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ヴェルストリアと初めての
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夕食後ヴェルストリアくんと一緒に部屋に戻ってきた。
「私はその……時間かかっちゃうから、ヴェルストリアくんどうぞ」
「そうですか、じゃあお先に」
いつもは準備して待っていたのだけど今日は一緒に来ることになっちゃって……。
ヴェルストリアくんに先にシャワーを浴びてもらい、私はその間にせっせと部屋を片付ける。
「サキさん、どうぞ」
「は、はい!じゃあ、適当に寛いでてね!」
逃げるようにシャワールームへ入る。
急がなきゃ!
あれやこれやを済ませて、なんと三十分という新記録を叩き出した。しかし男性にとってはかなり長いのではないかと思う。
「待たせちゃってごめんね!」
「いえ、全然待ってませんよ」
嘘であってもそう言ってくれると安心する。
ベッドに座った彼の隣に私も座る。
「前もこんな感じでしたね」
「雨の日のこと?」
あの夜もヴェルストリアくんと部屋で過ごしていた。
「ええ、サキさんが無防備過ぎて心臓が鳴り止まなくて困りました」
「全然そんな素振りなかったけどな……」
「サキさんは本当に鈍いですね」
褒められてはいないな……。
「僕はずっと貴女のことを性的な目で見ていたんですよ」
「……!」
「気持ち悪いと思いますか?」
「ううん。でもね、私は……あの日もそういう気持ちを持ってなかった。純粋に毎日一緒に居れるのが嬉しくて少しずつ距離が近くなってる気がして、もっと触れたいって思ってた」
ヴェルストリアくんの頬に手を当てる。
「告白してくれた時、凄くドキドキした。その、男らしいと言うか強く深い感じ。触れられているところからそれが伝わってきて……もっと触れて欲しいって思ったの」
上手く言葉に出来ていないかもしれないけど、ずっと言わなきゃって思ってた。
「私がヴェルストリアくんに「触れたい」っていう気持ちと「触れて欲しい」と思う気持ちの意味が違うの。変だと思う……それでもいい?」
彼に情熱的なものを求めているのに、私は同じものを返せない。
「いいんですよ。好きとか、どう触れ合いたいとかは人によって違って当然でしょうから。それに僕はサキさんにそういう意味で触れたくて、逆に優しく触れられるのが堪らなく嬉しい」
ヴェルストリアくんは私の手を引いてベッドの上へ誘う。
「一致してますね」
「うん……ありがとう」
「サキさんはずっとそのままで良いんです。僕も僕なりに貴女に愛を伝えるだけなので」
ゆっくりと顔が近づき、唇が塞がれる。
幾度か離れてその度にまたくっつけ合う。
優しくベッドに押し倒されてローブの紐は解かれた。下着姿の前面を暴かれた私の体をヴェルストリアくんは真剣な顔で眺める。
「あ、あの……どこか変だった……?」
「変だなんて!あまりにも、想像よりも美しかったので見惚れていただけです」
彼は私の脚を撫で持ち上げると、つま先にキスをした。
「っ……」
足首、脹脛、太腿と続き、腰も胸も、私の体全てを確かめるように口付けしていく。
「綺麗です。服越しでは分からない体の線も肌も、恋人だけが見れる」
そう言ったヴェルストリアくんの後の呟きは聞こえなかった。
やがて唇はローブから抜かれた腕へ、その指の先まで到達した。
「ん……」
触れられた部分から熱を帯びていき私の全身は敏感になっていた。ブラやショーツを脱がす摩擦でさえも反応してしまう。
彼もシャツを脱ぎ、しかしその腹の右側に大きな怪我の痕跡があるのに気づく。
「この傷……どうしたの?」
「あ、それは……」
考え無しに尋ねてしまった私は彼の躊躇う様子を見て慌てて止める。
「ごめんね、言いたくないよね」
「いえ……これは、昔ナイフが刺さった時の傷です」
「さ、刺さったの!?今は痛くない?」
「随分昔のことですから、今は何ともないですよ」
ヴェルストリアくんは眉を寄せながらも微笑んだ。
「母が投げたものが当たってしまったんです。この傷はだいぶ深かったので大人になっても消えなくて」
