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悪夢からの生還2
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「あ、あれ?」
俺、さっき空を飛んでいて魔力切れで落ちなかったっけ?
今の自分の状況が理解出来なくて、周囲をきょろきょろと見渡してしまう。
「魔力、戻ってる?」
眠っていれば魔力はそれなりに戻るけれど、それってご飯をちゃんと食べて魔力切れを起こした場合だ。
さっきの俺は体力もほぼゼロで、魔力は当然ゼロ。そんな時に魔法を何故か使えてしまった状態だった筈?
「分かんない。今はなんなの、これ」
自分の状況が良く分からない。
気を失って、目が覚めた。
ここは多分、狐獣人の里のどこか。
今分かるのってこれくらいだ。
どこか見渡せる場所……、と考えたら視界が浮上した。
つまり俺はまた飛んだ? 浮かんだ状態になった。
俺にそんな能力は無かった筈なのに、これはなんなのだろう。
「長時間は使えない。これ、魔力を消費してる?」
体力ゼロで、何も食べていない状態なのに何故か僅かに回復している魔力がどんどん消費されているって分かる。
これが長時間続くのは、多分ヤバい。
なにせ今の俺は体力がほぼゼロ、魔力だけ僅かにある状態なんだ。
これって異常だ。
僅かな魔力で体力を補っている状態、つまりいつでも気絶出来るし死ねちゃうんだ。
「どうしたらいいんだろ」
持っているマジックバッグは何故か使えなかった。
マジックバッグの中には大量に回復薬も魔力回復薬も入ってるし、魔物肉を焼いたものもスープも卵料理もパンも大量に入っている。
マジックバッグの中にある食べ物や薬を取り出せれば、今のところの不安は減るのに何故か中身を取り出せない。
これって何故なんだろう。
俺の魔力不足が原因なんだろうか。
「俺のことはどうでもいいや、ニルスさん達を探さなきゃ」
そう思うだけで視界が動いた。
あちこちで火柱があがったままの狐獣人の里。
初めて来た場所なのに、さっき少し見たせいなのかなんだか知らない場所には思えない。
建っている家が萱葺きの木造のせいなのか、なんだか懐かしい感じすらしてしまう。
「ニルスさん、マリアさん、ゲルトさん」
不安になって名前を呼ぶ。
側にいるだけで安心してしまう、俺の保護者。
どうしてなんだろう、ニルスさんやマリアさんといると前世で母さんにすら感じたことがない、世界一安心できる人、そんな感覚になってしまう。
無条件で安心できる存在。
二人はそんなポジションなんだ。
側にいると安心できるし、困ったら頼っていいんだって心の底から信頼できて安心できる存在。
それがニルスさんとマリアさんだ。
出会ってから半年も経っていないのに、そう思うのは図々しいのかもしれないけれど、まだ甘えたりは出来ないけれど、精神的には頼り切っている存在なんだ。
「ゲルトさん」
ゲルトさんは二人とはちょっと違う。
だって、大好きなんだ。
ゲルトさんが笑くれる顔が好きだ。
ゲルトさんって、少し感情表現が乏しいんだけれど、たまに笑ってくれるその顔が大好き。
俺を抱っこして、耳元に囁いてくれる声が好き。
囁きながら、笑う顔が大好き。
ゲルトさんって十七歳なんだけど、年齢より落ち着いてる感じがするし、どれだけ甘えても平気な感じがするのが安心する。
俺と七歳しか変わらないのに、もっと年上の感じがする。それなのに好きなのは甘い味付けのものだったりするんだ。
蜂蜜たっぷりかけたパンケーキとか、砂糖の実をたっぷり使って煮た果物を使ったクレープとかゲルトさんは大好きなんだよ。可愛いよね、大事なことだから繰り返すけど滅茶苦茶可愛いよね!!
「ゲルトさんにお菓子沢山作ってあげたいなあ」
木の実を沢山使ったクッキーとか、果物沢山乗せたタルトとか。
牛乳から練習で作ったカスタードクリームをたっぷり使ったケーキとか、ワルドさんに作ってもらった蒸し器で作ったふわふわの蒸しパンに、プリンとか。
前世の俺が食べたことなかったものを、奥さんがくれたレシピ本から見つけて作ったらゲルトさんは嬉しそうに食べてくれて、俺もすっごく嬉しくなった。
奥さんのレシピ本って凄いんだ。
普通の料理のレシピが大量に載っているし、お菓子も大量にレシピが載っている。
クレープ、タルト、蒸しパン、プリン、クッキーの基本は当然載ってたし、食べたことがないものも大量に載っている。
厚さは辞典? って感じだけど。
貰った時こんなだったかなあ。家に持って帰ったら、すぐに母さんに破られちゃったから申し訳ないけれど殆ど使えてなかったんだ。
今見てみたら料理やお菓子の基本の物が沢山載っていて、奥さんは俺が独り立ちした時になんでも作れるようにって考えてこの本をくれたんだろうなって分かるものだった。
それなのに俺は、母さんに本を破られて捨てられてしまって、申し訳なさ過ぎて奥さんにはそれを言えなかったんだ。
「奥さん、ありがとう。今凄く役にたってるよ」
お礼を言いたいなあ、奥さんにも店長にも。
今そんな場合じゃないけれど、皆にお礼が言いたいなあ。
「呑気に考えてる場合じゃないな。ニルスさん達を探さなきゃ」
さっきの怪我はどうなったんだろう。
ニルスさん達を脅していた人族は?
