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【番外編・啓介×羽琉前世編】HappyValentine‼︎※結腸責め/潮噴き/連続絶頂
しおりを挟む深夜も明ける時間帯だった。
拓馬を連れてホストクラブの売上金の回収をする為に足を運んでいた。
二月だと言うのに、肌が痛いくらいの寒気で身を震わせると、すぐに上からジャケットをかけられる。視線を向けると拓馬が微笑んでいた。
「おい……俺は女じゃねんだが」
「おれがしたいだけっすよ」
金は事務所の金庫の中にしまってまた車に乗り込む。
仕事に徹したいからと、拓馬が恋人を作らなくなってもうすぐ一年だ。
世はバレンタインデーだというのに、寂しがり屋の拓馬にしては珍しい。
性格的な問題で皆からの弄られ役ではあるが、顔は良い方だ。
気遣いも出来るし頭も回る。ホストクラブで欠員が出過ぎた時に冗談半分で拓馬を働かせた事があったが、一晩の稼ぎだけではあるが当時のNo. 1ホストを抜いた事がある。
啓介に続いての快挙だ。啓介の場合は歩いているだけで女が付いてくる。
「お前、彼女作らなくなったよな。作ればいいのに」
「あー……。好きな人なら居るんすけどね。おれは恋愛対象として見られてないんすよね」
何をしても底抜けに明るい拓馬の表情が、困った様に歪んだ。
「ふーん」
——そんな女がいるのか。
それならば仕方ない事だ。あまり突いても可哀想かと思い、それ以上は何も聞かなかった。
「今日は何処で下ろしますか? 女のとこ? 自宅帰りますか?」
少し悩んだ。自宅でもいいが、ここ何年か誰かの気配を感じるようになって近寄らなくなっている。引っ越せば良いのだがそれも面倒くさかった。
どっちみち今と同じ事になりそうだ。
——あの人を思い出すから嫌なんだよな。
元幹部だった現ストーカー男。
蛇に絡み付かれているような気持ち悪さと息苦しさが纏わりついてくる。
スマホを取り出して、そっちに行ってもいいかと悪友にメッセージを送った。
すぐに返事がきて、スマホをポケットに仕舞い込んだ。
「いや、啓介んとこ行く」
急に無言になった拓馬に「拓馬?」と声をかける。
「あ、すんませんっす。ボーっとしてました。須藤さんとこっすね。分かりました。んじゃ向かいます」
何処か元気のない拓馬を訝しく思いながらも、窓の外から流れる景色に視線を移した。
ピンポン、とインターフォンを押すとエントランスホールの扉が開いた。
住人しかロックを解除する事が出来ないセキュリティーの高いマンションの六階に啓介は住んでいる。
極道がよくこんな所を契約出来たな、と思う。恐らく侍らせている女からの貢物だろうが。そこへ押しかける己も己で大概だが。
部屋の前まで来るとドアが開かれる。
「良く分かったな。俺じゃなかったらどうするんだよ」
笑いながら言うと啓介がニンマリと笑みを浮かべて見せた。
「俺がお前を間違えると思うか?」
「そういうセリフは女に言え。寒いわ」
身を震わせると啓介が真顔になった。
「羽琉、そのジャケットはどうした。俺がやったスーツのジャケットは?」
「あー、忘れてきた。これは拓馬に返すの忘れてたわ」
今から連絡するのも気が引けて明日返そうと心に決める。
「へぇ」
どこか不機嫌そうにしている啓介に腕を引かれて家の中に入る。オートロックで扉に鍵がかかる音がした。
リビングに着くなり抱き寄せられる。
「羽琉、抱かせろ。お前のせいで女に逃げられた」
「俺のせいじゃなくて、お前の性格の問題なんじゃねえのか?」
服を剥ぎ取られていく。ジャケットを取り払われて乱雑に放り投げられる。
「おい、拓馬のジャケットもう少し丁寧に扱……っ、ん、ん!」
喋っている途中で口付けられたせいで、言葉尻は啓介の口内に飲み込まれた。
互いに舌を絡み合わせて吸い付く。
上顎から、歯列まで口内の性感帯を刺激し合っているだけで、下肢にあるものが緩く勃ち上がってきていた。
バックルを外されジッパーも降ろされる。下着と一緒にズボンも取り払われると一糸纏わぬ姿になった。
「啓介、ベッド……」
