美醜逆転の異世界で騎士様たちに愛される

志季彩夜

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汗が滴る中

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 家に続いていつの間にか屋内訓練場も出来上がっていた。
 裏だからあんまり見てなかった…。
 完成したと聞いてラグトさんとヴェルくんと一緒に見に行く。

「体育館だ!」

 見覚えのある外見に声を上げる。

「たいいくかん?」
「学校で運動する時に使う建物です」
「サキちゃん学校行ってたの!?」

 貴族以外は学校に行かないこの世界では、学校というものに馴染みの無い人がほとんどだ。
 そもそも授業の内容が違うかもしれないので、二人にはざっくりと説明した。

「じゃあサキちゃんも運動してたってこと?」
「勿論です!これでもバスケ部だったんですよ!」

 自慢げに言ったのだけれど二人はピンとこないという様子で首を傾げている。
 そっか、皆はバスケも何も知らないんだった。
 とりあえずと中に入ってみる。

「床も壁も木なんだね!」
「確かに木なら剣が刺さっても傷の心配は少ないですね」

 広さは多分普通の体育館の半分くらいかな。
 雨の日は十人ずつ交代で鍛錬が出来るそう。
 ついでに聞かれたので先程のバスケの説明もする。

「高いところに丸い輪っかのゴールがあって、そこにボールを投げ入れて点数を競うんです」
「簡単そうですね」
「ゴールとボールの大きさがほぼ同じだから、結構難しいよ!」

 まあゴールもボールも無いから出来ないんだけど…。
 私がそうこぼすと二人は顔を見合わせ私の手を取った。

「バスケやろう!」
「え?」
「必要なものは用意しますから!」

 勢いに押され何となくで頷いて、数日後。

「サキちゃん見て見て!」
「これって…!」

 訓練場の壁にカゴが取り付けられ、ヴェルくんの手にはちょうどいい大きさのボール。

「ちょうどいいカゴがあったから底くり抜いた!」
「ボールもサキさんの言っていた通り跳ねる物にしました」
「ラグトさん、ヴェルくん…ありがとう!」

 なんと優しい夫たちだろうか。感動して二人を抱きしめる。

「嬉しい~」
「本当!良かったー!」
「僕たちもサキさんと一緒にやりたいです」
「うん!やろう!」

 先日買ったTシャツの出番がようやく来た。半袖長ズボンに着替え髪は高めに結ぶ。久しぶりのスポーツスタイルだ。
 ちなみに黒騎士団でもTシャツが採用されることになりエバンさん協力の元準備が行われているらしい。
 凄い楽しみ!早く着てるとこ見たいな…。
 色々ルールはあるけれど大まかにして三人でなんちゃってバスケをすることになった。

「移動する時はずっとボールをついて、もし止まってしまったらそこから二歩しか歩けないんです」
「えっ、なにそれ」
「そういう時は味方にパスするんですけど、今回は人数がいないのでドリブルだけにしましょう」

 ドリブルから始まり数多の練習を乗り越えラグトさんとヴェルくんは素晴らしい成長を遂げた。

「覚えるの早過ぎない…?」
「楽しいからつい張り切っちゃった!」
「ボールってこんなに面白いんですね!」

 ウキウキな二人と早速試合を…といってもキリの悪い三人なのでどちらかのゴールに入れれば一点という適当ルールだ。

「いきますよ!」
「うん!」「はい!」

 私からボールは動きゴールを目指してドリブルを続ける。
 いや、流石騎士様は足速いんだよね…。
 あっという間に追いつかれラグトさんにボールが取られてしまった。そのまま投げてポンとゴールへ。

