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「こちらの魔導具は、長く体に触れていますと火傷してしまいます」
ジジの不安そうな声に、旦那様が慌てて魔導具を取り上げようとしますが無駄に出来る時間は皆無だ。
「旦那様、布で包んで使いますから心配ありませんわ」
「だが、あなたが火傷して辛い思いをするのは」
状況を考えず本気で私を心配している様子の旦那様に苦笑するしかないけれど、元婚約者は私を労わる言葉すら無い人だったから、面はゆい気がしてしまう。
「火傷が不安でしたら、少量の毒を持つ薬草を煎じた茶をお飲み頂きましょうか。御髪を乱して苦し気にされていたなら真実味も増しましょう」
「そうね、その方が良いかもしれないわ」
ジジが見かねて提案して来たのは丁度いい物を持っていたからです。
それは、私が王太子妃教育で飲まされていた毒を持つ薬草茶です。
「ど、毒なんてどうして持っているんだ」
「これは単体で飲むと毒にしかなりませんが、もう一つの薬草と混ぜる事で解毒効果を持つ薬となるのです。飲む直前に混ぜないと傷んでしまうので別々にしてあるのです」
国から持ってきたのは解毒効果を期待してでは無いけれど、旦那様にはそう言い訳をする。
毒を持って嫁いで来た等、疑われる様な真似は自分からするわけがない。
「だが、片方だけなら毒なのだろう。そんなものを飲んでは」
まだ私を心配してくれている様子の旦那様に、ジジ達は半分呆れた様な顔で彼を見ている。
旦那様の顔は私の方を向いているからジジの様子に気がついていないけれど、本来であればこういう指示は旦那様が行うものだし、時間が無いのだから少しの火傷や毒程度我慢しろと私に言わなければならない立場の人だ。
それをせずに彼は私の体を害するかもしれないと心配し止めようとしているのだから、この人本当に侯爵家の当主なんだろうか不安になってくる。
だって、あまりにも人が良すぎないだろうか。
「私、これでも王太子殿下の婚約者でしたから、毒にある程度体を慣らしていますから平気です。それにこの毒はには慣れていますから、どの程度までなら体に支障がないかは把握しています」
何せ、仮病の理由として便利に使っていたものだ。
王太子殿下とのお茶会を私は何度かこの手を使って、早々にお開きにした。
薄めた毒茶を飲んでから王宮へ伺うと、お茶会が始まる頃には顔色が悪くなる。
王太子殿下は婚約者との交流の為と儲けられているお茶会を度々すっぽかしていたし、来たら来たで嫌味の嵐だったから苦痛の時間だった。
王太子殿下が一応茶会の席に出て来てくれた場合、嫌味の嵐を美味しいお菓子を食べながら心の中で聖句を唱えてこれも人生の修行だと諦めればいいだけだった。彼は好きなだけ嫌味を言うと足音も荒く部屋を出て行くのが常だったから比較的すぐに私も帰る事が出来る。
だが、王太子殿下がすっぽかしてしまうとお茶も飲まずお菓子も食べず、ひたすら姿勢を正し座り続けなければいけないから、苦痛度はこちらの方が高いし、時間の無駄に腹も立つ。
毎回具合が悪いは通用しないから、具合が悪いのに王太子殿下との約束だからと王宮に行き、様子を見に来た王妃殿下の侍女に『顔色が悪いですよ、お帰りになっては如何ですか』と声を掛けて貰うのを待ち『王太子殿下がいらっしゃるかもしれませんから、そんな事出来ません』と返答しつつ心配されながら席を立つという茶番を繰り返していた。
毎度毎度具合が悪そうだからと退席を促されていれば、この令嬢は元々体が弱いのでは、虚弱な令嬢では婚約者には向かないのでは、そういう声が上がるのを待っていたけれど、それは叶わないままだった。
振り回されて他国に嫁ぐことになりはしたが、王女殿下の我儘は私には良い事しかなかったと思う。
夫となった彼は人が良すぎて頼りない感じもするけれど、少なくとも私を心配してくれる人だから王太子妃となるよりも余程マシだ。
「毒に慣れている? それは」
「はい、私は王太子殿下と婚約していましたから、一般的な毒に慣れさせられています。この毒はすぐに効きますし解毒効果のお茶を飲むことですぐに毒が体内から排出されて行きますから回復も早いのです」
とはいうものの、苦しいことは苦しいし気持ち的には死にそうに感じるのは毒なのだから仕方がない。
