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初めての魔法の授業5
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「ミルフィ!」
食堂を出て、パティに手を引かれながらトボトボと歩いているとお兄様が追いかけて私の名を呼んだ。
お兄様は部屋に戻れと言われてはいなかったのに、どうしたのだろうと疑問に思いながら足を止め振り返る。
今朝のお兄様の顔は疲れている様に見える。
最近私と一緒に寝て下さっているから、もしかしたら熟睡出来ていないのかもしれない。
「お兄ちゃま」
「ミルフィ、部屋においで」
「お兄ちゃま、お勉強の時間は?」
いつもなら朝食の後に兄様は今日の授業の予習として一人で勉強をしている筈なのに、どうしたのだろう。
疑問に思い尋ねると、兄様は小さく首を横に振った。
「今日は良いんだよ。午前中は魔法の授業だからね。他の勉強はお休みなんだ」
「じゃあ、ミルフィと一緒?」
「そうだよ。ミルフィと一緒だ。ミルフィ、絵本を読んであげるよ。昨日約束していたからね」
確かに魔法の授業の後、兄様は絵本を読んでくれると約束してくれていた。
けれど、私が気を失ってしまったせいでそれが果たせなかったから、兄様は気遣ってくれたのだろう。
「嬉しいっ」
顔色が悪いのは気になるけれど、私が読まなくていいと言えばキム先生の授業まで兄様は他の勉強をするのかもしれない。
勉強より絵本を読む方がまだ体の負担にならないだろうと判断して、私は喜びの声を上げた。
「じゃあ行こう、手を繋ごうね」
「はい」
兄様と手を繋ぎ歩くのが好きだ。
最近の兄様は、私の歩みに合わせて歩いてくれる。それが嬉しい。
「ミルフィが持っている絵本は部屋に全部揃えたから、好きな物を読んであげられるからね」
「好きな物何でもいいの?」
「良いよ。ミルフィが好きなうさぎの話がいいかな、それとも星に住む猫の話がいいかな」
兄様が私が好きな絵本を次々上げてくれるから、嬉しくて頬が緩む。
以前の私の好きな物なんて、兄様はきっと何も知らなかった。
そして私も兄様が何を好きかなんて、知らなかった。
「兄様は、どの絵本が好き?」
「絵本、小さい頃?」
今も小さい、だって兄様は五歳だ。
だけどそんな事は口に出さずに頷く。
「そうだなあ。あまり覚えがないけど、犬と女の子が旅をする話が好きだったかな」
それは私も読んだことがある。
確か一人で旅をしていた少女が、川辺で犬と出会い一緒に旅を始めるというものだ。
「ミルフィ、その絵本を読んで欲しいな」
「そうか、じゃあそれにしよう。ミルフィ、魔法の勉強は出来そう?」
「……うん」
自信は無いけれど、しなくてはいけない。
昨日の様に無様な真似は出来ない、あんなことを繰り返したら兄様にも見放されてしまう。
キム先生の前だからお父様が何も言わなかったのか、それとも私をすでに見放していてもうどうでもいいと考えているのか、私には判断が出来ないから怖い。
「無理はしなくていいんだよ」
「お兄ちゃま、キム先生今日灰色だったね」
何となく魔法の話を避けたくて、気になっていたキム先生の服の話を口にしてしまう。
「灰色?」
「先生、髪も目も服も灰色だった。灰色が沢山でミルフィ驚いたの」
「ぷ……コホコホッ。失礼致しました」
私の惚けた言い方に、後ろを歩いていた兄様のメイドが堪え切れずに吹き出し掛けて誤魔化す様に咳き込んだ。
兄様のメイドと私は挨拶以外の会話をしたことは無いけれど、こんな気安い感じでいつも兄様に仕えているのだろうかと考えてしまう。
私とパティではあり得ない、だって彼女は私を妬んでいる。
「灰色、確かに沢山の灰色だったね。ミルフィはどう感じたの?」
「キム先生、灰色が大好き?」
良いとか悪いとか言えない。
他の人にはあれが良いのかもしれないし、私は自分の服の趣味に自信がない。
「灰色が大好き、そうなのかもしれないね。ミルフィなら先生にどんな色の服を選ぶ?」
「ミルフィが選ぶ?」
「うん。どんな色が似あうと思う?」
「……お空の色?」
立ち止まり考えて、ふと窓から見える空の色に気が付いた。
この頃は屋敷の中で客の目に触れる場所の窓しか上等なガラスは使われていなかったけれど、今日は朝食を頂いた食堂がお客様と一緒に食事する為の部屋だったから、食堂近くの廊下の窓のガラスは綺麗透き通っているものが使われている。だから空の色も良く見えたのだ。
「空の色?」
「あの色がいい」
窓を指さすと、兄様は私と同じ様に窓を見つめる。
窓から見えるのは、晴れ渡った空の色だ。あの色はきっとキム先生に似合うと思った。
