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43話 聴取1
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今日は昨日カイン様に言われた通り午後の予定を空け、昼休みにクリスと落ち合うと、ウィルの案内でサイモン様と話す為に生徒会室へ移動した。
生徒会室に着くとカイン様とアルヴィン様が居たのだが、アルヴィン様は私と目が合うと口の前に人差し指を立て、カイン様もアルヴィン様が居ないかの様に振る舞うので、これはアルヴィン様が昨日言ってた私やヴィンス先生、カイン様にしか見えない状態なのかなと思い、カイン様にのみ挨拶をした。
ウィルもクリスもカイン様にのみ話しかけたので、やはりアルヴィン様は見えていないらしい。
カイン様に勧められ、カイン様と机を挟んで対面になるソファ席に私とクリスは座った、ちなみにアルヴィン様は斜め前の1人用ソファに足を組んで座っている。
「マリアンヌ、そしてクリスティーナ嬢、今日は時間を作ってくれてありがとう」
「いえ、それでカイン様サイモン様のご様子はどんな感じですか?」
「サイモンとは午前中に男子寮の方で少し話をしたんだけど、うん、まぁ普通だったよ、君達と話をするかどうか聞いたら、是非ともお願いしたいと言ってたから、今セスが迎えに行ってる」
カイン様がそう言うと、部屋の扉がノックされセス様がサイモン様を連れてきた。
部屋に入ったサイモン様は明らかに憔悴しており、私とクリスを視界に入れると辛そうな表情で何か言おうとしたが、それはカイン様の「サイモン、話は座ってからにしてもらえるかな?」という言葉に遮られた。
サイモン様は「申し訳ございません、カイン殿下」と言うと、セス様に促されアルヴィン様と向かい合う1人用ソファに座り、セス様はそのままカイン様の後ろにウィルと共に控えた。
「それではまず、サイモンがマリアンヌとクリスティーナ嬢に謝罪したいらしいから、聞いてあげて」とカイン様が言うとサイモン様が「マリアンヌ嬢、そしてクリス、君達2人に僕は本当に申し訳ない事をしたと思っています、すみませんでした」と頭を下げてきた。
「サイモン様、頭を上げて下さい、私はそこまで気にしてませんから、そんなに思い詰められると逆に困ってしまいますわ」
「しかしマリアンヌ嬢、僕は貴女にかなり酷い事を言ったと思うのですが」
「あら、そうだったかしらあまり覚えていませんわ」
「…ありがとう、ございます」
「サイモン、貴方に何があったの?もう、大丈夫なの?」
「クリス…君にも迷惑をかけたね、本当にごめん」
「元のサイモンに戻ったなら、私はそれでいいわ」
クリスの反応を見る限り、このサイモン様が本来の彼なのだろう、だとすると思考誘導のヤバさがよく分かる、今のサイモン様は、間違っても私を威嚇するような人には感じなかった。
「それじゃあサイモンそろそろ質問してもいいかな?」
「はい、カイン殿下」
「今の君が自分がおかしかったと感じているのはいつから?」
「入学した日の午後、クリスがマリアンヌ嬢に話しかけた時からです、アレは本来僕がクリスを止めるべきだったのですが、何故かクリスをマリアンヌ嬢から守らなければと思っていました」
「なるほどね、その気持ちはその日以降も変わらず?」
「いや、むしろ酷くなっていました、時間が経てば経つほどクリスへの束縛とマリアンヌ嬢への敵対心が止まらなくなっていて、あの日あそこで止めてもらえて良かったと思ってます」
「原因に心当たりは?」
「残念ながら何も思いつきません、何故元に戻ったのかもまったく」
カイン様は「そうか…」と言うと少し考えてからクリスに話を振った。
「クリスティーナ嬢、君はどうだい?」
「え?は、はい!私ですか?」
「うん、君はいつからサイモンがおかしいと思ってた?」
