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「気分は」
「……旦那様? え、あの私は?」
瞼を開けると旦那様の顔が見えた。
旦那様の顔の向こうに見えるのは、天蓋らしきもの。
この天蓋は、私の部屋として与えられた部屋の寝室で見た天蓋と同じだった。
つまりここは私の部屋で、私のベッドの天蓋だという事だ。
「私が誰か分かるか、吐き気や眩暈は無いか?」
矢継ぎ早に質問を浴びせるという言葉があるけれど、旦那様のそれはまさにこれだ。
それとか、これとか、私がいかに混乱しているのかよく分かる。
旦那様も混乱しているのかもしれないけれど、私はそれ以上に混乱していると思う。……多分。
「吐き気はありません、それよりも旦那様お顔が近すぎます」
冷静に、ただ冷静にと自分に言い聞かせながら旦那様に言えば、面白い位に旦那様は勢いよく体を離しながら「驚かせてすまない」と私に謝罪した。
「体が起こせません。旦那様私はどのくらい」
どの位眠っていたのか、口にしかけて唇を閉じた。
体が起こせないと言った途端、旦那様が私の背中に手を入れて宝物でも抱きしめているかのように私の体を起こしたのだから、驚くなという方が無理だった。
むしろ、悲鳴を上げなかった自分を褒めたい。
「あなたは十日間目を覚まさなかった。このまま目を覚まさないのかと、どれだけ私が怖かったか」
「……ご心配をお掛けして申し訳ございません」
あの毒茶は、普段であれば一日程度で意識を回復する程度の量だった。
長年あの毒で仮病を偽って来た私とジジだけが知っている分量、そして味。
ジジは間違いなく毒茶を作って私に飲ませた。
ただジジが失念していたのは、その前に私が熱を出して体力を失っていたと言う事だけ。
解毒し健康体を取り戻すまで十日間も時間が掛かったのは、それ以前に熱を出して体力を失っていたせいだ。
今の私の体には怠さが残る程度、毒の後遺症は皆無だと分かる、でも念の為体力回復の魔法を掛けていた方が良いのかもしれない。
治癒魔法ではない、体力回復の魔法のみだ。
私の体には治癒魔法は掛けてはいけない、うっかりそんなもの掛けてしまったら毒の耐性や今までのもろもろの努力が無になってしまう。
「旦那様」
「どうした、水を飲みたい? それともスープか何か? 湯浴みはまだ駄目だよ、汗をかなりかいていたから気になるかもしれないがそれはもう少し我慢して欲しい」
懇願する大型犬そんな幻影が見えそうな程、旦那様は主人を心配して周囲をぐるぐる歩き回る犬の様に私を心配してくれている。
私は無事だと、思わずその頭に手を伸ばしそうになって無理矢理に微笑んだ。
「お水は頂きたいですけれど、それよりも旦那様どうしてここに?」
今が昼なのか夜なのか分からない。
分厚いカーテンが閉じられた部屋は、魔道具の灯りで明るいけれどこれでは窓の外が明るいのかどうか全く分からない。
ジジや他のメイド達の姿が見えないのも気にかかる。
メイド達は兎も角、ジジはいつ寝ているのかと言いたくなる程常に私の傍に居たのだから。
「今は夜だ。私は執務の後にあなたの様子を見に来たんだよ。あなたのメイドは今食事をしに使用人用の食堂に行っている。彼女は常にあなたの側にいるんだね。私が言わないと食事すらしようとしない」
ジジはそういう子だ。
実家の屋敷なら兎も角、ここはまだ安全だと分からない場所だからジジは警戒しているのだろう。
「王女殿下は昨日の朝出立したから安心して欲しい」
「王女殿下が出立?」
そこまでだとは思わずに、私は驚いて目を見開く。
そう言えば旦那様は、私が十日目を覚まさなかったと言っていなかっただろうか。
人が十日も意識を失ったままというのは、前世の医療体制なら兎も角この世界で可能なのだろうか。
言葉だけを聞けば不安になるが、私は無事に目を覚ましたのだから問題は無かったのだろう。
それにしても王女殿下が出立、それを見送らなかった私。
これはつまり大失態だ。
「私お見送り出来なかった」
「だが、あなたは十日意識を失ったままだった。高熱が続いていて体力が無かったところに毒茶を飲んだのだから、命を失っても不思議ではないと治癒師が言っていた。……言っていたというよりも怒っていたという方が正しいのかもしれないな。そうしなければならない理由があったとは言え、熱が下がったばかりの体力が無くなっている女性に毒茶を飲ませるのは自殺行為だとね」
「治癒師様のお怒りを受けるのは、旦那様ではなく私だというのに申し訳ありません。それに王女殿下のお見送りも出来ず旦那様叱責されたのではありませんか?」
私が無茶な事をしたせいで旦那様が叱られたのだとしたら申し訳なくてそう言えば、旦那様は私をぎゅっと抱きしめながら否定した。
「謝るのは私の方だ。私が不甲斐ないばかりにあなたにだけ負担を強いてしまった」
「旦那様、謝らないで下さい」
「治癒師にあなたが目覚めないかもしれないと言われて、私はとても後悔したんだよ」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて、旦那様にそう告白されて私は困惑以外の感情が浮かばない。
私にとって、この程度の毒で寝込むのは日常で、毒を服用して回復せずに寝込むのは叱られる以外の周囲の反応は無かったからだ。
王太子殿下の婚約者時代、毒に慣らす時は王宮に泊り込まなければいけなかった。
当初毒に慣らす為王宮に泊るというのを私の家族は王宮から知らされておらず、ただ王太子妃教育の為と言われていたらしい。
私は王宮に泊り毒を飲まされる。
そこからは地獄だった、熱が出て苦しくて吐き続ける。
家の侍女はジジすら許されず、味方がいない場所で私は耐え続けるしかない。
目覚めた時感じるのは、面倒を掛けられたという不貞腐れた使用人達の顔。
私は必死に毒を受けた症状を堪え耐え続けたというのに、ただの一人も褒めてくれることも安堵することもしてはくれなかった。
家族にもジジにも助けを求める事は出来ず、居心地の悪い王宮の部屋で私は一人耐え続けるしかなかった。
家族にそれを知らされる様になってからも、家族は私を心配しても止められなかった。
すまないと謝られながら、王宮に向かうのは苦痛で苦痛でしか無くて、私は考える事を止めた。
「どうした、体が辛いのか」
「いいえ、旦那様が支えて下さると安心すると思っていただけです」
騎士を目指していたという旦那様の腕はたくましい。
旦那様のたくましい腕に抱きしめられていると、不思議なくらいに安心してしまう。
「そうか、不愉快でないのなら私も嬉しい」
微笑む旦那様の顔に、私の心のこわばりが溶けていく。
こんな、大型犬みたいな人に警戒しろという方が無理だと思う。
「目が覚めてすぐに、旦那様のお顔を見られて嬉しいです」
熱があるのか、私は自分自身が驚く様な事を口に出してしまった。
「旦那様、少しの間こうしていてもいいでしょうか」
「それは勿論、あなたが嫌でないのなら」
戸惑った様な旦那様の声は、私の耳にはとても愛しい物に感じてしたのだった。
「……旦那様? え、あの私は?」
瞼を開けると旦那様の顔が見えた。
旦那様の顔の向こうに見えるのは、天蓋らしきもの。
この天蓋は、私の部屋として与えられた部屋の寝室で見た天蓋と同じだった。
つまりここは私の部屋で、私のベッドの天蓋だという事だ。
「私が誰か分かるか、吐き気や眩暈は無いか?」
矢継ぎ早に質問を浴びせるという言葉があるけれど、旦那様のそれはまさにこれだ。
それとか、これとか、私がいかに混乱しているのかよく分かる。
旦那様も混乱しているのかもしれないけれど、私はそれ以上に混乱していると思う。……多分。
「吐き気はありません、それよりも旦那様お顔が近すぎます」
冷静に、ただ冷静にと自分に言い聞かせながら旦那様に言えば、面白い位に旦那様は勢いよく体を離しながら「驚かせてすまない」と私に謝罪した。
「体が起こせません。旦那様私はどのくらい」
どの位眠っていたのか、口にしかけて唇を閉じた。
体が起こせないと言った途端、旦那様が私の背中に手を入れて宝物でも抱きしめているかのように私の体を起こしたのだから、驚くなという方が無理だった。
むしろ、悲鳴を上げなかった自分を褒めたい。
「あなたは十日間目を覚まさなかった。このまま目を覚まさないのかと、どれだけ私が怖かったか」
「……ご心配をお掛けして申し訳ございません」
あの毒茶は、普段であれば一日程度で意識を回復する程度の量だった。
長年あの毒で仮病を偽って来た私とジジだけが知っている分量、そして味。
ジジは間違いなく毒茶を作って私に飲ませた。
ただジジが失念していたのは、その前に私が熱を出して体力を失っていたと言う事だけ。
解毒し健康体を取り戻すまで十日間も時間が掛かったのは、それ以前に熱を出して体力を失っていたせいだ。
今の私の体には怠さが残る程度、毒の後遺症は皆無だと分かる、でも念の為体力回復の魔法を掛けていた方が良いのかもしれない。
治癒魔法ではない、体力回復の魔法のみだ。
私の体には治癒魔法は掛けてはいけない、うっかりそんなもの掛けてしまったら毒の耐性や今までのもろもろの努力が無になってしまう。
「旦那様」
「どうした、水を飲みたい? それともスープか何か? 湯浴みはまだ駄目だよ、汗をかなりかいていたから気になるかもしれないがそれはもう少し我慢して欲しい」
