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7(ライアン視点)
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「あ、あの。本当にこんなに頂いてしまってよろしいのでしょうか」
馬車に戻るとリナリアは恐縮した顔で聞いてくるから、私の方が戸惑ってしまう。
正直言えば琥珀は他の宝石に比べて石の価値が低い。
他の色を組み合わせても、そんな高価なものにはならないから学校で使える程度の装飾品等どれだけ買っても些細なものだ。
「うーん。そうだなあ、実はさ」
「はい、やはりお返しした方が」
「足りない。もっと贈りたい。ねえ、他の物も贈らせて欲しいな」
「……え?」
実は婚約してから何度かリナリアに手紙を出す度に小さな贈り物をしていた。
有名な店の菓子と一緒にリボンとか、薔薇の花束と一緒に人形とか。
首飾りやブローチ等も贈ったけれど、リナリアからの礼状には一緒に贈った花やお菓子の礼は書かれていても人形もリボンも首飾りもブローチも一言の感想すら無かった。
リナリアは全く知らないことだから、一生私と両親の胸の中に仕舞っておくけれど実はそれらの贈り物はリナリアのところには届いていなかった。
それを知ったのは、リナリアの屋敷の執事が気が付きリナリアの父親である伯爵に知らせ、それが家に謝罪という形で報告があったからだ。
何とリナリアの母親が贈り物を隠していたんだ。
婚約者からの贈り物、しかも家の方が格上だというのに常識ではありえない話だが、伯爵は態々屋敷に来て私の両親に謝罪してくれた。
父と伯爵は貴族学校時代からの友人で、だから父は伯爵夫人の失礼な行いを見逃した。
幼かった私に父は、リナリアには絶対にこの件を話してはいけないと約束させた後、こんな状態でも婚約を続けるかと聞いて来た。
その時にリナリアの両親の結婚は問題だらけだったと聞いたのだ。
そして、リナリアと婚約を続ければ同じ様な不愉快な思いを今後もするかもしれない、でもリナリアの事を考えると伯爵夫人に追及は難しいだろうとも言った。
私は婚約を止めるなんて絶対に嫌だと、父に話した。
こんな事でリナリアとの縁が切れるなんて、絶対に嫌だと思ったんだ。
「贈り物も色々したいけれどリナリアとは今まであまり会えなかったし、学校が休みの時に一緒に出掛けたい」
「ライアン様」
「母はリナリアとお茶会をしたいとずっと話しているんだよ。リナリアは母とお茶会は嫌かな」
「嫌だなんて、凄く嬉しいです」
「じゃあ、約束。休みの日に私と町に出掛ける。母と一緒にお茶会をする。ブラウンの店に好みの意匠で髪飾りを作りに行く。後はどうしようかな、植物園にも行きたいな、どう?」
学校は同じ組になったから、勿論昼食は一緒に取る。
リナリアは親しくしている人はいないと言っていたから、仲良く出来そう令嬢と交流するのも大切だけれどそれは徐々に周囲に慣れていくしかないだろう。
「植物園等行ったことがありません。私が一緒でよろしいのでしょうか」
「私がリナリアと行きたくて誘っているんだよ」
戸惑う顔が良く見える。
視線が合うと恥ずかしそうに逸らされてしまうけれど、でもその表情が見える事が嬉しい。
「あの、私もライアン様と一緒に行きたいです。いいですか」
「私が誘っているんだよ」
そう言うとリナリアはホッとした顔をした後で、微笑んだ。
こんな可愛いリナリアの顔を醜いだなんて、本当にリナリアの母親はどうかしている。
リナリアの両親について、父からちゃんと話を聞いた方が良いのかもしれない。
微笑むリナリアを見ながら、私は父に手紙を書こうと考えていたんだ。
馬車に戻るとリナリアは恐縮した顔で聞いてくるから、私の方が戸惑ってしまう。
正直言えば琥珀は他の宝石に比べて石の価値が低い。
他の色を組み合わせても、そんな高価なものにはならないから学校で使える程度の装飾品等どれだけ買っても些細なものだ。
「うーん。そうだなあ、実はさ」
「はい、やはりお返しした方が」
「足りない。もっと贈りたい。ねえ、他の物も贈らせて欲しいな」
「……え?」
実は婚約してから何度かリナリアに手紙を出す度に小さな贈り物をしていた。
有名な店の菓子と一緒にリボンとか、薔薇の花束と一緒に人形とか。
首飾りやブローチ等も贈ったけれど、リナリアからの礼状には一緒に贈った花やお菓子の礼は書かれていても人形もリボンも首飾りもブローチも一言の感想すら無かった。
リナリアは全く知らないことだから、一生私と両親の胸の中に仕舞っておくけれど実はそれらの贈り物はリナリアのところには届いていなかった。
それを知ったのは、リナリアの屋敷の執事が気が付きリナリアの父親である伯爵に知らせ、それが家に謝罪という形で報告があったからだ。
何とリナリアの母親が贈り物を隠していたんだ。
婚約者からの贈り物、しかも家の方が格上だというのに常識ではありえない話だが、伯爵は態々屋敷に来て私の両親に謝罪してくれた。
父と伯爵は貴族学校時代からの友人で、だから父は伯爵夫人の失礼な行いを見逃した。
幼かった私に父は、リナリアには絶対にこの件を話してはいけないと約束させた後、こんな状態でも婚約を続けるかと聞いて来た。
その時にリナリアの両親の結婚は問題だらけだったと聞いたのだ。
そして、リナリアと婚約を続ければ同じ様な不愉快な思いを今後もするかもしれない、でもリナリアの事を考えると伯爵夫人に追及は難しいだろうとも言った。
私は婚約を止めるなんて絶対に嫌だと、父に話した。
こんな事でリナリアとの縁が切れるなんて、絶対に嫌だと思ったんだ。
「贈り物も色々したいけれどリナリアとは今まであまり会えなかったし、学校が休みの時に一緒に出掛けたい」
「ライアン様」
「母はリナリアとお茶会をしたいとずっと話しているんだよ。リナリアは母とお茶会は嫌かな」
「嫌だなんて、凄く嬉しいです」
「じゃあ、約束。休みの日に私と町に出掛ける。母と一緒にお茶会をする。ブラウンの店に好みの意匠で髪飾りを作りに行く。後はどうしようかな、植物園にも行きたいな、どう?」
学校は同じ組になったから、勿論昼食は一緒に取る。
リナリアは親しくしている人はいないと言っていたから、仲良く出来そう令嬢と交流するのも大切だけれどそれは徐々に周囲に慣れていくしかないだろう。
「植物園等行ったことがありません。私が一緒でよろしいのでしょうか」
「私がリナリアと行きたくて誘っているんだよ」
戸惑う顔が良く見える。
視線が合うと恥ずかしそうに逸らされてしまうけれど、でもその表情が見える事が嬉しい。
「あの、私もライアン様と一緒に行きたいです。いいですか」
「私が誘っているんだよ」
そう言うとリナリアはホッとした顔をした後で、微笑んだ。
こんな可愛いリナリアの顔を醜いだなんて、本当にリナリアの母親はどうかしている。
リナリアの両親について、父からちゃんと話を聞いた方が良いのかもしれない。
微笑むリナリアを見ながら、私は父に手紙を書こうと考えていたんだ。
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