14 / 32
第14話、罰
しおりを挟む「んー……っ、アアア、あ、あ!」
背後から動物のようにガツガツと腰を振られ、碧也は脳髄まで蕩けそうな快感と戦っていた。
「ぁ、ああっあああ……ッあ゛ーーー‼︎」
直腸内が引き攣ってまた中イキする。
「ほら、ちゃんと数えろ。今イっただろう。何回だ?」
「ふ、ぁ、ああ……っ、あああ……六回……ぃい」
「正解だ。良い子だ碧也。賢い子には褒美をやらんとな」
腕を引かれて上半身を引き起こされ、背面座位へと変えられる。
「あああああーーー‼︎」
結合が深くなりすぎて結腸の奥まで突かれてしまい、碧也は嬌声をあげてぐったりと動かなくなった。
「こら、飛ぶな飛ぶな」
上半身を支えられたまま容赦なく最奥を犯される。グポグポと音を立てて、アスモデウスの陰茎が行き来していると、碧也は弾かれたように目を覚ました。
「や、め……ッ、ァアアアーー! もう……イクの……ッ止まらない! 嫌だッ、アスモデ……ウス‼︎」
「慣れる慣れる。それより早く数えろ」
「あああああ……っ、ああ゛!」
「ん? 早く答えないと契約違反になるぞ。ほら答えろ」
頭の中が飛びすぎて八回までしか上手く数えられなかった。
問われながらもイっているので訳が分からなくなってくる。
「ふあ、ああ、アっ、八……回~~」
「残念だったな。九回だ」
陰茎が抜けそうになるほど腰を持ち上げられ、勢いよく根本まで呑み込んだ。
前立腺から結腸まで一気に刺激される事になり、また目の前で星が飛んで碧也の視界も白く染まった。
「おいおい、何回失神するつもりだ、碧也。ほら出すぞ。嬉しいだろ?」
「や、あ……嫌だ、あれは……、頭っ、おかしく……っなる! やめ……、ぁああああ゛!」
「良い良い。おかしくなれ」
深々と刺された瞬間に中に注ぎ込まれる。
「早く俺の子を孕むといいなあ」
下っ腹を撫でられながら内部へも擦り込むように腸襞にすりつけられ、それすらも気持ち良くて、碧也は何度も絶頂を迎えた。
「数はどうした?」
「んんぅーーー、あーーー……、十、回ぃ」
「十一回だ。数も数えきれんくなったか。そんなに俺とのセックスは気持ちいいか?」
至極楽しそうなアスモデウスの質問に、頷く。
「あああ、ん。んんんーー、っちいい。アスモデウス……、ああん、んーーー、気持ち……いい」
潮を飛ばしながら碧也はトロンと蕩けた表情で答えた。
「本当に頭の中が飛んでるな」
カラカラと笑ったアスモデウスにベッドの上に倒される。体勢を変えられて左足だけを肩に担がれた。
松葉崩しの格好で叩きつけるように抽挿を繰り返される。
繋がりが深くなり過ぎていて、碧也は一心不乱に頭を左右に振った。
「ふか、いぃ……ッ、ア……スモデ、ウス、これ……っ、深っ過ぎる……から……、嫌だーーー!」
中に出された精液が律動の度に溢れ出してきて淫猥な音を奏でた。
「ああああ、ああーーー、あ、ん、アアアア゛ア゛!」
両足とも上下でほぼ固定されている形になっているのもあり、逃げたくとも逃げられない。碧也は上半身を丸めた。
深々と差し込まれた陰茎がやがて根本までしっかりと埋め込まれる。
「一番奥で種付けしてやろう」
皮膚を打つ音が大きくなり、律動の速度も増していく。
「無理ぃ……っ、無理ぃいい! あ、あああん゛、やめっ……、壊れる。も……っ、壊れる‼︎」
「お前なら大丈夫だ。耐えられる」
「やめ、ぁ、ああああ、あ゛ーーー!」
「おい、ちゃんと数えているか?」
「も……ッ、わから……、ないぃい」
ゴプリと奥で吐精され、過ぎた快感で酷い眩暈すらしてきて目を閉じた。
「今ので十四回だ。キリよく十五回までイクか? 最後くらいは俺が出すタイミングに合わせてみろ」
無理難題を押し付けられ、殺意が芽生える。
結局、合わせられずに碧也はそのまま気を失った。
問題はその次の日に訪れた。
起きた時から腹の中に違和感があって、ベッドの上に腰掛けたまま下っ腹を摩る。何かが脈打っているような奇妙な感覚があってそれがとてつもなく気持ち悪い。
アスモデウスが含み笑いをこぼしながら言った。
「ああ。そろそろ来たか?」
「何が?」
「お前、仕置中に俺が言った内容をちゃんと履行しなかっただろう? その埋め合わせだ。まあ、頑張れよ」
「は? オレ別に何も……っ、ひ、ぅあ、あああ⁉︎」
何も挿入されていないのに突然内部でイかされて、碧也は叫びながらベッドの上に横向きで転がった。
「はっ……、は……っ、?」
意味が分からなかった。
肉体ではなく、脳から体に快楽の指令が直接来てイかされたのだ。勿論体の中には何もない。なのに前振りなく絶頂だけが訪れる。
