61 / 96
到着早々ですが、決意を新たにします!
しおりを挟む
島に到着すると、島民らしき人達がズラリと並んでお出迎えをしてくれた。
私は、まだちょっとそういうのには慣れなくて……ビクビクしているところをサイラスに抱き上げられ、ガッシリと首にしがみ付いた状態でそのまま大人しくそこを通り抜ける。
「まだ、慣れない?」
「うん…………まだって言うか、慣れる気がしないよ。」
サイラスと耳元でコソコソと話す。
だってさ、大人の人達が揃って頭を下げているなかを通るんだよ?
国王様に王子様に不死鳥……確かに、私の周りには身分が桁外れに高い人達が勢揃いしているけど、私はそうじゃないでしょ?
……こんな平凡な6歳児がさ、何様?って感じじゃない?
「何を言っているんだ。ユーカはもう私の娘ではないか。」
「そうだぞ。それにユーカは我の愛し子だと、既に皆に宣言しておるのだ。お主はもっと堂々としておれ!」
私がブツブツ呟いていたのを聞いて、国王様とフータにちょっと怒られた。
……うぅ、そうなんだけどさ。
でも、この国の人達にしてみれば、私なんて何処から来たのかも分からない異国人なワケで。
きっと、私を心良く思っていない人だって絶対にいるはず。
お城にいた、お爺ちゃん達のように。
…………あれ?そう言えば、最近あのお爺ちゃん達をお城で見かけないな。
いつも会えば嫌味をグチグチと言ってきてたのに。
そんな事をアレコレ考えていたら、サイラスが私の頭を優しく撫でてきた。
見上げると、私を見つめるサイラスと目が合う。
その眼差しは、私の頭を撫でてくれている手と同じくらいに優しい。
「そんな肩書きなんか無くたって、ユーカは俺の特別なんだから、それで良くない?他の奴等がどう思っていようと関係ないよ。」
ね?と、私の頭を優しく撫で続けるサイラスに、思わず苦笑してしまう。
サイラスがいつも、いつでも私に大好きだよって伝えてくれるから、私もこの世界で頑張っていられる。
いつもいつも、サイラスが側にいてくれてるから頑張ろうって思えるんだよ。
そんなサイラスの側にいる為に、私はもっと頑張らないといけない。
だってさ、サイラスは王子様なんだもん。
いつか、そんなに遠くない将来、サイラスが結婚してお妃様と暮らす日まで……ちょっとでも私が役に立つ人間になって、それまではサイラスの側にいてもいいって皆に思ってもらえるようになりたいんだ。
だから、これからはなんでも出来るようにならないとね!
なんでも出来るようになって、いつか皆の前でも堂々としていられるように頑張ります!
そう決意を新たにしていたら自然と力が入っちゃっていたらしく、サイラスの首にギュッとしがみ付きながらフンッ!フンッ!と、鼻息が荒くなっていたみたいで国王様とフータにクスクスと笑われてしまった。
「鼻息の荒いユーカも可愛い。」
…………サイラスだけ反応が違い、うっそりと笑っているけどね。
…………なんでだよ。鼻息の荒い私が可愛いはずないじゃん。私バカにも程がある。
サイラスの反応が恥ずかしくって、私は顔を真っ赤にさせた。
そんな私を見て、国王様とフータは更にクスクスと笑い、サイラスは益々うっそりとした笑みを浮かべるのであった。
私は、まだちょっとそういうのには慣れなくて……ビクビクしているところをサイラスに抱き上げられ、ガッシリと首にしがみ付いた状態でそのまま大人しくそこを通り抜ける。
「まだ、慣れない?」
「うん…………まだって言うか、慣れる気がしないよ。」
サイラスと耳元でコソコソと話す。
だってさ、大人の人達が揃って頭を下げているなかを通るんだよ?
国王様に王子様に不死鳥……確かに、私の周りには身分が桁外れに高い人達が勢揃いしているけど、私はそうじゃないでしょ?
……こんな平凡な6歳児がさ、何様?って感じじゃない?
「何を言っているんだ。ユーカはもう私の娘ではないか。」
「そうだぞ。それにユーカは我の愛し子だと、既に皆に宣言しておるのだ。お主はもっと堂々としておれ!」
私がブツブツ呟いていたのを聞いて、国王様とフータにちょっと怒られた。
……うぅ、そうなんだけどさ。
でも、この国の人達にしてみれば、私なんて何処から来たのかも分からない異国人なワケで。
きっと、私を心良く思っていない人だって絶対にいるはず。
お城にいた、お爺ちゃん達のように。
…………あれ?そう言えば、最近あのお爺ちゃん達をお城で見かけないな。
いつも会えば嫌味をグチグチと言ってきてたのに。
そんな事をアレコレ考えていたら、サイラスが私の頭を優しく撫でてきた。
見上げると、私を見つめるサイラスと目が合う。
その眼差しは、私の頭を撫でてくれている手と同じくらいに優しい。
「そんな肩書きなんか無くたって、ユーカは俺の特別なんだから、それで良くない?他の奴等がどう思っていようと関係ないよ。」
ね?と、私の頭を優しく撫で続けるサイラスに、思わず苦笑してしまう。
サイラスがいつも、いつでも私に大好きだよって伝えてくれるから、私もこの世界で頑張っていられる。
いつもいつも、サイラスが側にいてくれてるから頑張ろうって思えるんだよ。
そんなサイラスの側にいる為に、私はもっと頑張らないといけない。
だってさ、サイラスは王子様なんだもん。
いつか、そんなに遠くない将来、サイラスが結婚してお妃様と暮らす日まで……ちょっとでも私が役に立つ人間になって、それまではサイラスの側にいてもいいって皆に思ってもらえるようになりたいんだ。
だから、これからはなんでも出来るようにならないとね!
なんでも出来るようになって、いつか皆の前でも堂々としていられるように頑張ります!
そう決意を新たにしていたら自然と力が入っちゃっていたらしく、サイラスの首にギュッとしがみ付きながらフンッ!フンッ!と、鼻息が荒くなっていたみたいで国王様とフータにクスクスと笑われてしまった。
「鼻息の荒いユーカも可愛い。」
…………サイラスだけ反応が違い、うっそりと笑っているけどね。
…………なんでだよ。鼻息の荒い私が可愛いはずないじゃん。私バカにも程がある。
サイラスの反応が恥ずかしくって、私は顔を真っ赤にさせた。
そんな私を見て、国王様とフータは更にクスクスと笑い、サイラスは益々うっそりとした笑みを浮かべるのであった。
9
お気に入りに追加
660
あなたにおすすめの小説

