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無意識の甘え
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次の日も若干体の痛みが残っていて、また一日お休みを貰うことになった。
今はラグトさんと部屋でゆっくり過ごしている。
ふと彼が立ち上がる。
どこか行くのかな。
「え、ちょっとトイレ行ってくる…ね?」
「?」
いつの間にかラグトさんの服を掴んでいた。
「あ、ごめんなさい」
パッと手を離す。
「……」
ラグトさんがすぐに戻って来て、また私の隣に座る。私は彼の肩に頭を預けた。
「手、触れても良いですか?」
「あ、うん!良いよ!」
ラグトさんの左手を借り、指で手のひらを押したり甲の骨を辿ったりする。
カッコいいなぁ…。
「ちょっとくすぐったいね」
「…ここ?」
指の付け根を撫でると「そこそこ」と頷いて笑う。その顔が嬉しくてまた彼の手を弄り始める。
「……サキちゃん、もしかして寂しがってたりする?」
そう言われると自分でも無意識に彼の傍に近づいて行ってしまっていた。
「寂しいというか……離れたくない…」
やっと大好きな彼に触れられるのだから、一秒さえも惜しく感じてしまう。
「ラグトさんを充電したいんです」
「じゅんでん?」
「ラグトさんで癒されたいってことです」
「そっか…!俺もサキちゃん充電したい!」
体の重い私を持ち上げてラグトさんは自分の膝の上に向かい合わせにする。
お互いハグをして温もりを分け合う。
「頭撫でて欲しいなー」
「ふふ、はい」
両手でもふもふの髪を優しく撫でる。他愛もない触れ合いが凄く安心する。
ふとソファの背もたれに掛けられたラグトさんの上着が目に入る。
黒騎士団の冬服は、夏と同じシャツに上から上着を羽織る形になっている。ふわふわと空気を含んだ厚めの生地で、ハイネックなので首元まで暖かそう。
騎士だから動きやすさ重視なんだよね、無駄に着飾って無くてシンプルなのがカッコいい。
しばらくそうしているとラグトさんがそういえばと思い出したように言う。
「もうすぐ休み取れるから、お出かけしよっか!」
「本当ですか!嬉しいです!」
「どこか行きたい所ある?」
行きたい所……近いからサロディーアに行くのもありだけど、せっかくなら他の所が良いな。
「ラグトさんの思い出の場所ありませんか?故郷とか行ってみたいです」
「俺の故郷……か。はは、そういえば黒騎士団入ってからは一回も行ってないなぁ」
久しぶりに眉を下げて困ったように笑う彼を見た。故郷にはあまりいい思い出が無いのだろうに気安く言ってしまった。
「ごめんなさい…えと、どうしてもとかじゃ無いので、近くの町に行きましょうか!」
ラグトさんは少し悩み、首を横に振った。
「気遣わせてごめんね、やっぱり故郷に行ってもいいかな?」
「でも……」
「今なら堂々と町を歩ける気がする。俺カッコいいから!」
イヤーカフに触れて嬉しそうに、八重歯を見せて笑う彼に胸がキュンとなった。
「はい!ラグトさんはカッコいいです。凄くカッコいい。大好き!」
口元に何度もキスをする。
「ん……ありがとう!昔やりたかった事いっぱいあるんだ。付き合ってくれる?」
「勿論です!私、ラグトさんといっぱい思い出作りたい」
「サキちゃん……」
見つめ合った後、深いキスをする。
唇を離さず角度を変えていき、少し開いたお互いの口から伸ばされた舌が絡む。
あ……八重歯が舌に当たる……。
チクッとするその感覚に彼を感じて、ついもっと求めてしまう。
初めての濃厚なキスはたどたどしくも気持ちよく、チュッと音を立て終えた時には二人の顔は真っ赤になっていた。
少しの恥ずかしさを隠す為、彼を抱きしめて顔を隠す。
やっぱり離れたくないな…。
「ラグトさん…今日一緒に寝て欲しいです」
「え!?」
「駄目ですか…?」
「いや、良いよ!勿論!」
何だか焦りながらも了承してくれた。そしてその夜。
「おやすみなさい、ラグトさん」
「うん、おやすみ」
彼にピッタリくっついて目を閉じる。幸せに包まれながら私は眠りについた。
「……そうだよね、今日はしないよね………っ辛い!」
翌朝、ラグトさんはどうしてかとっても疲れた様子だった。
今はラグトさんと部屋でゆっくり過ごしている。
ふと彼が立ち上がる。
どこか行くのかな。
「え、ちょっとトイレ行ってくる…ね?」
「?」
いつの間にかラグトさんの服を掴んでいた。
「あ、ごめんなさい」
パッと手を離す。
「……」
ラグトさんがすぐに戻って来て、また私の隣に座る。私は彼の肩に頭を預けた。
「手、触れても良いですか?」
「あ、うん!良いよ!」
ラグトさんの左手を借り、指で手のひらを押したり甲の骨を辿ったりする。
カッコいいなぁ…。
「ちょっとくすぐったいね」
「…ここ?」
指の付け根を撫でると「そこそこ」と頷いて笑う。その顔が嬉しくてまた彼の手を弄り始める。
「……サキちゃん、もしかして寂しがってたりする?」
そう言われると自分でも無意識に彼の傍に近づいて行ってしまっていた。
「寂しいというか……離れたくない…」
やっと大好きな彼に触れられるのだから、一秒さえも惜しく感じてしまう。
「ラグトさんを充電したいんです」
「じゅんでん?」
「ラグトさんで癒されたいってことです」
「そっか…!俺もサキちゃん充電したい!」
体の重い私を持ち上げてラグトさんは自分の膝の上に向かい合わせにする。
お互いハグをして温もりを分け合う。
「頭撫でて欲しいなー」
「ふふ、はい」
両手でもふもふの髪を優しく撫でる。他愛もない触れ合いが凄く安心する。
ふとソファの背もたれに掛けられたラグトさんの上着が目に入る。
黒騎士団の冬服は、夏と同じシャツに上から上着を羽織る形になっている。ふわふわと空気を含んだ厚めの生地で、ハイネックなので首元まで暖かそう。
騎士だから動きやすさ重視なんだよね、無駄に着飾って無くてシンプルなのがカッコいい。
しばらくそうしているとラグトさんがそういえばと思い出したように言う。
「もうすぐ休み取れるから、お出かけしよっか!」
「本当ですか!嬉しいです!」
「どこか行きたい所ある?」
行きたい所……近いからサロディーアに行くのもありだけど、せっかくなら他の所が良いな。
「ラグトさんの思い出の場所ありませんか?故郷とか行ってみたいです」
「俺の故郷……か。はは、そういえば黒騎士団入ってからは一回も行ってないなぁ」
久しぶりに眉を下げて困ったように笑う彼を見た。故郷にはあまりいい思い出が無いのだろうに気安く言ってしまった。
「ごめんなさい…えと、どうしてもとかじゃ無いので、近くの町に行きましょうか!」
ラグトさんは少し悩み、首を横に振った。
「気遣わせてごめんね、やっぱり故郷に行ってもいいかな?」
「でも……」
「今なら堂々と町を歩ける気がする。俺カッコいいから!」
イヤーカフに触れて嬉しそうに、八重歯を見せて笑う彼に胸がキュンとなった。
「はい!ラグトさんはカッコいいです。凄くカッコいい。大好き!」
口元に何度もキスをする。
「ん……ありがとう!昔やりたかった事いっぱいあるんだ。付き合ってくれる?」
「勿論です!私、ラグトさんといっぱい思い出作りたい」
「サキちゃん……」
見つめ合った後、深いキスをする。
唇を離さず角度を変えていき、少し開いたお互いの口から伸ばされた舌が絡む。
あ……八重歯が舌に当たる……。
チクッとするその感覚に彼を感じて、ついもっと求めてしまう。
初めての濃厚なキスはたどたどしくも気持ちよく、チュッと音を立て終えた時には二人の顔は真っ赤になっていた。
少しの恥ずかしさを隠す為、彼を抱きしめて顔を隠す。
やっぱり離れたくないな…。
「ラグトさん…今日一緒に寝て欲しいです」
「え!?」
「駄目ですか…?」
「いや、良いよ!勿論!」
何だか焦りながらも了承してくれた。そしてその夜。
「おやすみなさい、ラグトさん」
「うん、おやすみ」
彼にピッタリくっついて目を閉じる。幸せに包まれながら私は眠りについた。
「……そうだよね、今日はしないよね………っ辛い!」
翌朝、ラグトさんはどうしてかとっても疲れた様子だった。
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