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第14話、罰
しおりを挟む「んー……っ、アアア、あ、あ!」
背後から動物のようにガツガツと腰を振られ、碧也は脳髄まで蕩けそうな快感と戦っていた。
「ぁ、ああっあああ……ッあ゛ーーー‼︎」
直腸内が引き攣ってまた中イキする。
「ほら、ちゃんと数えろ。今イっただろう。何回だ?」
「ふ、ぁ、ああ……っ、あああ……六回……ぃい」
「正解だ。良い子だ碧也。賢い子には褒美をやらんとな」
腕を引かれて上半身を引き起こされ、背面座位へと変えられる。
「あああああーーー‼︎」
結合が深くなりすぎて結腸の奥まで突かれてしまい、碧也は嬌声をあげてぐったりと動かなくなった。
「こら、飛ぶな飛ぶな」
上半身を支えられたまま容赦なく最奥を犯される。グポグポと音を立てて、アスモデウスの陰茎が行き来していると、碧也は弾かれたように目を覚ました。
「や、め……ッ、ァアアアーー! もう……イクの……ッ止まらない! 嫌だッ、アスモデ……ウス‼︎」
「慣れる慣れる。それより早く数えろ」
「あああああ……っ、ああ゛!」
「ん? 早く答えないと契約違反になるぞ。ほら答えろ」
頭の中が飛びすぎて八回までしか上手く数えられなかった。
問われながらもイっているので訳が分からなくなってくる。
「ふあ、ああ、アっ、八……回~~」
「残念だったな。九回だ」
陰茎が抜けそうになるほど腰を持ち上げられ、勢いよく根本まで呑み込んだ。
前立腺から結腸まで一気に刺激される事になり、また目の前で星が飛んで碧也の視界も白く染まった。
「おいおい、何回失神するつもりだ、碧也。ほら出すぞ。嬉しいだろ?」
「や、あ……嫌だ、あれは……、頭っ、おかしく……っなる! やめ……、ぁああああ゛!」
「良い良い。おかしくなれ」
深々と刺された瞬間に中に注ぎ込まれる。
「早く俺の子を孕むといいなあ」
下っ腹を撫でられながら内部へも擦り込むように腸襞にすりつけられ、それすらも気持ち良くて、碧也は何度も絶頂を迎えた。
「数はどうした?」
「んんぅーーー、あーーー……、十、回ぃ」
「十一回だ。数も数えきれんくなったか。そんなに俺とのセックスは気持ちいいか?」
至極楽しそうなアスモデウスの質問に、頷く。
「あああ、ん。んんんーー、っちいい。アスモデウス……、ああん、んーーー、気持ち……いい」
潮を飛ばしながら碧也はトロンと蕩けた表情で答えた。
「本当に頭の中が飛んでるな」
カラカラと笑ったアスモデウスにベッドの上に倒される。体勢を変えられて左足だけを肩に担がれた。
松葉崩しの格好で叩きつけるように抽挿を繰り返される。
繋がりが深くなり過ぎていて、碧也は一心不乱に頭を左右に振った。
「ふか、いぃ……ッ、ア……スモデ、ウス、これ……っ、深っ過ぎる……から……、嫌だーーー!」
中に出された精液が律動の度に溢れ出してきて淫猥な音を奏でた。
「ああああ、ああーーー、あ、ん、アアアア゛ア゛!」
両足とも上下でほぼ固定されている形になっているのもあり、逃げたくとも逃げられない。碧也は上半身を丸めた。
深々と差し込まれた陰茎がやがて根本までしっかりと埋め込まれる。
「一番奥で種付けしてやろう」
皮膚を打つ音が大きくなり、律動の速度も増していく。
「無理ぃ……っ、無理ぃいい! あ、あああん゛、やめっ……、壊れる。も……っ、壊れる‼︎」
「お前なら大丈夫だ。耐えられる」
「やめ、ぁ、ああああ、あ゛ーーー!」
「おい、ちゃんと数えているか?」
「も……ッ、わから……、ないぃい」
ゴプリと奥で吐精され、過ぎた快感で酷い眩暈すらしてきて目を閉じた。
「今ので十四回だ。キリよく十五回までイクか? 最後くらいは俺が出すタイミングに合わせてみろ」
無理難題を押し付けられ、殺意が芽生える。
結局、合わせられずに碧也はそのまま気を失った。
問題はその次の日に訪れた。
起きた時から腹の中に違和感があって、ベッドの上に腰掛けたまま下っ腹を摩る。何かが脈打っているような奇妙な感覚があってそれがとてつもなく気持ち悪い。
アスモデウスが含み笑いをこぼしながら言った。
「ああ。そろそろ来たか?」
「何が?」
「お前、仕置中に俺が言った内容をちゃんと履行しなかっただろう? その埋め合わせだ。まあ、頑張れよ」