「えっと、私は入学した日のお昼休みです、おかしいって程でもないんですけど違和感というか、いつもよりサイモンがお節介な気がするなぁって思いました」
「分かった、ありがとう、それとクリスティーナ嬢には悪いんだけど、込み入った話になるから席を外してもらって構わないかな?」
「はい大丈夫です、私はサイモンが以前のサイモンに戻るのか気になっていただけなので」
そうしてクリスが部屋を出ると、カイン様がサイモン様に「サイモン、これから話す内容に関して他言無用はもちろん、何も行動を起こさない事を約束してもらえるかな?」と聞いた。
「はい、お約束致します」
「ありがとう、ではまずティルステアからの留学生と面識は?」
「ティルステア聖国ですか?確か今、聖女様が在学中だとかいうのは知っていますが、お顔もお名前も存じ上げません」
「そうか、じゃあ入学した日の昼休みまでに、誰と話したか覚えてる?」
「あの日はバージルさんと寮父のジェフさん、あとは座席を教えて下さったアルベール殿下くらいでしょうか」
「女生徒とは本当に誰とも話してないかい?挨拶程度でも構わないよ」
カイン様がそう言うとサイモン様は「女生徒ですか?そうですね…」と暫く考え、何か思い当たったのか「あっ」と声を出した。
「あるんだね?」
「はい、入学式の日1人のご令嬢とぶつかってしまいましたので謝りました」
「何か話したかい?」
「いえ、ぶつかったのを見たのか、すぐにアルベール殿下に声をかけられたので」
「ぶつかったご令嬢が誰だったかは分かってる?」
「分かりますよ、アルベール殿下の婚約者のキャサリン様でしたから」
「…ぶつかったのがキャサリン嬢だというのはアルから聞いたのかい?」
「あ~…いえ、僕実はアルベール殿下とキャサリン様には数年前の王誕祭の時に会った事がありまして、その時大変ご迷惑をおかけしたので、次に会う事があれば謝ろうと思って覚えていたんです、残念ながらお2人共僕の事は覚えていなかったので謝りそびれたのですが」
サイモン様が言っているのはおそらく、数年前にあった第1章の出会いイベントでの事だろう、あの日クリスの飛ばされた帽子を追ったサイモン様は、それを拾ったアルベール殿下に帽子を返せと迫った挙句、護衛に取り押さえられたのだ、今回の件とちょっと状況が似てるななんて思っていると、サイモン様もそう思ったのか「あの日勘違いで感情的に行動してしまったせいで、色んな人に迷惑をかけたので、そんな事は2度としないと誓ったのですが、今回何故あんな行動をしたのか自分でも分かりません」と言っていた。
するとカイン様が「今回の件は何もなかったから、誰かが責任を取るような事は無いよ、だからサイモンも来週からは普通に登校してきてね」と言った。
「え!?ですがカイン殿下、僕がした事は事実で今まで通りというのはちょっと」
「ん~でも肝心のマリアンヌが覚えてないって言うし、ねぇマリアンヌ」
「そうですわね」
「マリアンヌ嬢…すみません」
「それじゃあ話を戻すよ、サイモンがキャサリン嬢とぶつかった時そばに居たのはアルだけだった?」
「あ、いえ、キャサリン様のご友人も居たと思います、ただその方の印象が薄くて、よく覚えていません」
カイン様はサイモン様の答えを聞くと「そう、うん分かった、今日はもう帰っていいよ、ありがとう」と言ってセス様に送らせようとしたので、私はその前に1つだけ尋ねた。
「サイモン様」
「はい、何でしょうか」
「あの、クリスとは今後どうされるおつもりですか?」
「そうですね、クリスから僕に近付かない限り、僕から彼女に何かする事はもう無いと思います」
「そうですか」
「あの時の僕のせいで勘違いされてるといけないので一応言っておきますが、実は僕クリスとは仲良くしないよう両親に言われ続けていたんです、なのでクリスの事は元々諦めるつもりだったんですよ」
「え?」
