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お互い言えないこともある
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目を覚まし、起き上がろうとしてやっぱり素っ裸なのに気づき慌てて手で隠す。
「んん……サキちゃ……」
隣でラグトさんはすやすやと眠っているようだ。
そっとベッドから出て、下着だけ身につけてまた布団に潜った。まだ秋の初めなので寒くは無いけれど彼の体温を感じていたかった。
しばらくラグトさんの髪を弄って遊んでいると、彼の目が開いてぼーっと私を捉えた。
「サキちゃん……夢?」
「夢じゃないですよ」
「あー……良かったぁ」
枕に顔を押し付け感慨に浸っているラグトさんをクスクス笑う。
「おはようございます」
「おはよ……サキちゃん早いね」
「さっき起きたばっかりです」
二人して起き上がると、彼の頭が肩に乗せられる。
「今日午前中は一緒に居ていい?」
「ラグトさんがお仕事大丈夫なら」
「後で頑張る……」
「ふふ……じゃあ一緒に居ましょう」
小さくキスをして、ラグトさんはシャワーを浴びに行った。
朝はちょっとぼんやりしてるの可愛いな……。
私が服を着て顔を洗ったりしていると、ラグトさんが少し慌てたようにシャワールームから出てきた。
「何かありましたか?」
「あの……し、下着が置いてあったから見えちゃった……」
下着……。
「っ……ふふ……昨日もさっきも見たのに…」
「え、あ!それとこれとは別というか……」
顔を赤くして弁解する彼が可笑しくて、つい笑ってしまう。
「下着はちゃんとしまっておきますね」
「うぅ……ごめん……」
そうして準備も終えたので二人で朝食を食べに食堂へやって来た。足腰を心配されて抱えられそうな勢いだったけど、流石に恥ずかしいので手だけ繋いでもらった。
「サキおはよう!朝から動いて大丈夫なの?」
「おはよう。そんな病気とかじゃないんだから心配し過ぎだよ」
リュークはちょうど食べ終わったみたいで食器を片付けていた。
「そっかなぁ……辛い時あったら言ってね!今後も!」
「もう!リューク!」
食堂で今後のアレ事情なんて話さないで欲しい。
これからもいっぱいするみたいじゃない!いっぱいする……のか。そうだった。
自分で言ってその事実に気づき、勝手に恥ずかしくなった。
「午後には部屋行くね!」と言い残し、リュークは去っていった。
「午前じゃなくて良かった……」
「?」
ラグトさんの呟きはあまり聞き取れなかった。
「ご飯このくらいで良かった?」
「はい!ありがとうございます」
ラグトさんがよそってくれたので早速食べようとしたら、彼がわくわくした目でこちらを見ている。
「サキちゃんに食べさせたい!」
「駄目です!」
速攻で断られたラグトさんはしゅんとする。
「一人で食べれますから、ラグトさんも自分の分食べてください」
そんな毎回食べさせてもらっていたら介護みたいでなんか嫌だ。
でも耳を垂らした子犬みたいに落ち込み、パンをちみちみ食べる彼にちょっとは申し訳なく思う。
「ラグトさん」
「ん?」
「あーん」
「もぐもぐ……ん!?」
私が差し出したチキンを思わず口に入れたラグトさんはびっくりしている。
「たまになら……して欲しいです」
「サキちゃん……!」
元気を取り戻した彼は、部屋に戻っても午前中ずっと尻尾を振っていた……ような気がする。
「サキやっほー!遊びに来た!」
「リューク!お仕事お疲れ様」
言った通りにリュークは午後から部屋に来てくれた。
「今日もサキ夕食作ってくれるんでしょ?」
「私はほぼお手伝いだよ。最近はヴェルストリアくん任せになっちゃって」
「ヴェルストリアの美味しい料理にサキの愛情が加わったらもっと美味しいから!」
愛情…は意識して入れたことないけど。でも料理は愛情って言うし、知らないうちに込めているのかもしれない。
