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グレオ君の涙2
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「驚く? これ、防具じゃないよな、魔道具?」
「うん、そうだよ。グレオ君とワルドさんに使って欲しいんだ」
話しながら一組の腕輪型のものをワルドさんの前に、もう片方をグレオ君の前に置く。
腕輪型というか手の甲から肘の少し手前辺りまでを覆う形だから、手甲と言った方がいいのかもしれない。
グレオ君のは首輪というか、首全体と鎖骨の辺りまでを覆う形の物だ。首輪っぽいのは抵抗あるだろうけれど、これならどうだろう。
そしてどこまで伝えたらいいか悩む。鑑定防止がついてるから他の人が鑑定してもわからないはずなんだよなぁ。
あ、でも俺は自分が身につけてるのは効果が分かるから、二人も身につけたら分かるのかも。
絆の守り具:大神伸の愛し子ウヅキが神界で作成した魔道具(神具)、装着可能者グレオ、ワルドのみ。
効果:害そうとする者からの防御、互いの位置が分かる効果、毒等を無効化する効果、魔力の回復(小)、身体堅固、魔法攻撃力向上、体力回復、怪我治癒、浄化
その他:魔力を充填することで永遠に使用可能。充填した魔力は使用者に還元できる。魔石を吸収することで効果が上がる。最大魔力一万まで充填可能(魔道具未使用の場合)、装着中は他者から魔道具は見えない。鑑定防止、互いの相手を思う力で効果は変わる。装着者本人の希望で形の変化可能。
装着方法、互いに魔道具を装着し相手の魔道具に魔力を流す事で互いの位置が分かる様になり、絆を結ぶ。
悩みながら鑑定すると大神様のところで鑑定したのとちょっと違う結果が出てきた。
「これはなんだ」
「あの、魔道具?」
神具ってでるのは、神様が作り方を教えてくれたからなのかな。よくわからない。
「なんで首傾げんだよ。お前が持ってきたのに分からねえのか」
「うん、あの、分からないというか」
分からないのは、どうやって説明したらいいかだ。
ゲルトさんをちらりと見ると、ため息をついた後ゲルトさんが口を開いた。
「俺達はさっき教会に行ってきたんだ」
「教会?」
「ウヅが町を離れる前に大神様に祈りたいと言うものだから、それで」
「教会に魔道具は売ってねえぞ」
「ウヅが祈りを捧げている間に、俺は見たことも聞いたこともない事を目撃したんだ。あんなに驚いたのは初めてだな」
まあ、マジックバッグから魔石が急に飛び出したら驚くよね。
「お前が驚くなんてあんのか、たとえ大神様の像が動いてもゲルトが驚くとは思えねえんだが」
ワルドさんの言い方は酷いけど、ゲルトさんはそういうイメージは確かにあるかも。
寡黙だし冷静だし、格好良いし。あ、格好良いは関係ないか。
「大神様の像が動く程度で驚くわけがないだろ。そうじゃなく、ウヅのマジックバッグに入れていた魔石が全部飛び出したと思ったら、急に光が出て、それが収まったと思ったら今度は魔力を感じる何かが出てウヅが倒れたんだ」
この説明で状況が分かるものだろうか、その場で俺は見てないから何とも言えないけど。
「なんだそれ、どんなんだかさっぱり分かんねえ。お前もうちょい何か言い方ねえのか」
案の定ワルドさんは理解できない顔でゲルトさんにツッコミを入れている。
「俺が見たのはこれが全てだ。倒れたウヅを抱き起こすと、ウヅがこれを両手に抱き込んでいたんだ」
「それじゃ、教会で奇跡が起きたとでもいうのか」
奇跡、そうだその言い方が正しいのかも。
だって俺が大神様と話せるのはまさに奇跡そのものだ。
「簡単に言えばそうなんだろうな」
まあ、ゲルトさんにはそうとしか見えないだろう。
「でもその奇跡をなんで俺達に持ってきたんだ?」
「あの、信じて貰えないとは思うけど、これはグレオ君とワルドさんの分なんです。俺達はもう魔道具をここに着けてます」
「見えねえぞ」
「身に着けると他の人からは見えないんです」
「ウヅキ、なんでそんな凄いのを俺達に」
グレオ君は不安そうな顔で俺に質問するから、本当の事を話したくなるけどそれこそ信じてもらえないだろう。
俺が別の世界から転生して、それをさせてくれたのが大神様だから話が出来るんだ。なんて、話して誰が信じてくれるだろう。
「うん、そうだよ。グレオ君とワルドさんに使って欲しいんだ」
話しながら一組の腕輪型のものをワルドさんの前に、もう片方をグレオ君の前に置く。
腕輪型というか手の甲から肘の少し手前辺りまでを覆う形だから、手甲と言った方がいいのかもしれない。
グレオ君のは首輪というか、首全体と鎖骨の辺りまでを覆う形の物だ。首輪っぽいのは抵抗あるだろうけれど、これならどうだろう。
そしてどこまで伝えたらいいか悩む。鑑定防止がついてるから他の人が鑑定してもわからないはずなんだよなぁ。
あ、でも俺は自分が身につけてるのは効果が分かるから、二人も身につけたら分かるのかも。
絆の守り具:大神伸の愛し子ウヅキが神界で作成した魔道具(神具)、装着可能者グレオ、ワルドのみ。
効果:害そうとする者からの防御、互いの位置が分かる効果、毒等を無効化する効果、魔力の回復(小)、身体堅固、魔法攻撃力向上、体力回復、怪我治癒、浄化
その他:魔力を充填することで永遠に使用可能。充填した魔力は使用者に還元できる。魔石を吸収することで効果が上がる。最大魔力一万まで充填可能(魔道具未使用の場合)、装着中は他者から魔道具は見えない。鑑定防止、互いの相手を思う力で効果は変わる。装着者本人の希望で形の変化可能。
装着方法、互いに魔道具を装着し相手の魔道具に魔力を流す事で互いの位置が分かる様になり、絆を結ぶ。
悩みながら鑑定すると大神様のところで鑑定したのとちょっと違う結果が出てきた。
「これはなんだ」
「あの、魔道具?」
神具ってでるのは、神様が作り方を教えてくれたからなのかな。よくわからない。
「なんで首傾げんだよ。お前が持ってきたのに分からねえのか」
「うん、あの、分からないというか」
分からないのは、どうやって説明したらいいかだ。
ゲルトさんをちらりと見ると、ため息をついた後ゲルトさんが口を開いた。
「俺達はさっき教会に行ってきたんだ」
「教会?」
「ウヅが町を離れる前に大神様に祈りたいと言うものだから、それで」
「教会に魔道具は売ってねえぞ」
「ウヅが祈りを捧げている間に、俺は見たことも聞いたこともない事を目撃したんだ。あんなに驚いたのは初めてだな」
まあ、マジックバッグから魔石が急に飛び出したら驚くよね。
「お前が驚くなんてあんのか、たとえ大神様の像が動いてもゲルトが驚くとは思えねえんだが」
ワルドさんの言い方は酷いけど、ゲルトさんはそういうイメージは確かにあるかも。
寡黙だし冷静だし、格好良いし。あ、格好良いは関係ないか。
「大神様の像が動く程度で驚くわけがないだろ。そうじゃなく、ウヅのマジックバッグに入れていた魔石が全部飛び出したと思ったら、急に光が出て、それが収まったと思ったら今度は魔力を感じる何かが出てウヅが倒れたんだ」
この説明で状況が分かるものだろうか、その場で俺は見てないから何とも言えないけど。
「なんだそれ、どんなんだかさっぱり分かんねえ。お前もうちょい何か言い方ねえのか」
案の定ワルドさんは理解できない顔でゲルトさんにツッコミを入れている。
「俺が見たのはこれが全てだ。倒れたウヅを抱き起こすと、ウヅがこれを両手に抱き込んでいたんだ」
「それじゃ、教会で奇跡が起きたとでもいうのか」
奇跡、そうだその言い方が正しいのかも。
だって俺が大神様と話せるのはまさに奇跡そのものだ。
「簡単に言えばそうなんだろうな」
まあ、ゲルトさんにはそうとしか見えないだろう。
「でもその奇跡をなんで俺達に持ってきたんだ?」
「あの、信じて貰えないとは思うけど、これはグレオ君とワルドさんの分なんです。俺達はもう魔道具をここに着けてます」
「見えねえぞ」
「身に着けると他の人からは見えないんです」
「ウヅキ、なんでそんな凄いのを俺達に」
グレオ君は不安そうな顔で俺に質問するから、本当の事を話したくなるけどそれこそ信じてもらえないだろう。
俺が別の世界から転生して、それをさせてくれたのが大神様だから話が出来るんだ。なんて、話して誰が信じてくれるだろう。
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