それを侯爵も知っているのだろう、眉をひそめてまだ私を止めようとしている。
「ジジ、お茶を」
「こちらでございます」
提案しすぐに毒茶を用意する為に動いたジジは優秀だ。
こういう優秀さを旦那様にも求めたいけれど、人には向き不向きがあるから仕方ないのかもしれない。
それに優秀さを求めすぎて、旦那様のこの優しさが失せてしまったら悲しいと思う。
「そこまでしなくていい、王女殿下が何か言って来たら私が何とかするから」
「いいえ、旦那様が非難される様な隙は作ってはいけませんわ。嫁いできたからには私はもう旦那様と運命を共にする者、この家に連なる者ですもの。家と旦那様に傷か付く可能性を私が作るわけにはまいりません。ただ数日寝込む事になりますので、その点だけご容赦下さいませ」
それだけ言うと、ジジが差し出した毒茶を旦那様に向かい微笑んだ後に一気に呷った。
こんな飲み方淑女には相応しくは無いけれど、非常事態だから大目に見て欲しい。
独特の後味に顔をしかめながら、空になった毒茶の器をサイドテーブルに置く。
「ジジ、魔道具は片づけて置いて。それからドレスや靴や長持ちをいくつか出して、あちらの部屋とこちらに急に出す様に命ぜられたと見える様に乱雑に置いて」
「長持ち? 何を」
「お飾りの妻にもなれない女等この部屋に居させられ無いと、旦那様がお命じになったとするのです」
慌てて否定するだろうなと思いながら口を開けば、旦那様の顔は分かりやすく青くなった。
「わ、私はそんな事言わない。そんな非情な真似」
「ええ、分かっております。でもそれ程お怒りになっていると見せつけませんと」
「そんな酷い事、あなたに出来るわけない」
しょんぼりとしている姿は、侯爵家当主というよりも叱られた大型犬に見える。
どうしよう、この人ちょっと可愛いかもしれない。
「豪奢なドレスや装飾品は私達の部屋に避難させ、比較的地味目なものをお持ち致します」
ジジ達はすぐさま動き、私が思っていた通りにドレスや長持ちを配置し始めた。
さすが私の侍女、無駄な動きが無い。
満足していると、開け放った扉の向こうから声が聞こえて来たのだった。
ジジの不安そうな声に、旦那様が慌てて魔導具を取り上げようとしますが無駄に出来る時間は皆無だ。
「旦那様、布で包んで使いますから心配ありませんわ」
「だが、あなたが火傷して辛い思いをするのは」
状況を考えず本気で私を心配している様子の旦那様に苦笑するしかないけれど、元婚約者は私を労わる言葉すら無い人だったから、面はゆい気がしてしまう。
「火傷が不安でしたら、少量の毒を持つ薬草を煎じた茶をお飲み頂きましょうか。御髪を乱して苦し気にされていたなら真実味も増しましょう」
「そうね、その方が良いかもしれないわ」
ジジが見かねて提案して来たのは丁度いい物を持っていたからです。
それは、私が王太子妃教育で飲まされていた毒を持つ薬草茶です。
「ど、毒なんてどうして持っているんだ」
「これは単体で飲むと毒にしかなりませんが、もう一つの薬草と混ぜる事で解毒効果を持つ薬となるのです。飲む直前に混ぜないと傷んでしまうので別々にしてあるのです」
国から持ってきたのは解毒効果を期待してでは無いけれど、旦那様にはそう言い訳をする。
毒を持って嫁いで来た等、疑われる様な真似は自分からするわけがない。
「だが、片方だけなら毒なのだろう。そんなものを飲んでは」
まだ私を心配してくれている様子の旦那様に、ジジ達は半分呆れた様な顔で彼を見ている。
旦那様の顔は私の方を向いているからジジの様子に気がついていないけれど、本来であればこういう指示は旦那様が行うものだし、時間が無いのだから少しの火傷や毒程度我慢しろと私に言わなければならない立場の人だ。
それをせずに彼は私の体を害するかもしれないと心配し止めようとしているのだから、この人本当に侯爵家の当主なんだろうか不安になってくる。
だって、あまりにも人が良すぎないだろうか。
「私、これでも王太子殿下の婚約者でしたから、毒にある程度体を慣らしていますから平気です。それにこの毒はには慣れていますから、どの程度までなら体に支障がないかは把握しています」
何せ、仮病の理由として便利に使っていたものだ。
