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初恋
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「俺はサキちゃんのことが好きだよ」
「誰よりも素敵な俺の好きな人を駄目だなんて言わないで。君自身で否定しないで」
ラグトさんも……私のこと好きでいてくれたなんて。いつまでも悩んでみっともない私に想いを、励ましを真っ直ぐ伝えてくれた。
「なんで決めれないんだろう」「自分の気持ちもわからないなんて」って自分を責めて、余計にいっぱいいっぱいになってたんだ。
ぽつぽつと口から言葉が漏れてくる。
「だって、私は……いつか……帰る」
時がくるかもしれない。
俯いてた顔を上げ、そう言いかけた私の体は勢いよく抱きしめられた。
「サキ大好き!」
「リューク……!?」
「大好き、ずっと好き。行かないで、帰るなんて言わないで……。俺のこと嫌いになってもいいからここに居て。一生会えないなんてやだ……」
リュークは焦った様子で私に縋り付く。
「まだ今すぐ帰るわけじゃないだろ、焦りすぎだリューク」
ミスカさんは椅子に座る私と目線を合わせ、優しく頭を撫でる。
「何があったかは知らないが、サキが自分の世界に帰りたいというのなら手伝うし応援する。だけど、ここに居たいと思う気持ちが少しでもあるなら…俺は全力で引き止める」
「!」
「サキは帰りたいのか?」
「私は………帰りたくない」
帰りたくない。言葉にしてようやく認める。
「ここに来て毎日が楽しくて、幸せで……ずっと考えないようにしてたんです。帰る方法も見つけようと努力もせず、好意に甘えて過ごしていて」
「ああ」
「帰りたい気持ちもあるんです。家族に会いたい……友達にも何も言えずにお別れしたくない。もし帰る方法が見つかったら……帰らないとは決めれないんです」
「それは当たり前だ。今急いで決めなくて良い」
「……でも、ヴェルストリアくんもラグトさんも……リュークも気持ちを伝えてくれたのに私は曖昧に帰るか帰らないか分からない状態で、だから断らなきゃって」
「そうか……三人とも……か」
「なのに……それも嫌で。ごめんなさいって言えば、別れる時もきっと苦しくないのに」
駄目、別れる時なんて想像したくない。どうして?勿論お別れするのは誰でも悲しいことだけど、考えるだけでこんなに辛くて受け入れなれないのは……。
「別れる時のことを考えて悩んでいるんだろ?サキ自身はこいつらのこと、純粋にどう思っているんだ?」
「私自身……私は……皆ともっと一緒に居たい」
会うだけでも嬉しかった。どんな些細なことも話していると楽しかった。毎日がキラキラして、とても幸せな気持ちをずっと感じていた。
「触れられるとドキドキして」
ハインツさんの優しい手に撫でられたこと。
「傍に居ると安心して」
ミスカさんの大きな背に乗った時の温かさ。
「普段無邪気なのに凄く強くて」
剣を振り払った時のリュークのカッコいい姿。
「笑ってくれるだけで胸がいっぱいで」
ラグトさんの太陽みたいな明るい笑顔。
「……男の人なんだって意識して」
ヴェルストリアくんのあの熱い眼差し。
どうしよう、私は……。
「好き……なんだ」
ポロポロと涙が溢れ出す。
「好き……ヴェルストリアくんもラグトさんも、リュークもミスカさんも……ハインツさんも。特別で、もっとずっと傍に居たい……。断りたくない……私もっ……好きって言いたい……!」
好き、大好き。これは恋なんだと初めて理解した。皆それぞれカッコいいところも可愛いところもいっぱいあって、同じドキドキや好きでは無いけれど、それぞれに恋してる。
「ごめんなさい……こんな、好きって気持ち初めて……同時に恋してるなんて思わ……なくて……」
皆が好きだなんて可笑しい……よね。呆れられたかな。
でもこの気持ちを恋と呼ばないのなら私は一生恋なんて出来ない。
「……サキ」
「ミスカ……さん」
大きな体で優しく、でもしっかりと包ま込まれる。
「俺を、好きになってくれてありがとう。すごく嬉しい。……ずっと言わないつもりだった」
私の頬を撫で大粒の涙を掬う。
「好きだ、サキ。俺と付き合ってくれ」
「!みすかさ……私……でもっ……」
「帰らなくてはいけない時がもし来ても大丈夫だ。俺は絶対サキを離さないから、俺を恨んで帰れない理由にすればいい」
「恨ま……ないですよ、でも、離さないで……」
「っ……ああ、離さない」
また強く抱きしめられ、ミスカさんらしからぬ小さな震えを感じた。
「サキ…ぃ……ぐずっ」
リュークが私の傍にしゃがみこみぎゅっと手を握る。
「サキ大好き……ずっと好きだったんだ」
「ありがと……大好き……っ私もリュークと一生会えないなんて嫌、一緒に居たいの」
「うん……うん!サキ、俺逃げなかった、逃げなくて良かった。恋をして良かった……!」
「りゅー…くっ……すき」
わんわん泣くリュークを見て私も涙が止まらない。
ミスカさんもリュークも私のこと好きって言ってくれて…幸せが溢れてどうにかなりそう。
ラグトさんは宙を見つめ棒立ちになっていた。
「サキちゃんが……俺のこと……すき……」
「ラグト、しっかりしろ」
ミスカさんに背中を叩かれハッとしている。
「え、現実?」
「ラグトさん!」
私は彼を勢いよく抱きしめた。
「!」
「ありがとうございます……私ずっと卑屈になってばかりで、ただ逃げてただけだった。私の話を聞いてくれて、真っ直ぐ思いを伝えてくれて嬉しかったです」
「サキちゃん……」
「ラグトさん、いつも私を笑顔にしてくれてありがとう。大好き!」
「っ俺も大好きだよ!絶対叶わないと思ってたのに……ありがとう…っ……」
ラグトさんもそっと抱きしめかえしてくれた。
今までは彼の明るい姿を見ることが多かったが過去に色々辛いことがあったことだったり、想いを伝えてくれた時の優しく包みこんでくれるような表情だったり、新しい彼を沢山知れた。
それが凄く嬉しいし、これからもっと知っていきたい。
勿論皆のことも。恋人になったらまだ私の知らない彼らに出会えるのだろうか。
夕食の時間になり団員たちが食堂にやって来て慌てて外に出るまで、私たちはずっと幸せに浸っていた。
「誰よりも素敵な俺の好きな人を駄目だなんて言わないで。君自身で否定しないで」
ラグトさんも……私のこと好きでいてくれたなんて。いつまでも悩んでみっともない私に想いを、励ましを真っ直ぐ伝えてくれた。
「なんで決めれないんだろう」「自分の気持ちもわからないなんて」って自分を責めて、余計にいっぱいいっぱいになってたんだ。
ぽつぽつと口から言葉が漏れてくる。
「だって、私は……いつか……帰る」
時がくるかもしれない。
俯いてた顔を上げ、そう言いかけた私の体は勢いよく抱きしめられた。
「サキ大好き!」
「リューク……!?」
「大好き、ずっと好き。行かないで、帰るなんて言わないで……。俺のこと嫌いになってもいいからここに居て。一生会えないなんてやだ……」
リュークは焦った様子で私に縋り付く。
「まだ今すぐ帰るわけじゃないだろ、焦りすぎだリューク」
ミスカさんは椅子に座る私と目線を合わせ、優しく頭を撫でる。
「何があったかは知らないが、サキが自分の世界に帰りたいというのなら手伝うし応援する。だけど、ここに居たいと思う気持ちが少しでもあるなら…俺は全力で引き止める」
「!」
「サキは帰りたいのか?」
「私は………帰りたくない」
帰りたくない。言葉にしてようやく認める。
「ここに来て毎日が楽しくて、幸せで……ずっと考えないようにしてたんです。帰る方法も見つけようと努力もせず、好意に甘えて過ごしていて」
「ああ」
「帰りたい気持ちもあるんです。家族に会いたい……友達にも何も言えずにお別れしたくない。もし帰る方法が見つかったら……帰らないとは決めれないんです」
「それは当たり前だ。今急いで決めなくて良い」
「……でも、ヴェルストリアくんもラグトさんも……リュークも気持ちを伝えてくれたのに私は曖昧に帰るか帰らないか分からない状態で、だから断らなきゃって」
「そうか……三人とも……か」
「なのに……それも嫌で。ごめんなさいって言えば、別れる時もきっと苦しくないのに」
