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3 町の中でもトラブルは起きる
トラブル体質は誰なんだ?8
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「フーコちゃんあんなに慌ててどうしたんだ?」
「さあねえ」
フーコさんが逃げる様に入っていったドアを見ながら、アルキナが首を傾げる。
慌てたというより、なんだろうあれは。
フーコさんの髪はアルキナにぶつかったショックなのかな、一瞬で逆立ってしまった。でも、動物が何かに驚いた時毛を逆立てるのとはちょっと違う気がする。ちらりと見えた頬が真っ赤だったし。
「なんだよ、ジェシー冷てえ言い方だな。俺と話す時いつもあんな感じなんだよな、フーコちゃんと仲良いだろ、何か聞いてないのか。ひょっとして俺怖がられてんのかよ」
「フーコちゃんがアルキナを怖がるわけないじゃない。まあいいよ、そのまま気がつかないであげて。みゃくがないのはあの子だって分ってるんだし」
疲れた様にため息をつくジェシーにアルキナはますます首を傾げるけど、俺はみゃくがないの一言で何となく想像がついてしまった。アルキナは気になってる人がいるみたいし、それを考えるとみゃくは無いんだろう。
「なんだよジュン」
「いや、何でも無い。アルキナが鈍いんだなというのを理解しただけ」
問題の受付二人もアルキナに気があるみたいだったし、Bランクの冒険者ってだけで何もしてなくてもきっとモテるから、アルキナは好意に逆に鈍感になってるのかもしれない。
「変な奴だな。まあいいさ」
「フーコさんの事はともかく、向こうの様子はどうなの」
「ああ、うん。もう少し掛かるだろうな。今日は一旦帰った方がいいかもしれねえ」
「話を聞く人数が多いから時間が掛かるのは分るけど、他にも理由があるのか」
苦虫を噛み潰したような顔ってこういう顔をいうんじゃないかといった風な、なんとも言えない顔でアルキナはハイドさんを見た後、まだ涙を浮かべたままのキョーナとケープを頭からかぶって俯いたままのヒバリに視線を移し、そっと二人の前にしゃがみ込んだ。
「ごめんな、二人には怖い思いをさせちまった」
「アルキナさんのせいじゃ無いもん。騒ぎを起こしてごめんなさい」
「ごめんな……さい」
「二人は悪くねえだろ」
これはもう堂々巡りって奴だな。キョーナもヒバリも落ち込んだままだし、誰が悪いって言ったらあいつらだけど、そもそもの原因はアルキナがキョーナを自慢してたのが悪いんだ。
「アルキナはそもそもどうしてキョーナを褒めるなんて事したんだよ。あの二人はキョーナのランクを知らなかったんだし、何か切っ掛けがあったんだろ」
「ああ、お前が賞金首を捕まえたって話がすでに広まっててさ。ほら、門番がここにマイケルを呼びにきただろ、それで皆その話を知ってたんだよ」
そういえばそんな事もあったな、まあ内密に呼んでくるなんてしないか。
「賞金首を捕まえるなんざ駆け出し冒険者には夢のまた夢って奴だからな、あいつらが大騒ぎしてたところに俺達が入ってきて質問されてさ、つい自慢しちまったんだよなあ。将来有望な魔法使いだって」
「つい自慢するってなんだよそれ」
呑気なアルキナの返事に呆れてしまう。
領主に俺達の存在を気付かれない様になんて言ってたくせに、アルキナが自分でキョーナを目立たせてどうするんだよ。俺は自重しないってもう決めてるけど、キョーナを危険にさらすなんて冗談じゃないぞ。
「アルキナ言ってる事とやってる事に矛盾がありすぎだよ」
キョーナが可愛いって事がこれから先問題になりそうだって気がついたばかりなのに、十三歳にはとても見えない幼い外見のキョーナが将来有望な魔法使いとか、どれだけ目立つんだよ。
「完璧な大毒蛾を採取するあなたの腕も見事ですが、こんなに幼いのに将来有望とは素晴らしいですねえ」
今まで黙って俺達の話を聞いていたホウショウさんが、急に会話に混ざってきたかと思ったらキョーナをしげしげと見つめ、見つめながら多分鑑定を始めた。
「おやおや」
「え、あ。ジュン……」
「怖がらせてしまいましたか、申し訳ありません。私はどうも知的好奇心を抑えるのが苦手なもので」
全然申し訳無さそうに謝りながら、なおもホウショウさんは鑑定を続ける。
俺のもキョーナのも、どちらのステータスも俺が偽造している。俺に比べたらキョーナのステータスは普通と言えない事も無いけれど、魔法使いレベルと能力値のバランスの悪さは見る人が見たら可笑しいと気がつくだろうし、キョーナの能力の値は俺が底上げしたせいで普通の子供の能力を遙かに超えている。
高い能力値は訓練の賜物と言えなくもない、でもキョーナには魔物討伐の経験が少なすぎるのだ。
「大丈夫だよ。ホウショウさんそういうの止めてもらえますか」
「おや、いけませんか」
「やっていいと思う理由が分りませんが」
念の為と偽造していて本当に良かった。
Cランクの試験をクリアする位だから、そこそこの魔力を持っているのは予想がつくだろうけど。鑑定されたら疑われるのは目に見えている。だからテリーのステータスを参考にキョーナのステータスを偽造して、万が一鑑定されても問題無いようにしたのだ。
これは魔道具じゃなく、俺のスキルを常時発動にしている。鑑定を無効化する事も出来るけど、そんな事はCやBランクの冒険者じゃ無理だから、ステータスの偽造にしたのだ。
俺のスキルはともかく、キョーナのは能力値の偽造だけだから簡単だった。
「ホウショウさん知的好奇心も結構ですが、今日出会ったばかりでそういうのは失礼だと思いますよ」
俺の苦情を受け流すホウショウさんに、ハイドさんが口を出す。
「奴隷商人ごときに言われたくありませんが、確かに不躾ではありましたね」
「私は卑しい奴隷商人ですが、最低限の常識は持ち合わせているつもりです。悪意のある大人に辛い目にあわされたばかりの子供の精神に追い打ちを掛ける様な真似は、さすがの私にも出来かねますね」
早口ではあるけれど、常に穏やかだったハイドさんの日頃とは違う鋭い目付きと口調に、俺は面食らってしまった。
「卑しいとは言っていませんが、私は奴隷契約というのは神の意志に背く行ないだと思っているだけです。私の行ないなど、それを考えれば大した事ではありません」
「大した事だもん。おじさん失礼だもん。女の子をのぞき見するなんて、最低だもん」
さっきまでのしょんぼりした様子はどこに行ったのか、キョーナは突然立ち上がると大声を上げ始めた。
「キョーナ、落ち着け」
「だって、ジュン。この人さっき魔石が何かって当てたみたいにあたしのステータスを見たって事でしょ。許可も取らずにそんな事するなんて、知的好奇心なんて格好良い事言ってるけど着替えを覗き見する変態と何が違うのよっ」
「へ、変態」
「ぷっ。へ、変態」
鑑定と着替えの覗き見を一緒にするあたり、さすが小さくても女は女って事なんだろうか。
そりゃキョーナにしたら着替えを覗かれた様な気になるよな。
「アルキナ、そんなに笑っては失礼ですよ」
「いや、でも」
「うんうん、確かに変態行為だよねえ。許可も取らずに覗き見するなんて、こわーいっ」
キョーナに加勢するように、今度はジェシーが口を挟む。
女性のこういう連携プレーは、事前に打ち合わせしていたかのようだ。
「怖いねえジェシー」
「本当本当。きっとあたし達の裸を見ても、知的好奇心が抑えられませんでしたって言うんだよぉ。さーいーてーっ」
「見ませんよ。裸なんて、そんな事するわけないじゃありませんか」
「裸は駄目だって分ってるのに、人のステータスは断りも無く覗き見するんですよね。やっぱり覗きが趣味の変態なんだっ」
なぜかキョーナは左手を腰に当て、右手の人差し指をびしっとホウショウさんに向けそう言い切った。
「キョーナさん、落ち着いて下さい」
「でもハイドさん、ホウショウさんは最低な変態覗き魔なんですよ。それを知的好奇心なんて威張られたら世の中の女の子がどれだけ被害に合うか分らないもん。そんな人が『ごとき』なんて言うのとか『神の意志』とか言うのって図々しいと思うの。変態な自分を棚に上げて何言ってんのって話だもん」
あ、そうか。キョーナはそれに怒ったのか。
「おやおや、これでは私に分が悪すぎますね。それではこの辺で退散致しましょう。ギルドマスターにはよろしくお伝え下さい」
「え、あの。畏まりました」
いつの間にかお茶を入れて戻ってきていたフーコさんは、ホウショウさんに返事をしながらオロオロと俺達を見ている。
「正義感の強いお嬢さん、もう会うことは無いかもしれませんし、またすぐに会うことがあるかもしれません。それまでお元気で」
くすくすと笑いながら、ホウショウさんは手を振ると外へ出て行ってしまった。
「キョーナ。なんでそう喧嘩っぱやいんだよ」
「だって」
「キョーナなりの正義だってのは分るし、腹が立ったのも分るよ。分るけど」
そういうので騒いで逆恨みされる可能性だってあるのだ。さっき怖い思いをして泣いたばかりだというのに、全く。
「怒らないでやって下さいジュンさん、私は嬉しかったですよ」
「ですが、ハイドさん」
「私の為に怒って下さってありがとうございます。キョーナさん、でもあまり無茶はしないでくださいね。魔法の能力はあると言っても、あなたはまだ小さな子供なのですから」
「はい」
素直にキョーナは頷いたけど、多分またそのうちやらかすだろう事は想像がついた。
想像がつき過ぎてため息しか出なかった。
「さあねえ」
フーコさんが逃げる様に入っていったドアを見ながら、アルキナが首を傾げる。
慌てたというより、なんだろうあれは。
フーコさんの髪はアルキナにぶつかったショックなのかな、一瞬で逆立ってしまった。でも、動物が何かに驚いた時毛を逆立てるのとはちょっと違う気がする。ちらりと見えた頬が真っ赤だったし。
「なんだよ、ジェシー冷てえ言い方だな。俺と話す時いつもあんな感じなんだよな、フーコちゃんと仲良いだろ、何か聞いてないのか。ひょっとして俺怖がられてんのかよ」
「フーコちゃんがアルキナを怖がるわけないじゃない。まあいいよ、そのまま気がつかないであげて。みゃくがないのはあの子だって分ってるんだし」
疲れた様にため息をつくジェシーにアルキナはますます首を傾げるけど、俺はみゃくがないの一言で何となく想像がついてしまった。アルキナは気になってる人がいるみたいし、それを考えるとみゃくは無いんだろう。
「なんだよジュン」
「いや、何でも無い。アルキナが鈍いんだなというのを理解しただけ」
問題の受付二人もアルキナに気があるみたいだったし、Bランクの冒険者ってだけで何もしてなくてもきっとモテるから、アルキナは好意に逆に鈍感になってるのかもしれない。
「変な奴だな。まあいいさ」
「フーコさんの事はともかく、向こうの様子はどうなの」
「ああ、うん。もう少し掛かるだろうな。今日は一旦帰った方がいいかもしれねえ」
「話を聞く人数が多いから時間が掛かるのは分るけど、他にも理由があるのか」
苦虫を噛み潰したような顔ってこういう顔をいうんじゃないかといった風な、なんとも言えない顔でアルキナはハイドさんを見た後、まだ涙を浮かべたままのキョーナとケープを頭からかぶって俯いたままのヒバリに視線を移し、そっと二人の前にしゃがみ込んだ。
「ごめんな、二人には怖い思いをさせちまった」
「アルキナさんのせいじゃ無いもん。騒ぎを起こしてごめんなさい」
「ごめんな……さい」
「二人は悪くねえだろ」
これはもう堂々巡りって奴だな。キョーナもヒバリも落ち込んだままだし、誰が悪いって言ったらあいつらだけど、そもそもの原因はアルキナがキョーナを自慢してたのが悪いんだ。
「アルキナはそもそもどうしてキョーナを褒めるなんて事したんだよ。あの二人はキョーナのランクを知らなかったんだし、何か切っ掛けがあったんだろ」
「ああ、お前が賞金首を捕まえたって話がすでに広まっててさ。ほら、門番がここにマイケルを呼びにきただろ、それで皆その話を知ってたんだよ」
そういえばそんな事もあったな、まあ内密に呼んでくるなんてしないか。
「賞金首を捕まえるなんざ駆け出し冒険者には夢のまた夢って奴だからな、あいつらが大騒ぎしてたところに俺達が入ってきて質問されてさ、つい自慢しちまったんだよなあ。将来有望な魔法使いだって」
「つい自慢するってなんだよそれ」
呑気なアルキナの返事に呆れてしまう。
領主に俺達の存在を気付かれない様になんて言ってたくせに、アルキナが自分でキョーナを目立たせてどうするんだよ。俺は自重しないってもう決めてるけど、キョーナを危険にさらすなんて冗談じゃないぞ。
「アルキナ言ってる事とやってる事に矛盾がありすぎだよ」
キョーナが可愛いって事がこれから先問題になりそうだって気がついたばかりなのに、十三歳にはとても見えない幼い外見のキョーナが将来有望な魔法使いとか、どれだけ目立つんだよ。
「完璧な大毒蛾を採取するあなたの腕も見事ですが、こんなに幼いのに将来有望とは素晴らしいですねえ」
今まで黙って俺達の話を聞いていたホウショウさんが、急に会話に混ざってきたかと思ったらキョーナをしげしげと見つめ、見つめながら多分鑑定を始めた。
「おやおや」
「え、あ。ジュン……」
「怖がらせてしまいましたか、申し訳ありません。私はどうも知的好奇心を抑えるのが苦手なもので」
全然申し訳無さそうに謝りながら、なおもホウショウさんは鑑定を続ける。
俺のもキョーナのも、どちらのステータスも俺が偽造している。俺に比べたらキョーナのステータスは普通と言えない事も無いけれど、魔法使いレベルと能力値のバランスの悪さは見る人が見たら可笑しいと気がつくだろうし、キョーナの能力の値は俺が底上げしたせいで普通の子供の能力を遙かに超えている。
高い能力値は訓練の賜物と言えなくもない、でもキョーナには魔物討伐の経験が少なすぎるのだ。
「大丈夫だよ。ホウショウさんそういうの止めてもらえますか」
「おや、いけませんか」
「やっていいと思う理由が分りませんが」
念の為と偽造していて本当に良かった。
Cランクの試験をクリアする位だから、そこそこの魔力を持っているのは予想がつくだろうけど。鑑定されたら疑われるのは目に見えている。だからテリーのステータスを参考にキョーナのステータスを偽造して、万が一鑑定されても問題無いようにしたのだ。
これは魔道具じゃなく、俺のスキルを常時発動にしている。鑑定を無効化する事も出来るけど、そんな事はCやBランクの冒険者じゃ無理だから、ステータスの偽造にしたのだ。
俺のスキルはともかく、キョーナのは能力値の偽造だけだから簡単だった。
「ホウショウさん知的好奇心も結構ですが、今日出会ったばかりでそういうのは失礼だと思いますよ」
俺の苦情を受け流すホウショウさんに、ハイドさんが口を出す。
「奴隷商人ごときに言われたくありませんが、確かに不躾ではありましたね」
「私は卑しい奴隷商人ですが、最低限の常識は持ち合わせているつもりです。悪意のある大人に辛い目にあわされたばかりの子供の精神に追い打ちを掛ける様な真似は、さすがの私にも出来かねますね」
早口ではあるけれど、常に穏やかだったハイドさんの日頃とは違う鋭い目付きと口調に、俺は面食らってしまった。
「卑しいとは言っていませんが、私は奴隷契約というのは神の意志に背く行ないだと思っているだけです。私の行ないなど、それを考えれば大した事ではありません」
「大した事だもん。おじさん失礼だもん。女の子をのぞき見するなんて、最低だもん」
さっきまでのしょんぼりした様子はどこに行ったのか、キョーナは突然立ち上がると大声を上げ始めた。
「キョーナ、落ち着け」
「だって、ジュン。この人さっき魔石が何かって当てたみたいにあたしのステータスを見たって事でしょ。許可も取らずにそんな事するなんて、知的好奇心なんて格好良い事言ってるけど着替えを覗き見する変態と何が違うのよっ」
「へ、変態」
「ぷっ。へ、変態」
鑑定と着替えの覗き見を一緒にするあたり、さすが小さくても女は女って事なんだろうか。
そりゃキョーナにしたら着替えを覗かれた様な気になるよな。
「アルキナ、そんなに笑っては失礼ですよ」
「いや、でも」
「うんうん、確かに変態行為だよねえ。許可も取らずに覗き見するなんて、こわーいっ」
キョーナに加勢するように、今度はジェシーが口を挟む。
女性のこういう連携プレーは、事前に打ち合わせしていたかのようだ。
「怖いねえジェシー」
「本当本当。きっとあたし達の裸を見ても、知的好奇心が抑えられませんでしたって言うんだよぉ。さーいーてーっ」
「見ませんよ。裸なんて、そんな事するわけないじゃありませんか」
「裸は駄目だって分ってるのに、人のステータスは断りも無く覗き見するんですよね。やっぱり覗きが趣味の変態なんだっ」
なぜかキョーナは左手を腰に当て、右手の人差し指をびしっとホウショウさんに向けそう言い切った。
「キョーナさん、落ち着いて下さい」
「でもハイドさん、ホウショウさんは最低な変態覗き魔なんですよ。それを知的好奇心なんて威張られたら世の中の女の子がどれだけ被害に合うか分らないもん。そんな人が『ごとき』なんて言うのとか『神の意志』とか言うのって図々しいと思うの。変態な自分を棚に上げて何言ってんのって話だもん」
あ、そうか。キョーナはそれに怒ったのか。
「おやおや、これでは私に分が悪すぎますね。それではこの辺で退散致しましょう。ギルドマスターにはよろしくお伝え下さい」
「え、あの。畏まりました」
いつの間にかお茶を入れて戻ってきていたフーコさんは、ホウショウさんに返事をしながらオロオロと俺達を見ている。
「正義感の強いお嬢さん、もう会うことは無いかもしれませんし、またすぐに会うことがあるかもしれません。それまでお元気で」
くすくすと笑いながら、ホウショウさんは手を振ると外へ出て行ってしまった。
「キョーナ。なんでそう喧嘩っぱやいんだよ」
「だって」
「キョーナなりの正義だってのは分るし、腹が立ったのも分るよ。分るけど」
そういうので騒いで逆恨みされる可能性だってあるのだ。さっき怖い思いをして泣いたばかりだというのに、全く。
「怒らないでやって下さいジュンさん、私は嬉しかったですよ」
「ですが、ハイドさん」
「私の為に怒って下さってありがとうございます。キョーナさん、でもあまり無茶はしないでくださいね。魔法の能力はあると言っても、あなたはまだ小さな子供なのですから」
「はい」
素直にキョーナは頷いたけど、多分またそのうちやらかすだろう事は想像がついた。
想像がつき過ぎてため息しか出なかった。
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