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第2章

お手をどうぞ

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※後半BL的妄想がダダ流れします。苦手な方は、後半空欄から読み飛ばしで・・・・前前話に引き続き、こんな内容ばかりで本当に本当に申し訳ございません。苦情などはコメントにて。非公開の旨いただければ公開設定しませんので。







 ーガタガタガタ。


 サワサワと風が頬を撫でる。くっと手足を伸ばし、過ぎて行く景色を馬車の窓から見つめる。アルファフォリス学園から乗り合い馬車で1時間ほど揺られ、私はアルテの街に着きましたわ。

「お嬢、付き合わせて悪ぃ。」

 馬車を降りる私の手を取りながら、申し訳なさそうにレオニダスが言いますわ。

「別に構いませんわ。私も用事がありましたし。」

 敷き詰められた石畳の上に、足を下ろすと、私はゆっくりと辺りを見回し立ちましたわ。アーチ状の橋の上を過ぎて行く馬車。川を挟んで並び立つレンガ造りの建物。軒先に下げられた店の看板やディスプレイ。王都から離れた場所にあるアルテの街。ここは、隣国との境にあるので様々な物品が手に入りやすいのです。ただ、街並みが入り組んでいて、同じような建物が並ぶので、少々迷子になりやすい・・・・

「貴方一人だと、目的の場所に辿り着けるか・・・・怪しいですものね。」

 迷子スペシャリストのレオニダスでは、厳しいミッションですわ。

「ハンス達も誘ってみたんだけどな。」
「用があると言っていましたわ。仕方ないですわよ。それとも私だけじゃご不満かしら?」

 慌てて首を真横に振るレオニダスを横目に、扇子を口元に寄せ、ホホホと微笑みますわ。久しぶりのお買い物。気分も高揚しますわね。

「グレイやオズワルドを誘えば良かったかな。」
「ーっ!冗談じゃありませんわ!!何故あの二人を!!」

 ちょっと!レオニダス!せっかくの私のウキウキ気分を、台無しにしないで頂戴!休日まであの二人に絡まれるだなんて、最低最悪以外のなにものでもありませんわ!!

「そんな事より、ほら、行きますわよ!剣をみるのでしょう!?」

 鍛練のしすぎで、先が欠けてしまった剣。それの買い替えにいきますわよ!筋肉お馬鹿!
 


◇◇◇
 


「うーん。切れ味が良すぎるのもなー。」

 剣を片手に、レオニダスがブツブツと呟きますわ。

「予算との兼ね合いもあるし・・・・手に持ってしっくりくる、丈夫な奴が欲しいんだけど・・・・。」

 うんうん唸るレオニダス。あーでもないこーでもないといいながら、武器屋に並べられた剣を手に取り、シュッと振っては戻すを繰り返していますわ。

「強度をあげたいなら、武具強化コーティングを学ばれたら?」

 むしろ武器よりそちらが重要でなくて?折角魔法の素質があるのですもの。それに、武器を選ぶ事なく戦えるってとても重要だってハンスが言ってましたわ。「使えるモノは、なんでも獲物に。そうでないと大切なモノを守れませんからね。」っと言って笑ったハンスの顔。素敵だったわ~。勿論、脳内アルバムに即保存よ!萌えフォルダ行きですわ!ウフフ。あの笑顔だけで、私・・ご飯3杯いけますのよ・・・・?

「確かにそうだよな。うーん。剣はコレにするわ。オヤジさん、お会計。」
「おっ。まいどありー。」

 飾り気のない剣を選び、腰に下げると店をでますわ。 

「魔法なー。苦手なんだよな。呪文とか覚えるの得意じゃねーし。それに、覚えても上手く発動しないんだよなー。」


 ガシガシと頭をかくレオニダス。

「あら、苦手だからといって避けるのは」
「バカのする事。だろ?苦手だからって逃げたりしねーよ。努力するのは嫌いじゃねーし。ちゃんと克服する。前にお嬢に叱られたからな。」

 にっと大きく笑い、レオニダスが言いますわ。前に?私何か言ったかしら?