王太子殿下とのお茶会を私は何度かこの手を使って、早々にお開きにした。
薄めた毒茶を飲んでから王宮へ伺うと、お茶会が始まる頃には顔色が悪くなる。
王太子殿下は婚約者との交流の為と儲けられているお茶会を度々すっぽかしていたし、来たら来たで嫌味の嵐だったから苦痛の時間だった。
王太子殿下が一応茶会の席に出て来てくれた場合、嫌味の嵐を美味しいお菓子を食べながら心の中で聖句を唱えてこれも人生の修行だと諦めればいいだけだった。彼は好きなだけ嫌味を言うと足音も荒く部屋を出て行くのが常だったから比較的すぐに私も帰る事が出来る。
だが、王太子殿下がすっぽかしてしまうとお茶も飲まずお菓子も食べず、ひたすら姿勢を正し座り続けなければいけないから、苦痛度はこちらの方が高いし、時間の無駄に腹も立つ。
毎回具合が悪いは通用しないから、具合が悪いのに王太子殿下との約束だからと王宮に行き、様子を見に来た王妃殿下の侍女に『顔色が悪いですよ、お帰りになっては如何ですか』と声を掛けて貰うのを待ち『王太子殿下がいらっしゃるかもしれませんから、そんな事出来ません』と返答しつつ心配されながら席を立つという茶番を繰り返していた。
毎度毎度具合が悪そうだからと退席を促されていれば、この令嬢は元々体が弱いのでは、虚弱な令嬢では婚約者には向かないのでは、そういう声が上がるのを待っていたけれど、それは叶わないままだった。
振り回されて他国に嫁ぐことになりはしたが、王女殿下の我儘は私には良い事しかなかったと思う。
夫となった彼は人が良すぎて頼りない感じもするけれど、少なくとも私を心配してくれる人だから王太子妃となるよりも余程マシだ。
「毒に慣れている? それは」
「はい、私は王太子殿下と婚約していましたから、一般的な毒に慣れさせられています。この毒はすぐに効きますし解毒効果のお茶を飲むことですぐに毒が体内から排出されて行きますから回復も早いのです」
とはいうものの、苦しいことは苦しいし気持ち的には死にそうに感じるのは毒なのだから仕方がない。
それを侯爵も知っているのだろう、眉をひそめてまだ私を止めようとしている。
「ジジ、お茶を」
「こちらでございます」
提案しすぐに毒茶を用意する為に動いたジジは優秀だ。
こういう優秀さを旦那様にも求めたいけれど、人には向き不向きがあるから仕方ないのかもしれない。
それに優秀さを求めすぎて、旦那様のこの優しさが失せてしまったら悲しいと思う。
「そこまでしなくていい、王女殿下が何か言って来たら私が何とかするから」
「いいえ、旦那様が非難される様な隙は作ってはいけませんわ。嫁いできたからには私はもう旦那様と運命を共にする者、この家に連なる者ですもの。家と旦那様に傷か付く可能性を私が作るわけにはまいりません。ただ数日寝込む事になりますので、その点だけご容赦下さいませ」
それだけ言うと、ジジが差し出した毒茶を旦那様に向かい微笑んだ後に一気に呷った。
こんな飲み方淑女には相応しくは無いけれど、非常事態だから大目に見て欲しい。
独特の後味に顔をしかめながら、空になった毒茶の器をサイドテーブルに置く。
「ジジ、魔道具は片づけて置いて。それからドレスや靴や長持ちをいくつか出して、あちらの部屋とこちらに急に出す様に命ぜられたと見える様に乱雑に置いて」
「長持ち? 何を」
「お飾りの妻にもなれない女等この部屋に居させられ無いと、旦那様がお命じになったとするのです」
慌てて否定するだろうなと思いながら口を開けば、旦那様の顔は分かりやすく青くなった。
「わ、私はそんな事言わない。そんな非情な真似」
「ええ、分かっております。でもそれ程お怒りになっていると見せつけませんと」
「そんな酷い事、あなたに出来るわけない」
しょんぼりとしている姿は、侯爵家当主というよりも叱られた大型犬に見える。
どうしよう、この人ちょっと可愛いかもしれない。
「豪奢なドレスや装飾品は私達の部屋に避難させ、比較的地味目なものをお持ち致します」
ジジ達はすぐさま動き、私が思っていた通りにドレスや長持ちを配置し始めた。
さすが私の侍女、無駄な動きが無い。
満足していると、開け放った扉の向こうから声が聞こえて来たのだった。
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