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第二話、どうやら幼少期から現在進行形で九尾の狐から執着という名のストーキングをされていたようです。
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しおりを挟む「ひっ⁉︎ ぁ、あああ!」
叫びながら、朝陽の瞼が目一杯押し広げられる。また気を失ってしまいそうなくらいの快感が全身を駆け巡ってきて、意識ごと蝕まれた。
「や、やっ、な……に」
快感で思考が働かない。チカチカと光が明滅している中で、朝陽はキュウの姿を瞳の中に映し出した。
「おま……っ、や、ああッあ‼︎」
より一層奥深くまで入れられてしまい、朝陽は背をしならせる。
「も、入らない……っ、キュウッ、入らな……いぃい! 奥、やめ……っろ」
朝陽の言葉に、キュウが目を瞬かせた。
「あれ? もしかしてまだ結腸は開発されてない?」
「結腸……?」
「へー」
キュウの目が窄められ、ニヤリと嫌な笑みを刻まれる。
「朝陽、また気絶しちゃったりしてね」
嫌な予感しかしない。
朝陽が逃げ出そうとすると、キュウは一度腰を引いてから思いっきり奥に叩きつけられた。グプッと下っ腹から妙な音がして朝陽の体を衝撃が走り抜ける。
「~~っ‼︎」
音にもならない悲鳴が朝陽の口から漏れた。
体を硬直させて、中イキの余韻に浸る前に、結腸弁周辺を行き来するキュウの陰茎に突き上げられる。
「あっああ、ん、あん、あああ! またイク~~っ! だめ……っ、だめだって~~、止まらなッ‼︎」
朝陽がイった。快感の波が全然収まらず、イッたと思った瞬間にまた次の絶頂感が訪れる。直腸内が痙攣するかのように震えてキュウの陰茎を締め上げた。
「ヤバ……っ、朝陽の中、想像してた以上に気持ちいい」
「キュウ……っ、あああッあ、ん、もう、嫌だ」
全然終わりの見えない快楽が怖くて、朝陽はキュウの襟元を握りしめた。
「や、あ、ァァア、動くなぁああ! キュウ……もう、これ……っ、深い……っからぁあ! ああっ、ん、ぁ、ああ!」
「今日はこれで終わりにしてあげるからもう少し頑張って?」
体の向きを変えられて、寝バックの体勢を取らされる。逃げ場さえなくて、緩やかに腰を突き動かされながらキュウに頸を噛まれた。朝陽の頸にある花びらがまた一つ色を付ける。
「あっあ、ああーーーッ‼︎」
皮膚を打つ音を響かせて、どちらともなく絶頂を迎えた。
動かなくなった朝陽の横に身を横たえると、その頭に手を伸ばす。キュウの脳裏には、幼き頃の朝陽の姿が映った。
『ねえ、私も一緒に遊んでいい?』
幼少時代、キュウからの問いかけに朝陽はまろさのある頬を赤く染め、大きな黒い瞳を嬉しそうに輝かせて頷いた。
「朝陽。私ね、待ってたんだよ。ずっとずっと朝陽がまたあの場所に遊びに来てくれるのを待ってた。朝陽があれ以来、来なくなった理由も本当は知ってるけど、それでも来て欲しかったよ。ごめんね、朝陽が望む本物の人間じゃなくて。でも私は朝陽と番えるから人外で良かったと思ってる」
上体を起こして、横向けになっている朝陽の額に口付ける。
「ねえ、どうして忘れちゃったの……そんなに人間の友達の方が良かった?」
子どもの頃『また遊ぼうな』と約束したまま別れて、朝陽は二度と裏山に来なかった。
はみ出し者として、朝陽が人間から避けられていたのをキュウは知っていた。
キュウは自分から話し掛けるまでの間も、朝陽が来なくなった後も、朝陽に上げた黄玉や、木の上などからずっと朝陽を見ていたからだ。
本当は人間の友達と遊びたがっているのだろうというのも、たまに見せる朝陽の寂しそうな後ろ姿から察する事が出来た。
朝陽の視線の先には、いつも人間がいた。
幼い頃は、朝陽が友達を欲しがっているのならと、キュウは声を掛けたのだが本当は迷いもあった。キュウは人外であって、朝陽が求める人間ではない。朝陽にとって裏切りになるのでは無いかと考えたからだ。それに、キュウは友達ではなく、朝陽の特別な存在になりたかった。
それでも朝陽と一緒に遊んでいるのは楽しくて、時間さえも忘れてしまう。『またね』と言ってしまうと二度と会えない気がして、キュウはいつも何も言わずに姿を消した。本当はもっとずっと一緒にいたかった。
己との番契約が埋まった朝陽の頸を覗き込んでソッと指先で撫でる。朝陽の頸にある陰山桜の紋様は二枚目が黒く色付いている。キュウは知れず笑みが溢れた。
「これでずっと一緒だね」
昔のように己が人外だからと、朝陽に逃げられることもない。キュウが迎えに行ける範囲内に朝陽が居ないということもなくなる。
朝陽が来るのをひたすら待つしかなかった日々をやっと終わらせる事が出来た。
番として朝陽の特別な存在になる事が出来たのだ。キュウは今この上ない程に幸せを感じている。
「大好きだよ朝陽」
その体は眠ることを必要としないが、キュウも朝陽と同じように目を閉じた。
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