「この事はクリスもバージルさんも知らないので黙っていて下さると助かります」
サイモン様はそう言うと、セス様と一緒に部屋を後にした。
生徒会室に着くとカイン様とアルヴィン様が居たのだが、アルヴィン様は私と目が合うと口の前に人差し指を立て、カイン様もアルヴィン様が居ないかの様に振る舞うので、これはアルヴィン様が昨日言ってた私やヴィンス先生、カイン様にしか見えない状態なのかなと思い、カイン様にのみ挨拶をした。
ウィルもクリスもカイン様にのみ話しかけたので、やはりアルヴィン様は見えていないらしい。
カイン様に勧められ、カイン様と机を挟んで対面になるソファ席に私とクリスは座った、ちなみにアルヴィン様は斜め前の1人用ソファに足を組んで座っている。
「マリアンヌ、そしてクリスティーナ嬢、今日は時間を作ってくれてありがとう」
「いえ、それでカイン様サイモン様のご様子はどんな感じですか?」
「サイモンとは午前中に男子寮の方で少し話をしたんだけど、うん、まぁ普通だったよ、君達と話をするかどうか聞いたら、是非ともお願いしたいと言ってたから、今セスが迎えに行ってる」
カイン様がそう言うと、部屋の扉がノックされセス様がサイモン様を連れてきた。
部屋に入ったサイモン様は明らかに憔悴しており、私とクリスを視界に入れると辛そうな表情で何か言おうとしたが、それはカイン様の「サイモン、話は座ってからにしてもらえるかな?」という言葉に遮られた。
サイモン様は「申し訳ございません、カイン殿下」と言うと、セス様に促されアルヴィン様と向かい合う1人用ソファに座り、セス様はそのままカイン様の後ろにウィルと共に控えた。
「それではまず、サイモンがマリアンヌとクリスティーナ嬢に謝罪したいらしいから、聞いてあげて」とカイン様が言うとサイモン様が「マリアンヌ嬢、そしてクリス、君達2人に僕は本当に申し訳ない事をしたと思っています、すみませんでした」と頭を下げてきた。
「サイモン様、頭を上げて下さい、私はそこまで気にしてませんから、そんなに思い詰められると逆に困ってしまいますわ」
「しかしマリアンヌ嬢、僕は貴女にかなり酷い事を言ったと思うのですが」
「あら、そうだったかしらあまり覚えていませんわ」
「…ありがとう、ございます」
「サイモン、貴方に何があったの?もう、大丈夫なの?」
「クリス…君にも迷惑をかけたね、本当にごめん」
「元のサイモンに戻ったなら、私はそれでいいわ」
クリスの反応を見る限り、このサイモン様が本来の彼なのだろう、だとすると思考誘導のヤバさがよく分かる、今のサイモン様は、間違っても私を威嚇するような人には感じなかった。
「それじゃあサイモンそろそろ質問してもいいかな?」
「はい、カイン殿下」
「今の君が自分がおかしかったと感じているのはいつから?」
「入学した日の午後、クリスがマリアンヌ嬢に話しかけた時からです、アレは本来僕がクリスを止めるべきだったのですが、何故かクリスをマリアンヌ嬢から守らなければと思っていました」
「なるほどね、その気持ちはその日以降も変わらず?」
「いや、むしろ酷くなっていました、時間が経てば経つほどクリスへの束縛とマリアンヌ嬢への敵対心が止まらなくなっていて、あの日あそこで止めてもらえて良かったと思ってます」
「原因に心当たりは?」
「残念ながら何も思いつきません、何故元に戻ったのかもまったく」
カイン様は「そうか…」と言うと少し考えてからクリスに話を振った。
「クリスティーナ嬢、君はどうだい?」
「え?は、はい!私ですか?」
「うん、君はいつからサイモンがおかしいと思ってた?」
「えっと、私は入学した日のお昼休みです、おかしいって程でもないんですけど違和感というか、いつもよりサイモンがお節介な気がするなぁって思いました」
「分かった、ありがとう、それとクリスティーナ嬢には悪いんだけど、込み入った話になるから席を外してもらって構わないかな?」
