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しおりを挟む脳内で日本での事が駆け巡り、ここからの行為を想像して息を吐いた。
窄まりに指よりも肉感のあるモノを当てられて、一瞬クエスションマークが脳裏を過ぎった。
「おい、啓介……」
言わんとしている事に気がついたのか、啓介が嫌な笑みを浮かべる。
「あー、気がついたか? この体が本体だからな、あの頃より太さも長さも違うと思うぞ」
「……ふざけんな」
日本に居た時でさえ、普通サイズを超えていたというのに、そこから更に……となると若干殺意が芽生えるサイズだ。
そんな長大なモノを受け入れさせられるこっちの身にもなって欲しい。
「騎乗位させてやろうか? 拓馬にもしてやったんだろ?」
「だから覚えてねえって言ってんだろ」
——しっかり根に持ってやがる。
会話しながらも、体はツラい。啓介を押し倒して、本当に上に跨るとニヤニヤと笑みを浮かべられた。
——つか、マジでデカいな。
入るのか疑問に思いつつも仕方ないので、抜けるだけ全身の力を抜く。啓介の陰茎に手を添えて腰を落としていった。
「ふ、……ぁ」
湿った音と共に先端を少し飲み込んだものの、カリの部分まで飲み込めない。
「はぁ、はぁ……ッ」
息を整えていると下からトンッと軽く突き上げられ、反動で半分くらい飲み込まされて声を上げる。
「あっ、あ、あ゛あ゛!」
「ちゃんと飲めただろ?」
「くそ、相変わらずドSかよ。今マウント取ってんのは俺なんだが?」
思いっきり締め上げて腰を上下させると啓介が低く呻いた。
——はっ、良い気味。
啓介とのセックスは昔っから虎の子の戯れあいみたいになる。
どちらも負けず嫌いなのが災いしているのかもしれない。
「優しく抱いてやろうか?」
「キメェ……、ん、ん゛ん゛ーー!」
何度か下から突き上げられて、思わず上体を倒しそうになった。
どんどん直腸の奥まで開かれていく感覚に身震いする。
「待て……っ、ぁ、啓介!」
静止の声をかけると逆に解放を待ち侘びている陰茎も握られてしまい、絶頂を煽られた。
「ん、んぅーーっ! あ、ああ、ア!」
これではすぐに吐精させられてしまう。
ハルジオンの体になってからは、自慰行為すらまともにしていない。その前に、前だけの刺激で達せない。
既にもう限界なのを見透かれているようだ。
視線を絡ませたままの啓介がニンマリと笑みを浮かべた。
「ほら、イケ」
直腸の奥を突かれてしまい、体を戦慄かせる。
「う、ぁ、あ゛、ああ゛!」
イった瞬間に体を反転させられて組み敷かれた。
——このタイミングで……嘘だろ。
生唾を飲み込んだ。
「ハルジオン」
「——っ!」
略名ではなく初めてハルジオンと呼ばれ、心臓が跳ねた気がした。
首筋に口付けられ、舌を這わせられる。吸われる度に小さな痛みが走るので、キスマークだらけになっていそうだ。
緩く律動され、もっと奥へ行くように時折りグッと強めに腰を押し当てられる。
結腸弁を刺激される度に、鋭い快感が背筋を走った。
「ハッ、ぁ、ああ!」
滑らかな動きから早めの抽挿に変わっていく。
「ああ、アッ、啓介っ、啓介、んんっ!」
重ねるだけの口付けが降ってきた。離れていく唇に物足りなさを感じていると、力強く揺さぶられる。
中でイったのと同時に、直腸内の陰茎が大きさを増した。
「ひ、あ!」
欲が弾けてドクドクと精液を吐き出す。アルファの陰茎の形が変わるというのを身を持って思い知った。
直ぐにタンと腰を打ちつけられて目を瞠る。
「はーる。好きだろ? イってからガン堀りされるの」
「嫌、好きじゃねえ……」
とは言え、発情期のせいか体の熱が全然冷めない。欲しくて欲しくて堪らない。
啓介がもっと欲しい。
「でも…………足りねえ」
体をひっくり返されて、寝バックの体勢にさせられた。
「俺も全然お前が足りない」
うなじに口付けられて甘噛みされる。
「ちゃんと俺の印があるな」
愛おしそうに指でなぞられ、体が反応を返す。
入れられたままの陰茎までもを締め付けると、啓介がフッと笑みをこぼす声が聞こえた。
「生まれた時からあったらしい……だから俺はアルファの時から多種類の認識阻害魔法をガチガチにかけられていた」
「へー。滅ぼしてやろうか」
冗談とは思えない程に啓介の纏う闘気が揺れ動く。
「やめろ……。つうか、動け。全然足りねんだよ、啓介」
喋ってはセックスを再開して、また喋ってと繰り返す。
日本に居た時はそれでも良かったが、いまは発情期中なのもあり欲を発散させるどころか、どんどん欲がつのっていく。
「煽られていいだろ?」
——態とかよ。
また文句でも言ってやろうかと口を開きかけた時だった。
さっきまでの空気が嘘だったかのように腰を打ちつけられて、言葉は嬌声へと変わる。
「あっ、あ、ああ゛あ゛ーーー!」
啓介の動きに合わせて腹の奥が甘ったるく痺れる。
オメガ特有の愛液なのか精液なのか分からない音が部屋中に響いていた。
「んぁ、アッ、アア、啓介っ、もう出る!!」
「出せ」
「ひ、ぁ、アアア゛!」
吐精する度に感度が増していくようだった。
間を開けずに中でもイって、絶頂から降りて来れなくなった。
目の前で星が散ってチカチカする。
「あ……」
小さく啓介が声を上げる。
その後で防音魔法と防御壁が張られたのが分かって、血の気が引く思いをした。
「お前……っ、まさか」
「あーーー、悪い。失念していた」
——嘘だろ……?
恐らくこれまでの声は筒抜けだ。
数日間は顔を合わせなくても良いだろうが、発情期が明けてからの事を思うと気まず過ぎて死にたくなった。
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