「やったー!」

 喜ぶラグトさんをヴェルくんが引っ張り何やらコソコソ話してる。

「ちょっと二人とも…手加減は駄目だからね」
「「!」」

 やっぱり…。
 最近やっていなかったとはいえ元バスケ部員のプライドはあるのだ。

「足は遅いかもだけど、技術では負けないんだから!」

 そして彼らにカッコいいところを見せたい!
 私の宣言に渋々ながらも納得したようで試合を再開した。
 ラグトさんが走り出して、私はすぐにボールを奪う。

「あっ!」

 追いつかれる前にシュート…。

「入った!」

 スリーポイント欲しいなーと思ってしまったが、まずは一点取れて絶好調だ。
 二人に向けて笑顔でVサインをした。

「凄いでしょ!」
「サキさん凄いです!」
「本当に一瞬で取られちゃったー…」

 ふふんと胸を張っていたのも少しの間で、今度はヴェルくんに取られてしまった。
 さっきの動き真似された!
 華麗にシュートを決めたヴェルくんは振り向き微笑む。

「負けた人に罰をあげるのはどうですか?」
「あげるって…貰っても嬉しくないし!」

 ラグトさんと共に苦い顔をしたが、断ったら自分が負けると言っているみたいでなんか嫌だ。

「ヴェルくんが負けてもちゃんと罰受けるんだよ!」
「勿論です」

 十分間の中で得点の奪い合いは続いた。
 結果ヴェルくんとラグトさんは同点で私だけ一点足りなかった。

「今のが入ってたら…」
「いや、サキちゃん本当凄かった!あんなに足速いって知らなかったし…」
「二人ともゆっくり走ってたじゃないですか…」
「ほんの少しだけですよ」

 ハンデを貰って負けたのだからやっぱり身体能力の差が大きすぎた…。

「はぁ…疲れたぁ…」

 床に座り込み荒い息を整える。

「俺も結構疲れた…でもめっちゃ楽しかったから毎日の鍛錬これがいい」
「体力もつきそうですね」

 しばらくして落ち着いた後、ヴェルくんが差し伸べてくれた手を取って立ち上がる。
 彼は手を握ったまま笑顔で言った。

「サキさんへの罰を決めないとですね」
「あ…」

 そういえばそうだった…。

「ラグトさん、どうしましょうか」
「えっ、罰…サキちゃんに罰はちょっと…」

 一応悩んでいるけど乗り気では無いようだ。

「じゃあ…」

 ヴェルくんは私を引き寄せ腰を抱いた。

「今日はそのまましましょうか」

 そのまま…この格好ってこと!?

「それって罰なの?」
「立派な罰ですよ、だって…」
「やだ!無理!すっごい汗かいてるから!」

 慌ててヴェルくんの腕から抜け出し、二人と距離を置く。

「ね?サキさんが嫌がることをしないと」
「鬼畜だなぁ…」

 逃げようとしたけどヴェルくんに捕まり抱えられた。

「ラグトさんはしなくても良いですよ」
「す、する!俺だって勝ったし!」

 ラグトさんも!?
 手足をジタバタしても降ろして貰えず、一直線に家へ連れて行かれた。

「そこ左に行って!」
「お風呂は後です」
「すぐ終わるからぁ!」
「それだと意味が無いでしょう」 

 嫌だ嫌だと言っている内に私の部屋に到着してしまった。
 ベッドに上がるとヴェルくんは後ろから抱きしめて私のTシャツをめくる。

「きゃっ!」
「これは…上から脱ぐんでしたね。腕上げてください」
「や…っ…!?」

 無理やりスポンと脱がされた。

「サキちゃん今日の下着可愛いね!」
「あ、ありがとうござ…誤魔化さないでください!」

 ラグトさんもなんだかんだ楽しんで…多分彼はえっち自体が嬉しいだけだろうけど、ショーツとズボンを纏めて脱がす。
 可愛いブラも取られ素っ裸になってしまった私の体はまだ汗ばんでいて触り心地も良くない事だろう。
 後ろに居るヴェルくんは私のお腹に手を回ししっかり固定しながら、首元にキスをした。

「ひぅっ…」
「高く結ぶとうなじが見えて良いですね」

 正面から私に近づいたラグトさんは唇を重ね胸を下から掬う。
 キスで首を辿りそこに着くと膨らみの先端を舌で舐めた。

「あっ…なめ…ちゃ…」

 髪は蒸れてるし胸は一番汗かいてるし、そんな所に顔を近づけられて舐められて、恥ずかしくて我慢出来なかった。

「う…やら…」
「サキちゃん!」

 ポロポロ泣き出した私を見てラグトさんは慌てる。

「ちょ、ヴェルストリア、もう駄目!終わり!」

 私からヴェルくんを離し遠ざけようとしたけれど、私の泣き顔を見て逆に嬉しそうにしたヴェルくんが自分の方へ引き寄せる。

「どうして嫌なんですか?」
「きれいにしないとやだぁ…げんめつされちゃう…」
「幻滅なんてしません。今の貴女はとても綺麗です」

 ラグトさんもそれについては思いっきり首を縦に振って同意する。

「いっぱい走って動いて、サキちゃんが頑張った証だよ。そう教えてくれたじゃん」
「…嫌いにならない…?」
「なりませんよ。それに僕たちも風呂に入ってないのは貴女なら嫌がらないと分かっているからです」

 ヴェルくんはシャツがはだけた自分の胸に私の顔を抱き寄せた。

「嫌いですか?」
「好き…」

 彼ら自身と汗の匂いが混じり、クラクラする程いい匂いがする。とても男らしくて官能的で。

「大好き…」

 首に手をかけ、その胸に口付けをする。

「ヴェルストリアに負けた…」
「ラグトさんは別に負けていないでしょう」
「俺だとサキちゃんを喜ばせることが出来ない…」
「そうですね」
「否定して欲しいんだけど!」

 ヴェルくんの首元でスンスンと匂いを堪能している私の背とお尻を撫で、彼は嬉しそうに呟く。

「可愛いサキさん…僕も貴女が大好きですよ」

 一度そのまま抱え上げられると、ヴェルくんの硬くなったものの上にゆっくり下ろされる。

「あ…んっ、ぴったり…」
「サキさんは正面向いたほうが好きですよね」
「すき…」

 私の中を埋めるアレが嬉しくてつい腰を揺らす。

「あぁ可愛い…偉いですね、もっと僕を欲しがって…」
「ヴェルくん…」

 言われるがまま彼を求めキスをし、されるがまま突かれる。

「サキちゃんがヴェルストリアに洗脳されてしまった…」
「人聞きの悪いことを言わないでください」

 ラグトさんが少しこちらに寄った時にフワッと彼の匂いがして、思わずそちらに惹かれる。

「ラグトさ…」

 後ろに居る彼に手を伸ばした私は挿入されたまま倒れそうになり、慌ててヴェルくんが背に手を回し体勢を保った。

「サキさん、危ないです…」
「どうしたの?手握る?」
「うん…」

 手を握ってもらうがそれでは足りずにグイグイ引っ張る私を見てヴェルくんはムッとしたらしく、私の顔を無理やり自分の方へ向ける。

「僕とラグトさん、どっちの匂いが好きなんですか」
「何その選択」

 ヴェルくんに迫られて私はぼんやりと答える。

「ヴェルくん…」
「えっ」
「ラグトさん…」
「…どっちですか…」

 ため息をついたヴェルくんは諦めたように私の中から抜いた。

「ラグトさん、寝てください」
「本当に何なのお前…」

 横になったラグトさんの上で私を四つん這いにさせヴェルくんは後ろからまた挿入した。

「あと少しだったのに…」

 言葉の意味は分からないが、また腰を打たれ始めてしまったので気にする余裕も無かった。

「あんっ、あ!」
「サキちゃんヤバい…」

 大きく揺れる胸を前にしてラグトさんは顔を赤くしそこに手を伸ばす…がその前に私の腕が力尽き、ぺたんと上半身が落ちる。

「だ、大丈夫?疲れたなら…」
「…らぐとさん、いいにおい…」
「!?」

 肩の筋肉を唇で噛みハムハムする私にラグトさんは体を硬直させた。

「か、かわぁ…」
「は、あ…らぐとさ…っ」
「う、うん!」
「きす…」
「あ、キスね!おいで」

 突きで揺らされる体をなんとか上に持ってきて、ラグトさんに抱きしめられながら優しいキスを貰う。

「んん…」
「気持ちい?」
「きもちい…っ、あっん」
「それは僕の言葉ですよね?何でラグトさんが聞いているんですか」

 ヴェルくんは一度動きを止めると、一気に激しく動いた。

「あぁっ!」
「気持ちいいですよね?」
「はっ、あ!きもち…いい!」
「貴女を気持ちよくしているのは誰?」
「ヴェル…く…っ!あん、っだめ…イッ…く!」

 ラグトさんにしがみつきながら体を震わせる。
 中に出し自身を抜いたヴェルくんは、私の体を起こすと首元に顔を近づけ強めにチュッと吸った。
 前私が付けてしまったように小さな赤い跡が残る。

