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プロローグ
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幼稚園の帰り、私はいつもの仲良し5人で家の近くの公園でわいわい遊んでいた。
住宅街にあるわりには意外に広くて、いつも沢山の子供達が遊んでいる。
私も幼稚園が終わってから、天気が良い日はほぼ毎日この公園で遊んでから帰った。
今日もママ達は公園の端にあるベンチに座ってお喋りしているし、暫く時間は気にしないで遊べるかな。
遊具でひとしきり遊んだ後は、かくれんぼタイムに突入した。
ジャンケンで負けて鬼になったのは仲良しのちーちゃんだ。
私が隠れる場所はすぐに見つけられちゃうから、いつもと違う所に隠れないと。
私は公園脇の茂みの中を四つん這いになってひたすら進んだ。
ちーちゃんに見つからないように一生懸命ハイハイしていたら、茂みから抜けて目の前がパァッと明るくなった。
眩しくってハイハイをやめてその場にペタンと座る。
さっきまで、わいわいと遊んでいたみんなの声が聞こえない。……なんで?
怖くなって恐る恐る目を開けると、そこはいつもの公園じゃなくて、大きな木がいっぱい生えている薄暗い森の中だった。
「ママ!!どこ!?ちーちゃん!!あかりちゃん!!ゆうちゃん!!まこちゃん!!」
怖くて立ち上がれなくて、座ったまま叫んだけど誰からも返事が無い。
「……うえ~ん。」
私は不安で心細くなって、大きな声で泣いた。泣いて泣いて泣き止んだら、いつもの公園に戻ってないかな。私の泣き声にママが気付いてくれないかな。
「ママー、ママー!!」
ママに会いたくて、私は大声で泣き続けた。
ーーガサガサッーー
急に聞こえた物音に私はビクッとして固まってしまった。だって怖すぎるでしょ。
ギギギッて首から変な音が出てるんじゃないかってくらいにゆっくり後ろを振り向くと、木の影から人?が出てきた。
「ひぃっ!」
思わず変な声が出ちゃうけど、そんなのかまっていられない。
『……なんだ?どうしてこんな所に子供が1人でいるんだ?』
木の影から現れた男の人は周りをキョロキョロと見て不思議そうに首を傾げて近づいて来た。
近づいて来る男の人を見て、私はまた固まってしまった。
だって、その男の人は絵本に出てくるヒーローみたいにカッコイイ鎧を着た、金髪に青い目の人だったから。
カッコイイけど、どこをどう見ても日本人じゃない。変な言葉話してるし。
そう思ったとたん、ビックリして止まっていた涙が急にまた溢れ出した。
「怖い、怖いよ~。ここどこ?……ママー!!」
助けてママ!!お家に帰りたい!!!
住宅街にあるわりには意外に広くて、いつも沢山の子供達が遊んでいる。
私も幼稚園が終わってから、天気が良い日はほぼ毎日この公園で遊んでから帰った。
今日もママ達は公園の端にあるベンチに座ってお喋りしているし、暫く時間は気にしないで遊べるかな。
遊具でひとしきり遊んだ後は、かくれんぼタイムに突入した。
ジャンケンで負けて鬼になったのは仲良しのちーちゃんだ。
私が隠れる場所はすぐに見つけられちゃうから、いつもと違う所に隠れないと。
私は公園脇の茂みの中を四つん這いになってひたすら進んだ。
ちーちゃんに見つからないように一生懸命ハイハイしていたら、茂みから抜けて目の前がパァッと明るくなった。
眩しくってハイハイをやめてその場にペタンと座る。
さっきまで、わいわいと遊んでいたみんなの声が聞こえない。……なんで?
怖くなって恐る恐る目を開けると、そこはいつもの公園じゃなくて、大きな木がいっぱい生えている薄暗い森の中だった。
「ママ!!どこ!?ちーちゃん!!あかりちゃん!!ゆうちゃん!!まこちゃん!!」
怖くて立ち上がれなくて、座ったまま叫んだけど誰からも返事が無い。
「……うえ~ん。」
私は不安で心細くなって、大きな声で泣いた。泣いて泣いて泣き止んだら、いつもの公園に戻ってないかな。私の泣き声にママが気付いてくれないかな。
「ママー、ママー!!」
ママに会いたくて、私は大声で泣き続けた。
ーーガサガサッーー
急に聞こえた物音に私はビクッとして固まってしまった。だって怖すぎるでしょ。
ギギギッて首から変な音が出てるんじゃないかってくらいにゆっくり後ろを振り向くと、木の影から人?が出てきた。
「ひぃっ!」
思わず変な声が出ちゃうけど、そんなのかまっていられない。
『……なんだ?どうしてこんな所に子供が1人でいるんだ?』
木の影から現れた男の人は周りをキョロキョロと見て不思議そうに首を傾げて近づいて来た。
近づいて来る男の人を見て、私はまた固まってしまった。
だって、その男の人は絵本に出てくるヒーローみたいにカッコイイ鎧を着た、金髪に青い目の人だったから。
カッコイイけど、どこをどう見ても日本人じゃない。変な言葉話してるし。
そう思ったとたん、ビックリして止まっていた涙が急にまた溢れ出した。
「怖い、怖いよ~。ここどこ?……ママー!!」
助けてママ!!お家に帰りたい!!!
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