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 逞しすぎる程の割れた腹筋に両手をついて、腰を上下させる。
 悪戯に下から突き上げられて、結腸まで押し込められた事により快感で目の前で光が弾けた。
「ア、ァあっああ゛あ゛!」
 ガクガクと体が戦慄く。息を整える間もなく突き上げられると潮が飛んだ。
 内部が引き攣って、中でもイかされてまた絶頂から降りてこられなくなった。
「啓介っ、啓介……、待て」
「顔蕩けまくってるのに嫌か?」
 何も言えなかった。悔しいが、本当に嫌かと問われれば答えは否だ。
 気持ち良すぎて、今にも意識が飛んでいきそうなだけであって、そうなると理性を保っていられない。
「ハル、本当に嫌か?」
 再度問われ、真意を伺うように顔を覗き込まれる。何伯か間を空けて答えた。
「……っ、……ちいい」
「くくっ、ならもっと動けハル」
 震える体を無理やり立たせて、腰を上下させていく。
 一度吹っ切れると、抵抗心が無くなってくる。
 規則正しく、啓介の陰茎を飲み込んで入れる時にまた自分から結腸まで抜いた。
「んっ、んあ゛あ゛~~ッ」
 潮が飛んで啓介の胸元に散る。
「クク、やってくれたな」
 笑いで微かに伝わってくる振動さえ気持ち良かった。
 もう快楽を追う事しか考えられなくて、グチュグチュと音を響かせながら騎乗位のまま腰を振り続ける。
 トコロテンで少しずつ溢れ落ちた精液を指に絡められ、陰茎を上下に扱かれた。
「ふ……っ、ゥあッ、ああ゛、ア゛ッ!」
 ——頭ん中……っ、飛びそうだ。
 荒い息を肩で整える暇もなく、幾度となく中イキを繰り返す。
「ハル、出すぞ」
「あっああ、ああっ、深……ッ、ア゛、アア゛、啓介……っ、あああーー!」
 めちゃくちゃに腰を振られて、そのまま内部に吐き出された。
 ガクガクと震える体を立てていられなくて、啓介の上に倒して肩に額をつける。
 意識を飛ばせないのが恨めしい。発情期も相まって、生半可以上に体力があると厄介でしかなかった。
 しかも、オートで回っている再生能力で体のつらさが勝手に治っていく。それは啓介にも効いているようで、絶倫に磨きがかかっていた。
「啓介、足りない」
「ちょっと待ってろ」
 上半身を起こした啓介に口付けられたまま、腰の上に座らされる。魔法で全て身を清めていくのを盗み見ると、また口付けられた。
 リュクスが持ってきてくれた薬を飲みながら、そんなやり取りを一週間続けた頃には、以前と変わりない日々が戻ってきた。




 ——体、軽っ。
 発情期が明けたのか起きた時から心身共に爽快だった。それどころか視界も頭の中もやたらクリアだ。
 ベッドから降りようとすると、腹に腕を回されて啓介の下に組み敷かれる。
「どこへ行く?」
「シャワー浴びたい。つか、発情期明けただろ?」
 当たり前のように首元に舌を這わされながら胸を揉み込まれ、体を揺らす。
「俺は十日くらいはベッドから降りられると思うな、と言った筈だが?」
「え、いや……あれは」
「言葉の綾でも何でもないぞ。それに発情期じゃないお前が乱れるのを見たいからな」
 冷や汗がダラダラと流れるようだった。
 昨日まで散々ヤリまくって、精液で膨れ上がるんじゃないかと思ったくらいには中出しされたというのに……。
 ——まだ勃つのか!
 底なし過ぎる精力についていけない。
「冗談……だよな?」
「冗談に見えるのか?」
「……」
 ——いや、ムリ!
 啓介の体を風魔法で浮遊させた瞬間にベッドから降りて服に手を伸ばす。
 バチッ、と大きな音がして振り返ると魔法を即座に破った啓介に抱え上げられていた。
「啓介!!」
「どうした?」
「どうしたじゃない! お前俺をヤり殺す気か!」
「再生するから大丈夫だろ」
「そうだけ……っ、んぅ!」
 問答無用で口付けられ、愛撫を再開される。
「ハル、俺の腹に何か当たってるが?」
「チッ、不可抗力の生理現象だ」
 視線を横に流しながら言うと啓介が笑った。
「そうかよ。お前は俺の三倍以上はイってる筈なんだがな?」
「うるせえ。人を早漏みたいに言うな。続きしねんなら離せ」
「するに決まってる」
 てっきり指が入ってくるかと思ったのに、直で陰茎を押し当てられ、ポカンとしながら啓介を見た。
「は?」
 もう発情期は終わっているので、特有の愛液は出ない。
 それなのに滑りを帯びているという事は、即興でローションを作られている。
 その前に……。
 ——ガン勃ちかよ!
「ぁあ、アア、あ゛あ゛あ゛ー!」
 いくら昨日までセックス尽くしだったとは言え、結腸まで一息に貫かれムカついたのもあり、啓介の腕に爪を立ててやった。
 その後はこの一週間と同じで、絶倫男にひんひん泣かされる事となった。

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