22 / 27
お義母様と対面
しおりを挟む
翌日、突然の来訪者にキティの緊張は高まっていた。
「キティと申します。どうぞよろしくお願いいたします。先日は婚姻の儀に参列下さりありがとうございます。当日きちんとご挨拶出来ず申し訳ございませんでした」
キティの頭の中は、遥か昔に習った礼儀作法で頭がいっぱいだった。
カラムの両親は慌ただしく帰って行ってしまった為、当日はろくに礼も言えずにいたのだ。
急に婚姻の儀式を行った為時間が取れず申し訳ないと言いながら去っていく二人を見送るしかなかったから、忙しい中来てくれた礼を伝えたかったのだ。
名前はカラムが伝えてくれたから、簡易的に名乗れば良いけれど後は何を話したらいいのだろう。
緊張で口から内臓が飛び出しそうだと、物騒なことを考えながら食堂で鍛えた笑顔だけで挨拶をキティは乗り切った。
義母の名はシアーラ、シアーラ・オーゼル。前伯爵夫人だ。
彼女がカラムと同じ緑の瞳で銀の髪だったのは、キティにとっては良い後押しとなった。
シアーラの顔は良くも悪くもカラムに似ていて、いや、カラムが似ているのだけれどキティにはカラムに似た顔として認識された。
そのお陰でキティは過剰な怯えにならずに済んだのだった。
「丁寧な挨拶をありがとう。私はそこでしかめっ面をしているカラムの母シアーラよ。これからよろしくねキティさん」
「あ、あ、あのっ、呼び捨てでお願いいたします。お義母様。あ、私生意気な発言をしてしまいましたっ」
自分でもビクビクしすぎだと思いながらも、冷や汗が背中を伝うのは止められない。
伯爵位と男爵位は、キティの実家のように貧乏ではなくとも大きな差があるというのに、キティなどほぼ貴族令嬢としての教育を受けて来なかったし、義母シアーラの手入れの行き届いた髪や指先を見ただけでキティは自分の両手を体の後ろに隠したくなった。
シアーラは座り方も発声も美しかった。
貧乏な下町の女性達しか知らないキティには、別の世界の人に見えてしまった。
「ふふふ。緊張しなくていいのよ。カラム、あなた仕事はいいのかしら」
「新婚は休暇を頂けるそうです。キティと国立図書館にでも出掛けようかと思っていたところです。行き違いにならずに良かった」
朝食を頂いた後、どこかに出掛けようかとカラムが言い出した矢先にシアーラからの先触れが届いてしまったから、二人揃って初めての外出はなくなってしまった。
新婚が図書館に行って何が楽しいのか、シアーラは喉元まで出かけた言葉を飲み込むと笑顔のまま頷いた。
「仲が良いのはいいことね、カラム。キティちゃんは図書館が好きなのかしら?」
シアーラの問いかけにカラムは「好き? どうかなキティ」と質問の丸投げをした。
「本を読むのは好きですが、図書館には行った事がありません。屋敷の中を案内していただいた際図書室にも行ったのですが、その際カラム様に申し上げたら今から行こうと仰ってくださったのです」
義母を前に緊張しているキティを気遣ってカラムへ質問していたであろうのシアーラの気遣いを無視し、カラムは相変わらずの不機嫌そうな顔でキティに聞いた。
息子の馬鹿な言動にシアーラも頭を抱えたくなったが、カラムの妻であるキティは笑顔でそれに答えたのだった。
「カラム様は、私が本を読むのが好きだと申し上げたので、沢山の本がある国立図書館をきっと私が気に入るだろうと考えて下さったのです」
カラムに気を遣うどころか、本心から嬉しそうにキティはシアーラへと経緯を話した。
息子の世間の評価を知っている立場で言えば、少女にも見えるキティと死神と名高いカラムが一緒に歩いていたら周囲は驚くだけでなく、キティが無理強いされているのではと心配するだろう。
カラムが結婚したという噂が貴族社会に広がるまでは、二人での外出は止めさせたほうが無難ではないかとシアーラは内心考えていた。
「まあそうだったのね。二人の外出を邪魔して申し訳なかったわ。でも国立図書館には及びませんが、我が家の図書室も蔵書数は立派なものなのよ。カラムは中に何があるかよく理解しているから案内させるといいわ」
「確かに図書室だけでも沢山の本がありました。あちらを読むだけでも暫くはいいのかもしれませんね。カラム様図書室について教えて頂けますか」
「図書室。キティの好む本があったかな」
「私、本はどんな種類の物でも好きです。歴史書も伝記も物語も、それから神話も好きです」
「そうか。神話は私も好きだ」
気負いなくカラムと話をするキティの姿は、シアーラには好ましく映った。
貴族、市井の者達の誰もがカラムを恐れた。
戦で死神として戦う姿の噂、カラムの外見、それらが一人歩きしてカラムは怖い人間だと無責任に確定していたけれどシアーラにとってカラムは、人付き合いが苦手で自分の思いを口にするのが苦手な可愛い息子だった。
