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帰る場所 〜龍斗〜
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国を転々と旅し、帰る方法を模索しながら、俺は少しずつ言葉を覚えた。
情報を得るにも、言葉が理解出来ない事には何も始まらない。
俺は独学で勉強した。
この国の人間が俺に向ける嫌悪感、拒絶心は、俺がこの国の人間に向ける思いと同じだった。
ここに来てからの、この国の人間の俺に対するあまりに冷酷な処遇の数々。
それは俺の心を凍らせるのには十分すぎるものだった。
俺はこの国で生き抜いてやる。どんな事でもして生きて日本へ帰るんだ。
まず、この見た目を何とかしなければ。
俺は家の軒先に干してある衣服を物色し、この国では目立つ黒髪を隠せるようなフード付きの外套を拝借した。
自身の身体能力を使って金持ちであろう大きな屋敷の上階へ跳べば、鍵の開いている部屋も多い。
日本へ帰る手掛かりを探すついでに貴金属を少々頂き、金や食糧に換えた。
金さえ手に入れば、寝泊まりする場所は如何とでもなった。
帰る手掛かりも掴めないままにそんな生活をすること数年、俺の能力に目をつけた盗賊共にあとを付け回されるようになる。
俺が上階から侵入し物色した後に、静かに下の階へ降り鍵を開けて出て行けば、勝手に盗賊共が荒らしに中へと入って行った。
俺は決して盗賊の仲間などでは無い。
ただ手掛かりを求めて侵入し、鍵を開けて外へ出ただけだ。
荒らしたいなら好きなだけ荒らせばいい。この国の奴らがどうなろうと、俺の知ったことでは無いのだから。
盗賊共は簡単に屋敷へ侵入出来ることに味を占め、俺の行く先々へついて来た。
俺も、俺のする事に口出しや邪魔さえしなければそれを黙認していた。
暴言を吐き、暴力を振るったあのゲス野郎共よりコイツらの方がよっぽどマシだったから。
俺がこの国に来てから、もうすぐ10年が経とうとしている。
この10年で帰る手掛かりは全くと言っていいほど無かった。
手掛かりは掴めていなかったが、旅をするなかで、この国について分かった事は幾つかある。
まず、国の大きさがヤバかった。日本の数倍?もしかしたらもっと大きいかもしれない。
そして日本より文明が発達していない。電気は無いので、勿論自動車や電車なんてあるはずも無く、移動手段は馬車か徒歩だった。
俺が現れたのはどうやらこの国の端っこだったらしく、手に入れた地図を頼りに俺は端の町から旅をした。
手掛かりを求めて彷徨いながら、しかも馬車か徒歩での移動なので、国の中央部にある王都に辿り着くまでに長い時間を要してしまった。
けれど何処に手掛かりがあるかも分からないこの状況では、たとえ小さな町でも情報収集に手を抜く事は出来なかったのだ。
王都に近づくにつれ、俺の黒髪黒目への人々の偏見は薄れていった。
好奇な目で見られる事はあっても、罵られたり暴力を振るおうとする者はいない。
きっと田舎の方が異物に対する偏見や差別が大きいのだろう。
ここ最近での王都の人々の様子を見て、俺はそれを強く実感した。
この国でのスタート地点が、俺は悪かっただけなんだ。
頭では理解したつもりでも、心身共に与えられた苦痛は消えることは無く、人と接する時には嫌悪感や恐怖心が蘇ってしまう。
俺はいつでも被ったフードを外せないでいた。
そんなある時、買い物をしている俺の顔を覗き込んでくる露店の女主人がいたから、ギロリと睨んで威嚇してやる。
女主人は小さく肩を竦めるも、俺を覗き込むのはやめずに目を細めた。
「あんた、目が黒いね。髪も黒いのかい?団長のところのお嬢さんと同じ色の人間は初めて見たよ。ひょっとして血縁者かい?」
「…………え?」
今、なんて言った?
「団長には世話になってるからね。何か買うなら安くしとくよ。」
豪快に笑う女主人は俺の手の中にある果物を袋に詰めると、本当にかなり安く商品を売ってくれた。
俺と同じだって?いや、でも同じ色だからって日本人とは限らない。そもそも地球人なのか?
