ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里

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到着早々ですが、決意を新たにします!

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島に到着すると、島民らしき人達がズラリと並んでお出迎えをしてくれた。

私は、まだちょっとそういうのには慣れなくて……ビクビクしているところをサイラスに抱き上げられ、ガッシリと首にしがみ付いた状態でそのまま大人しくそこを通り抜ける。


「まだ、慣れない?」

「うん…………まだって言うか、慣れる気がしないよ。」


サイラスと耳元でコソコソと話す。


だってさ、大人の人達が揃って頭を下げているなかを通るんだよ?

国王様に王子様に不死鳥……確かに、私の周りには身分が桁外れに高い人達が勢揃いしているけど、私はそうじゃないでしょ?

……こんな平凡な6歳児がさ、何様?って感じじゃない?


「何を言っているんだ。ユーカはもう私の娘ではないか。」

「そうだぞ。それにユーカは我の愛し子だと、既に皆に宣言しておるのだ。お主はもっと堂々としておれ!」


私がブツブツ呟いていたのを聞いて、国王様とフータにちょっと怒られた。


……うぅ、そうなんだけどさ。

でも、この国の人達にしてみれば、私なんて何処から来たのかも分からない異国人なワケで。

きっと、私を心良く思っていない人だって絶対にいるはず。

お城にいた、お爺ちゃん達のように。

…………あれ?そう言えば、最近あのお爺ちゃん達をお城で見かけないな。

いつも会えば嫌味をグチグチと言ってきてたのに。


そんな事をアレコレ考えていたら、サイラスが私の頭を優しく撫でてきた。

見上げると、私を見つめるサイラスと目が合う。

その眼差しは、私の頭を撫でてくれている手と同じくらいに優しい。


「そんな肩書きなんか無くたって、ユーカは俺の特別なんだから、それで良くない?他の奴等がどう思っていようと関係ないよ。」


ね?と、私の頭を優しく撫で続けるサイラスに、思わず苦笑してしまう。

サイラスがいつも、いつでも私に大好きだよって伝えてくれるから、私もこの世界で頑張っていられる。

いつもいつも、サイラスが側にいてくれてるから頑張ろうって思えるんだよ。

そんなサイラスの側にいる為に、私はもっと頑張らないといけない。

だってさ、サイラスは王子様なんだもん。

いつか、そんなに遠くない将来、サイラスが結婚してお妃様と暮らす日まで……ちょっとでも私が役に立つ人間になって、それまではサイラスの側にいてもいいって皆に思ってもらえるようになりたいんだ。

だから、これからはなんでも出来るようにならないとね!

なんでも出来るようになって、いつか皆の前でも堂々としていられるように頑張ります!


そう決意を新たにしていたら自然と力が入っちゃっていたらしく、サイラスの首にギュッとしがみ付きながらフンッ!フンッ!と、鼻息が荒くなっていたみたいで国王様とフータにクスクスと笑われてしまった。


「鼻息の荒いユーカも可愛い。」


…………サイラスだけ反応が違い、うっそりと笑っているけどね。

…………なんでだよ。鼻息の荒い私が可愛いはずないじゃん。私バカにも程がある。


サイラスの反応が恥ずかしくって、私は顔を真っ赤にさせた。


そんな私を見て、国王様とフータは更にクスクスと笑い、サイラスは益々うっそりとした笑みを浮かべるのであった。
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