美醜逆転の異世界で騎士様たちに愛される

志季彩夜

文字の大きさ
上 下
147 / 184

子育ての意識

しおりを挟む

時間軸としては、小学校の一年生から五年生くらいまで。

五年生の男子がからかうのをそーくんれーくんでどうしたのか、を書きたかった…。


────────────

 「りあー」

 「どうしたの?そーくん」

 人目を憚らずに女の子に抱きついて、自身の頭をグリグリと肩に押し付けている男の子。男の子は女の子に対して好き好きオーラ全開で、女の子はそんな男の子に仕方ないなあという感じだ。女の子は将来が約束されし美少女だし、男の子もまた美少年だ。

 キタキタキタキターっ!!今日もありがとうございます!!

 はい、どうもこんにちは。私は、夏七&玲七を見守る会会員NO.5の転生モブです。

 そう、あれは、小学校の入学式の日のこと。

 クラスで担任の先生が名簿を読み上げて、元気よく返事をするピカピカの一年生達。

 『夏目颯真』

 知っているはずのない名前、なのに、聞いた途端漢字が浮かんだ。そして、私は前世の記憶を思い出した。彼は、テンプレ通りトラ転(トラックに轢かれて転生するの意。どうでもいいけど、トラックの運転手さん可哀想。風評被害甚だしい)した私の前世の推しだった人。もしかしたら、ただの同姓同名かもしれない。でも、彼はきっと私の推しだと確信があった。

 そして、恐る恐る彼の方を見る。


 淡い金色のふわふわとした髪に、意志の強そうなキリッとした眉、くりっくりの大きなおめめはブルーで少しタレ目気味、スっと通った鼻筋、きめ細かな白い肌。日本人には無い色なだけに、圧倒的存在感を持っているが、それには負けない整ったパーツが絶妙なバランスで配置されている。

 結論、圧倒的美形のイケショタでした。

 ふぉぉぉおおっ!!間違いない!推しだ!推しがショタだ!イケショタだ!羽根はないけど天使だ!かわいいよおぉぉぉっ!と、心の中で荒ぶったのは私です。お巡りさん!私です!だが、今世では私もロリだ!問題ないっ!キリッ。

 ――これは運命だ!

 私と推しの恋の物語が始まるかも!そう狂喜乱舞し、喜んだのもつかの間。

 推しの隣にいる、推しと並んでも遜色のない美幼女に目を奪われた。

 色素の薄い茶色のサラサラキューティクルの天使の輪ができている柔らかそうな髪に、金色にも見える琥珀色のくりっくりのアーモンドアイ、スっと通った鼻筋に、小さなお口は桜色、思わず頬ずりしたくなるようなすべすべのぷくぷくほっぺ、雪のように真っ白な色白の肌。

 はい、間違いなくこの子も天使です!

 は?何この子、可愛すぎん?大丈夫?ロリコンに襲われたりしない?推しと完璧な美ロリのこの子を守らなきゃ、と思った瞬間だった。

 この、推しの隣にいた可愛い天使は、『七海璃空』ちゃんというらしい。はぁ、可愛いねー。おばちゃん、なんでも買ってあげるよ?言ってごらん?お巡りさん、私です。

 母親ネットワークの情報によると、推しと七海さんは幼稚園が同じで、推しが七海さんにベッタリで、家もとても近いらしい。推しがカルガモの雛のように七海さんの後を追いかける様子を見た時は、全私が尊さに死んでしまうかと思った。ちなみに、七海さんのお母さんと推しのお母さんは、細胞レベルでうちのお母さん違うんじゃないかと疑うレベルでDNAの格差を思うくらいの美女でした。
 あぁ、七海さんが推しのヒロインなんだな、と納得だった。ただ、『君ラブ』はどうなるんだ、とは思ったものの、そこは『君ラブ』ヒロインが推し以外のルートに入ればいい。この可愛いカップルを推さずにはいられない。一般モブである私のシンデレラストーリーなんて始まるわけなかったのだ。

 もう、この二人を推していくしかない!