「苦手な事に向かうのは、精神を鍛えるのに、もってこいだよな。よし、帰ったら武具強化コーティング属性付加エンチャントの練習するか。」

 フンフンと鼻息を荒げ、やる気を漲らせるレオニダス。暑苦しくってよ。

「貴方。本当に騎士になりたいのですね。」

「おぅ!当たり前だろ!それに約束だしな!」

「約束?」
「ああ。村にいる幼なじみと約束してんだ。っていうかあいつに負けたくないからな。あいつ、俺なんかが騎士になれるわけないって馬鹿にするんだぜ?意地でも騎士になって、見返してやるんだ!だから俺は、絶対自分にも負けない!!」


 拳を握りしめ、強い決意を口にするレオニダス。「テリーの奴!今に見てろ!」っとテリーさん(?)と脳内で闘っていますわ。
 
「なら、私も協力して差し上げてましょうか?」

「ん?何をだ?お嬢。」

 きょとんとこちらを見るレオニダス。首を傾げる仕草。・・子犬ね。こういうのが、お嬢様方は萌えるのかしら?私は、さっぱりですけれど。

「魔法の特訓。私が、見て差し上げても宜しくてよ?こう見えて、先生方に筋が良いと褒められたのですわ。空いてる時間。付き合って差し上げますわよ?」

 私、頑張る人間は嫌いではありませんわ。むしろ応援したい。レオニダスは攻略対象ですけれど、フィロスのあの様子だとレオニダスルートにはいきませんわね。お互いじゃれ合う友人ポジっぽいですし、何よりレオニダスは、ハンスを想っているようですもの。私が魔法の特訓に付き合わなければ、きっとハンスがレオニダスの特訓に・・・・・・。








 特訓を介して、増える二人きりの時間。共有する時の中で芽生える感情。重なる失敗。励ますハンス。寄り添う心。成功し喜びを分かちあいそして・・・・

「やったな!レオニダス!お前ならできるってわかってた!」
「いや、違う。ハンスのお陰だ。」

 ぽんぽんと頭に手をのせ労うハンスに、レオニダスは首を振りそう返す。

「何を言ってるんだ?お前の努力の賜物だろ?俺は何もしてない。」

 苦笑しレオニダスの額をこずくハンスの手を、レオニダスは掴んだ。そして、ハンスの方を見上げ真剣な顔をする。

「ハンスが傍にいてくれたから・・・・傍でずっと励ましてくれたから、俺は頑張れたんだ。」

「何度も心が折れかけた・・・・本当は投げ出したかった。」

「でも・・・・お前が・・・・ハンスが俺を信じてくれてたから!だから、俺、頑張れたんだ!!」

 切々と言葉を口にするレオニダス。真剣な様子に、ハンスも息をのむ。

「迷惑だって事・・・・分かってる。だけど、もう誤魔化したくないんだ。自分の気持ちを・・・・・・」

「・・・・レオニダス。」

 二人の間に流れる静寂。ごくりという緊張を飲み込む音が響く。


「好きだ。ハンス・・・・。これからも、傍で支えてくれないか?」

「レオニダス・・・・・・俺も・・・・・・」


 そうして想いが通じあった二人は、そのまま修練場で・・・・・・





「ーーってさせませんわよーーーー!!!」

「は?どうした!?お嬢!!」

「ハンスはダメよ!レオニダス!ご法度ですわ!魔法の練習は、私が付き合って差し上げますからそれで我慢なさい!!いいですわね!?」


そうよ!修練場で衆道だなんて御法度ですのよ!私の目が黒い内は、絶対絶対、阻止しますわ!オーッホッホッホッホッホ!

「えっと・・・・うん。なんかよくわからねーけど。ありがとな。お嬢。」





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安定の斜め上・・・・。
色々と本当に( ´・ω・` )ごめんなさい。
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