駄目、別れる時なんて想像したくない。どうして?勿論お別れするのは誰でも悲しいことだけど、考えるだけでこんなに辛くて受け入れなれないのは……。
「別れる時のことを考えて悩んでいるんだろ?サキ自身はこいつらのこと、純粋にどう思っているんだ?」
「私自身……私は……皆ともっと一緒に居たい」
会うだけでも嬉しかった。どんな些細なことも話していると楽しかった。毎日がキラキラして、とても幸せな気持ちをずっと感じていた。
「触れられるとドキドキして」
ハインツさんの優しい手に撫でられたこと。
「傍に居ると安心して」
ミスカさんの大きな背に乗った時の温かさ。
「普段無邪気なのに凄く強くて」
剣を振り払った時のリュークのカッコいい姿。
「笑ってくれるだけで胸がいっぱいで」
ラグトさんの太陽みたいな明るい笑顔。
「……男の人なんだって意識して」
ヴェルストリアくんのあの熱い眼差し。
どうしよう、私は……。
「好き……なんだ」
ポロポロと涙が溢れ出す。
「好き……ヴェルストリアくんもラグトさんも、リュークもミスカさんも……ハインツさんも。特別で、もっとずっと傍に居たい……。断りたくない……私もっ……好きって言いたい……!」
好き、大好き。これは恋なんだと初めて理解した。皆それぞれカッコいいところも可愛いところもいっぱいあって、同じドキドキや好きでは無いけれど、それぞれに恋してる。
「ごめんなさい……こんな、好きって気持ち初めて……同時に恋してるなんて思わ……なくて……」
皆が好きだなんて可笑しい……よね。呆れられたかな。
でもこの気持ちを恋と呼ばないのなら私は一生恋なんて出来ない。
「……サキ」
「ミスカ……さん」
大きな体で優しく、でもしっかりと包ま込まれる。
「俺を、好きになってくれてありがとう。すごく嬉しい。……ずっと言わないつもりだった」
私の頬を撫で大粒の涙を掬う。
「好きだ、サキ。俺と付き合ってくれ」
「!みすかさ……私……でもっ……」
「帰らなくてはいけない時がもし来ても大丈夫だ。俺は絶対サキを離さないから、俺を恨んで帰れない理由にすればいい」
「恨ま……ないですよ、でも、離さないで……」
「っ……ああ、離さない」
また強く抱きしめられ、ミスカさんらしからぬ小さな震えを感じた。
「サキ…ぃ……ぐずっ」
リュークが私の傍にしゃがみこみぎゅっと手を握る。
「サキ大好き……ずっと好きだったんだ」
「ありがと……大好き……っ私もリュークと一生会えないなんて嫌、一緒に居たいの」
「うん……うん!サキ、俺逃げなかった、逃げなくて良かった。恋をして良かった……!」
「りゅー…くっ……すき」
わんわん泣くリュークを見て私も涙が止まらない。
ミスカさんもリュークも私のこと好きって言ってくれて…幸せが溢れてどうにかなりそう。
ラグトさんは宙を見つめ棒立ちになっていた。
「サキちゃんが……俺のこと……すき……」
「ラグト、しっかりしろ」
ミスカさんに背中を叩かれハッとしている。
「え、現実?」
「ラグトさん!」
私は彼を勢いよく抱きしめた。
「!」
「ありがとうございます……私ずっと卑屈になってばかりで、ただ逃げてただけだった。私の話を聞いてくれて、真っ直ぐ思いを伝えてくれて嬉しかったです」
「サキちゃん……」
「ラグトさん、いつも私を笑顔にしてくれてありがとう。大好き!」
「っ俺も大好きだよ!絶対叶わないと思ってたのに……ありがとう…っ……」
ラグトさんもそっと抱きしめかえしてくれた。
今までは彼の明るい姿を見ることが多かったが過去に色々辛いことがあったことだったり、想いを伝えてくれた時の優しく包みこんでくれるような表情だったり、新しい彼を沢山知れた。
それが凄く嬉しいし、これからもっと知っていきたい。
勿論皆のことも。恋人になったらまだ私の知らない彼らに出会えるのだろうか。
夕食の時間になり団員たちが食堂にやって来て慌てて外に出るまで、私たちはずっと幸せに浸っていた。
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