「は? オレ別に何も……っ、ひ、ぅあ、あああ⁉︎」
何も挿入されていないのに突然内部でイかされて、碧也は叫びながらベッドの上に横向きで転がった。
「はっ……、は……っ、?」
意味が分からなかった。
肉体ではなく、脳から体に快楽の指令が直接来てイかされたのだ。勿論体の中には何もない。なのに前振りなく絶頂だけが訪れる。
「俺は『雌イキしたら数えろ』と言っただろう? 碧也お前が数えていられたのは途中までだ。だから俺からの仕置きの条件を履行出来ていない。ほら、数えんといつまで経っても罰が終わらんぞ?」
喉を鳴らして笑ったアスモデウスが碧也を見ていた。
「てめ、知ってて……態と言わなかっただろ」
「俺は言ったぞ。聞き逃したのはお前だ」
顔を隠して小さな声で、一回と告げる。
「いつ……終わる?」
「その時の回数に至るまでだ」
何かが内部に入っているかのようなイメージが頭の中で再生され、また強制的に高みへと持ち上げられた。
「っ、ひ、ん、んんんーーー! ゃ、う、うーー……、二……回」
乱れた息を整える。唇を舌舐めずりしたアスモデウスに服を脱がされる。その最中にもまた中でイかされた。
「お前何して……っ、ぅ、ああ、あああ!」
「どうせなら全部脱いでから身悶えろ。その方が俺は興奮する」
仕方なく三回と言った瞬間、上体を起こそうとしたものの、アスモデウスにベッドへと押し倒された。
されるがままになっていると後孔に聳り立つモノを押し当てられる。何をしようとしているのか分かって暴れた。
「ふざけんな! お前退け!」
「手伝ってやろう」
脳から与えられる快感の記憶と、アスモデウスに突き入れられ直に感じる快感との両バサミになったのはほぼ同時だった。
「やめ……ッ、あああ、あああーー‼︎」
「中はグズグズだな」
今まで感じた事のない方法での快感で碧也は喘ぐ事しか出来なくなってしまう。
——こんなの……っ、ムリだ!
「あ、あああ、ああーーー! アスモ……ッ、デウス!」
「ほら、四回だ。数えろ」
「四……、回ぃい」
それから十五回に到達するまで、碧也は散々な思いをした。
物理法則も自然法則も無視する契約は正に悪魔の契約そのもので……、これからは何があろうと契約違反だけはしないと碧也は心に誓った。
***
碧也が魔界に来てから、早くも二週間が経過していた。
今では、室内以外の食間、また風呂までの通路やホール全てに明かりが灯されるようになっていた。
碧也としては行動範囲が広がりストレスも軽減されている。魔族や悪魔からすれば今まで暗闇の中でも難なくやってこれていたのにどうして今更灯りをつけたのだろうかと疑問に思った。
——元々明かりを灯す予定でもあったのか。
どちらにせよ視界が良くなったのは有り難い。どうせなら部屋も一人で出入り出来るようにして欲しい。一人愚痴る。
「広間に行くか?」
「行く」
枷を外され、アスモデウスと共に部屋を出た。直ぐに抱え上げられて向かい合わせの形に抱っこされる。
「オレは赤子じゃない。そろそろ一人で歩かせろ」
「却下だ。俺がこうしていたいからな」
楽しそうに言ったアスモデウスを見て舌打ちする。
一体何の嫌がらせだと問うた所で、のらりくらりとかわされるのだろう。文句の一つくらいは言いたかったが、言葉を呑み込んだ。
事務所側のエレベーターへ通じる廊下へと視線を向ける。相変わらず未だに真っ暗なままだ。
——何故そこまでしてオレを事務所側の地上へは出したがらない?
わけがわからず顎に手を当てて逡巡してすぐに放棄した。いくら考えても答えは出そうにないと考えたからだ。
それに明かりがついたところで、温泉側にあるエレベーターと同じで機能しなければ意味がない。
少し前にそこら辺にいる人型の魔族を捕まえて聞いてみた事があるが言葉が通じなかった。
それもあり大人しくアスモデウスにナイフを突き立てるだけの日々が続いている。契約というよりも、最近は暗殺劇が楽しみの一つになりつつあった。
これしかやる事がないのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
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