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第十一話
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「ぐぬぬぬ……」
くるみがPCの画面を見ながら唸っている。もうかれこれ一時間はこの状態だ。俺が会社から帰宅すると、学校終わりに直接来たらしいくるみがPCで色々と調べていた。制服姿のくるみを見て、本当に小学生じゃないんだ……と思ったのは内緒。
想定していた以上に春道ダンジョン以外でアタックしやすいダンジョンが見つからないらしい。詳しい事は分からんが、まぁ頑張って頂きたい。
え、俺?俺はクロを撫でている。だって俺よりくるみの方が数倍詳しいし、くるみも俺が得た情報だけでは安心出来ないだろうからね。適材適所ってやつよ。
そうそう、クロといえば、ここのところずっとテレビを見せていた為か、どうやら色々と覚えたらしい。驚く事にテレビの操作を出来るようになっていた。リモコンでチャンネルを変えられる事がわかったみたいで、触手のように、うにょーんと伸ばしてぽちぽちしていた。
まだまだ細かい操作までは出来ないみたいだが、これもレベルアップの恩恵の一つのようだ。本人(本スライム?)に聞いたわけじゃないから見当違いかもしれんけど。
「あぁー!やっぱり見つからない!」
くるみが頭を掻きむしりながら叫ぶように言う。なんか最初の印象と変わりすぎじゃない?本当は人懐っこい子なのかもな。でも良い傾向だとは思う。
「やっぱりダメなの?」
俺の言葉に唸りながら睨んでくる。いや俺にどうしろと。すぐに自分でも気づいたのか、俺の膝の上にいたクロを撫でて深呼吸した。
「……ダメですね。どうしても人の出入りがありますから」
「そうかぁ、やっぱり春道ダンジョンが特殊過ぎたのか」
「あそこは特殊中の特殊ですからね。忘れ去られたダンジョンと言ってもいいかもしれません」
確かにその通りだ。今までアタックして一度も人に会ったことがない。というか下手したら近隣住民でも知らない人がいる可能性だってあるな。土地価格が戻った事からも、ほぼ脅威として認識されていないだろうし。
「難易度は問題ないんですが、探索者や協会の人に見つかった時の対策が立てられません。特に高梨さんが探索者登録をしていないとバレた時が一番危ういですし……」
くるみがそう言って、撫でられて気持ちよさそうにしているクロをちらりと見た。クロの事をきちんと考えてくれているのは有難いな。犯罪の片棒を担がせているのは大人として非常に申し訳ないと思っているが、得体の知れない奴等にクロを引き渡すつもりは全く無い。最悪、トンズラする事も考えないといけないかもな。
「まぁ、今日明日で結論を出さなくてもいいんじゃない?それほど先延ばしには出来ないとしても、すぐに決めなくてもいいと思うよ」
「でも、このままだと高梨さんにお金を遣わせてばっかりになりますし……」
「そこは今は気にしなくてもいいさ。独身男の金の使い道なんて碌にないしね」
「そう言ってもらえるのは有難いですが……」
いや、ほんとに気にしないでほしい。数年ずっとこのままというのは辛いが、数カ月程度なら全然問題ない。むしろ焦って動かれる方が怖いしね。そこのところはくるみもよく理解しているだろうから、改めて言ったりはしないけど。
◆◇◆◇
結論は出ないまま、週末となった。一応、今日のアタックで何も無ければ次回からは別のダンジョンアタックを考えていたが、このままだと当分春道ダンジョンのままになるかもしれない。そう思いつつ、自宅でアタックの準備をしていた。
「荷物は全部よし。それじゃそろそろ行くとするか」
「そうですね。私も大丈夫です」
リビングで荷物チェックを終える。
ふと、いつもなら俺達が家を出ていく準備をしていても特に反応の無いクロがぴょんぴょんと跳ねながら俺達に何かをアピールしていた。
「クロちゃんどうしたの?」
くるみが声を掛ける。クロはくるみの声に反応し、飛ぶのを止めた。
「一体どうしたんだ?俺たちは今からダンジョンに行ってくるから留守番だぞ」
俺の言葉にクロがまた跳ね始める。よくわからんな。
「……もしかして、ついて来たいんじゃないですか?」
「はぁ?クロが?」
俺の言葉に頷くくるみ。でも今まで全然興味なんて無さそうだったぞ?
日中はほぼテレビに齧りついているみたいだったし、俺がダンジョン関連を調べていても特に興味がありそうには見えなかった。
何か心境の変化でもあったのか?