それ以上でもそれ以下でもない、大切な息子なのだった。
「一緒ですね。嬉しいです、それでは一緒に本を読んで下さいますかカラム様」
カラムの年は妻であるキティよりも父親ロークと近いというのに、キティはその辺りを気にしてはいない様にシアーラには見える。
キティの実家が困窮していており借金もあったことはシアーラにも知らされていた。
キティはその借金のかたにある男の愛人になるように迫られていて、それを阻止しようとカラムがキティの夫となることで借金を支払ったこともシアーラは知っていた。
「お前が私と一緒に読みたいというのなら、読んでやってもいい」
借金を支払ってくれたカラムにゴマすりしている様には、シアーラには見えなかった。
ゴマをするどころか、キティはカラムに好意を持っている様にすらシアーラの目には見えた。
「カラム様のお仕事のお邪魔にならないのであれば、是非一緒がいいです」
「そうなのか」
「駄目ですか。カラム様お忙しいし我儘は申しません」
「い、いや。家にいる間の時間をキティの為に使うのは当然だろう。その、あの私はお前の夫なのだから」
天と地がひっくり返ったのかと、その時のシアーラはわが目と耳を疑った。
こんな甘い言葉を吐いているのが自分の息子、あの息子だとは思えなかったのだ。
「ありがとうございます。カラム様、私とても嬉しいです」
「……礼を言われる程のことではない。こんなの造作もない些細なことだ」
「嬉しかったのですもの。どうかお礼を言わせてくださいませ」
「そうか、キティが嬉しいならそれでいい」
これは本当に息子なのだろうか。
わが目を疑いながらも、シアーラは息子の姿を嬉しく思ったのだった。
「キティと申します。どうぞよろしくお願いいたします。先日は婚姻の儀に参列下さりありがとうございます。当日きちんとご挨拶出来ず申し訳ございませんでした」
キティの頭の中は、遥か昔に習った礼儀作法で頭がいっぱいだった。
カラムの両親は慌ただしく帰って行ってしまった為、当日はろくに礼も言えずにいたのだ。
急に婚姻の儀式を行った為時間が取れず申し訳ないと言いながら去っていく二人を見送るしかなかったから、忙しい中来てくれた礼を伝えたかったのだ。
名前はカラムが伝えてくれたから、簡易的に名乗れば良いけれど後は何を話したらいいのだろう。
緊張で口から内臓が飛び出しそうだと、物騒なことを考えながら食堂で鍛えた笑顔だけで挨拶をキティは乗り切った。
義母の名はシアーラ、シアーラ・オーゼル。前伯爵夫人だ。
彼女がカラムと同じ緑の瞳で銀の髪だったのは、キティにとっては良い後押しとなった。
シアーラの顔は良くも悪くもカラムに似ていて、いや、カラムが似ているのだけれどキティにはカラムに似た顔として認識された。
そのお陰でキティは過剰な怯えにならずに済んだのだった。
「丁寧な挨拶をありがとう。私はそこでしかめっ面をしているカラムの母シアーラよ。これからよろしくねキティさん」
「あ、あ、あのっ、呼び捨てでお願いいたします。お義母様。あ、私生意気な発言をしてしまいましたっ」
自分でもビクビクしすぎだと思いながらも、冷や汗が背中を伝うのは止められない。
伯爵位と男爵位は、キティの実家のように貧乏ではなくとも大きな差があるというのに、キティなどほぼ貴族令嬢としての教育を受けて来なかったし、義母シアーラの手入れの行き届いた髪や指先を見ただけでキティは自分の両手を体の後ろに隠したくなった。
シアーラは座り方も発声も美しかった。
貧乏な下町の女性達しか知らないキティには、別の世界の人に見えてしまった。
「ふふふ。緊張しなくていいのよ。カラム、あなた仕事はいいのかしら」
「新婚は休暇を頂けるそうです。キティと国立図書館にでも出掛けようかと思っていたところです。行き違いにならずに良かった」
朝食を頂いた後、どこかに出掛けようかとカラムが言い出した矢先にシアーラからの先触れが届いてしまったから、二人揃って初めての外出はなくなってしまった。
新婚が図書館に行って何が楽しいのか、シアーラは喉元まで出かけた言葉を飲み込むと笑顔のまま頷いた。
「仲が良いのはいいことね、カラム。キティちゃんは図書館が好きなのかしら?」
シアーラの問いかけにカラムは「好き? どうかなキティ」と質問の丸投げをした。
「本を読むのは好きですが、図書館には行った事がありません。屋敷の中を案内していただいた際図書室にも行ったのですが、その際カラム様に申し上げたら今から行こうと仰ってくださったのです」
義母を前に緊張しているキティを気遣ってカラムへ質問していたであろうのシアーラの気遣いを無視し、カラムは相変わらずの不機嫌そうな顔でキティに聞いた。
息子の馬鹿な言動にシアーラも頭を抱えたくなったが、カラムの妻であるキティは笑顔でそれに答えたのだった。