ここに来てから疑り深くなっていた俺は安易に喜んだりはしなかったが、同色人種の情報は初めてだっため少し期待している自分がいた。
それからの俺は、騎士団長の娘のことを調べる為に色々と動いた。
警備は厳重だったが城にある騎士団長の執務室にも侵入し、書類を片っ端から探る。
そして、数枚に纏められた書類の文面に目が留まると、体が固まり動けなくなった。
ーーあやなーー
何度も何度も書面に書いてある名前を確認する。間違いない。
日本人だ。
「あ……あぁっ!」
俺の目からは涙が止めどなく溢れ、体が震える。
気付いたら、書類を握り締めて飛び出していた。
走って走って、夢中で走って騎士団長の屋敷前まで辿り着く。
塀に手をつき、乱れた呼吸と昂る気持ちを落ち着かせた。
この塀の向こうに日本人がいる。
無我夢中でここまで来てしまったが、夜中に侵入して驚かせるのも忍びない。
はやる気持ちを抑えて、ゆっくり書類を読む為に団長宅の屋根に跳んで書類を広げた。
読み進めるうちに、俺に付き纏っていた盗賊共が騎士団に捕まった事を知る。どうりで最近姿を見なかったはすだ。
でもアイツらのお陰で森にいた少女を発見したらしいから、付き纏われていて良かったのかもしれない。
俺は暫く、あやなという少女の様子を伺う事にした。
勿論、不当な扱いを受けているのならすぐにでも連れ出してやるが、書類からはその心配はないように感じた。
数日観察しているうちに、俺はすっかりこの愛らしい少女の虜になっていた。
とても感情豊かで、庭に咲き誇る花にも負けないくらい可憐に笑う少女。屋敷にいる者達に愛されているのがよく分かる。
俺もあの子と話したい。
あの子に笑いかけられたい。
気付いたら俺は少女の前にいた。
『おーい、龍斗さん、どうしたの?』
彩菜が心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。
彩菜の特訓終わり、過去を思い出していた俺は結構な時間呆けていたようだ。
『大丈夫?』
心配してくれる彩菜の頭を撫でながら、俺は幸せを噛みしめる。
あの時、彩菜の前に出て行って良かった。あれが今のこの幸せに繋がっているのだ。
彩菜の側にいる為の条件として騎士団での訓練を言い渡された時は正直面倒くさかったが、日々のスケジュールをこなしていくうちにキツイ訓練も楽しくなっていた。
騎士団の奴らは俺を奇異の目で見ること無く普通に接してくれる。
彩菜の周りにいる人間は皆、俺を龍斗としてちゃんと見てくれるのだ。
団長やダナン、カールは俺が彩菜を屋根から突き落とした事を怒っていたから訓練も厳しめだったが、それはそれで彩菜を本当に大切にしてくれているのが分かって嬉しかった。
騎士団での訓練期間を終える頃には、俺はもう外套を被らなくても平気になっていた。
「りゅうとさん、おかえりなさい!」
彩菜が俺目掛けて駆け寄り抱き付いてくれたあの時を、俺はずっと忘れないだろう。
俺に帰る場所を与えてくれた彩菜を、俺はこれからどんな事をしてでも守っていく。
彩菜が俺の帰る場所なのだから。
情報を得るにも、言葉が理解出来ない事には何も始まらない。
俺は独学で勉強した。
この国の人間が俺に向ける嫌悪感、拒絶心は、俺がこの国の人間に向ける思いと同じだった。
ここに来てからの、この国の人間の俺に対するあまりに冷酷な処遇の数々。
それは俺の心を凍らせるのには十分すぎるものだった。
俺はこの国で生き抜いてやる。どんな事でもして生きて日本へ帰るんだ。
まず、この見た目を何とかしなければ。
俺は家の軒先に干してある衣服を物色し、この国では目立つ黒髪を隠せるようなフード付きの外套を拝借した。
自身の身体能力を使って金持ちであろう大きな屋敷の上階へ跳べば、鍵の開いている部屋も多い。
日本へ帰る手掛かりを探すついでに貴金属を少々頂き、金や食糧に換えた。
金さえ手に入れば、寝泊まりする場所は如何とでもなった。
帰る手掛かりも掴めないままにそんな生活をすること数年、俺の能力に目をつけた盗賊共にあとを付け回されるようになる。
俺が上階から侵入し物色した後に、静かに下の階へ降り鍵を開けて出て行けば、勝手に盗賊共が荒らしに中へと入って行った。
俺は決して盗賊の仲間などでは無い。
ただ手掛かりを求めて侵入し、鍵を開けて外へ出ただけだ。
荒らしたいなら好きなだけ荒らせばいい。この国の奴らがどうなろうと、俺の知ったことでは無いのだから。
盗賊共は簡単に屋敷へ侵入出来ることに味を占め、俺の行く先々へついて来た。
俺も、俺のする事に口出しや邪魔さえしなければそれを黙認していた。
暴言を吐き、暴力を振るったあのゲス野郎共よりコイツらの方がよっぽどマシだったから。
俺がこの国に来てから、もうすぐ10年が経とうとしている。
この10年で帰る手掛かりは全くと言っていいほど無かった。
手掛かりは掴めていなかったが、旅をするなかで、この国について分かった事は幾つかある。
まず、国の大きさがヤバかった。日本の数倍?もしかしたらもっと大きいかもしれない。
そして日本より文明が発達していない。電気は無いので、勿論自動車や電車なんてあるはずも無く、移動手段は馬車か徒歩だった。
俺が現れたのはどうやらこの国の端っこだったらしく、手に入れた地図を頼りに俺は端の町から旅をした。
手掛かりを求めて彷徨いながら、しかも馬車か徒歩での移動なので、国の中央部にある王都に辿り着くまでに長い時間を要してしまった。
けれど何処に手掛かりがあるかも分からないこの状況では、たとえ小さな町でも情報収集に手を抜く事は出来なかったのだ。
王都に近づくにつれ、俺の黒髪黒目への人々の偏見は薄れていった。
好奇な目で見られる事はあっても、罵られたり暴力を振るおうとする者はいない。
きっと田舎の方が異物に対する偏見や差別が大きいのだろう。
ここ最近での王都の人々の様子を見て、俺はそれを強く実感した。
この国でのスタート地点が、俺は悪かっただけなんだ。
頭では理解したつもりでも、心身共に与えられた苦痛は消えることは無く、人と接する時には嫌悪感や恐怖心が蘇ってしまう。
俺はいつでも被ったフードを外せないでいた。
そんなある時、買い物をしている俺の顔を覗き込んでくる露店の女主人がいたから、ギロリと睨んで威嚇してやる。
女主人は小さく肩を竦めるも、俺を覗き込むのはやめずに目を細めた。
「あんた、目が黒いね。髪も黒いのかい?団長のところのお嬢さんと同じ色の人間は初めて見たよ。ひょっとして血縁者かい?」
「…………え?」
今、なんて言った?
「団長には世話になってるからね。何か買うなら安くしとくよ。」
豪快に笑う女主人は俺の手の中にある果物を袋に詰めると、本当にかなり安く商品を売ってくれた。
俺と同じだって?いや、でも同じ色だからって日本人とは限らない。そもそも地球人なのか?
ここに来てから疑り深くなっていた俺は安易に喜んだりはしなかったが、同色人種の情報は初めてだっため少し期待している自分がいた。
それからの俺は、騎士団長の娘のことを調べる為に色々と動いた。
警備は厳重だったが城にある騎士団長の執務室にも侵入し、書類を片っ端から探る。
そして、数枚に纏められた書類の文面に目が留まると、体が固まり動けなくなった。
ーーあやなーー
何度も何度も書面に書いてある名前を確認する。間違いない。
日本人だ。
「あ……あぁっ!」
俺の目からは涙が止めどなく溢れ、体が震える。
気付いたら、書類を握り締めて飛び出していた。
走って走って、夢中で走って騎士団長の屋敷前まで辿り着く。
塀に手をつき、乱れた呼吸と昂る気持ちを落ち着かせた。
この塀の向こうに日本人がいる。
無我夢中でここまで来てしまったが、夜中に侵入して驚かせるのも忍びない。
はやる気持ちを抑えて、ゆっくり書類を読む為に団長宅の屋根に跳んで書類を広げた。
読み進めるうちに、俺に付き纏っていた盗賊共が騎士団に捕まった事を知る。どうりで最近姿を見なかったはすだ。
でもアイツらのお陰で森にいた少女を発見したらしいから、付き纏われていて良かったのかもしれない。
俺は暫く、あやなという少女の様子を伺う事にした。
勿論、不当な扱いを受けているのならすぐにでも連れ出してやるが、書類からはその心配はないように感じた。
数日観察しているうちに、俺はすっかりこの愛らしい少女の虜になっていた。
とても感情豊かで、庭に咲き誇る花にも負けないくらい可憐に笑う少女。屋敷にいる者達に愛されているのがよく分かる。
俺もあの子と話したい。
あの子に笑いかけられたい。
気付いたら俺は少女の前にいた。
『おーい、龍斗さん、どうしたの?』
彩菜が心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。
彩菜の特訓終わり、過去を思い出していた俺は結構な時間呆けていたようだ。
『大丈夫?』
心配してくれる彩菜の頭を撫でながら、俺は幸せを噛みしめる。
あの時、彩菜の前に出て行って良かった。あれが今のこの幸せに繋がっているのだ。
彩菜の側にいる為の条件として騎士団での訓練を言い渡された時は正直面倒くさかったが、日々のスケジュールをこなしていくうちにキツイ訓練も楽しくなっていた。
騎士団の奴らは俺を奇異の目で見ること無く普通に接してくれる。
彩菜の周りにいる人間は皆、俺を龍斗としてちゃんと見てくれるのだ。
団長やダナン、カールは俺が彩菜を屋根から突き落とした事を怒っていたから訓練も厳しめだったが、それはそれで彩菜を本当に大切にしてくれているのが分かって嬉しかった。
騎士団での訓練期間を終える頃には、俺はもう外套を被らなくても平気になっていた。
「りゅうとさん、おかえりなさい!」
彩菜が俺目掛けて駆け寄り抱き付いてくれたあの時を、俺はずっと忘れないだろう。
俺に帰る場所を与えてくれた彩菜を、俺はこれからどんな事をしてでも守っていく。
彩菜が俺の帰る場所なのだから。
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