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上手く行っている時程気をつけろっていわれてたけど6
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「解体うまくいってよかったね」
「あぁ、でも本当に俺も素材奪取取れたのかな? こんなに簡単に?」
解体場からのギルドマスターの部屋へと戻りながら、俺達刃浮かれてたんだ。
二人共解体は上手く出来て、解体師さんに褒められたしなんと魔石も取れた。
鑑定してみると、グレオ君の能力に素材奪取はしっかり載っている。
そうだよ、グレオ君取れたんだよ一回でだよ、凄いよね。
「だって、俺も魔石取れたけどグレオ君も取れたじゃないか、だから素材奪取取れたんじゃないかな。ギルドマスターのところに鑑定の魔道具あるよね。見てもらおうよ」
ウキウキと俺達はギルドマスターの部屋に向かっていたんだ。
解体場の人達に差し入れを渡した後、ギルドマスターの指示を伝えると解体師長さんが快く練習を承諾してくれたんだ。
渡されたのは角兎。魔石が無いのは確認済みって言われたけど、実は素材奪取って解体の時にも発動するんだよね。だから俺が解体すれば結構な確率で魔石が取れるんだよ。
グレオ君には「魔石が欲しいって強く念じながらやるといいよ」と教えて俺達は解体を始めた。
そしたら俺はしっかり魔石が取れて、グレオ君も同じく取れたんだよ。
解体師長さんは、俺が何回かここで自分が狩った魔物の解体をしていてその度に魔石を取ってるのを知ってるから、俺については驚いてなかったけどグレオ君も同じ様に魔石を取り出した時は驚いてたみたいだ。
解体前の角兎に魔石が無いのは解体師長さんが確認済だったから、魔石が取れたのは俺達の能力が鑑定しているからってことで、取れた魔石を貰えてラッキーだった。
解体師長が素材奪取の能力があるなら、レベルを上げると魔石以外の物も魔物を狩る時に落ちる様になるから頑張れって教えてくれた。
解体の時は魔石以外は取れないらしいけど、狩りの時はそうなんだって。
大神様の言ってたのとちょっと違う気がするけれどまあいいか。
そんなわけで俺達は意気揚々とギルドマスターの部屋に向かっていたんだ。
「戻りました!」
扉をノックして入室許可をもらった俺達は、室内の空気の重さに笑顔を引っ込めた。
なんだろこの暗さ、何かあったのかな。
「遅くなって申し訳ありません」
「そんなの気にすんな。解体は上手くいったか」
「はい、上手く解体できました」
「あの、俺素材奪取を取れたかもしれないんです!」
無言のゲルトさんとワルドさんに対して、ギルドマスターはいつもの口調で俺達に尋ねた。
二人共何かあったのかな、心配しつつグレオ君の鑑定結果が気になってそわそわする。
俺の鑑定では見えてるけど、本人に言われてないのに見たなんて言えないもん。
「どれ、これに触ってみろ」
「はい」
窓側の机の上にあった魔道具をグレオ君に触らせて、ギルドマスターが鑑定結果を確認する。
「確かにあるな。急にどうした」
「ええと、ウヅキに取り方教えられて頑張ったから?」
グレオ君は自信なさそうに言うけれど、俺は胸を張って大きく頷いた。でもギルドマスターは不思議そうな顔してる。
「ウヅキ、今度は何やったんだ」
がしっと両肩を掴まれて、ギルドマスターの怖い顔が俺をじいっと見る。
ゲルトさんも大きいけれど、鬼人族のギルドマスターは滅茶苦茶大きいし力が強いんだよ。
「いっ、痛っ! な、今度はって、魔石が欲しいって念じながらやると良いって言っただけですよ」
「ウヅキ、後もう一つ思い込み大事って言ってたよな。絶対に出来るって信じるのが大事って。俺そう言われたから出来る出来るって思いながら魔石取れろって念じたんだぞ」
あ、そう言えば言ったかも。
「そんなんで取っちまったのか。しかもなんだこの体力と魔力量。レベル上がってねえのになんでこんなに増えてんだよ、グレオ何やったんだ」
「毎晩魔力切れになるように頑張ってますっ!」
グレオ君、相当嬉しいんだろうなあ。
胸張って両手腰に当てて、えっへんって感じになってる。
でも分かるよ、魔力増えるの嬉しいよね。
「なんだとっ! おい!ワルドッ」
「ルルの了解は取ってる」
「なんだそうなのか。ルルの奴ウヅキとお前しか報告してねぇぞ。あいつ面倒くさがりやがって」
あれ? グレオ君はやったら駄目だったのかな?
ギルドマスターの反応に、グレオ君と顔を見合わせているとギルドマスターはグレオ君の頭をガシガシと撫でた。
「魔力切れして魔力増やそうなんざ、この無茶な坊主とそれに対抗する馬鹿ぐらいかと思ってたんだがなぁ。もう一人いたか。グレオ、魔力切れは身体が辛いし腹も減る。あまり無理するなよ」
「最初は辛かったけど、今は慣れたので大丈夫です!」
無茶な坊主って俺? 対抗する馬鹿ってワルドさん? なんか酷い言われ方だけど、俺については間違ってないのがなあ。
反論出来ない。
「そうか、腹が減ってどうしようもねぇ時はワルドに食える魔物狩って貰えよ。魔力が回復するのは魔物肉だからな。ワルド分かってんだろうな」
「そんなもん、とっくに食わせてるって」
「お、俺も角兎なら狩れる様になりましたから」
「あれじゃ回復が足りねえんだよなあ。まあ、お前はワルドのパーティーの一員なんだから遠慮せずに食わして貰え。素材奪取を取れたんだ。これからはお前もそれなりに稼げる様になってくだろうから気にすんな」
ぽんぽんとギルドマスターがグレオ君の頭に手を乗せる。
あれ、なんか俺の時と違ってギルドマスター優しくない? なんで俺はトラブルメーカー扱いなのかなあ。
「あぁ、でも本当に俺も素材奪取取れたのかな? こんなに簡単に?」
解体場からのギルドマスターの部屋へと戻りながら、俺達刃浮かれてたんだ。
二人共解体は上手く出来て、解体師さんに褒められたしなんと魔石も取れた。
鑑定してみると、グレオ君の能力に素材奪取はしっかり載っている。
そうだよ、グレオ君取れたんだよ一回でだよ、凄いよね。
「だって、俺も魔石取れたけどグレオ君も取れたじゃないか、だから素材奪取取れたんじゃないかな。ギルドマスターのところに鑑定の魔道具あるよね。見てもらおうよ」
ウキウキと俺達はギルドマスターの部屋に向かっていたんだ。
解体場の人達に差し入れを渡した後、ギルドマスターの指示を伝えると解体師長さんが快く練習を承諾してくれたんだ。
渡されたのは角兎。魔石が無いのは確認済みって言われたけど、実は素材奪取って解体の時にも発動するんだよね。だから俺が解体すれば結構な確率で魔石が取れるんだよ。
グレオ君には「魔石が欲しいって強く念じながらやるといいよ」と教えて俺達は解体を始めた。
そしたら俺はしっかり魔石が取れて、グレオ君も同じく取れたんだよ。
解体師長さんは、俺が何回かここで自分が狩った魔物の解体をしていてその度に魔石を取ってるのを知ってるから、俺については驚いてなかったけどグレオ君も同じ様に魔石を取り出した時は驚いてたみたいだ。
解体前の角兎に魔石が無いのは解体師長さんが確認済だったから、魔石が取れたのは俺達の能力が鑑定しているからってことで、取れた魔石を貰えてラッキーだった。
解体師長が素材奪取の能力があるなら、レベルを上げると魔石以外の物も魔物を狩る時に落ちる様になるから頑張れって教えてくれた。
解体の時は魔石以外は取れないらしいけど、狩りの時はそうなんだって。
大神様の言ってたのとちょっと違う気がするけれどまあいいか。
そんなわけで俺達は意気揚々とギルドマスターの部屋に向かっていたんだ。
「戻りました!」
扉をノックして入室許可をもらった俺達は、室内の空気の重さに笑顔を引っ込めた。
なんだろこの暗さ、何かあったのかな。
「遅くなって申し訳ありません」
「そんなの気にすんな。解体は上手くいったか」
「はい、上手く解体できました」
「あの、俺素材奪取を取れたかもしれないんです!」
無言のゲルトさんとワルドさんに対して、ギルドマスターはいつもの口調で俺達に尋ねた。
二人共何かあったのかな、心配しつつグレオ君の鑑定結果が気になってそわそわする。
俺の鑑定では見えてるけど、本人に言われてないのに見たなんて言えないもん。
「どれ、これに触ってみろ」
「はい」
窓側の机の上にあった魔道具をグレオ君に触らせて、ギルドマスターが鑑定結果を確認する。
「確かにあるな。急にどうした」
「ええと、ウヅキに取り方教えられて頑張ったから?」
グレオ君は自信なさそうに言うけれど、俺は胸を張って大きく頷いた。でもギルドマスターは不思議そうな顔してる。
「ウヅキ、今度は何やったんだ」
がしっと両肩を掴まれて、ギルドマスターの怖い顔が俺をじいっと見る。
ゲルトさんも大きいけれど、鬼人族のギルドマスターは滅茶苦茶大きいし力が強いんだよ。
「いっ、痛っ! な、今度はって、魔石が欲しいって念じながらやると良いって言っただけですよ」
「ウヅキ、後もう一つ思い込み大事って言ってたよな。絶対に出来るって信じるのが大事って。俺そう言われたから出来る出来るって思いながら魔石取れろって念じたんだぞ」
あ、そう言えば言ったかも。
「そんなんで取っちまったのか。しかもなんだこの体力と魔力量。レベル上がってねえのになんでこんなに増えてんだよ、グレオ何やったんだ」
「毎晩魔力切れになるように頑張ってますっ!」
グレオ君、相当嬉しいんだろうなあ。
胸張って両手腰に当てて、えっへんって感じになってる。
でも分かるよ、魔力増えるの嬉しいよね。
「なんだとっ! おい!ワルドッ」
「ルルの了解は取ってる」
「なんだそうなのか。ルルの奴ウヅキとお前しか報告してねぇぞ。あいつ面倒くさがりやがって」
あれ? グレオ君はやったら駄目だったのかな?
ギルドマスターの反応に、グレオ君と顔を見合わせているとギルドマスターはグレオ君の頭をガシガシと撫でた。
「魔力切れして魔力増やそうなんざ、この無茶な坊主とそれに対抗する馬鹿ぐらいかと思ってたんだがなぁ。もう一人いたか。グレオ、魔力切れは身体が辛いし腹も減る。あまり無理するなよ」
「最初は辛かったけど、今は慣れたので大丈夫です!」
無茶な坊主って俺? 対抗する馬鹿ってワルドさん? なんか酷い言われ方だけど、俺については間違ってないのがなあ。
反論出来ない。
「そうか、腹が減ってどうしようもねぇ時はワルドに食える魔物狩って貰えよ。魔力が回復するのは魔物肉だからな。ワルド分かってんだろうな」
「そんなもん、とっくに食わせてるって」
「お、俺も角兎なら狩れる様になりましたから」
「あれじゃ回復が足りねえんだよなあ。まあ、お前はワルドのパーティーの一員なんだから遠慮せずに食わして貰え。素材奪取を取れたんだ。これからはお前もそれなりに稼げる様になってくだろうから気にすんな」
ぽんぽんとギルドマスターがグレオ君の頭に手を乗せる。
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