このまま事を進めようとしているのが分かって先に宣言したが、嫌な笑みを浮かべられた。
「ソファーの上で膝立ちになって後ろを向け」
——これは明日腰が砕けるコースだな……。
ため息をつきながらも言われた通りにすると、啓介が取り出してきたローションを陰部に塗りたくられる。ヒヤリとした冷たさにみを震わせると、指が入ってきた。
「ん……っ」
「いつ入れても指に吸い付いてくるよな。憧れの兄貴とやらが、そこらの女より締まり良くて淫乱だって知ったら拓馬はどう思うだろな?」
今日はやけに棘のある言葉を発してくる啓介を振り返るが、背中に口付けられているので顔は見えなかった。
「な、んで、拓馬が……出てくるんだよ」
「羽琉……」
筋に沿って舌を這わせられ名を呼ばれる。強く吸われた後で歯をたてられた。
「いった。お前その噛む癖どうにかしろよ。痛いんだよ!」
「お前しか噛んでない」
——はいはい。女にはお優しい事で……。
若干イラッとしていると、挿入されている指はもう三本目に突入していた。
しかしまだ一度も中の気持ち良い部分に触れて来ないからもどかしい。
「啓介、ん、ぁ、中、触……れ」
「ぐちゃぐちゃになる程触っているが?」
「くそ……っ、機嫌悪いんなら……帰る」
「どうやって?」
「拓馬呼ぶ」
「へえ……俺じゃなくて今度は拓馬を誘うのか? 今のエロい顔を見せればその気になると思うぞ」
「だから、何で今日……そんなに機嫌悪いんだよ! 気分じゃねんなら先に言え。もう帰る。指抜け」
反対側の手でズボンの前部分を寛げているのか、背後で音がした。
「おい、聞いてんのかよ啓介。ひ、ん、ん!」
話してる途中で勢いよく指を抜かれ、声が上擦った。肉感のあるものを当てがわれ、直腸内の奥まで一気に貫かれる。
「あああ、ああっ!」
そのまま容赦なく律動され、意識が一瞬飛んだ。
「ひ、んっ、ン、ぁ、あーーっ」
互いの皮膚を打つ音と塗り込まれたローションがグチュグチュと音を立てて、太ももを伝っていく。
「け、すけ……っ、おま……っ、ぁ、あ、待て!」
止まるどころかもっと奥に入り込んで来ようとしている陰茎から逃れるように、立てていた膝を上げる。見計らったかのように両肩を羽交締めにされ思いっきり下におとされた。
「……っ、ぅ、あ、あ、あ゛あ゛!」
一息に結腸まで侵入され、意識が飛んだのと一緒にうなじに痛みが走った。
「羽琉……っ」
余裕のない切羽詰まった声音で呼ばれると、腰から上に快感が駆け上っていく。
緩まるどころかどんどん激しくなってくる動きに余裕さえなくなってきて、ソファーの背もたれに縋りつく。
「も……っ、イク、そん……なんしたら、もイク……ッ、け、すけぇえ!」
体を丸めたまま吐精していると、啓介が微かに笑う声が聞こえた。
「おまっ、やめろ」
「はーる。好きだろ? イッてる時にガン掘りされるの」
言い終わらない内に、激しく結腸を開かれて出入りされる。グポグポと音が立つ度に、イってるのか気持ちいいだけなのか分からなくて、頭の中が真っ白になった。
「ん、あ、ああっあああーーー!!」
「ハッ、すっげぇ善がりよう」
問いかけに答える余裕なんてある筈もなく、羽琉はトロトロと精液をこぼし始める。
「んぁ、やめ……ッ、も、出る!!」
啓介の律動に合わせて羽琉の陰茎からは潮が飛んだ。
「あ゛、ぁ゛あああ゛!」
プシャプシャと液が飛んだ直後、羽琉の目が閉じていく。
「羽琉、寝るのはまだ早いぞ。これからだろ?」
抜けそうになる程浅い部分から思いっきり結腸まで突き上げられてしまい、あまりの快感で意識を戻されたもののまた意識が飛びかけた。
「~~っ!!!」
声も出ないままビクビクと体を揺らして短い息を何度も繰り返す。
「ふ、ぅ、ア、ア゛、ぁ~~~」
腹の奥が引き攣ったように蠢いている気がした。
「お前いまメスイキしたな」
勃ったままの陰茎からは何も出ていない。しかし体は絶頂を迎えていて細かく震えが止まらない。
「ま……って、啓介……待ってくれ……、何か……ッ体……おかし、い……っ、ひ! あ! あああ! 嫌だっ、待てってぇええ!!!」
