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アルフの発情期

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「育児は良いけどモフモフするのはやめてあげてっ。あと先に言っておくけど、噛むのもダメだからね」

 アルフレッドにヒョイっと横向きに抱きかかえられる。

「もう少し……「ダメ、部屋行くよ」……僕の可愛いモフモフたち」
「エドのそのモフモフ好きって、もしかしてディーラさんが原因なんじゃない?」

 言われてみるとそうかもしれないと納得出来た。一番初めに森で出会った時に体に絡ませられた尻尾が、やたら懐かしく思えたからだ。

「そうなのかも……。僕も古代の獣人語覚えたい」
「じゃあ兄貴に聞いてみるよ」
「ありがとうアルフ」

 首に両腕を巻き付けて頬を擦り寄せる。
 アルフレッドとやり取りしていると、ものすごい勢いでロジェが駆けてきた。

「エドウィン君! おれのモフモフはどうですか?」

 その言葉にピクリと反応してしまった。途端にアルフレッドの機嫌が急降下していく。

「エーードーーー?」
「フワフワ……」
「ロジェとかもっとダメ!」

 降りられないようにアルフレッドに体を固定される。

「ふはーー、必死過ぎっっ。マジでキレてるアルフ兄とかもウケるっ」

 周りからくすくすと笑い声が聞こえてくるものの、視線はロジェの頭に固定していた。

「アルフ、降ろしてくれ!」
「は? 何で?」
「少しだけで良いんだ」
「俺ダメって言ったよね?」
「でも……」
「分かった。もういい」

 とうとうアルフレッドが拗ねて先に部屋に帰ってしまった。その後をすぐに追いかける。ロジェは笑い過ぎて倒れていた。

 ——ちょっと……いや、かなりなおざりにしすぎたかな。

 アルフレッドの後を追って小走りに部屋に戻った。

「アルフ、悪かった。拗ねるな」

 ベッドに転がっているアルフレッドの横に腰掛けて、頬に唇を押し当てる。

「僕のモフモフはアルフだけだ」
「そうじゃなくて……」
「分かっている。僕にはアルフだけだよ」

 白髪の毛に指を絡めて頭を撫でた。

「ていうかエドさあ、マジでロジェはやめて。あいつああ見えて見境ないし手が早いんだよ。倫理観ゼロ。絶対ダメ」

 ——お前がそれを言うのか……。

 そう思ったものの言葉にはしなかった。
 一瞬で体の向きを反転させられる。両腕を伸ばしてアルフレッドの端正な顔を両側から掌で包み込んだ。

「安心していい。僕にとっての男はアルフだけだから。て、あれ? アルフ何かお前顔が赤いし、熱っぽいぞ? もしかして体調悪いのか?」

 途端に体の力を抜かれてしまい、上から潰される。

「アルフ……っ、重い……、んん!」

 アルフレッドの体を退けようとすると口付けで唇を塞がれた。胸の飾りを弄られ、体が大きく震える。

「ん、ぁ、アルフ。する……のか? でもお前体調悪いんじゃ?」
「違う……これは体調不良じゃない。エド、どうしよう」

 何だか少し様子のおかしいアルフレッドが唇を離した直後に、気まずそうに声をあげた。

「どうした?」
「発情期に入っちゃったかもしれない」

 真剣な表情をして言うから、思わず笑ってしまった。
 獣人族なら発情期があって当然だ。今までのアルフレッドの節操の無さは発情期が関係していたのかもしれない。

「気にしなくて良いよ。アルフの好きなようにすれば良い。ちゃんと婚約してるし問題ないだろ」

 そう言うと気まずそうに視線を逸らされた。

「いや……それがあったりして」
「ハッキリ言えよ」

 嘆息する。言葉にしないものを察するのは苦手だ。

「エドの中に子宮がまだ残ってるんだよね」
「は? どうしてだ?」

 男体で出産する場合、分娩時に子宮ごと取り出されるのが通常のやり方だった。なので望んだ時だけその都度魔法で仮の子宮を作っている。それが残っているというのは、おかしな話だった。

「前回は出血が酷かったから、取り出せなかったんだよ」
「……」

 いそいそとアルフレッドの下から逃れようとしていると、腰を引き戻される。

「おい、アルフ! 僕はもう産む気ない!」
「なるべく外で出すから……ダメ?」

 困ったように微笑みを浮かべられると断りづらい。散々唸った挙句に、肯定の意を紡いだ。

「…………分かった」

 アルフレッドからの願いには、つくづく弱いと思い知る。
 そこからはさっきまでの甘さが少しだけ消えて、猛々しさが増した。
 早々に服を脱がされ、胸元の突起を舌先で転がされる。指で内部の前立腺を刺激されると中が疼いて堪らなくなった。

 体が快感を覚えているのか、もう享受する喜びしかない。指を増やされ中で指を広げられると、更なる快楽を欲して体が震えた。

「アルフ、もう……、あ、あ、イキそうだから、中に欲しい」
「まだダメ。久しぶりだしもう少し慣らしておきたい。イっていいよエド」

 腹の奥がキュッと締め付けられたように疼いて、逃げ腰気味になってしまい腰を浮かせる。逆に指でピストンされる動きが早くなっていく。

「ふ、ァ、ああ、アッ、ああーー!」

 指だけでイかされてしまい体が丸まる。
 刺激はそれだけで終わらずに、イキながらも動かされると強い快感に変わっていき喘ぐ。

「それ……やめ、待って……っ、待ってくれ、アルフ! まだイってるから……ッ動かすな!」
「うん、何回でもイっていいよ? エドの中凄いね。俺の指を凄く締め付けてる。そろそろいいかな。挿れていい?」
「あ、ああ、あ……ッ、ん、良いから、早く」

 うつ伏せに返されて、窄まりに肉感のあるモノを押し当てられる。ゆっくりと内部を開かれた。

「ひ、ぁ、あああ!」

 質量感のある陰茎を内部ギリギリまで突き入れられる。あまりの気持ちよさに眩暈がした。
 肌を打つ音が鳴り響き、聴覚からも犯されている気になる。

「エド、愛してる」

 首筋とうなじを何度も舐められて歯を立てられると、嫌でも意識がそこに向いてしまった。

「んん、ぁ、僕も……っ、好きだ……ッ、ん、ぁ~~っ、アル……フっ、またイクッ!」
「エド、可愛い。気持ちいい?」
「ぁあっあ、……ちいい、気持ちいい」

 律動される度に、魔法で生成された潤滑剤に似た液体が卑猥な音を立てる。気分を駆り立てられてしまい、頭の中で星が散った。



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