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第2章
気付いた時には…
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「あらかた片付いたな」
ハンスが、パンパンと手を叩き、雑草をひとまとめにしますわ。
「あー疲れたー。やっと終わったなー。腹減ったー」
「これくらいで疲れたなんて言っていたら、騎士なんて務まらないんじゃないかな?」
へたり込むレオニダスに、グレイ様が意地悪く言いますわ。
「レオニダス君は、人一倍働いてたから。」
優しいルビアナは、フォローに入りますわ。
「土いじりって楽しいですわね。私、クラブは魔法農業研究部にしようかしら?」
温室や畑で、耕作し放題。
行く行くのことを考えれば、農業スキルを身につけておくのも得策ですわね。
「食物探求部も、捨て難いですけど」
生き抜く為に必要な知恵は、何が何でも獲得しておくべきですわ。
むー。どうしましょう。
フィロスに追いかけ回され、その後罰則活動に明け暮れたせいで、私・・・・どのクラブも見学できていませんわ。
今月中に、入部するクラブを決めなくてはいけませんのに困りましたわね。でも、生徒数が少ないのでどの部でも引く手あまたの筈ですわ。何処にいっても歓迎されるに違いありませんわよね?
「何を言ってるの?ヴィクトリア。掛け持ちは基本禁止されているんだよ?」
呆れた口調で、グレイ様が私に話かけますわ。
「知ってますわよ。だから、どちらにしようか悩んでますの」
没落後の生活がかかってますわ。私、真剣でしてよ!
「いや、だから君はどちらにも入部できないって・・・・」
あら?どうしてですの?
入部規則にヴィクトリアお断り!っとでもありまして?私、見てくれは立派な令嬢ですけど、中身は土いじりもゲテモノ食もどんとこい!っな規格外な令嬢ですのよ!
私・・・・・・そんじょそこらの大人しいご令嬢とは、格が違いましてよ!
オーッホッホッホッホッホ!
「明日からの部活動は、何をするんだー?」
「私達は明日は、レクリエーションの説明会があるから・・・・参加は難しいとおもうよ?レオニダス君」
「あーそっか!忘れてた!明日だっけ!それ!?」
「レクリエーションなんて面倒くさーい。ルビちゃんとヴィーちゃんと仲を深めれれば、後はどーでもいーのにー」
「フィロスは、ほんと自分に正直だよなー。俺はレクリエーション結構楽しみだけど」
あら?
「レオニダスも、ルビアナも、フィロスも・・・・もう何処かに入部してるの?」
つれないですわ。私に相談もなく何処かに入部されてるのね。
「お嬢様・・・・何をおっしゃってるんですか?」
驚いた顔で、皆が私を見つめますわ。
「私、まだ何処に入部するか決めてませんの。皆決めてたなんて知りませんでしたわ。ハンス、まさか貴方ももう何処かに?」
貴方まで、私に何も言わずに決めたのね。
ああ。なんだか寂しいですわ。
「酷いわね。私に一言相談してくれてもいいのに・・・・」
ヴィーちゃん。寂しくて拗ねちゃいますわよ。くすん。
「いえ、お嬢様こそ相談せずに決められたじゃないですか・・・・」
あら?ハンスから、何故か責めるような視線も感じますわ。
「そうだよ。ヴィーちゃんが入ったって聞いたから、私もルビちゃんも入部したんだよー?」
「俺も俺も!ハンスとお嬢が一緒なら、楽しそうだから決めた!」
はい?っと困惑する私。私の様子に、呆れ顔ハンス。えーっ!?っと顔を崩すフィロスと、あれ?っと小首を傾げるルビアナ。尻尾(幻影)をシタパタと振りながら、にひひと笑うレオニダス。
んん?
話しが見えませんわ。
「私・・・・まだ何処にも入部など・・・・」
そう呟く私の肩を、ぽんっと誰かが叩きますわ。
「何を言ってるのかな?ちゃんと入部届けにサインしたじゃない。ヴィクトリア」
背後に立つグレイ様が、私ににっこりと微笑みかけてきましたわ。
もしかして・・・・いえ、もしかしなくても・・・・
「貴方・・・・・・まさか」
「別に何もしてないよ?反省文の提出の際、ついでにサインを貰いはしたけど。」
反省文・・・・サイン・・・・んん?まさかっ!!
「あれは、学園規則の署名ではありませんでしたの!?」
グレイ様が提出しておいてくれると仰った奴ですわよね!?
二週間前に!!
「学園規則?何かな?それ。入部届けに気付かなかったの?」
「気づっっ!」
気付いていたら、署名などしていませんわ!
グレイ様とオズワルド皇子のいらっしゃる部活になど、入部するわけないじゃありませんの!
攻略対象なんてお断りですのに!!
顔を真っ赤にして震える私に、悪魔が耳元でそっと囁きますわ。
「だめだよ。ヴィクトリア。署名をする際は、ちゃんと内容を確認した上でしないと・・・・・・」
「僕との婚約書類だったら・・・・・・今頃君は、僕の婚約者だよ?」
ハンスが、パンパンと手を叩き、雑草をひとまとめにしますわ。
「あー疲れたー。やっと終わったなー。腹減ったー」
「これくらいで疲れたなんて言っていたら、騎士なんて務まらないんじゃないかな?」
へたり込むレオニダスに、グレイ様が意地悪く言いますわ。
「レオニダス君は、人一倍働いてたから。」
優しいルビアナは、フォローに入りますわ。
「土いじりって楽しいですわね。私、クラブは魔法農業研究部にしようかしら?」
温室や畑で、耕作し放題。
行く行くのことを考えれば、農業スキルを身につけておくのも得策ですわね。
「食物探求部も、捨て難いですけど」
生き抜く為に必要な知恵は、何が何でも獲得しておくべきですわ。
むー。どうしましょう。
フィロスに追いかけ回され、その後罰則活動に明け暮れたせいで、私・・・・どのクラブも見学できていませんわ。
今月中に、入部するクラブを決めなくてはいけませんのに困りましたわね。でも、生徒数が少ないのでどの部でも引く手あまたの筈ですわ。何処にいっても歓迎されるに違いありませんわよね?
「何を言ってるの?ヴィクトリア。掛け持ちは基本禁止されているんだよ?」
呆れた口調で、グレイ様が私に話かけますわ。
「知ってますわよ。だから、どちらにしようか悩んでますの」
没落後の生活がかかってますわ。私、真剣でしてよ!
「いや、だから君はどちらにも入部できないって・・・・」
あら?どうしてですの?
入部規則にヴィクトリアお断り!っとでもありまして?私、見てくれは立派な令嬢ですけど、中身は土いじりもゲテモノ食もどんとこい!っな規格外な令嬢ですのよ!
私・・・・・・そんじょそこらの大人しいご令嬢とは、格が違いましてよ!
オーッホッホッホッホッホ!
「明日からの部活動は、何をするんだー?」
「私達は明日は、レクリエーションの説明会があるから・・・・参加は難しいとおもうよ?レオニダス君」
「あーそっか!忘れてた!明日だっけ!それ!?」
「レクリエーションなんて面倒くさーい。ルビちゃんとヴィーちゃんと仲を深めれれば、後はどーでもいーのにー」
「フィロスは、ほんと自分に正直だよなー。俺はレクリエーション結構楽しみだけど」
あら?
「レオニダスも、ルビアナも、フィロスも・・・・もう何処かに入部してるの?」
つれないですわ。私に相談もなく何処かに入部されてるのね。
「お嬢様・・・・何をおっしゃってるんですか?」
驚いた顔で、皆が私を見つめますわ。
「私、まだ何処に入部するか決めてませんの。皆決めてたなんて知りませんでしたわ。ハンス、まさか貴方ももう何処かに?」
貴方まで、私に何も言わずに決めたのね。
ああ。なんだか寂しいですわ。
「酷いわね。私に一言相談してくれてもいいのに・・・・」
ヴィーちゃん。寂しくて拗ねちゃいますわよ。くすん。
「いえ、お嬢様こそ相談せずに決められたじゃないですか・・・・」
あら?ハンスから、何故か責めるような視線も感じますわ。
「そうだよ。ヴィーちゃんが入ったって聞いたから、私もルビちゃんも入部したんだよー?」
「俺も俺も!ハンスとお嬢が一緒なら、楽しそうだから決めた!」
はい?っと困惑する私。私の様子に、呆れ顔ハンス。えーっ!?っと顔を崩すフィロスと、あれ?っと小首を傾げるルビアナ。尻尾(幻影)をシタパタと振りながら、にひひと笑うレオニダス。
んん?
話しが見えませんわ。
「私・・・・まだ何処にも入部など・・・・」
そう呟く私の肩を、ぽんっと誰かが叩きますわ。
「何を言ってるのかな?ちゃんと入部届けにサインしたじゃない。ヴィクトリア」
背後に立つグレイ様が、私ににっこりと微笑みかけてきましたわ。
もしかして・・・・いえ、もしかしなくても・・・・
「貴方・・・・・・まさか」
「別に何もしてないよ?反省文の提出の際、ついでにサインを貰いはしたけど。」
反省文・・・・サイン・・・・んん?まさかっ!!
「あれは、学園規則の署名ではありませんでしたの!?」
グレイ様が提出しておいてくれると仰った奴ですわよね!?
二週間前に!!
「学園規則?何かな?それ。入部届けに気付かなかったの?」
「気づっっ!」
気付いていたら、署名などしていませんわ!
グレイ様とオズワルド皇子のいらっしゃる部活になど、入部するわけないじゃありませんの!
攻略対象なんてお断りですのに!!
顔を真っ赤にして震える私に、悪魔が耳元でそっと囁きますわ。
「だめだよ。ヴィクトリア。署名をする際は、ちゃんと内容を確認した上でしないと・・・・・・」
「僕との婚約書類だったら・・・・・・今頃君は、僕の婚約者だよ?」
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