 そう思った。

 そして、約一年間、二人を見守り続け、思ったこと。

 りあちゃん、変態に遭遇しすぎじゃない!?
 あ、僭越ながら、クラスメイトとして、りあちゃんと呼ばせてもらってます。

 そう、りあちゃん。推しも遭遇しているようだが、りあちゃんの方がやばい。全校生徒の遭遇率全て引き受けているのでは、と思うくらいには、である。

 これ、どうするよ?
 一クラスメイトとして、考えるものの、思い浮かばない。


 そんな時、『君ラブ』の『夏目颯真』攻略時の、サポートキャラのサブキャラ、『日向玲弥』が転校してきた。『日向玲弥』は、サブキャラなのに、かなり人気の高いキャラ。それだけに、推し達と並んでも遜色のないイケショタっぷりである。

 日向くんは、推しに話しかけているが、無視されていた。そんな日向くんに笑顔で話しかけるりあちゃん、マジ天使。何そのふにゃってした笑顔、かわゆい。あ、これ日向くん落ちたな。その様子に、推しは不機嫌そうだ。お怒りだ。

 かと思えば、何か気づけば推しと日向くんは仲良くなってるし。え?どゆこと?何があった?

 どうやら、三人で登下校するようになったらしい。で、推しはりあちゃんを守るためか、空手を習いだしたらしい。え、道着姿見たい。


 そして、三年、四年と推し達とクラスが離れてしまった。悲しみ。辛み。

 五年生。五年生にもなると思春期に入り、男子達が、推しと日向くんとりあちゃんが一緒に登下校したり、手を繋いだり、距離感が近かったりすることをからかいだした。


しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

異世界の美醜と私の認識について

佐藤 ちな
恋愛
 ある日気づくと、美玲は異世界に落ちた。  そこまでならラノベなら良くある話だが、更にその世界は女性が少ない上に、美醜感覚が美玲とは激しく異なるという不思議な世界だった。  そんな世界で稀人として特別扱いされる醜女(この世界では超美人)の美玲と、咎人として忌み嫌われる醜男(美玲がいた世界では超美青年)のルークが出会う。  不遇の扱いを受けるルークを、幸せにしてあげたい!そして出来ることなら、私も幸せに!  美醜逆転・一妻多夫の異世界で、美玲の迷走が始まる。 * 話の展開に伴い、あらすじを変更させて頂きました。

美醜逆転異世界で、非モテなのに前向きな騎士様が素敵です

花野はる
恋愛
先祖返りで醜い容貌に生まれてしまったセドリック・ローランド、18歳は非モテの騎士副団長。 けれども曽祖父が同じ醜さでありながら、愛する人と幸せな一生を送ったと祖父から聞いて育ったセドリックは、顔を隠すことなく前向きに希望を持って生きている。けれどやはりこの世界の女性からは忌み嫌われ、中身を見ようとしてくれる人はいない。 そんな中、セドリックの元に異世界の稀人がやって来た!外見はこんなでも、中身で勝負し、専属護衛になりたいと頑張るセドリックだが……。 醜いイケメン騎士とぽっちゃり喪女のラブストーリーです。 多分短い話になると思われます。 サクサク読めるように、一話ずつを短めにしてみました。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人

花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。 そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。 森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。 孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。 初投稿です。よろしくお願いします。

異世界転生〜色いろあって世界最強!?〜

野の木
恋愛
気付いたら、見知らぬ場所に。 生まれ変わった?ここって異世界!? しかも家族全員美男美女…なのになんで私だけ黒髪黒眼平凡顔の前世の姿のままなの!? えっ、絶世の美女?黒は美人の証? いやいや、この世界の人って目悪いの? 前世の記憶を持ったまま異世界転生した主人公。 しかもそこは、色により全てが決まる世界だった!?

私は女神じゃありません!!〜この世界の美的感覚はおかしい〜

朝比奈
恋愛
年齢=彼氏いない歴な平凡かつ地味顔な私はある日突然美的感覚がおかしい異世界にトリップしてしまったようでして・・・。 (この世界で私はめっちゃ美人ってどゆこと??) これは主人公が美的感覚が違う世界で醜い男(私にとってイケメン)に恋に落ちる物語。 所々、意味が違うのに使っちゃってる言葉とかあれば教えて下さると幸いです。 暇つぶしにでも呼んでくれると嬉しいです。 ※休載中 (4月5日前後から投稿再開予定です)

公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています

六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった! 『推しのバッドエンドを阻止したい』 そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。 推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?! ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱ (外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)

処理中です...