「カラム様は、私が本を読むのが好きだと申し上げたので、沢山の本がある国立図書館をきっと私が気に入るだろうと考えて下さったのです」
カラムに気を遣うどころか、本心から嬉しそうにキティはシアーラへと経緯を話した。
息子の世間の評価を知っている立場で言えば、少女にも見えるキティと死神と名高いカラムが一緒に歩いていたら周囲は驚くだけでなく、キティが無理強いされているのではと心配するだろう。
カラムが結婚したという噂が貴族社会に広がるまでは、二人での外出は止めさせたほうが無難ではないかとシアーラは内心考えていた。
「まあそうだったのね。二人の外出を邪魔して申し訳なかったわ。でも国立図書館には及びませんが、我が家の図書室も蔵書数は立派なものなのよ。カラムは中に何があるかよく理解しているから案内させるといいわ」
「確かに図書室だけでも沢山の本がありました。あちらを読むだけでも暫くはいいのかもしれませんね。カラム様図書室について教えて頂けますか」
「図書室。キティの好む本があったかな」
「私、本はどんな種類の物でも好きです。歴史書も伝記も物語も、それから神話も好きです」
「そうか。神話は私も好きだ」
気負いなくカラムと話をするキティの姿は、シアーラには好ましく映った。
貴族、市井の者達の誰もがカラムを恐れた。
戦で死神として戦う姿の噂、カラムの外見、それらが一人歩きしてカラムは怖い人間だと無責任に確定していたけれどシアーラにとってカラムは、人付き合いが苦手で自分の思いを口にするのが苦手な可愛い息子だった。
それ以上でもそれ以下でもない、大切な息子なのだった。
「一緒ですね。嬉しいです、それでは一緒に本を読んで下さいますかカラム様」
カラムの年は妻であるキティよりも父親ロークと近いというのに、キティはその辺りを気にしてはいない様にシアーラには見える。
キティの実家が困窮していており借金もあったことはシアーラにも知らされていた。
キティはその借金のかたにある男の愛人になるように迫られていて、それを阻止しようとカラムがキティの夫となることで借金を支払ったこともシアーラは知っていた。
「お前が私と一緒に読みたいというのなら、読んでやってもいい」
借金を支払ってくれたカラムにゴマすりしている様には、シアーラには見えなかった。
ゴマをするどころか、キティはカラムに好意を持っている様にすらシアーラの目には見えた。
「カラム様のお仕事のお邪魔にならないのであれば、是非一緒がいいです」
「そうなのか」
「駄目ですか。カラム様お忙しいし我儘は申しません」
「い、いや。家にいる間の時間をキティの為に使うのは当然だろう。その、あの私はお前の夫なのだから」
天と地がひっくり返ったのかと、その時のシアーラはわが目と耳を疑った。
こんな甘い言葉を吐いているのが自分の息子、あの息子だとは思えなかったのだ。
「ありがとうございます。カラム様、私とても嬉しいです」
「……礼を言われる程のことではない。こんなの造作もない些細なことだ」
「嬉しかったのですもの。どうかお礼を言わせてくださいませ」
「そうか、キティが嬉しいならそれでいい」
これは本当に息子なのだろうか。
わが目を疑いながらも、シアーラは息子の姿を嬉しく思ったのだった。
2
お気に入りに追加
1,782
あなたにおすすめの小説
忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。
番?呪いの別名でしょうか?私には不要ですわ
紅子
恋愛
私は充分に幸せだったの。私はあなたの幸せをずっと祈っていたのに、あなたは幸せではなかったというの?もしそうだとしても、あなたと私の縁は、あのとき終わっているのよ。あなたのエゴにいつまで私を縛り付けるつもりですか?
何の因果か私は10歳~のときを何度も何度も繰り返す。いつ終わるとも知れない死に戻りの中で、あなたへの想いは消えてなくなった。あなたとの出会いは最早恐怖でしかない。終わらない生に疲れ果てた私を救ってくれたのは、あの時、私を救ってくれたあの人だった。
12話完結済み。毎日00:00に更新予定です。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
なにひとつ、まちがっていない。
いぬい たすく
恋愛
若くして王となるレジナルドは従妹でもある公爵令嬢エレノーラとの婚約を解消した。
それにかわる恋人との結婚に胸を躍らせる彼には見えなかった。
――なにもかもを間違えた。
そう後悔する自分の将来の姿が。
Q この世界の、この国の技術レベルってどのくらい?政治体制はどんな感じなの?
A 作者もそこまで考えていません。
どうぞ頭のネジを二三本緩めてからお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる