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第4話 クレマチスの呪い
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「ルーカス殿下! 大丈夫ですか?」
――しまった。油断した!
苦しそうに顔をしかめるルーカスを見て、リラの血の気が引いていく。
「大丈夫、心配いらない。それより、リラは無事? 怪我はない?」
「わたしより、自分のことを心配して下さい!」
侵入者の男は、すでに衛兵数人に押さえ込まれている。男のことは彼らに任せて、リラは王子に向きなおった。
「殿下、手を見せて下さい」
彼の手の甲は赤くなっていた。
触れて調べようとしたら、ルーカスが手を引いた。
「隠さないで下さい。応急処置いたします」
「いや。これには直接、触れないほうがいい」
ルーカスは、視線を地面に向けた。
男が投げた物は白い綿のような物を入れた陶器だったらしく、壊れて周りに散らばっている。集めて元に戻せば、こぶし大ほどの大きさだ。
「この白いふわふわの綿毛は、なんでしょうか?」
「クレマチスの種子だ。見たことがある」
「これが、花の種?」
「しかも、最近品種改良された、『クレマチス・カルディア』。毒性が強い」
リラは、目を見開いた。
彼の額には、大粒の汗が浮かんでいた。さっきまで普通に話していた彼の息が浅くなっている。リラは怒りで震えた。
「王太子殿下、どうされましたか?」
敷地内が無事か確認を終えた父が、血相を変えて駆け寄ってきた。
「捕えていた男が起き上がって、毒がある植物を殿下に、ぶつけました」
ワイアットは途端に顔を紅潮させ、険しい顔で怒鳴った。
「殿下を守るべきおまえが、なにをやっている!」
「申しわけございません」
怒られて当然だ。リラは殴られるのを覚悟した。ルーカスに向かって頭を深く下げる。
「バーナード辺境伯、リラは、悪くない。私が勝手にやったことです。彼女を責めないで」
ルーカスは、親子のあいだに割って入った。
ワイアットは眉間にしわを寄せ、顔を歪めながらルーカスをじっと見つめる。
「殿下、処分はあとで、いくらでも受けます」
頭を下げたあと、「失礼します」と詫びてからワイアットは手袋をしたまま、ルーカスの袖をひじまでまくった。
手を中心に手首、腕へと、赤い腫れは広がり、ミミズ腫れになっていた。
「人によって、触れるだけでかぶれる花や草はあります。ですがこれは、普通のかぶれかたじゃない」
「父さん、それ、どういうこと? 赤いのは、炎症反応じゃないの?」
リラの質問に、ワイアットは渋い顔のまま答えた。
「数十年前になるが、この症状を一度、見たことがある。リラ。ここを、よく見てみろ。赤いミミズ腫れがどんどん金色に変色していく。形もまるで、植物の蔓が伸びて葉を茂らせていくみたいに見えないか?」
リラは目を懲らした。
ワイアットの言うように、赤かったミミズ腫れは金色に変わっていた。手の甲からはじまって、蔓のように細い茎が伸びて指や手首に巻き付いている。
「蔓、か。たしかに、締め付けられているような、痛みがある。辺境伯。治療のしかた、わかりますか?」
ルーカスは、自分の腕を見ながらワイアットに聞いた。
「治しかたは、わかりません」
「わからない? 解毒薬がないってこと?」
父親に詰め寄ったが、ワイアットはリラではなくルーカスに向きなおると口を開いた。
「殿下。落ちついて聞いて下さい。リラもよく聞いて。これは、毒による症状ではありません。おそらく、……『呪い』です」
今度はリラが眉間にしわを寄せた。
「は?……呪い?」
「つまり、この蔓の形のかぶれ……金色の紋様は、相手を呪う術師の仕業ということか」
ルーカスが呟くとワイアットは頷いた。
「術師は希有な存在です。使える者は限られる。高位な貴族か、あるいは……」
「王族だ」
ルーカスは自嘲するように、鼻でふっと笑った。
――つまり、ルーカスを呪った相手は、王族。異母弟か、継母の王太后……。
「まどろっこしい。殺すなら、ひと思いにやればいいものを」
「殿下、無理してはなりません」
ワイアットは握りこぶしを作るルーカスをなだめた。
現在、オースティン王国の実権を握るのは、王太后のローズ・オースティンだ。
リヒャード王は長年、重い病に伏せっていて、彼女が摂政を任されている。
ルーカスの母、前王太后アイビィーはすでに亡く、国王以外、後継人も後ろ盾もないルーカスはこの機会に王にならないと、王位を弟に奪われ、権力争いに負けるおそれがあった。
――殿下が呪われたと世間に知られれば、立場がもっと危うくなる。
「父さん、これが呪いなら、祓えばいいのでは? 前に見たんでしょう? その人はどうやって治ったの?」
「……呪いを祓えずに、死んだ」
ワイアットは、「どうすることもできなかった」と、悔しそうに顔を歪めた。
「今はまだ手首だが、絡まるようにゆっくりと巻き付きながらやがてひじに達し、肩、鎖骨、胸へと伸びていく。蔓はやがて喉や、心臓に届く。じっくりと絞め殺す、たちの悪い『呪い』だ」
リラはルーカスの首に蔓が巻きつく姿を想像し、言葉を失った。その場に重い沈黙が流れる。
「……そんなの、絶対にだめだ。殿下は呪いなんかで死なない、させない! 父さん、どうしたらいい?」
「わからん。とりあえず、殿下を休ませよう。ルーカスさま移動しますよ。動けますか?」
父が話しかけても、ルーカスからは返事がない。
ワイアットがルーカスの顔をのぞき込み、耳を口元へ持っていく。
「意識を失っている。リラ、肩を貸せ」
「わかりました」
担ぐためにルーカスに触れると、燃えるように熱かった。彼の顔をのぞき込む。
いつも気丈に振る舞う彼が、苦しみの中にいる。
このまま目を覚まさなかったらと、不安で足が震えだす。リラは、ぐっと奥歯を噛みしめると睨むように前を向いた。
――しまった。油断した!
苦しそうに顔をしかめるルーカスを見て、リラの血の気が引いていく。
「大丈夫、心配いらない。それより、リラは無事? 怪我はない?」
「わたしより、自分のことを心配して下さい!」
侵入者の男は、すでに衛兵数人に押さえ込まれている。男のことは彼らに任せて、リラは王子に向きなおった。
「殿下、手を見せて下さい」
彼の手の甲は赤くなっていた。
触れて調べようとしたら、ルーカスが手を引いた。
「隠さないで下さい。応急処置いたします」
「いや。これには直接、触れないほうがいい」
ルーカスは、視線を地面に向けた。
男が投げた物は白い綿のような物を入れた陶器だったらしく、壊れて周りに散らばっている。集めて元に戻せば、こぶし大ほどの大きさだ。
「この白いふわふわの綿毛は、なんでしょうか?」
「クレマチスの種子だ。見たことがある」
「これが、花の種?」
「しかも、最近品種改良された、『クレマチス・カルディア』。毒性が強い」
リラは、目を見開いた。
彼の額には、大粒の汗が浮かんでいた。さっきまで普通に話していた彼の息が浅くなっている。リラは怒りで震えた。
「王太子殿下、どうされましたか?」
敷地内が無事か確認を終えた父が、血相を変えて駆け寄ってきた。
「捕えていた男が起き上がって、毒がある植物を殿下に、ぶつけました」
ワイアットは途端に顔を紅潮させ、険しい顔で怒鳴った。
「殿下を守るべきおまえが、なにをやっている!」
「申しわけございません」
怒られて当然だ。リラは殴られるのを覚悟した。ルーカスに向かって頭を深く下げる。
「バーナード辺境伯、リラは、悪くない。私が勝手にやったことです。彼女を責めないで」
ルーカスは、親子のあいだに割って入った。
ワイアットは眉間にしわを寄せ、顔を歪めながらルーカスをじっと見つめる。
「殿下、処分はあとで、いくらでも受けます」
頭を下げたあと、「失礼します」と詫びてからワイアットは手袋をしたまま、ルーカスの袖をひじまでまくった。
手を中心に手首、腕へと、赤い腫れは広がり、ミミズ腫れになっていた。
「人によって、触れるだけでかぶれる花や草はあります。ですがこれは、普通のかぶれかたじゃない」
「父さん、それ、どういうこと? 赤いのは、炎症反応じゃないの?」
リラの質問に、ワイアットは渋い顔のまま答えた。
「数十年前になるが、この症状を一度、見たことがある。リラ。ここを、よく見てみろ。赤いミミズ腫れがどんどん金色に変色していく。形もまるで、植物の蔓が伸びて葉を茂らせていくみたいに見えないか?」
リラは目を懲らした。
ワイアットの言うように、赤かったミミズ腫れは金色に変わっていた。手の甲からはじまって、蔓のように細い茎が伸びて指や手首に巻き付いている。
「蔓、か。たしかに、締め付けられているような、痛みがある。辺境伯。治療のしかた、わかりますか?」
ルーカスは、自分の腕を見ながらワイアットに聞いた。
「治しかたは、わかりません」
「わからない? 解毒薬がないってこと?」
父親に詰め寄ったが、ワイアットはリラではなくルーカスに向きなおると口を開いた。
「殿下。落ちついて聞いて下さい。リラもよく聞いて。これは、毒による症状ではありません。おそらく、……『呪い』です」
今度はリラが眉間にしわを寄せた。
「は?……呪い?」
「つまり、この蔓の形のかぶれ……金色の紋様は、相手を呪う術師の仕業ということか」
ルーカスが呟くとワイアットは頷いた。
「術師は希有な存在です。使える者は限られる。高位な貴族か、あるいは……」
「王族だ」
ルーカスは自嘲するように、鼻でふっと笑った。
――つまり、ルーカスを呪った相手は、王族。異母弟か、継母の王太后……。
「まどろっこしい。殺すなら、ひと思いにやればいいものを」
「殿下、無理してはなりません」
ワイアットは握りこぶしを作るルーカスをなだめた。
現在、オースティン王国の実権を握るのは、王太后のローズ・オースティンだ。
リヒャード王は長年、重い病に伏せっていて、彼女が摂政を任されている。
ルーカスの母、前王太后アイビィーはすでに亡く、国王以外、後継人も後ろ盾もないルーカスはこの機会に王にならないと、王位を弟に奪われ、権力争いに負けるおそれがあった。
――殿下が呪われたと世間に知られれば、立場がもっと危うくなる。
「父さん、これが呪いなら、祓えばいいのでは? 前に見たんでしょう? その人はどうやって治ったの?」
「……呪いを祓えずに、死んだ」
ワイアットは、「どうすることもできなかった」と、悔しそうに顔を歪めた。
「今はまだ手首だが、絡まるようにゆっくりと巻き付きながらやがてひじに達し、肩、鎖骨、胸へと伸びていく。蔓はやがて喉や、心臓に届く。じっくりと絞め殺す、たちの悪い『呪い』だ」
リラはルーカスの首に蔓が巻きつく姿を想像し、言葉を失った。その場に重い沈黙が流れる。
「……そんなの、絶対にだめだ。殿下は呪いなんかで死なない、させない! 父さん、どうしたらいい?」
「わからん。とりあえず、殿下を休ませよう。ルーカスさま移動しますよ。動けますか?」
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ワイアットがルーカスの顔をのぞき込み、耳を口元へ持っていく。
「意識を失っている。リラ、肩を貸せ」
「わかりました」
担ぐためにルーカスに触れると、燃えるように熱かった。彼の顔をのぞき込む。
いつも気丈に振る舞う彼が、苦しみの中にいる。
このまま目を覚まさなかったらと、不安で足が震えだす。リラは、ぐっと奥歯を噛みしめると睨むように前を向いた。
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