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罪
いつもの朝。
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「もうこんな時間か。」
火曜日。時計の針が朝の七時を指していた。窓からは暖かくて眩しい日差しが差している。まだ体は気だるいが、起きなければ遅刻をしてしまう。
「学校行かなきゃ。」
私は、体を無理矢理起こしていつものように学校へ行く支度を始める。いつもと変わらぬ日常が始まる。朝食を食べ、洗顔をし、身支度を整える。そして、毎朝のニュース天気予報と占いのコーナーを見て、出発する。
「本日は、かに座の方が幸運の日でしょう。ラッキーアイテムは本です。」
別に占いなどあまり信じてはいないのだが、いざ自分の星座が幸運と呼ばれると信じてしまう。
「かに座の方は今日恋が実りやすいでしょう!」
私はかに座だ。
「あほらし。」
私はラッキーアイテムである本を鞄に入れて家を出た。
「秋、おはよ。」
「おはよう、美希。」
いつもと変わらぬ登校中、友人の美希と学校に向かう。何気ない会話は私の心を癒してくれる。
「来週テストだね。」
「だね。美希は彼氏と勉強するの?」
「そうだね、アイツ馬鹿だから私が教えてあげないと。」
「ラブラブだね。」
友人の美希はモテる。彼氏もいる。学校の人気者。幼い頃から仲が良かった。だから美希のことはいつもみてきた。男子が私に話しかけてくるのは大抵美希目的だ。
「秋は気になる人とかいないの。」
「秘密。」
「秋いつもそういう。ま、いずれ分かるでしょ。」
「なんでわかるの。」
「秋が可愛いから。」
可愛い。簡単な一言だが、私にはその一言が重くのしかかった。
「可愛いか・・・」
「あ、照れてる。」
「照れてない。」
何気ない会話をしてると学校についた。校門では生徒指導の先生が挨拶をしている。いつもと変わらぬ風景だ。
「あ、彼氏だ。」
目の前には美希の彼氏が歩いていた。
私は美希の彼氏をただただ見ていた。
「早く行きなよ。」
「たしかにそうだね。」
私は美希に彼氏の方へ行くように告げた。美希の頰は少し紅く染まっていた。
「じゃ、秋またね。」
「うん、またね。」
美希が小走りで前方を歩いていた彼氏の方へ向かっていった。その姿はとても可愛らしかった。
そう。美希は可愛いのだ。
だからいつも思ってしまう。
「可愛いなんて言わないでよ。」
言えない。
「もっと好きになっちゃうじゃん。」
私が好きなのは美希だなんて。
火曜日。時計の針が朝の七時を指していた。窓からは暖かくて眩しい日差しが差している。まだ体は気だるいが、起きなければ遅刻をしてしまう。
「学校行かなきゃ。」
私は、体を無理矢理起こしていつものように学校へ行く支度を始める。いつもと変わらぬ日常が始まる。朝食を食べ、洗顔をし、身支度を整える。そして、毎朝のニュース天気予報と占いのコーナーを見て、出発する。
「本日は、かに座の方が幸運の日でしょう。ラッキーアイテムは本です。」
別に占いなどあまり信じてはいないのだが、いざ自分の星座が幸運と呼ばれると信じてしまう。
「かに座の方は今日恋が実りやすいでしょう!」
私はかに座だ。
「あほらし。」
私はラッキーアイテムである本を鞄に入れて家を出た。
「秋、おはよ。」
「おはよう、美希。」
いつもと変わらぬ登校中、友人の美希と学校に向かう。何気ない会話は私の心を癒してくれる。
「来週テストだね。」
「だね。美希は彼氏と勉強するの?」
「そうだね、アイツ馬鹿だから私が教えてあげないと。」
「ラブラブだね。」
友人の美希はモテる。彼氏もいる。学校の人気者。幼い頃から仲が良かった。だから美希のことはいつもみてきた。男子が私に話しかけてくるのは大抵美希目的だ。
「秋は気になる人とかいないの。」
「秘密。」
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「なんでわかるの。」
「秋が可愛いから。」
可愛い。簡単な一言だが、私にはその一言が重くのしかかった。
「可愛いか・・・」
「あ、照れてる。」
「照れてない。」
何気ない会話をしてると学校についた。校門では生徒指導の先生が挨拶をしている。いつもと変わらぬ風景だ。
「あ、彼氏だ。」
目の前には美希の彼氏が歩いていた。
私は美希の彼氏をただただ見ていた。
「早く行きなよ。」
「たしかにそうだね。」
私は美希に彼氏の方へ行くように告げた。美希の頰は少し紅く染まっていた。
「じゃ、秋またね。」
「うん、またね。」
美希が小走りで前方を歩いていた彼氏の方へ向かっていった。その姿はとても可愛らしかった。
そう。美希は可愛いのだ。
だからいつも思ってしまう。
「可愛いなんて言わないでよ。」
言えない。
「もっと好きになっちゃうじゃん。」
私が好きなのは美希だなんて。
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