「クロちゃん、私たちと一緒にダンジョンに行きたいの?」
くるみの言葉にぷるぷる震えるクロ。ふむ、これは確かにくるみの言う通りみたいだ。
「いやそりゃ、一度連れて行ってみようって話はしてたけどさぁ、でも理由がわからんぞ」
ぶっちゃけ、クロを連れていく理由がない。むしろ連れて行けば、戦闘中も多少なりとも意識しないといけないので、俺としてはクロを連れて行くという事は現実的とは思っていなかった。
クロの戦闘力は未知数で、俺もくるみもまだ素人同然でしかない。一歩間違えれば簡単に死ぬかもしれないのに、無用なリスクを抱える事は避けたかった。俺一人ならまだしも、くるみまで一緒にいるのだ。俺の不注意で危険に晒す可能性もあるのだから。
「理由は私にもわかりませんけど、でもクロちゃんがこんな事言ったの初めてですし、それに私たちとしても今後の事を進めあぐねているのなら良いのでは?いつも以上に安全マージンをしっかり取れば大丈夫ですよ」
くるみとしては連れて行きたいのか。まぁクロを連れて行ったからどうこうなる可能性は低いといえば低いが……。
「いやぁ、でも、うーん……」
結局、押し切られてしまった。クロをそのまま連れていく訳にはいかないので、荷物をバックパックから出してスペースを確保する。
ダンジョン内に入ってから荷物を入れ替えをすれば大丈夫だから、それまでは出した分の荷物は手持ちだ。本職の探索者が見たら、お前ふざけてるのか?と言われそうだが、まぁ、見られる事は無いだろう。そこまで心配してないけどな。
◆◇◆◇
春道ダンジョンに入る時、いつも以上に気を付けていたが特に人の気配は無かった。週末の深夜だしね。
「よし、外に出てもいいぞ、クロ」
バックパックの口を開け、声を掛ける。俺の声に反応して、ぴょーんっと元気にクロが飛び跳ねて出てきた。しゅたっ、と音が聞こえそうなほどに綺麗に着地すると、身体を上下左右にうにうにさせる。ウォーミングアップ的なやつかな?
「戦うつもりか?それにそもそもクロに戦闘能力はあるのか?」
よーし、やったるでー! という言葉でも聞こえてきそうなクロの姿に思わず質問してしまう。だが、俺の言葉にクロは特に動かなかった。という事はやはり戦闘能力は無いという事か?よくわからんな。
「クロは戦うつもり無いみたいだな。それじゃあ陣形としては、俺、くるみ、クロの順番かな」
「そうですね、それでいいと思います。今日はクロちゃんがいるので私も意識しておくようにしますね」
では行くか、とくるみとクロに声を掛けると、クロが頻りに身体をぷるぷる震わせ始めた。
「クロちゃんどうしちゃったの?」
怪訝そうな顔で問いかけるくるみの言葉に、なおもぷるぷると震えていたが、いきなり身体をうにょーんと伸ばしたかと思うと、そのまま俺の頭の上に乗っかりやがった。俺はヘッドライト付きヘルメットを被っているから、それにさらにクロの質量もとなると無理がある。俺に乗せていけって事か? 君ちょっとアタックを舐めすぎじゃない?
「あれ、でも思ったより重くないな」
普段家で膝に乗せてクロをぷにぷにしている時ほどの重量感がない。多少は重さを感じるが、気にならない程度だ。ヘルメットがちょっと重くなったなーってくらいのレベル。数日間乗せっぱなしならそれなりに影響するのかもしれないが、たかが数時間のアタックでいえば無視してもいいくらいだろう。
「っていうか、クロちゃんちょっと小さくなってません?」
「えっ?どういう事?」
「だってどう見てもさっきまでより小さくなってるんですけど……」
くるみの言っている意味がわからず、ゆっくりとヘルメットを外し、クロを落とさないように気を付けながら胸辺りまで下ろす。
本当に小さくなってやがる……。
いつも膝に抱えている時の半分以下のサイズだ。両手から少しはみ出るくらいか?これならヘルメットの上でも十分なサイズだし、しかもめちゃ軽くなってるし。いつの間にこんな技を修得してたんだよコイツ……。
「もしかしてもっと小さくなれたり……」
クロが僕の言葉に即座に反応し、そのサイズは片手で収まるサイズにまで小さくなった。重さも少し軽くなっている。
どう?凄いでしょ!?とでも言わんばかりに手の中でぷるぷる震えるクロ。
「荷物出す必要無かったやんけェ!!」
……そりゃ言いたくもなるでしょ?