「やっぱり似合いますね…僕もいっぱいお返ししてあげます」

 首や背中に沢山口付けるヴェルくんを見てラグトさんも起きあがり不思議そうに聞く。

「これどうやってつけるの?」
「つけないでください」
「酷い!」

 彼も何となくで真似して私の胸元を吸う。

「あ、出来た!」

 赤くなったところを指でなぞり、嬉しくなったのか何度も跡をつける。

「っ、ん…」

 くすぐったい感覚が止まらずに与えられ、逃げるように体をよじる。

「サキさん、もっと気持ちいいのが欲しいんですか?」

 そういう意味では無かったのだけど、言われればそういう気持ちになってくる。

「はぁ……うん…」
「じゃあもう一度…」
「いや、順番的に俺でしょ」

 ラグトさんが私の腰を持ち上げ入れようとするとヴェルくんが抗議する。

「ラグトさんだけ正面でするのは気に食わないです」
「こいつ面倒臭い…」

 そう零しながらも後輩の要望に応えているので、やっぱり彼は優しいのである。
 私を膝に乗せ後ろから入れたラグトさんに突かれながら、ヴェルくんの肩を掴みキスをし舌を絡め合う。

「んん…は、んっ」
「サキさん、いい匂いです」
「ほんと…?」
「ええ、僕も貴女の匂いが好きですよ。特に絶頂する時の甘い匂いが」

 ヴェルくんは微笑むと私の胸に手を伸ばし、先端だけを指でキュッと摘んだ。

「っあ!」
「あれ、強い方が好きですか?」
「ちがぁ…」
「いつも物足りなかったですかね」
「ひゃぁっ!や…っ、つよいのやだ…!」

 クイッと引っ張られてそれだけでお腹に響く快感が与えられる。

「ヴェルストリア、マジで度超えて虐めんなよ」

 いつもより若干低いラグトさんの声に私は少しビクッとしたが、ヴェルくんは意に返さない。

「虐めてないですよ。サキさん、気持ちいいですね」

 虐められていない訳では無いが気持ちいいのは事実だ。

「き、きもちいい…」
「素直になれて偉いです」
「ん、はぁ……」

 先程のを労わるように乳首を優しく押されて吐息が零れる。

「じゃあどうして欲しいか言えますよね?ラグトさんにもちゃんと言わないと、ずっとゆっくりですよ」
「え、いや…俺は…」
「らぐとさん…もうちょっとおく…」
「足りなかった!?ごめんね!?」

 下は望むちょうどを与えられ、上は望む以上を与えられ、すぐに私の快感の容量はいっぱいになった。

「あん…っ、なか、すき…!らぐとさんっ」
「っ…あんま煽んないで…」

 汗をかいていることも忘れ彼らに身を委ねる。

「きもちっ…イッちゃう…!」
「ええ、可愛い声と甘い匂いを僕にください」
「あぁっ、やら!イクっ…ぁんん!」

 ビクンと大きく体が跳ねると全身に小さな震えが起きる。一瞬詰まった息を大きく吐き出した。
 その後動いていた中のものも抜かれて、お腹に熱い感覚が残る。
 二人から体が離れた瞬間、私はベッドにパタンと倒れ込んだ。

「サキちゃん!」
「だ、大丈夫ですか!」
「…つかれた…」

 バスケとえっち続けては流石に体力が持たなかった。

「お風呂入れる?」
「…入りたい…」
「僕たちが入れますから」
「うん…」

 抱えられながら三人でシャワーを浴びた。

「あんなしつこくやるからだろ」
「ラグトさんは遅すぎですよ」
「お前に合わせたの!どっちも強くしたら可哀想だろ」
「可哀想とか言って、結局サキさんの欲しいものが見抜けて無いじゃないですか」
「ぐっ…」

 リビングで横になって二人にパタパタと扇いで貰っていた私はボーッとした頭で、次バスケする時は絶対に勝つ…と根本的に間違ったことを決意していた。
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