「俺は『雌イキしたら数えろ』と言っただろう? 碧也お前が数えていられたのは途中までだ。だから俺からの仕置きの条件を履行出来ていない。ほら、数えんといつまで経っても罰が終わらんぞ?」
喉を鳴らして笑ったアスモデウスが碧也を見ていた。
「てめ、知ってて……態と言わなかっただろ」
「俺は言ったぞ。聞き逃したのはお前だ」
顔を隠して小さな声で、一回と告げる。
「いつ……終わる?」
「その時の回数に至るまでだ」
何かが内部に入っているかのようなイメージが頭の中で再生され、また強制的に高みへと持ち上げられた。
「っ、ひ、ん、んんんーーー! ゃ、う、うーー……、二……回」
乱れた息を整える。唇を舌舐めずりしたアスモデウスに服を脱がされる。その最中にもまた中でイかされた。
「お前何して……っ、ぅ、ああ、あああ!」
「どうせなら全部脱いでから身悶えろ。その方が俺は興奮する」
仕方なく三回と言った瞬間、上体を起こそうとしたものの、アスモデウスにベッドへと押し倒された。
されるがままになっていると後孔に聳り立つモノを押し当てられる。何をしようとしているのか分かって暴れた。
「ふざけんな! お前退け!」
「手伝ってやろう」
脳から与えられる快感の記憶と、アスモデウスに突き入れられ直に感じる快感との両バサミになったのはほぼ同時だった。
「やめ……ッ、あああ、あああーー‼︎」
「中はグズグズだな」
今まで感じた事のない方法での快感で碧也は喘ぐ事しか出来なくなってしまう。
——こんなの……っ、ムリだ!
「あ、あああ、ああーーー! アスモ……ッ、デウス!」
「ほら、四回だ。数えろ」
「四……、回ぃい」
それから十五回に到達するまで、碧也は散々な思いをした。
物理法則も自然法則も無視する契約は正に悪魔の契約そのもので……、これからは何があろうと契約違反だけはしないと碧也は心に誓った。
***
碧也が魔界に来てから、早くも二週間が経過していた。
今では、室内以外の食間、また風呂までの通路やホール全てに明かりが灯されるようになっていた。
碧也としては行動範囲が広がりストレスも軽減されている。魔族や悪魔からすれば今まで暗闇の中でも難なくやってこれていたのにどうして今更灯りをつけたのだろうかと疑問に思った。
——元々明かりを灯す予定でもあったのか。
どちらにせよ視界が良くなったのは有り難い。どうせなら部屋も一人で出入り出来るようにして欲しい。一人愚痴る。
「広間に行くか?」
「行く」
枷を外され、アスモデウスと共に部屋を出た。直ぐに抱え上げられて向かい合わせの形に抱っこされる。
「オレは赤子じゃない。そろそろ一人で歩かせろ」
「却下だ。俺がこうしていたいからな」
楽しそうに言ったアスモデウスを見て舌打ちする。
一体何の嫌がらせだと問うた所で、のらりくらりとかわされるのだろう。文句の一つくらいは言いたかったが、言葉を呑み込んだ。
事務所側のエレベーターへ通じる廊下へと視線を向ける。相変わらず未だに真っ暗なままだ。
——何故そこまでしてオレを事務所側の地上へは出したがらない?
わけがわからず顎に手を当てて逡巡してすぐに放棄した。いくら考えても答えは出そうにないと考えたからだ。
それに明かりがついたところで、温泉側にあるエレベーターと同じで機能しなければ意味がない。
少し前にそこら辺にいる人型の魔族を捕まえて聞いてみた事があるが言葉が通じなかった。
それもあり大人しくアスモデウスにナイフを突き立てるだけの日々が続いている。契約というよりも、最近は暗殺劇が楽しみの一つになりつつあった。
これしかやる事がないのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
82
お気に入りに追加
763
あなたにおすすめの小説
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

平民男子と騎士団長の行く末
きわ
BL
平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。
ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。
好きだという気持ちを隠したまま。
過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。
第十一回BL大賞参加作品です。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる