侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里

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ずっと眩しいものと一緒ってシンドイよね

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アシュとの女子会は楽しかった。

あの後、アシュはずっと私の部屋で過ごした。
夕飯はみんなで食べたが、その後すぐに2人で部屋に戻りドレスを脱ぎ捨てる。
そしてパジャマに着替えると、女子会の第二弾パジャマパーティーの始まりだ。

夕飯前にも沢山お喋りしたはずなのに話題は尽きることなく、どちらかが寝落ちするまで喋り続けた。

アシュとは女子会のおかげで、更に仲を深められたんじゃないかな。

アシュがウチにいてくれるのは、正直嬉しい。
嬉しいんだけど、アシュがいるということは、セディもウチにいるわけで……。

「おはよう、エリーヌ。朝起きてすぐにエリーヌに会えるなんて素晴らしいね。」

「……おはようございます。」


うぅっ、眩しい!

セディは朝からキラキラオーラが全開ですな。少し抑えていただきたい。


私が目をショボショボさせながら席に着くと、セディがクスクスと笑いながらうっとりとした表情でこちらを見てくる。

「エリーヌは朝から可愛いんだね。」

「セディは朝から無駄に眩しいんだね。」

私は恨めしげにセディをジトッと睨み、用意された朝食をつついた。


「フフッ。エリーヌには僕が眩しく見えるの?嬉しいなぁ。」


やめて。
頬を染めて照れないでよ。


私が顔を引き攣らせているのもお構いなしに、セディは嬉しそうにニコニコとして私を見つめてくる。


そんなキラキラオーラを丸三日近くで浴び続けた私は、かなり疲弊していた。

自室のソファーでグッタリしている私を見て、アシュが呆れ顔をしている。

アシュはウチに来てから、ほぼ私の部屋に入り浸っていて、今も私の横で紅茶を優雅に飲みながら読書をしていたのだ。

「エリーヌも、なんでそんなにお兄様を嫌いなの?あれでもご令嬢達が群がる王太子よ。」

「……べつに、セディは嫌いじゃないよ。最初に会った時の印象だって良かったし、今でもそれは変わってないもん。」

「あら、そうなの?」

「セディは嫌いじゃないけど、王太子っていうのが問題なんだよ。……自惚れじゃなければ、セディは私のこと好いてくれてるでしょ。」

「誰が見てもそうでしょうね。」

アシュが大きく頷いた。

…………だよね。やっぱりそうだよね。


「だからだよ。私はね、結婚なんかしないで父様と母様、兄様達の側でずっと暮らしていきたいんだ。それに万が一、セディと結婚なんてしちゃったら、ゆくゆくは私が王妃様でしょ?……無いわ~。無い無い!アシュは私が王妃様とか想像出来る?出来ないでしょ?こんな王妃様イヤだよね?」

自分で将来の姿を想像しながら、王妃様とか全く有り得ないことに身震いを起こした。

自分の発した言葉に身震いを起こしている私を見て、アシュが苦笑する。

「そうでもないわよ。エリーヌが王妃になったら面白そう。お兄様にもきちんと意見してくれそうだし、きっと良い国になると思うわ。」

「やめてよ~!」

「それに、お兄様と結婚したら私達は姉妹になるのよ?エリーヌと姉妹になれるなんて、それはそれで魅力的じゃない。私は大賛成だわ。」

「うっ……」

真っ青になって全力で否定する私も、アシュの姉妹というポジションには魅力を感じて、思わず言葉に詰まる。


ーーこんな美人の姉妹も欲しかったんだよね。


……って危ない危ない!!
そうじゃないでしょ、私!!

甘い誘惑に惑わされるところだった。


「私の優先順位は昔も今も家族なの!今世では、家族に何かあった時にはすぐに私が手助けしてあげられるような場所にいたいんだよ。万が一にも王妃様になろうものなら、実家に帰るのだってかなり大変になっちゃうんでしょ?そんなの、私にはきっと耐えられない……。」

私が目を潤ませて言えば、アシュは少し眉間に皺をよせて首を傾げた。

「ねえ、今世って何?」


ギクッ!!


……ヤバイ。興奮していらぬ事を口走っちゃった。


「え、え~?そんなこと言ったかな?全然覚えてないや~。」


えへへっと笑って誤魔化すと、アシュにジトッとした目を向けられる。

「…………まあいいわ。とにかく、私はお兄様の婚約者はエリーヌがいいと思っているし、これからもお兄様を応援していくつもりよ。それだけは覚えておいてね。」

「…………はーい……。」


コンコンコン。

意気消沈して返事をする私の小さな声とほぼ同時に、扉をノックする音が部屋に響いた。

「きっとお兄様ね。」

ニッコリと笑うアシュに促され、私は渋々扉を開ける。



扉の前には、笑顔を引き攣らせたアーク兄様と、とっても嬉しそうな笑顔のセディが立っていたのだった。
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