のんびりしてる場合じゃないと思い出した俺は、周囲を真剣に見渡したんだ。
俺、さっき空を飛んでいて魔力切れで落ちなかったっけ?
今の自分の状況が理解出来なくて、周囲をきょろきょろと見渡してしまう。
「魔力、戻ってる?」
眠っていれば魔力はそれなりに戻るけれど、それってご飯をちゃんと食べて魔力切れを起こした場合だ。
さっきの俺は体力もほぼゼロで、魔力は当然ゼロ。そんな時に魔法を何故か使えてしまった状態だった筈?
「分かんない。今はなんなの、これ」
自分の状況が良く分からない。
気を失って、目が覚めた。
ここは多分、狐獣人の里のどこか。
今分かるのってこれくらいだ。
どこか見渡せる場所……、と考えたら視界が浮上した。
つまり俺はまた飛んだ? 浮かんだ状態になった。
俺にそんな能力は無かった筈なのに、これはなんなのだろう。
「長時間は使えない。これ、魔力を消費してる?」
体力ゼロで、何も食べていない状態なのに何故か僅かに回復している魔力がどんどん消費されているって分かる。
これが長時間続くのは、多分ヤバい。
なにせ今の俺は体力がほぼゼロ、魔力だけ僅かにある状態なんだ。
これって異常だ。
僅かな魔力で体力を補っている状態、つまりいつでも気絶出来るし死ねちゃうんだ。
「どうしたらいいんだろ」
持っているマジックバッグは何故か使えなかった。
マジックバッグの中には大量に回復薬も魔力回復薬も入ってるし、魔物肉を焼いたものもスープも卵料理もパンも大量に入っている。
マジックバッグの中にある食べ物や薬を取り出せれば、今のところの不安は減るのに何故か中身を取り出せない。
これって何故なんだろう。
俺の魔力不足が原因なんだろうか。
「俺のことはどうでもいいや、ニルスさん達を探さなきゃ」
そう思うだけで視界が動いた。
あちこちで火柱があがったままの狐獣人の里。
初めて来た場所なのに、さっき少し見たせいなのかなんだか知らない場所には思えない。
建っている家が萱葺きの木造のせいなのか、なんだか懐かしい感じすらしてしまう。
「ニルスさん、マリアさん、ゲルトさん」
不安になって名前を呼ぶ。
側にいるだけで安心してしまう、俺の保護者。
どうしてなんだろう、ニルスさんやマリアさんといると前世で母さんにすら感じたことがない、世界一安心できる人、そんな感覚になってしまう。
無条件で安心できる存在。
二人はそんなポジションなんだ。
側にいると安心できるし、困ったら頼っていいんだって心の底から信頼できて安心できる存在。
それがニルスさんとマリアさんだ。
出会ってから半年も経っていないのに、そう思うのは図々しいのかもしれないけれど、まだ甘えたりは出来ないけれど、精神的には頼り切っている存在なんだ。
「ゲルトさん」
ゲルトさんは二人とはちょっと違う。
だって、大好きなんだ。
ゲルトさんが笑くれる顔が好きだ。
ゲルトさんって、少し感情表現が乏しいんだけれど、たまに笑ってくれるその顔が大好き。
俺を抱っこして、耳元に囁いてくれる声が好き。
囁きながら、笑う顔が大好き。
ゲルトさんって十七歳なんだけど、年齢より落ち着いてる感じがするし、どれだけ甘えても平気な感じがするのが安心する。
俺と七歳しか変わらないのに、もっと年上の感じがする。それなのに好きなのは甘い味付けのものだったりするんだ。
蜂蜜たっぷりかけたパンケーキとか、砂糖の実をたっぷり使って煮た果物を使ったクレープとかゲルトさんは大好きなんだよ。可愛いよね、大事なことだから繰り返すけど滅茶苦茶可愛いよね!!
「ゲルトさんにお菓子沢山作ってあげたいなあ」
木の実を沢山使ったクッキーとか、果物沢山乗せたタルトとか。
牛乳から練習で作ったカスタードクリームをたっぷり使ったケーキとか、ワルドさんに作ってもらった蒸し器で作ったふわふわの蒸しパンに、プリンとか。
前世の俺が食べたことなかったものを、奥さんがくれたレシピ本から見つけて作ったらゲルトさんは嬉しそうに食べてくれて、俺もすっごく嬉しくなった。
奥さんのレシピ本って凄いんだ。
普通の料理のレシピが大量に載っているし、お菓子も大量にレシピが載っている。
クレープ、タルト、蒸しパン、プリン、クッキーの基本は当然載ってたし、食べたことがないものも大量に載っている。
厚さは辞典? って感じだけど。
貰った時こんなだったかなあ。家に持って帰ったら、すぐに母さんに破られちゃったから申し訳ないけれど殆ど使えてなかったんだ。
今見てみたら料理やお菓子の基本の物が沢山載っていて、奥さんは俺が独り立ちした時になんでも作れるようにって考えてこの本をくれたんだろうなって分かるものだった。
それなのに俺は、母さんに本を破られて捨てられてしまって、申し訳なさ過ぎて奥さんにはそれを言えなかったんだ。
「奥さん、ありがとう。今凄く役にたってるよ」
お礼を言いたいなあ、奥さんにも店長にも。
今そんな場合じゃないけれど、皆にお礼が言いたいなあ。
「呑気に考えてる場合じゃないな。ニルスさん達を探さなきゃ」
さっきの怪我はどうなったんだろう。
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