥さらしにはなるな!」

「開門!」

「総員!出撃だぁ!」

「ジャンセ様に続けぇ!」

征伐部隊、進撃の狼煙が上がる・・・。
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