「キム先生に似合うかな?」
「うん」
あまり表情が変わる人ではないけれど、キム先生は晴れた空が似合う人だと思う。
さっき少しだけ笑ってくれた、その時に優しいお日様の光のようだと感じたのだ。
ほかほかと温かい日差しの様に優しい笑顔。
お日様の色は服に出来ないけれど、晴れた空なら色になる。
「先生がね、さっき笑ったときにね、おひさまみたいって思ったの。あったかいおひさまよ、おひさまの色は服にできないけど晴れた空の色なら服にできるでしょう? 先生の色なのよ」
「成程。ミルフィはなかなか見る目があるね。仕立て屋に先生の服を依頼しようか、昨日の事で僕とミルフィからの詫びとして贈ろう」
「わび?」
詫びという言葉をミルフィは知っているだろうか、最近兄様と一緒にいる時間が増えて来ているから分からなくなっている。
教えて貰ったと覚えている言葉以外は分からない振りをした方が無難だと判断し、兄様に問いかける。
「言葉が難しかったかな。詫びというのはね、謝るという意味だと覚えていればいいよ」
「ごめんなさい? お兄ちゃまとミルフィ?」
私はそうして当たり前の事をしたけれど、兄様が謝罪しなければいけない理由などあるのだろうか。
私の戸惑いを感じたのだろう、兄様は私を諭すように話してくれた。
「そうだよ、僕とミルフィ二人からの謝罪としてだ。昨日の僕達はキム先生に失礼な行いをしてしまったからね」
「ミルフィだよ、悪いのはミルフィ」
さっき私が謝るだけでは足りない程、昨日の自分は酷かったのだ。
それが分かって私は情けなさに泣きたくなった。
兄様が先生に失礼な行いをする筈がない、もし昨日の行いを兄様自身が失礼だったと感じているのだとしたら、私は百回人生をやり直しても兄様の様にはなれない。
「ミルフィは悪かったのかもしれない、でもねミルフィはそうしたくて動いたわけではないよね。それは僕もお父様達も勿論先生も分かっているよ」
「でもミルフィは」
泣かない、涙を堪える。
視界はゆらゆらと揺れているけれど、泣いたら兄様を困らせてしまう。
「でもね、僕は意図して失礼な行いをしたんだよ。お父様に叱られたけれど、後悔はしていない」
兄様を誰が叱ったというの? え、お父様が兄様を叱ったと今兄様は言ったの?
自分の耳が信じられなくて、私は驚き強張った顔で兄様のメイドに顔を向け「お父様がお兄ちゃまを叱ったの」と聞くことしか出来なかった。
食堂を出て、パティに手を引かれながらトボトボと歩いているとお兄様が追いかけて私の名を呼んだ。
お兄様は部屋に戻れと言われてはいなかったのに、どうしたのだろうと疑問に思いながら足を止め振り返る。
今朝のお兄様の顔は疲れている様に見える。
最近私と一緒に寝て下さっているから、もしかしたら熟睡出来ていないのかもしれない。
「お兄ちゃま」
「ミルフィ、部屋においで」
「お兄ちゃま、お勉強の時間は?」
いつもなら朝食の後に兄様は今日の授業の予習として一人で勉強をしている筈なのに、どうしたのだろう。
疑問に思い尋ねると、兄様は小さく首を横に振った。
「今日は良いんだよ。午前中は魔法の授業だからね。他の勉強はお休みなんだ」
「じゃあ、ミルフィと一緒?」
「そうだよ。ミルフィと一緒だ。ミルフィ、絵本を読んであげるよ。昨日約束していたからね」
確かに魔法の授業の後、兄様は絵本を読んでくれると約束してくれていた。
けれど、私が気を失ってしまったせいでそれが果たせなかったから、兄様は気遣ってくれたのだろう。
「嬉しいっ」
顔色が悪いのは気になるけれど、私が読まなくていいと言えばキム先生の授業まで兄様は他の勉強をするのかもしれない。
勉強より絵本を読む方がまだ体の負担にならないだろうと判断して、私は喜びの声を上げた。
「じゃあ行こう、手を繋ごうね」
「はい」
兄様と手を繋ぎ歩くのが好きだ。
最近の兄様は、私の歩みに合わせて歩いてくれる。それが嬉しい。
「ミルフィが持っている絵本は部屋に全部揃えたから、好きな物を読んであげられるからね」
「好きな物何でもいいの?」
「良いよ。ミルフィが好きなうさぎの話がいいかな、それとも星に住む猫の話がいいかな」
兄様が私が好きな絵本を次々上げてくれるから、嬉しくて頬が緩む。
以前の私の好きな物なんて、兄様はきっと何も知らなかった。
そして私も兄様が何を好きかなんて、知らなかった。
「兄様は、どの絵本が好き?」
「絵本、小さい頃?」
今も小さい、だって兄様は五歳だ。
だけどそんな事は口に出さずに頷く。
「そうだなあ。あまり覚えがないけど、犬と女の子が旅をする話が好きだったかな」
それは私も読んだことがある。
確か一人で旅をしていた少女が、川辺で犬と出会い一緒に旅を始めるというものだ。