パンパンと響く音と共に窮地に追い込まれた。
「射精しないままだと辛いだろ?」
「あ、ぁ、ん、あ、ん、んぅ~~!」
絶頂から降りて来られなくて頭の中のネジが何本かイカれて飛んで行った気がする。
また絶頂を迎えるが、精液が出ない。後ろだけでイっている。
「前……っ、いきたい」
力さえ入らなくてされるがままに揺さぶられた。
「ん、ぁ、あ……ッ、ああ、あ」
やたら甘ったるい鼻にかかった声が耳につく。
前に手を伸ばして陰茎に触れると、その手を上から握り込まれた。中は結腸内で固定されたまま緩い刺激を与えられ前を扱かれる。
「あーーー、もうイク! ふ……っ、ぁ、あ、ん、ああーーー!」
精液が飛ぶのに合わせ律動がまた激しくなって、逃げるように腰を引いた。
「あっあ……ッああ、ああ!!」
「そんなに良いか? 女みたいな声になってるぞ、羽琉」
さっきまでの不機嫌さはどこへ行ったのか、至極楽しそうに口を開いた啓介にその後散々泣かされて鳴かされた。
「くそ啓介、死ね、禿げろ、誰が噛み跡とキスマつけろっつったよ。俺いつも付けんなっていってるだろ! キスマだけならまだ誤魔化せるけど、歯型は相手が男ってすぐバレんだよ!」
上半身の見える範囲内だけでもエグい。
「誰かの前で服脱がなきゃ良いだけだろ」
当たり前のように言われたので腹が立って、近くにあった枕を投げつける。
「しかも、中に出すなら搔き出せ!」
「そのままにしといて羽琉が孕むと面白いだろうが。責任はとるぞ?」
——男が孕むわけねえだろ。
殺意しか芽生えない。体をくの字に曲げて大笑いした啓介に今度はクッションをぶつけた。
「お前のスーツ準備しといたぞ」
その言葉に虚な瞳を向ける。
「つかよ、何で最近俺に貢いでんだよ、気色悪ぃ……」
「俺のものは女どもが勝手に買ってくるからな。自分の金が余ってんだよ」
「老後の貯金でもすれば?」
「お前本当に極道かよ。ねーわ」
ゲラゲラと笑い声を立てられる。足腰が震えたままシャワールームへと行き、中から精液を搔き出す。
引く程の量が出てきてウンザリする。
——その内マジで孕みそうだな……。
風呂から出ると、拓馬からメッセージがきていた。
下で待っています、と書かれていたので、今行くと返事する。
「拓馬来てるから行くわ」
啓介が用意したスーツを着て、拓馬のジャケットを手にした。
「羽琉」
名を呼ばれて顔を上げると、口で口を塞がれる。そのまま深く口内を貪られると、足の力が抜けて座り込みそうになってしまった。
「また後でな」
——あれ?
「あー、分かった」
啓介が昨日の夜とは違って上機嫌なのが気になったが、拓馬を待たせすぎるのにも気が引けて下に降りる。
「朝から悪いな拓馬」
「いえ、おれの仕事なん……で」
後部座席に乗り込もうとすると、ドアを開けたままの拓馬が固まっていた。背後から刺すような視線を感じて振り返る。
「拓馬?」
「いえ、何でもないっす……」
「俺に何かついてるか?」
ジャケットの肩部分を払ってみたが特に何も付いていない。
「付いてるっちゃーついてるっすね」
「は? マジで? 取れ」
肩をパパッと払われる。
車に乗り込んで事務所へと向かう。まだ腹の中が甘突きされているように疼いていて落ち着かない。
——もう暫くの間は啓介んとこは行かない。
そう決めたのも数時間だけの話で、事務所に顔を出した啓介に「今日も来い」と呼び出される羽目となった。
そして連日連夜で鳴かされる事になる。
次の日、ヨロヨロの二人を見かねて盛大なため息をついた組長が口を開いた。
「どうした、お前ら?」
「バカ啓介にドロップキックを食らわされて腰やりました」
——ヤりすぎて腰が立たないなんて言えない。
「鈍感アホ羽琉に手加減なしで殴られました」
——殺す気で殴ったなんて言えない。
「ハア……罰として今日は掃除でもやってろ」
「「はい、すみませんでした」」
呆れ顔の組長に挨拶すると二人は掃除道具入れへと向かった。
【番外編・了】
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