懇願する大型犬そんな幻影が見えそうな程、旦那様は主人を心配して周囲をぐるぐる歩き回る犬の様に私を心配してくれている。
私は無事だと、思わずその頭に手を伸ばしそうになって無理矢理に微笑んだ。
「お水は頂きたいですけれど、それよりも旦那様どうしてここに?」
今が昼なのか夜なのか分からない。
分厚いカーテンが閉じられた部屋は、魔道具の灯りで明るいけれどこれでは窓の外が明るいのかどうか全く分からない。
ジジや他のメイド達の姿が見えないのも気にかかる。
メイド達は兎も角、ジジはいつ寝ているのかと言いたくなる程常に私の傍に居たのだから。
「今は夜だ。私は執務の後にあなたの様子を見に来たんだよ。あなたのメイドは今食事をしに使用人用の食堂に行っている。彼女は常にあなたの側にいるんだね。私が言わないと食事すらしようとしない」
ジジはそういう子だ。
実家の屋敷なら兎も角、ここはまだ安全だと分からない場所だからジジは警戒しているのだろう。
「王女殿下は昨日の朝出立したから安心して欲しい」
「王女殿下が出立?」
そこまでだとは思わずに、私は驚いて目を見開く。
そう言えば旦那様は、私が十日目を覚まさなかったと言っていなかっただろうか。
人が十日も意識を失ったままというのは、前世の医療体制なら兎も角この世界で可能なのだろうか。
言葉だけを聞けば不安になるが、私は無事に目を覚ましたのだから問題は無かったのだろう。
それにしても王女殿下が出立、それを見送らなかった私。
これはつまり大失態だ。
「私お見送り出来なかった」
「だが、あなたは十日意識を失ったままだった。高熱が続いていて体力が無かったところに毒茶を飲んだのだから、命を失っても不思議ではないと治癒師が言っていた。……言っていたというよりも怒っていたという方が正しいのかもしれないな。そうしなければならない理由があったとは言え、熱が下がったばかりの体力が無くなっている女性に毒茶を飲ませるのは自殺行為だとね」
「治癒師様のお怒りを受けるのは、旦那様ではなく私だというのに申し訳ありません。それに王女殿下のお見送りも出来ず旦那様叱責されたのではありませんか?」
私が無茶な事をしたせいで旦那様が叱られたのだとしたら申し訳なくてそう言えば、旦那様は私をぎゅっと抱きしめながら否定した。
「謝るのは私の方だ。私が不甲斐ないばかりにあなたにだけ負担を強いてしまった」
「旦那様、謝らないで下さい」
「治癒師にあなたが目覚めないかもしれないと言われて、私はとても後悔したんだよ」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて、旦那様にそう告白されて私は困惑以外の感情が浮かばない。
私にとって、この程度の毒で寝込むのは日常で、毒を服用して回復せずに寝込むのは叱られる以外の周囲の反応は無かったからだ。
王太子殿下の婚約者時代、毒に慣らす時は王宮に泊り込まなければいけなかった。
当初毒に慣らす為王宮に泊るというのを私の家族は王宮から知らされておらず、ただ王太子妃教育の為と言われていたらしい。
私は王宮に泊り毒を飲まされる。
そこからは地獄だった、熱が出て苦しくて吐き続ける。
家の侍女はジジすら許されず、味方がいない場所で私は耐え続けるしかない。
目覚めた時感じるのは、面倒を掛けられたという不貞腐れた使用人達の顔。
私は必死に毒を受けた症状を堪え耐え続けたというのに、ただの一人も褒めてくれることも安堵することもしてはくれなかった。
家族にもジジにも助けを求める事は出来ず、居心地の悪い王宮の部屋で私は一人耐え続けるしかなかった。
家族にそれを知らされる様になってからも、家族は私を心配しても止められなかった。
すまないと謝られながら、王宮に向かうのは苦痛で苦痛でしか無くて、私は考える事を止めた。
「どうした、体が辛いのか」
「いいえ、旦那様が支えて下さると安心すると思っていただけです」
騎士を目指していたという旦那様の腕はたくましい。
旦那様のたくましい腕に抱きしめられていると、不思議なくらいに安心してしまう。
「そうか、不愉快でないのなら私も嬉しい」
微笑む旦那様の顔に、私の心のこわばりが溶けていく。
こんな、大型犬みたいな人に警戒しろという方が無理だと思う。
「目が覚めてすぐに、旦那様のお顔を見られて嬉しいです」
熱があるのか、私は自分自身が驚く様な事を口に出してしまった。
「旦那様、少しの間こうしていてもいいでしょうか」
「それは勿論、あなたが嫌でないのなら」
戸惑った様な旦那様の声は、私の耳にはとても愛しい物に感じてしたのだった。
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