「ミルフィ、その絵本を読んで欲しいな」
「そうか、じゃあそれにしよう。ミルフィ、魔法の勉強は出来そう?」
「……うん」
自信は無いけれど、しなくてはいけない。
昨日の様に無様な真似は出来ない、あんなことを繰り返したら兄様にも見放されてしまう。
キム先生の前だからお父様が何も言わなかったのか、それとも私をすでに見放していてもうどうでもいいと考えているのか、私には判断が出来ないから怖い。
「無理はしなくていいんだよ」
「お兄ちゃま、キム先生今日灰色だったね」
何となく魔法の話を避けたくて、気になっていたキム先生の服の話を口にしてしまう。
「灰色?」
「先生、髪も目も服も灰色だった。灰色が沢山でミルフィ驚いたの」
「ぷ……コホコホッ。失礼致しました」
私の惚けた言い方に、後ろを歩いていた兄様のメイドが堪え切れずに吹き出し掛けて誤魔化す様に咳き込んだ。
兄様のメイドと私は挨拶以外の会話をしたことは無いけれど、こんな気安い感じでいつも兄様に仕えているのだろうかと考えてしまう。
私とパティではあり得ない、だって彼女は私を妬んでいる。
「灰色、確かに沢山の灰色だったね。ミルフィはどう感じたの?」
「キム先生、灰色が大好き?」
良いとか悪いとか言えない。
他の人にはあれが良いのかもしれないし、私は自分の服の趣味に自信がない。
「灰色が大好き、そうなのかもしれないね。ミルフィなら先生にどんな色の服を選ぶ?」
「ミルフィが選ぶ?」
「うん。どんな色が似あうと思う?」
「……お空の色?」
立ち止まり考えて、ふと窓から見える空の色に気が付いた。
この頃は屋敷の中で客の目に触れる場所の窓しか上等なガラスは使われていなかったけれど、今日は朝食を頂いた食堂がお客様と一緒に食事する為の部屋だったから、食堂近くの廊下の窓のガラスは綺麗透き通っているものが使われている。だから空の色も良く見えたのだ。
「空の色?」
「あの色がいい」
窓を指さすと、兄様は私と同じ様に窓を見つめる。
窓から見えるのは、晴れ渡った空の色だ。あの色はきっとキム先生に似合うと思った。
「キム先生に似合うかな?」
「うん」
あまり表情が変わる人ではないけれど、キム先生は晴れた空が似合う人だと思う。
さっき少しだけ笑ってくれた、その時に優しいお日様の光のようだと感じたのだ。
ほかほかと温かい日差しの様に優しい笑顔。
お日様の色は服に出来ないけれど、晴れた空なら色になる。
「先生がね、さっき笑ったときにね、おひさまみたいって思ったの。あったかいおひさまよ、おひさまの色は服にできないけど晴れた空の色なら服にできるでしょう? 先生の色なのよ」
「成程。ミルフィはなかなか見る目があるね。仕立て屋に先生の服を依頼しようか、昨日の事で僕とミルフィからの詫びとして贈ろう」
「わび?」
詫びという言葉をミルフィは知っているだろうか、最近兄様と一緒にいる時間が増えて来ているから分からなくなっている。
教えて貰ったと覚えている言葉以外は分からない振りをした方が無難だと判断し、兄様に問いかける。
「言葉が難しかったかな。詫びというのはね、謝るという意味だと覚えていればいいよ」
「ごめんなさい? お兄ちゃまとミルフィ?」
私はそうして当たり前の事をしたけれど、兄様が謝罪しなければいけない理由などあるのだろうか。
私の戸惑いを感じたのだろう、兄様は私を諭すように話してくれた。
「そうだよ、僕とミルフィ二人からの謝罪としてだ。昨日の僕達はキム先生に失礼な行いをしてしまったからね」
「ミルフィだよ、悪いのはミルフィ」
さっき私が謝るだけでは足りない程、昨日の自分は酷かったのだ。
それが分かって私は情けなさに泣きたくなった。
兄様が先生に失礼な行いをする筈がない、もし昨日の行いを兄様自身が失礼だったと感じているのだとしたら、私は百回人生をやり直しても兄様の様にはなれない。
「ミルフィは悪かったのかもしれない、でもねミルフィはそうしたくて動いたわけではないよね。それは僕もお父様達も勿論先生も分かっているよ」
「でもミルフィは」
泣かない、涙を堪える。
視界はゆらゆらと揺れているけれど、泣いたら兄様を困らせてしまう。
「でもね、僕は意図して失礼な行いをしたんだよ。お父様に叱られたけれど、後悔はしていない」
兄様を誰が叱ったというの? え、お父様が兄様を叱ったと今兄様は言ったの?
自分の耳が信じられなくて、私は驚き強張った顔で兄様のメイドに顔を向け「お父様がお兄ちゃまを叱ったの」と聞くことしか出来なかった。
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