まるで他にも傷があったのが当たり前のように言う。幼いうちからどれだけ苦しい、痛い思いをしてきたのだろう。
「もっと、早くに出会えていたら良かったのに」
「サキさん……いいえ、もう昔のことは気にしていません。それに昔の僕があってこそだと、貴方が教えてくれましたから」
「!……そうだね、今のヴェルストリアくん凄くカッコいいよ。大好き」
「っ…大好きです。あの日この場所で出会えて良かった」
私の横に手を付き顔を寄せたヴェルストリアくんの首に手をかけ、上からのキスを受け取った。
「はぁ……」
「……ん」
キスは止まることなく彼の手は私の胸に触れた。掬うように揉み硬くなった乳首をすりっと撫でる。
私の息が荒くなってくると、その手は下へ向かい股の間をなぞった。既に濡れているのを確認して彼は安心したように一息つく。
「指入れても大丈夫ですか?」
「う、ん……だいじょうぶ」
片手はベッドに付いたまま上体を起こし中を弄ることに専念したようだ。
「はぁっ……ぁん」
中を確かめて、私の反応が良い場所を探して責める。気持ちよさでぼんやりとしてる私から見てだが、ヴェルストリアくんはだいぶ緊張している。真面目な彼は内心必死で頑張ってくれているのだろう。
それが嬉しくて、既にシーツを濡らしている愛液がより中から溢れてくる感じがした。
もう大丈夫、と言うように横にある彼の腕に触れると、その意味が伝わったのか中から指がそっと抜かれる。
私に目配せして下の服を脱ぎ去ったヴェルストリアくんのほうをチラッと見る。
よ、良かった……またミスカさんくらい大きかったら流石にどうしようと思ってたけど。
「……良いですか……?」
「うん……入れて」
「っ……」
まるで迷子になったかのように戸惑い、辛そうな顔をしたヴェルストリアくんは顔を伏せゆっくりと中に入ってくる。
私の中に確かに入った。その時、ふと冷たいものがお腹に当たるのを感じた。
「ヴェルストリアくん……」
彼の涙が溢れて、流れ落ちていく。
美しい雫が私の皮膚を濡らしていた。
「サキさん…っ……」
手を伸ばし抱きしめ密着する。いつもは低く感じる彼の体温も今はとても温かい。
「本当にサキさんの中に入ってる……。幸せです……こんなに貴女を感じられる……」
「うん……ヴェルストリアくんのが中にあるの、凄く嬉しい」
涙に震えるヴェルストリアくんの頭を優しく撫でる。
「サキさん……愛しています……もう貴女が居ない世界なんて考えられない」
「考えなくていいよ。ずっと一緒だから」
言葉だけでは伝えられない想いをキスに込める。深く愛を伝えるように舌を絡ませ、上も下も繋がりお互いの存在を確かめ合った。
「ヴェルストリアくんのぴったり私の中に合ってる……」
「相性が良いんですね……嬉しいです」
大きさも形も全部安心する。初めてだけど分かる。体の足りなかったピースが綺麗にはまったみたいな。
「ずっとこのままで居たい……」
「僕もです……。やっぱり運命だ……僕の運命の人……」
しばらくキスをしてその温もりを感じていたが、少しずつ中のものが動き始める。
「ごめんなさい、僕ももう限界なので」
「うんっ……はぁ……」
抜く度に切なくなって、入れられる度に喜びを感じる。私の中はとっくに彼のモノに味を占めてしまったようだ。
「はぁ……サキさん、可愛いです」
「あ、あんまり……っみないで」
「見たいです。可愛い……何よりも誰よりも」
彼が私を見るように、私も彼に魅入られている。
白い髪がサラサラと揺れ前にかかり、それを時々かきあげる仕草が美しくて男らしくて、官能的だった。
「あぁ……っ好き……」
「……本当に?」
「すき……だいすき……っ」
そう必死に口にした私を見て彼の目の色が変わったことに気づかなかった。
「っあ……イッちゃ……」
「ん……イッてください」
「あぁ……んんっ!……はぁ………」
イッた余韻で体を震わせていると、まだ硬いままだった彼のモノが再び動き出した。
「え……あ、あっん!」
驚いてヴェルストリアくんの顔を見ると堪らないというような笑みを浮かべていた。
「やぁ……っなんで」
「僕はまだイッていないので」
「あぁっ……!」
先程イッたばかりなのにまた中を突かれてどうにかなりそうだった。
「やぁ……っ、むり……いじわる……っ」
「愛おしいからこそ虐めたいんです」
ヴェルストリアくんは手を私の顔へ伸ばし頬を包むと、親指を口内へ突っ込んだ。
「!」
「その可愛い顔を歪ませたい」
その指は私の口を無理やり開けさせ、嫌でも声が漏れ出すようにした。
「は……あぁ…っ……はぁ」
開いた口からだらしなく出ている唾液もお構い無しに、舌も指で撫で虐めてくる。
「へぁっ……あ……ヴェル、く……」
「ヴェルって呼ばれるの…良いな。もっと呼んでください」
「は、あ……ぁ」
「指を入れていたら言えないですね」
そう言って指は退かしてくれたが、今だ腰の動きは止まっていない。
「はっ、あ……んん……ヴェルく……ん」
「はい」
「ヴェルくんっ……も、だめ……!」
「じゃあ僕も、もう出しますね」
抽挿が速くなりようやく彼が出して、私もビクンと体を跳ねさせさっきより深く絶頂した。
今度はちゃんと中から抜かれて、とりあえず息を荒らげながら彼からのキスを受ける。
「気持ちよかったですか?」
「はぁ……よかった、けど……良くない……」
「急に酷くしちゃいましたね、すみません。でも、初めてでサキさんのこんなに可愛い姿が見れて嬉しいです」
涎を垂らしてぐったりしている私のどこが可愛いのだろうか。
そんな私を起こし彼はギュッと抱きしめる。
「サキさん、愛してます」
「うん……私もだけど……ヴェルストリアくんの愛情表現というのは……」
「僕のやり方でと言いましたから」
日頃から薄々思ってはいたけれど、ヴェルストリアくんSっ気強いんだね……。
「あと、ヴェルって呼んでください」
「ヴェル……くん?」
「ふふ、貴方だけにそう呼ばれるなんて特別感があって嬉しいです」
「呼びやすいし皆にも呼んでもらえば……」
「それだと意味がありません」
抱きしめられながら一緒にベッドに倒れ込んだ。キスをし私の首元に擦り寄るヴェルくんの頭を撫で考える。
……憎めないなぁ……。
彼の歪で深い愛を今後受け止め切れるのか、少し不安になったのだった。
「私はその……時間かかっちゃうから、ヴェルストリアくんどうぞ」
「そうですか、じゃあお先に」
いつもは準備して待っていたのだけど今日は一緒に来ることになっちゃって……。
ヴェルストリアくんに先にシャワーを浴びてもらい、私はその間にせっせと部屋を片付ける。
「サキさん、どうぞ」
「は、はい!じゃあ、適当に寛いでてね!」
逃げるようにシャワールームへ入る。
急がなきゃ!
あれやこれやを済ませて、なんと三十分という新記録を叩き出した。しかし男性にとってはかなり長いのではないかと思う。
「待たせちゃってごめんね!」
「いえ、全然待ってませんよ」
嘘であってもそう言ってくれると安心する。
ベッドに座った彼の隣に私も座る。
「前もこんな感じでしたね」
「雨の日のこと?」
あの夜もヴェルストリアくんと部屋で過ごしていた。
「ええ、サキさんが無防備過ぎて心臓が鳴り止まなくて困りました」
「全然そんな素振りなかったけどな……」
「サキさんは本当に鈍いですね」
褒められてはいないな……。
「僕はずっと貴女のことを性的な目で見ていたんですよ」
「……!」
「気持ち悪いと思いますか?」
「ううん。でもね、私は……あの日もそういう気持ちを持ってなかった。純粋に毎日一緒に居れるのが嬉しくて少しずつ距離が近くなってる気がして、もっと触れたいって思ってた」
ヴェルストリアくんの頬に手を当てる。
「告白してくれた時、凄くドキドキした。その、男らしいと言うか強く深い感じ。触れられているところからそれが伝わってきて……もっと触れて欲しいって思ったの」
上手く言葉に出来ていないかもしれないけど、ずっと言わなきゃって思ってた。
「私がヴェルストリアくんに「触れたい」っていう気持ちと「触れて欲しい」と思う気持ちの意味が違うの。変だと思う……それでもいい?」
彼に情熱的なものを求めているのに、私は同じものを返せない。
「いいんですよ。好きとか、どう触れ合いたいとかは人によって違って当然でしょうから。それに僕はサキさんにそういう意味で触れたくて、逆に優しく触れられるのが堪らなく嬉しい」
ヴェルストリアくんは私の手を引いてベッドの上へ誘う。
「一致してますね」
「うん……ありがとう」
「サキさんはずっとそのままで良いんです。僕も僕なりに貴女に愛を伝えるだけなので」
ゆっくりと顔が近づき、唇が塞がれる。
幾度か離れてその度にまたくっつけ合う。
優しくベッドに押し倒されてローブの紐は解かれた。下着姿の前面を暴かれた私の体をヴェルストリアくんは真剣な顔で眺める。
「あ、あの……どこか変だった……?」
「変だなんて!あまりにも、想像よりも美しかったので見惚れていただけです」
彼は私の脚を撫で持ち上げると、つま先にキスをした。
「っ……」
足首、脹脛、太腿と続き、腰も胸も、私の体全てを確かめるように口付けしていく。
「綺麗です。服越しでは分からない体の線も肌も、恋人だけが見れる」
そう言ったヴェルストリアくんの後の呟きは聞こえなかった。
やがて唇はローブから抜かれた腕へ、その指の先まで到達した。
「ん……」
触れられた部分から熱を帯びていき私の全身は敏感になっていた。ブラやショーツを脱がす摩擦でさえも反応してしまう。
彼もシャツを脱ぎ、しかしその腹の右側に大きな怪我の痕跡があるのに気づく。
「この傷……どうしたの?」
「あ、それは……」
考え無しに尋ねてしまった私は彼の躊躇う様子を見て慌てて止める。
「ごめんね、言いたくないよね」
「いえ……これは、昔ナイフが刺さった時の傷です」
「さ、刺さったの!?今は痛くない?」
「随分昔のことですから、今は何ともないですよ」
ヴェルストリアくんは眉を寄せながらも微笑んだ。
「母が投げたものが当たってしまったんです。この傷はだいぶ深かったので大人になっても消えなくて」
まるで他にも傷があったのが当たり前のように言う。幼いうちからどれだけ苦しい、痛い思いをしてきたのだろう。
「もっと、早くに出会えていたら良かったのに」
「サキさん……いいえ、もう昔のことは気にしていません。それに昔の僕があってこそだと、貴方が教えてくれましたから」
「!……そうだね、今のヴェルストリアくん凄くカッコいいよ。大好き」
「っ…大好きです。あの日この場所で出会えて良かった」
私の横に手を付き顔を寄せたヴェルストリアくんの首に手をかけ、上からのキスを受け取った。
「はぁ……」
「……ん」
キスは止まることなく彼の手は私の胸に触れた。掬うように揉み硬くなった乳首をすりっと撫でる。
私の息が荒くなってくると、その手は下へ向かい股の間をなぞった。既に濡れているのを確認して彼は安心したように一息つく。
「指入れても大丈夫ですか?」
「う、ん……だいじょうぶ」
片手はベッドに付いたまま上体を起こし中を弄ることに専念したようだ。
「はぁっ……ぁん」
中を確かめて、私の反応が良い場所を探して責める。気持ちよさでぼんやりとしてる私から見てだが、ヴェルストリアくんはだいぶ緊張している。真面目な彼は内心必死で頑張ってくれているのだろう。
それが嬉しくて、既にシーツを濡らしている愛液がより中から溢れてくる感じがした。
もう大丈夫、と言うように横にある彼の腕に触れると、その意味が伝わったのか中から指がそっと抜かれる。
私に目配せして下の服を脱ぎ去ったヴェルストリアくんのほうをチラッと見る。
よ、良かった……またミスカさんくらい大きかったら流石にどうしようと思ってたけど。
「……良いですか……?」
「うん……入れて」
「っ……」
まるで迷子になったかのように戸惑い、辛そうな顔をしたヴェルストリアくんは顔を伏せゆっくりと中に入ってくる。
私の中に確かに入った。その時、ふと冷たいものがお腹に当たるのを感じた。
「ヴェルストリアくん……」
彼の涙が溢れて、流れ落ちていく。
美しい雫が私の皮膚を濡らしていた。
「サキさん…っ……」
手を伸ばし抱きしめ密着する。いつもは低く感じる彼の体温も今はとても温かい。
「本当にサキさんの中に入ってる……。幸せです……こんなに貴女を感じられる……」
「うん……ヴェルストリアくんのが中にあるの、凄く嬉しい」
涙に震えるヴェルストリアくんの頭を優しく撫でる。
「サキさん……愛しています……もう貴女が居ない世界なんて考えられない」
「考えなくていいよ。ずっと一緒だから」
言葉だけでは伝えられない想いをキスに込める。深く愛を伝えるように舌を絡ませ、上も下も繋がりお互いの存在を確かめ合った。
「ヴェルストリアくんのぴったり私の中に合ってる……」
「相性が良いんですね……嬉しいです」
大きさも形も全部安心する。初めてだけど分かる。体の足りなかったピースが綺麗にはまったみたいな。
「ずっとこのままで居たい……」
「僕もです……。やっぱり運命だ……僕の運命の人……」
しばらくキスをしてその温もりを感じていたが、少しずつ中のものが動き始める。
「ごめんなさい、僕ももう限界なので」
「うんっ……はぁ……」
抜く度に切なくなって、入れられる度に喜びを感じる。私の中はとっくに彼のモノに味を占めてしまったようだ。
「はぁ……サキさん、可愛いです」
「あ、あんまり……っみないで」
「見たいです。可愛い……何よりも誰よりも」
彼が私を見るように、私も彼に魅入られている。
白い髪がサラサラと揺れ前にかかり、それを時々かきあげる仕草が美しくて男らしくて、官能的だった。
「あぁ……っ好き……」
「……本当に?」
「すき……だいすき……っ」
そう必死に口にした私を見て彼の目の色が変わったことに気づかなかった。
「っあ……イッちゃ……」
「ん……イッてください」
「あぁ……んんっ!……はぁ………」
イッた余韻で体を震わせていると、まだ硬いままだった彼のモノが再び動き出した。
「え……あ、あっん!」
驚いてヴェルストリアくんの顔を見ると堪らないというような笑みを浮かべていた。
「やぁ……っなんで」
「僕はまだイッていないので」
「あぁっ……!」
先程イッたばかりなのにまた中を突かれてどうにかなりそうだった。
「やぁ……っ、むり……いじわる……っ」
「愛おしいからこそ虐めたいんです」
ヴェルストリアくんは手を私の顔へ伸ばし頬を包むと、親指を口内へ突っ込んだ。
「!」
「その可愛い顔を歪ませたい」
その指は私の口を無理やり開けさせ、嫌でも声が漏れ出すようにした。
「は……あぁ…っ……はぁ」
開いた口からだらしなく出ている唾液もお構い無しに、舌も指で撫で虐めてくる。
「へぁっ……あ……ヴェル、く……」
「ヴェルって呼ばれるの…良いな。もっと呼んでください」
「は、あ……ぁ」
「指を入れていたら言えないですね」
そう言って指は退かしてくれたが、今だ腰の動きは止まっていない。
「はっ、あ……んん……ヴェルく……ん」
「はい」
「ヴェルくんっ……も、だめ……!」
「じゃあ僕も、もう出しますね」
抽挿が速くなりようやく彼が出して、私もビクンと体を跳ねさせさっきより深く絶頂した。
今度はちゃんと中から抜かれて、とりあえず息を荒らげながら彼からのキスを受ける。
「気持ちよかったですか?」
「はぁ……よかった、けど……良くない……」
「急に酷くしちゃいましたね、すみません。でも、初めてでサキさんのこんなに可愛い姿が見れて嬉しいです」
涎を垂らしてぐったりしている私のどこが可愛いのだろうか。
そんな私を起こし彼はギュッと抱きしめる。
「サキさん、愛してます」
「うん……私もだけど……ヴェルストリアくんの愛情表現というのは……」
「僕のやり方でと言いましたから」
日頃から薄々思ってはいたけれど、ヴェルストリアくんSっ気強いんだね……。
「あと、ヴェルって呼んでください」
「ヴェル……くん?」
「ふふ、貴方だけにそう呼ばれるなんて特別感があって嬉しいです」
「呼びやすいし皆にも呼んでもらえば……」
「それだと意味がありません」
抱きしめられながら一緒にベッドに倒れ込んだ。キスをし私の首元に擦り寄るヴェルくんの頭を撫で考える。
……憎めないなぁ……。
彼の歪で深い愛を今後受け止め切れるのか、少し不安になったのだった。
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