「今度は愛情いっぱい入れてみるね」
「わーい!」
調味料か何かなのだろうか。
二人でソファに座りお茶していると、リュークは遠慮なく聞いてきた。
「団長とラグトとはどうだったの?」
「!?」
思わずお茶を吹き出しそうになった。
「サキ大丈夫?」
「うん……ええと、それは話していいことなの…?」
「別に隠すことでも無いし……あ、サキの世界は違うのか」
「一概には言えないけど、あんまりそういう話はしないかな……?そもそも相手は一人だし……」
日本では特にそうだったよね……。
「そういう話題は結構普通だよ。夫たちは妻を喜ばせるために話し合って協力するし、妻はそれに対して要望や文句を言う」
「文句……」
「恋愛結婚が少ないから、夫が常に平等な扱いを受けるわけじゃないんだ。女性の気分次第って感じ。機嫌損ねたら大変だからね」
この世界の女性はなんだか気が強そうだ。いや、私は逆にオドオドしちゃうから少し憧れるけど。
「優しくて謙虚で綺麗で天使なサキは俺たちの話もちゃんと聞いてくれるしそれぞれ違って平等に接してくれてるから、他のどこぞの女と一緒にしてるわけじゃないけど」
形容詞がだいぶ多かったなぁ。
「サキのこといっぱい喜ばせたいから意見を聞こうと思って」
「うん……その気持ちは凄く嬉しいけど、ハインツさんはハインツさんでラグトさんはラグトさん、リュークはリュークだよ。せっかく二人の初めてだから、二人で頑張りたいな」
最中のことを話すのはだいぶ抵抗があるからでもある。
私の言葉を聞いてリュークが嬉しそうに抱きついてきた。
「やっぱりサキ大好き……」
「色々考えてくれたんだよね、ありがとう」
抱きしめ合って、ふと気づいた。
「……もしかして、皆だけで話し合いとかしてるの…?」
「うん、してるよ」
知らないところで集まって私の話されていると思うと恥ずかしい……。
「どういう話してたの?」
「え、いや、その……」
「言えないくらい変なことを……」
「ち、違うけど!」
いくら聞いても教えてくれなくて、本当に心配になってしまった……。
「んん……サキちゃ……」
隣でラグトさんはすやすやと眠っているようだ。
そっとベッドから出て、下着だけ身につけてまた布団に潜った。まだ秋の初めなので寒くは無いけれど彼の体温を感じていたかった。
しばらくラグトさんの髪を弄って遊んでいると、彼の目が開いてぼーっと私を捉えた。
「サキちゃん……夢?」
「夢じゃないですよ」
「あー……良かったぁ」
枕に顔を押し付け感慨に浸っているラグトさんをクスクス笑う。
「おはようございます」
「おはよ……サキちゃん早いね」
「さっき起きたばっかりです」
二人して起き上がると、彼の頭が肩に乗せられる。
「今日午前中は一緒に居ていい?」
「ラグトさんがお仕事大丈夫なら」
「後で頑張る……」
「ふふ……じゃあ一緒に居ましょう」
小さくキスをして、ラグトさんはシャワーを浴びに行った。
朝はちょっとぼんやりしてるの可愛いな……。
私が服を着て顔を洗ったりしていると、ラグトさんが少し慌てたようにシャワールームから出てきた。
「何かありましたか?」
「あの……し、下着が置いてあったから見えちゃった……」
下着……。
「っ……ふふ……昨日もさっきも見たのに…」
「え、あ!それとこれとは別というか……」
顔を赤くして弁解する彼が可笑しくて、つい笑ってしまう。
「下着はちゃんとしまっておきますね」
「うぅ……ごめん……」
そうして準備も終えたので二人で朝食を食べに食堂へやって来た。足腰を心配されて抱えられそうな勢いだったけど、流石に恥ずかしいので手だけ繋いでもらった。
「サキおはよう!朝から動いて大丈夫なの?」
「おはよう。そんな病気とかじゃないんだから心配し過ぎだよ」
リュークはちょうど食べ終わったみたいで食器を片付けていた。
「そっかなぁ……辛い時あったら言ってね!今後も!」
「もう!リューク!」
食堂で今後のアレ事情なんて話さないで欲しい。
これからもいっぱいするみたいじゃない!いっぱいする……のか。そうだった。
自分で言ってその事実に気づき、勝手に恥ずかしくなった。
「午後には部屋行くね!」と言い残し、リュークは去っていった。
「午前じゃなくて良かった……」
「?」
ラグトさんの呟きはあまり聞き取れなかった。
「ご飯このくらいで良かった?」
「はい!ありがとうございます」
ラグトさんがよそってくれたので早速食べようとしたら、彼がわくわくした目でこちらを見ている。
「サキちゃんに食べさせたい!」
「駄目です!」
速攻で断られたラグトさんはしゅんとする。
「一人で食べれますから、ラグトさんも自分の分食べてください」
そんな毎回食べさせてもらっていたら介護みたいでなんか嫌だ。
でも耳を垂らした子犬みたいに落ち込み、パンをちみちみ食べる彼にちょっとは申し訳なく思う。
「ラグトさん」
「ん?」
「あーん」
「もぐもぐ……ん!?」
私が差し出したチキンを思わず口に入れたラグトさんはびっくりしている。
「たまになら……して欲しいです」
「サキちゃん……!」
元気を取り戻した彼は、部屋に戻っても午前中ずっと尻尾を振っていた……ような気がする。
「サキやっほー!遊びに来た!」
「リューク!お仕事お疲れ様」
言った通りにリュークは午後から部屋に来てくれた。
「今日もサキ夕食作ってくれるんでしょ?」
「私はほぼお手伝いだよ。最近はヴェルストリアくん任せになっちゃって」
「ヴェルストリアの美味しい料理にサキの愛情が加わったらもっと美味しいから!」
愛情…は意識して入れたことないけど。でも料理は愛情って言うし、知らないうちに込めているのかもしれない。
「今度は愛情いっぱい入れてみるね」
「わーい!」
調味料か何かなのだろうか。
二人でソファに座りお茶していると、リュークは遠慮なく聞いてきた。
「団長とラグトとはどうだったの?」
「!?」
思わずお茶を吹き出しそうになった。
「サキ大丈夫?」
「うん……ええと、それは話していいことなの…?」
「別に隠すことでも無いし……あ、サキの世界は違うのか」
「一概には言えないけど、あんまりそういう話はしないかな……?そもそも相手は一人だし……」
日本では特にそうだったよね……。
「そういう話題は結構普通だよ。夫たちは妻を喜ばせるために話し合って協力するし、妻はそれに対して要望や文句を言う」
「文句……」
「恋愛結婚が少ないから、夫が常に平等な扱いを受けるわけじゃないんだ。女性の気分次第って感じ。機嫌損ねたら大変だからね」
この世界の女性はなんだか気が強そうだ。いや、私は逆にオドオドしちゃうから少し憧れるけど。
「優しくて謙虚で綺麗で天使なサキは俺たちの話もちゃんと聞いてくれるしそれぞれ違って平等に接してくれてるから、他のどこぞの女と一緒にしてるわけじゃないけど」
形容詞がだいぶ多かったなぁ。
「サキのこといっぱい喜ばせたいから意見を聞こうと思って」
「うん……その気持ちは凄く嬉しいけど、ハインツさんはハインツさんでラグトさんはラグトさん、リュークはリュークだよ。せっかく二人の初めてだから、二人で頑張りたいな」
最中のことを話すのはだいぶ抵抗があるからでもある。
私の言葉を聞いてリュークが嬉しそうに抱きついてきた。
「やっぱりサキ大好き……」
「色々考えてくれたんだよね、ありがとう」
抱きしめ合って、ふと気づいた。
「……もしかして、皆だけで話し合いとかしてるの…?」
「うん、してるよ」
知らないところで集まって私の話されていると思うと恥ずかしい……。
「どういう話してたの?」
「え、いや、その……」
「言えないくらい変なことを……」
「ち、違うけど!」
いくら聞いても教えてくれなくて、本当に心配になってしまった……。
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