くるみがPCの画面を見ながら唸っている。もうかれこれ一時間はこの状態だ。俺が会社から帰宅すると、学校終わりに直接来たらしいくるみがPCで色々と調べていた。制服姿のくるみを見て、本当に小学生じゃないんだ……と思ったのは内緒。
想定していた以上に春道ダンジョン以外でアタックしやすいダンジョンが見つからないらしい。詳しい事は分からんが、まぁ頑張って頂きたい。
え、俺?俺はクロを撫でている。だって俺よりくるみの方が数倍詳しいし、くるみも俺が得た情報だけでは安心出来ないだろうからね。適材適所ってやつよ。
そうそう、クロといえば、ここのところずっとテレビを見せていた為か、どうやら色々と覚えたらしい。驚く事にテレビの操作を出来るようになっていた。リモコンでチャンネルを変えられる事がわかったみたいで、触手のように、うにょーんと伸ばしてぽちぽちしていた。
まだまだ細かい操作までは出来ないみたいだが、これもレベルアップの恩恵の一つのようだ。本人(本スライム?)に聞いたわけじゃないから見当違いかもしれんけど。
「あぁー!やっぱり見つからない!」
くるみが頭を掻きむしりながら叫ぶように言う。なんか最初の印象と変わりすぎじゃない?本当は人懐っこい子なのかもな。でも良い傾向だとは思う。
「やっぱりダメなの?」
俺の言葉に唸りながら睨んでくる。いや俺にどうしろと。すぐに自分でも気づいたのか、俺の膝の上にいたクロを撫でて深呼吸した。
「……ダメですね。どうしても人の出入りがありますから」
「そうかぁ、やっぱり春道ダンジョンが特殊過ぎたのか」
「あそこは特殊中の特殊ですからね。忘れ去られたダンジョンと言ってもいいかもしれません」
確かにその通りだ。今までアタックして一度も人に会ったことがない。というか下手したら近隣住民でも知らない人がいる可能性だってあるな。土地価格が戻った事からも、ほぼ脅威として認識されていないだろうし。
「難易度は問題ないんですが、探索者や協会の人に見つかった時の対策が立てられません。特に高梨さんが探索者登録をしていないとバレた時が一番危ういですし……」
くるみがそう言って、撫でられて気持ちよさそうにしているクロをちらりと見た。クロの事をきちんと考えてくれているのは有難いな。犯罪の片棒を担がせているのは大人として非常に申し訳ないと思っているが、得体の知れない奴等にクロを引き渡すつもりは全く無い。最悪、トンズラする事も考えないといけないかもな。
「まぁ、今日明日で結論を出さなくてもいいんじゃない?それほど先延ばしには出来ないとしても、すぐに決めなくてもいいと思うよ」
「でも、このままだと高梨さんにお金を遣わせてばっかりになりますし……」
「そこは今は気にしなくてもいいさ。独身男の金の使い道なんて碌にないしね」
「そう言ってもらえるのは有難いですが……」
いや、ほんとに気にしないでほしい。数年ずっとこのままというのは辛いが、数カ月程度なら全然問題ない。むしろ焦って動かれる方が怖いしね。そこのところはくるみもよく理解しているだろうから、改めて言ったりはしないけど。
◆◇◆◇
結論は出ないまま、週末となった。一応、今日のアタックで何も無ければ次回からは別のダンジョンアタックを考えていたが、このままだと当分春道ダンジョンのままになるかもしれない。そう思いつつ、自宅でアタックの準備をしていた。
「荷物は全部よし。それじゃそろそろ行くとするか」
「そうですね。私も大丈夫です」
リビングで荷物チェックを終える。
ふと、いつもなら俺達が家を出ていく準備をしていても特に反応の無いクロがぴょんぴょんと跳ねながら俺達に何かをアピールしていた。
「クロちゃんどうしたの?」
くるみが声を掛ける。クロはくるみの声に反応し、飛ぶのを止めた。
「一体どうしたんだ?俺たちは今からダンジョンに行ってくるから留守番だぞ」
俺の言葉にクロがまた跳ね始める。よくわからんな。
「……もしかして、ついて来たいんじゃないですか?」
「はぁ?クロが?」
俺の言葉に頷くくるみ。でも今まで全然興味なんて無さそうだったぞ?
日中はほぼテレビに齧りついているみたいだったし、俺がダンジョン関連を調べていても特に興味がありそうには見えなかった。
何か心境の変化でもあったのか?
「クロちゃん、私たちと一緒にダンジョンに行きたいの?」
くるみの言葉にぷるぷる震えるクロ。ふむ、これは確かにくるみの言う通りみたいだ。
「いやそりゃ、一度連れて行ってみようって話はしてたけどさぁ、でも理由がわからんぞ」
ぶっちゃけ、クロを連れていく理由がない。むしろ連れて行けば、戦闘中も多少なりとも意識しないといけないので、俺としてはクロを連れて行くという事は現実的とは思っていなかった。
クロの戦闘力は未知数で、俺もくるみもまだ素人同然でしかない。一歩間違えれば簡単に死ぬかもしれないのに、無用なリスクを抱える事は避けたかった。俺一人ならまだしも、くるみまで一緒にいるのだ。俺の不注意で危険に晒す可能性もあるのだから。
「理由は私にもわかりませんけど、でもクロちゃんがこんな事言ったの初めてですし、それに私たちとしても今後の事を進めあぐねているのなら良いのでは?いつも以上に安全マージンをしっかり取れば大丈夫ですよ」
くるみとしては連れて行きたいのか。まぁクロを連れて行ったからどうこうなる可能性は低いといえば低いが……。
「いやぁ、でも、うーん……」
結局、押し切られてしまった。クロをそのまま連れていく訳にはいかないので、荷物をバックパックから出してスペースを確保する。
ダンジョン内に入ってから荷物を入れ替えをすれば大丈夫だから、それまでは出した分の荷物は手持ちだ。本職の探索者が見たら、お前ふざけてるのか?と言われそうだが、まぁ、見られる事は無いだろう。そこまで心配してないけどな。
◆◇◆◇
春道ダンジョンに入る時、いつも以上に気を付けていたが特に人の気配は無かった。週末の深夜だしね。
「よし、外に出てもいいぞ、クロ」
バックパックの口を開け、声を掛ける。俺の声に反応して、ぴょーんっと元気にクロが飛び跳ねて出てきた。しゅたっ、と音が聞こえそうなほどに綺麗に着地すると、身体を上下左右にうにうにさせる。ウォーミングアップ的なやつかな?
「戦うつもりか?それにそもそもクロに戦闘能力はあるのか?」
よーし、やったるでー! という言葉でも聞こえてきそうなクロの姿に思わず質問してしまう。だが、俺の言葉にクロは特に動かなかった。という事はやはり戦闘能力は無いという事か?よくわからんな。
「クロは戦うつもり無いみたいだな。それじゃあ陣形としては、俺、くるみ、クロの順番かな」
「そうですね、それでいいと思います。今日はクロちゃんがいるので私も意識しておくようにしますね」
では行くか、とくるみとクロに声を掛けると、クロが頻りに身体をぷるぷる震わせ始めた。
「クロちゃんどうしちゃったの?」
怪訝そうな顔で問いかけるくるみの言葉に、なおもぷるぷると震えていたが、いきなり身体をうにょーんと伸ばしたかと思うと、そのまま俺の頭の上に乗っかりやがった。俺はヘッドライト付きヘルメットを被っているから、それにさらにクロの質量もとなると無理がある。俺に乗せていけって事か? 君ちょっとアタックを舐めすぎじゃない?
「あれ、でも思ったより重くないな」
普段家で膝に乗せてクロをぷにぷにしている時ほどの重量感がない。多少は重さを感じるが、気にならない程度だ。ヘルメットがちょっと重くなったなーってくらいのレベル。数日間乗せっぱなしならそれなりに影響するのかもしれないが、たかが数時間のアタックでいえば無視してもいいくらいだろう。
「っていうか、クロちゃんちょっと小さくなってません?」
「えっ?どういう事?」
「だってどう見てもさっきまでより小さくなってるんですけど……」
くるみの言っている意味がわからず、ゆっくりとヘルメットを外し、クロを落とさないように気を付けながら胸辺りまで下ろす。
本当に小さくなってやがる……。
いつも膝に抱えている時の半分以下のサイズだ。両手から少しはみ出るくらいか?これならヘルメットの上でも十分なサイズだし、しかもめちゃ軽くなってるし。いつの間にこんな技を修得してたんだよコイツ……。
「もしかしてもっと小さくなれたり……」
クロが僕の言葉に即座に反応し、そのサイズは片手で収まるサイズにまで小さくなった。重さも少し軽くなっている。
どう?凄いでしょ!?とでも言わんばかりに手の中でぷるぷる震えるクロ。
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