「はい大丈夫です、私はサイモンが以前のサイモンに戻るのか気になっていただけなので」
そうしてクリスが部屋を出ると、カイン様がサイモン様に「サイモン、これから話す内容に関して他言無用はもちろん、何も行動を起こさない事を約束してもらえるかな?」と聞いた。
「はい、お約束致します」
「ありがとう、ではまずティルステアからの留学生と面識は?」
「ティルステア聖国ですか?確か今、聖女様が在学中だとかいうのは知っていますが、お顔もお名前も存じ上げません」
「そうか、じゃあ入学した日の昼休みまでに、誰と話したか覚えてる?」
「あの日はバージルさんと寮父のジェフさん、あとは座席を教えて下さったアルベール殿下くらいでしょうか」
「女生徒とは本当に誰とも話してないかい?挨拶程度でも構わないよ」
カイン様がそう言うとサイモン様は「女生徒ですか?そうですね…」と暫く考え、何か思い当たったのか「あっ」と声を出した。
「あるんだね?」
「はい、入学式の日1人のご令嬢とぶつかってしまいましたので謝りました」
「何か話したかい?」
「いえ、ぶつかったのを見たのか、すぐにアルベール殿下に声をかけられたので」
「ぶつかったご令嬢が誰だったかは分かってる?」
「分かりますよ、アルベール殿下の婚約者のキャサリン様でしたから」
「…ぶつかったのがキャサリン嬢だというのはアルから聞いたのかい?」
「あ~…いえ、僕実はアルベール殿下とキャサリン様には数年前の王誕祭の時に会った事がありまして、その時大変ご迷惑をおかけしたので、次に会う事があれば謝ろうと思って覚えていたんです、残念ながらお2人共僕の事は覚えていなかったので謝りそびれたのですが」
サイモン様が言っているのはおそらく、数年前にあった第1章の出会いイベントでの事だろう、あの日クリスの飛ばされた帽子を追ったサイモン様は、それを拾ったアルベール殿下に帽子を返せと迫った挙句、護衛に取り押さえられたのだ、今回の件とちょっと状況が似てるななんて思っていると、サイモン様もそう思ったのか「あの日勘違いで感情的に行動してしまったせいで、色んな人に迷惑をかけたので、そんな事は2度としないと誓ったのですが、今回何故あんな行動をしたのか自分でも分かりません」と言っていた。
するとカイン様が「今回の件は何もなかったから、誰かが責任を取るような事は無いよ、だからサイモンも来週からは普通に登校してきてね」と言った。
「え!?ですがカイン殿下、僕がした事は事実で今まで通りというのはちょっと」
「ん~でも肝心のマリアンヌが覚えてないって言うし、ねぇマリアンヌ」
「そうですわね」
「マリアンヌ嬢…すみません」
「それじゃあ話を戻すよ、サイモンがキャサリン嬢とぶつかった時そばに居たのはアルだけだった?」
「あ、いえ、キャサリン様のご友人も居たと思います、ただその方の印象が薄くて、よく覚えていません」
カイン様はサイモン様の答えを聞くと「そう、うん分かった、今日はもう帰っていいよ、ありがとう」と言ってセス様に送らせようとしたので、私はその前に1つだけ尋ねた。
「サイモン様」
「はい、何でしょうか」
「あの、クリスとは今後どうされるおつもりですか?」
「そうですね、クリスから僕に近付かない限り、僕から彼女に何かする事はもう無いと思います」
「そうですか」
「あの時の僕のせいで勘違いされてるといけないので一応言っておきますが、実は僕クリスとは仲良くしないよう両親に言われ続けていたんです、なのでクリスの事は元々諦めるつもりだったんですよ」
「え?」
「この事はクリスもバージルさんも知らないので黙っていて下さると助かります」
サイモン様はそう言うと、セス様と一緒に部屋を後にした。
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