狐メイドは 絆されない

一花八華

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狐メイドは、絆されない

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先の魔族と人の戦乱で、親を失い 奴隷として売られそうになっていた。そんな たまもを救い 手を差しのべてくれたのは、セイだ。傷ついた たまもを親のように暖かく見守り、包んでくれたセイに 親愛の情を懐いていた。側にいるのが 心地よくて、自ら望んで使役契約をした。少しでも役に立ちたくて、身の回りの世話などメイドっぽいことをしていた。

ああ 自ら、宿敵の僕になるなど なんたる愚の骨頂。なんという体たらく。死にたい。今すぐ死んで転生したい。

「やですよ。だって、契約破棄したら たまもさん死んで僕から逃げるでしょ?」

そう。使役契約がある限り、主あるじの許可なく僕しもべは 死ねない。何処にも逃げ場がない。詰んだ。覚醒したら詰んでいた。

「なんの為に、前世の貴女に手をかけ、こちらに転生したと思ってるんですか。」

ため息を吐きながら、ヤレヤレとセイが呟く。

「は?まさかお主、儂に惚れておったのか?この為だけに、儂を殺めて 転生したと?」

目を丸くする、たまもに セイは 微笑みを返す。

「そういえば、お主 この姿の儂によく べたべたと触れておったの。まさか…まさか…」

変態ロリコンか。」

その解に辿り着いた たまもは、セイからズザッと距離をとり身構える。

「いやいや。それならもう手をだしてますって。幼女は、穢れなきモノであるべきです。愛でる対象であって、性の対象にはなりえません。穢すな厳禁です。」
「僕のスキンシップに、性的嫌悪を感じる事 なかったでしょ?」

心外だとばかりに、持論を展開するセイ。確かに、彼が触れるのは頭や尻尾だけで、その手つきに いやらしさはなかった…はず。何より、ベタベタとひっついていたのは、自分の方だった っと気付き、恥ずかしさのあまり 顔が熱くなる。

「いや!しかし、ゆくゆくは 儂に手をだすつもりであったのでろう!子作りする気満々だったのであろう!儂は、騙されんぞ!」

すでに二年間ほど騙されてたのは、この際目を瞑ろう。大事なのは、これからである。完璧に絆される前に記憶が戻ったのは、不幸中の幸いだ。むしろ積もり積もった前世の恨み。今世で晴らすべき。

「あー。でも、それは合意の元で 愛を育んだ後ですよ。無理矢理囲ってそんな関係になっても嬉しくない。たまもさんの気持ちを大事にしたい。僕は、たまもさんと幸せな家族を作りたいんですよ。」
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