華都のローズマリー
みるくてぃー
ファンタジー
ひょんな事から前世の記憶が蘇った私、アリス・デュランタン。意地悪な義兄に『超』貧乏騎士爵家を追い出され、無一文の状態で妹と一緒に王都へ向かうが、そこは若い女性には厳しすぎる世界。一時は妹の為に身売りの覚悟をするも、気づけば何故か王都で人気のスィーツショップを経営することに。えっ、私この世界のお金の単位って全然わからないんですけど!?これは初めて見たお金が金貨の山だったという金銭感覚ゼロ、ハチャメチャ少女のラブ?コメディな物語。
新たなお仕事シリーズ第一弾、不定期掲載にて始めます!

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

ひめさまはおうちにかえりたい
あかね
ファンタジー
政略結婚と言えど、これはない。帰ろう。とヴァージニアは決めた。故郷の兄に気に入らなかったら潰して帰ってこいと言われ嫁いだお姫様が、王冠を手にするまでのお話。(おうちにかえりたい編)


薬屋の少女と迷子の精霊〜私にだけ見える精霊は最強のパートナーです〜
蒼井美紗
ファンタジー
孤児院で代わり映えのない毎日を過ごしていたレイラの下に、突如飛び込んできたのが精霊であるフェリスだった。人間は精霊を見ることも話すこともできないのに、レイラには何故かフェリスのことが見え、二人はすぐに意気投合して仲良くなる。
レイラが働く薬屋の店主、ヴァレリアにもフェリスのことは秘密にしていたが、レイラの危機にフェリスが力を行使したことでその存在がバレてしまい……
精霊が見えるという特殊能力を持った少女と、そんなレイラのことが大好きなちょっと訳あり迷子の精霊が送る、薬屋での異世界お仕事ファンタジーです。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

きっと幸せな異世界生活
スノウ
ファンタジー
神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。
そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。
時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。
女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?
毎日12時頃に投稿します。
─────────────────
いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる