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第29話、勝手に作ってはいけません
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「ランベルト、一回抜いてやろうか?」
風呂で萎えかけていたランベルトの陰茎を、ソープを垂らした手で包み込む。
柔らかい手付きで弄っていると質量が増してきたので、片手は先端を刺激しながらもう片方の手で上下に扱いた。
「……っ」
息を詰めたランベルトに気をよくして、何度も繰り返していく。伸びてきたランベルトの手が上半身を掠め、胸の突起を緩やかに刺激されて体が跳ねた。
「あ……!」
もう片方の手では下肢のモノを同じ様に刺激される。
「イかせてくれるんでしょ? 手止まってるよレオン」
ソープがクチクチと音を立て、もう誰の所から聞こえているのか分からなかった。
上半身に伸びていた手が下半身に伸びていって、膝の上に乗せられて兜合わせにさせられる。
ランベルトだけをイかせるつもりが、セックスする流れになっていた。
「俺のとレオンの両方扱いててね。俺は後ろやるから」
魔法で生成された潤滑剤を纏った指が潜り込んできて思わず「んんっ」と声が出る。
言われた通りにランベルトのと己の陰茎を纏めて擦り合わせていると、イキたくて腰の奥が重くなってきた。
「あ、あん、ふ……ッぁ、あ……ん!」
「腰揺れてるよ」
「ラン、ベルト……っ」
「可愛いね、レオン。顔蕩けてるよ。もしかしてもう中に欲しい?」
頷くと、指を抜かれてソープを流した陰茎をあてがわれた。
対面座位で挿入され一旦呑み込むのを止めようとすると、両膝の裏を掬われて結腸まで押し込まれる。
「や、ぁ、ッあ、あああ!」
「っは、キツ」
手で何度も押し込まれる度にイッて、精液が混じった潮が飛んだ。
「ああ、ん……っ、ァ、あ、ああっ、ランベルト……気持ちいい!」
「ん、俺もッ気持ちいいよレオン」
艶めかしいランベルトの声にも感じていて、腰の奥に力を込めた。
「ランベルト……、あ、んん、アアッ! もっと……っ」
「ふふ、もっと……なに?」
分かっているくせに聞いてくるランベルトに口付ける。
「あ、ん、ぅ……っ、もっと……欲しい!」
シャワー中なのもあり水音が激しく響く。
「レオン、ベッド行こうか」
このまま抱かれたかったが、体にかかる負担が互いに大きい。コクリと頷くと体内から剛直を引き抜かれた。
それにすら感じてしまい、体を震わせるとランベルトが嬉しそうに笑った。
「レオンのその〝俺がもっと欲しい〟て顔好き。ねえ、もっと求めて」
シャワーで全身洗い流してベッドに移動した。おずおずと足を開いてランベルトを見上げる。
「ランベルト……っ、欲しい」
「足りない」
「ランベルトが……欲しい。俺の中、お前のでいっぱい……ついて」
恥ずかしくて堪らなかった。
「レオン、可愛い」
すぐに潜り込んできた熱を感じて、求めていたもので埋められる。直後律動が始まって、腰を掴まれたまま動かされた。
「んあ、アアア、ああ、ん!!」
「レオン……っ、俺だけにしててね」
「あっ、ああん、あ、っん……ランベルト……だけ……、ぁ、決まってる」
グチュと音を立てて最奥に入り込まれ、あまりの快感に耐えきれずに潮が飛んだ。
目の前で星が散る。止まらない絶頂感が切ないほどに苦しくもあり、求められるのが嬉しくてランベルトの思うままに抱かれ続ける。
もう吐き出すのも無くなり、内部だけで達して、イったまま普通の状態に降りられなくなってきた。
「あああ、ああん、ランベルトっ、気持ちいい!!」
体勢を変えられて、今度は背後から貫かれる。
「俺もっ気持ちいいよ。愛してるレオン」
「ア、アアアっ、あ、ん……俺……も、愛……っしてる」
また見境がなくなって、お互い疲れ果てるまで体を重ね合わせた。
***
一ヶ月後。
ランベルトと二人してケミルに呆れ口調で問いかけられていた。
「お前らどんだけ作れば気が済むんだ?」
こちらとしても訳がわからず、右頬をかく。本当に意味が分からなかった。
「それが俺らにも何が何だかサッパリ……」
イデアルの時は元教師だったカルト教団の教祖ザウローに仕組まれて子宮を作られていたが、あれ以来自分たちでは子宮を作っていない筈なのにレオンはまた妊娠していた。
あと一ヶ月もしない内にまた産まれてしまう。
——どういう事なんだろう……。
ランベルトが嘘を言っているようにも見えなくて困り果てる。
「マジで自分たちで子宮作ってないのか?」
「作ってないよ。俺はその呪文未だに知らないし」
肩をすくめてみせた。
自分からは作ろうとは思えないのもあり、習ってもいない。
「俺も作ってない。レオンが孕むとその分お預け喰ら……っ、う」
ランベルトは腹に拳を入れて黙らせた。いらない事は言わなくていい。
「もしかして子宮が自動生成される呪文でもあるのか?」
ケミルが額に手を当ててため息をついている。
そんなものが実際あれば迷惑以外の何物でもない。ランベルトに避妊道具でも作らせるか、と思考を巡らせた。
「いや、そんなのは聞いた事がない」
ランベルトが言うのなら間違いなさそうだ。
しかし、レオンは実際に妊娠している。
——本当にどういう事なのだろう……。
「また何か悪巧みしている奴がいるとか?」
ケミルの言葉を聞いてランベルトが目を細めた。
「そんな妙な気配も感じない」
ザウローの一件以来、ランベルトは常に神経を尖らせて警戒している。その内脳神経ごと焼き切れてしまわないか心配だ。
「他に何か思い当たる事ないのか?」
三人で喋っているとドアがノックされる音が響いた。
「私だ」
「入っていいぞ」
合図の後で入って来たサーシャが「ほら入りな」とちびっ子四人を中に押し込んだ。
サーシャのゆったりとしたデザインのズボンの裾を掴んでいるちびっ子たちが顔を覗かせている。
怒られたのかと思ったのだが、爛々と輝いているのを見る限り違うようだ。
何か嬉しい事でもあったのかとレオンが考えていると、サーシャが言った。
「コイツらが妙な事を言っていてね」
「妙な事?」
サーシャの言葉に大人三人の声が重なった。
「もっとたくさん兄弟が欲しいからレオンが寝てる間に子宮を作ったって言うんだよ」
サーシャは困ったようにため息をついていた。
「……」
「……」
「え……」
思わぬ所に犯人がいて、言葉を発せなくなったのは大人たちだった。
シンとした空気が室内に流れる。
——子どもにも出来るほどそんなに簡単なものなのか?
「そんなにすぐ作れるものなのか?」
ランベルトとケミルを交互に見た。
「ないない。あれは中々の高等魔法だよ」
ケミルが吹っ切れたように笑いながら言った。
「え……えええ!?」
「やってくれるね、このおチビちゃんたち」
ツボをつかれたのか、ケミルの笑いが止まらない。
さすがはランベルトの子だ。チートの子はチートだった。血は争えない。
「もしかしてもう手遅れだったかい?」
唖然とした様子でサーシャが言った。
「うん、手遅れ……今その事で話してたところだよ。マジかー」
苦笑混じりに言うと、レオンはベッドに身を倒す。軽く現実逃避したくなった。
「間違いなくお前の血を引いてるなー。王様?」
「何でそんなとこまで似るんだよ……」
ケミルと同じように笑うしか無かった。ケミルに続くように笑い声を発する。
もちろん引き攣った笑い声になってしまったが。
「うるさいぞケミル……」
勝手に人の体内に子宮を作るとか、そんなとこは親に似なくていいのに。
それにしても魔法力が余りにも優秀過ぎる。
一人でやったわけではないものの、この年齢から高等魔法を扱えるのは驚きを通り越して何と言っていいのかも分からなかった。
サーシャの後ろから飛び出してきた四人が、ベッドの上に乗り上がってくる。
「レオン~いつうまれる~?」
「「レオンー」」
「なあ、いつ?」
エスポワールからはじまり、双子、イデアルと続いて問われた。
「あーー、来月だ」
無邪気な四人に期待の眼差しを向けられる。無垢ゆえの怖さが身に突き刺さるようだった。
怒るに怒れない。しかし……。
——とりあえず、コイツらには勝手に人の体内に子宮は作っちゃいけませんと教えよう。
倫理観と道徳は大切だ。しっかりと頭に叩き込んでやらなければいけない。
将来有望で嬉しい筈なのに、自分が孕んだ理由が分かって、レオンは心の中で涙した。
風呂で萎えかけていたランベルトの陰茎を、ソープを垂らした手で包み込む。
柔らかい手付きで弄っていると質量が増してきたので、片手は先端を刺激しながらもう片方の手で上下に扱いた。
「……っ」
息を詰めたランベルトに気をよくして、何度も繰り返していく。伸びてきたランベルトの手が上半身を掠め、胸の突起を緩やかに刺激されて体が跳ねた。
「あ……!」
もう片方の手では下肢のモノを同じ様に刺激される。
「イかせてくれるんでしょ? 手止まってるよレオン」
ソープがクチクチと音を立て、もう誰の所から聞こえているのか分からなかった。
上半身に伸びていた手が下半身に伸びていって、膝の上に乗せられて兜合わせにさせられる。
ランベルトだけをイかせるつもりが、セックスする流れになっていた。
「俺のとレオンの両方扱いててね。俺は後ろやるから」
魔法で生成された潤滑剤を纏った指が潜り込んできて思わず「んんっ」と声が出る。
言われた通りにランベルトのと己の陰茎を纏めて擦り合わせていると、イキたくて腰の奥が重くなってきた。
「あ、あん、ふ……ッぁ、あ……ん!」
「腰揺れてるよ」
「ラン、ベルト……っ」
「可愛いね、レオン。顔蕩けてるよ。もしかしてもう中に欲しい?」
頷くと、指を抜かれてソープを流した陰茎をあてがわれた。
対面座位で挿入され一旦呑み込むのを止めようとすると、両膝の裏を掬われて結腸まで押し込まれる。
「や、ぁ、ッあ、あああ!」
「っは、キツ」
手で何度も押し込まれる度にイッて、精液が混じった潮が飛んだ。
「ああ、ん……っ、ァ、あ、ああっ、ランベルト……気持ちいい!」
「ん、俺もッ気持ちいいよレオン」
艶めかしいランベルトの声にも感じていて、腰の奥に力を込めた。
「ランベルト……、あ、んん、アアッ! もっと……っ」
「ふふ、もっと……なに?」
分かっているくせに聞いてくるランベルトに口付ける。
「あ、ん、ぅ……っ、もっと……欲しい!」
シャワー中なのもあり水音が激しく響く。
「レオン、ベッド行こうか」
このまま抱かれたかったが、体にかかる負担が互いに大きい。コクリと頷くと体内から剛直を引き抜かれた。
それにすら感じてしまい、体を震わせるとランベルトが嬉しそうに笑った。
「レオンのその〝俺がもっと欲しい〟て顔好き。ねえ、もっと求めて」
シャワーで全身洗い流してベッドに移動した。おずおずと足を開いてランベルトを見上げる。
「ランベルト……っ、欲しい」
「足りない」
「ランベルトが……欲しい。俺の中、お前のでいっぱい……ついて」
恥ずかしくて堪らなかった。
「レオン、可愛い」
すぐに潜り込んできた熱を感じて、求めていたもので埋められる。直後律動が始まって、腰を掴まれたまま動かされた。
「んあ、アアア、ああ、ん!!」
「レオン……っ、俺だけにしててね」
「あっ、ああん、あ、っん……ランベルト……だけ……、ぁ、決まってる」
グチュと音を立てて最奥に入り込まれ、あまりの快感に耐えきれずに潮が飛んだ。
目の前で星が散る。止まらない絶頂感が切ないほどに苦しくもあり、求められるのが嬉しくてランベルトの思うままに抱かれ続ける。
もう吐き出すのも無くなり、内部だけで達して、イったまま普通の状態に降りられなくなってきた。
「あああ、ああん、ランベルトっ、気持ちいい!!」
体勢を変えられて、今度は背後から貫かれる。
「俺もっ気持ちいいよ。愛してるレオン」
「ア、アアアっ、あ、ん……俺……も、愛……っしてる」
また見境がなくなって、お互い疲れ果てるまで体を重ね合わせた。
***
一ヶ月後。
ランベルトと二人してケミルに呆れ口調で問いかけられていた。
「お前らどんだけ作れば気が済むんだ?」
こちらとしても訳がわからず、右頬をかく。本当に意味が分からなかった。
「それが俺らにも何が何だかサッパリ……」
イデアルの時は元教師だったカルト教団の教祖ザウローに仕組まれて子宮を作られていたが、あれ以来自分たちでは子宮を作っていない筈なのにレオンはまた妊娠していた。
あと一ヶ月もしない内にまた産まれてしまう。
——どういう事なんだろう……。
ランベルトが嘘を言っているようにも見えなくて困り果てる。
「マジで自分たちで子宮作ってないのか?」
「作ってないよ。俺はその呪文未だに知らないし」
肩をすくめてみせた。
自分からは作ろうとは思えないのもあり、習ってもいない。
「俺も作ってない。レオンが孕むとその分お預け喰ら……っ、う」
ランベルトは腹に拳を入れて黙らせた。いらない事は言わなくていい。
「もしかして子宮が自動生成される呪文でもあるのか?」
ケミルが額に手を当ててため息をついている。
そんなものが実際あれば迷惑以外の何物でもない。ランベルトに避妊道具でも作らせるか、と思考を巡らせた。
「いや、そんなのは聞いた事がない」
ランベルトが言うのなら間違いなさそうだ。
しかし、レオンは実際に妊娠している。
——本当にどういう事なのだろう……。
「また何か悪巧みしている奴がいるとか?」
ケミルの言葉を聞いてランベルトが目を細めた。
「そんな妙な気配も感じない」
ザウローの一件以来、ランベルトは常に神経を尖らせて警戒している。その内脳神経ごと焼き切れてしまわないか心配だ。
「他に何か思い当たる事ないのか?」
三人で喋っているとドアがノックされる音が響いた。
「私だ」
「入っていいぞ」
合図の後で入って来たサーシャが「ほら入りな」とちびっ子四人を中に押し込んだ。
サーシャのゆったりとしたデザインのズボンの裾を掴んでいるちびっ子たちが顔を覗かせている。
怒られたのかと思ったのだが、爛々と輝いているのを見る限り違うようだ。
何か嬉しい事でもあったのかとレオンが考えていると、サーシャが言った。
「コイツらが妙な事を言っていてね」
「妙な事?」
サーシャの言葉に大人三人の声が重なった。
「もっとたくさん兄弟が欲しいからレオンが寝てる間に子宮を作ったって言うんだよ」
サーシャは困ったようにため息をついていた。
「……」
「……」
「え……」
思わぬ所に犯人がいて、言葉を発せなくなったのは大人たちだった。
シンとした空気が室内に流れる。
——子どもにも出来るほどそんなに簡単なものなのか?
「そんなにすぐ作れるものなのか?」
ランベルトとケミルを交互に見た。
「ないない。あれは中々の高等魔法だよ」
ケミルが吹っ切れたように笑いながら言った。
「え……えええ!?」
「やってくれるね、このおチビちゃんたち」
ツボをつかれたのか、ケミルの笑いが止まらない。
さすがはランベルトの子だ。チートの子はチートだった。血は争えない。
「もしかしてもう手遅れだったかい?」
唖然とした様子でサーシャが言った。
「うん、手遅れ……今その事で話してたところだよ。マジかー」
苦笑混じりに言うと、レオンはベッドに身を倒す。軽く現実逃避したくなった。
「間違いなくお前の血を引いてるなー。王様?」
「何でそんなとこまで似るんだよ……」
ケミルと同じように笑うしか無かった。ケミルに続くように笑い声を発する。
もちろん引き攣った笑い声になってしまったが。
「うるさいぞケミル……」
勝手に人の体内に子宮を作るとか、そんなとこは親に似なくていいのに。
それにしても魔法力が余りにも優秀過ぎる。
一人でやったわけではないものの、この年齢から高等魔法を扱えるのは驚きを通り越して何と言っていいのかも分からなかった。
サーシャの後ろから飛び出してきた四人が、ベッドの上に乗り上がってくる。
「レオン~いつうまれる~?」
「「レオンー」」
「なあ、いつ?」
エスポワールからはじまり、双子、イデアルと続いて問われた。
「あーー、来月だ」
無邪気な四人に期待の眼差しを向けられる。無垢ゆえの怖さが身に突き刺さるようだった。
怒るに怒れない。しかし……。
——とりあえず、コイツらには勝手に人の体内に子宮は作っちゃいけませんと教えよう。
倫理観と道徳は大切だ。しっかりと頭に叩き込んでやらなければいけない。
将来有望で嬉しい筈なのに、自分が孕んだ理由が分かって、レオンは心の中で涙した。
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