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第五話、厄介なチート神様がやる気なさ過ぎて憑かれるんですが?
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しおりを挟む博嗣はフラフラとした足取りで立ち上がり「明日には戻る」と言って出て行ってしまった。
「本当に番候補者なのか? その前に一発殴らせろ。お前のせいでこっちは仕事休むハメになってんだよ。俺の皆勤賞返せ」
「美味そうな匂いに釣られて目覚めたからな。直ぐに喰ってしまいたいくらいには香りに誘われているぞ。だが、こんな薄い腹では心配になるな。お前本当に四人と契っておるのか? この薄さじゃ儂のを入れたら腹が破けてしまうぞ」
ニギハヤヒは朝陽の腰に両手をかける。執拗に撫で回され、挙句の果てにはお尻にも手が伸びてきたものだから、朝陽は思わずニギハヤヒの頭に手刀をお見舞いした。
「セクハラやめろ」
「シシシシ。番に対して厳し過ぎやせんか? まあ、そこも良い」
笑いながら言ったニギハヤヒから視線を逸らす。
「俺は普段からこうだ。嫌なら他の番を見つける事だな」
「なんだ知らんのか? 華守人が生まれ落ちた瞬間から番の候補者は決まっておる。他の者と番う事は出来んぞ」
「そうなのか⁉︎」
初耳だった。
「だから番が複数いるどころか、こぞって癖の強い神格化クラスばかりを番にするお前の事は興味深くてな。まあ、この家に来て謎が解けたわ」
ニヤけ顔で朝陽を見つめながらニギハヤヒは口を開いた。
「あそこまで精度の高い結界を張れる人間は朝陽お前だけだ。お前は華守人の中でも極めて異質な存在。言い換えれば、亜種と言った所か。試しに孕ませたくなるな」
「実験なんかで孕みたくはないな……」
「そうか、残念だ。華守人は華守人自身が望まん限り孕む事はないからな。孕みたくなったら儂に言え。あー、その前に番契約を結ぶとしようか」
「だからか……」
腑に落ちた。これまでに四人がかりで散々中出しされているのに孕まない理由がここにあった。
突然視界が変わり見上げると、朝陽はニギハヤヒに押し倒されていた。
「アンタ、何してる?」
「番契約を結ぶと言ったろうが」
「朝なんだけど……」
「契るのに朝も夜も関係ないわ」
「はいはい、そうですね」
答えている間に既に服を脱がされかけていて、腹が立った朝陽はニギハヤヒの頭にまた手刀をお見舞いした。
物理的な攻撃だけだったさっきとは違い、霊力を込めて放った朝陽の手刀は大分効いたらしい。ニギハヤヒが頭を押さえながら倒れた。ざまあみろと思いながらほくそ笑む。幾分か溜飲が下がった。
「この、おてんば娘がっ」
両手を一纏めにされ頭上で固定される。首筋に噛みつかれ、強制発情させられた。暴れようとした所で金縛りで動けなくなる。普段なら解ける金縛りもニギハヤヒがかけたとなると桁違いな強度を誇っていた。指一本動かせずにいると、そんな朝陽を眼下にニギハヤヒは薄っすら笑みを浮かべる。
「ああ、声くらいは出せるようにしてやろう。そっちの方が唆られるからな」
指を鳴らすと、朝陽の口が開放された。
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