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迷宮の物とワルドさんの能力取得5
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「あの、だって俺、ごめんなさい」
俺は何が悪かったのか分からなくて、でも皆の表情から駄目なことしたんだって、それだけは理解したから謝らなくちゃって思ったんだ。
「ウヅ、謝る必要はない」
「そうじゃよ、ウヅキ君謝る事など何もしていないじゃろう?」
「でも、俺」
俺が何かして、何か理解をしてなくて、だからルル先生が。
「俺、ごめんなさい。馬鹿だから、俺」
怒ってるんじゃない、多分心配されてる。
それは俺が弱いから? それとも馬鹿すぎて呆れられた?
失敗ばかりしてたら、俺は呆れられて嫌われてしまう?
あぁ、俺は大神様が言っていた通りだ、嫌われるのが怖い、捨てられたらと思うと怖くて仕方なくなる。
大神様に言われたのに、信じなくちゃいけないのに。
「き、きら」
嫌わないで。そう言いそうになって両手で口を塞ぐ。
感情を隠していられない。そう大神様は言ったけれど、言っていいことと駄目なことはあるんだ。
「ウヅ? どうした気分が悪いのか」
両手で口を抑えたまま、首を横に振る。
注意されて、理解出来ないまま謝ったあげくに嫌わないでなんて言うなんて、ウザい奴以外のなんだと言うのだろう。
「わ、わかんない。ご、ごめんなさい」
ルル先生が何を駄目だと言ってるのが分からないんだ。
だって、俺が痛いだけなら、俺は痛いのなんか平気だから。
怪我したっていいって思ったんだ。俺は大丈夫だから、俺なんて怪我したっていいんだから。
「ねえ、ウヅキ君。あなたがグレオを守りたかった様に私達はウヅキ君のことも守りたいのよ」
「え」
俺を守りたい?
俺は心の底から驚いて目を見張る。
どうして、どうして俺なんかを?
「ウヅキ、なんでそこでそんなに驚くんだよ」
「だって、俺なんか、そんな価値ないのに」
誰の役にも立てない。
俺を守りたいなんて、そんなのどうして?
「価値なんて、誰が決めるんだウヅ。お前を守りたいと思うことに条件なんか必要ないだろ」
「そうじゃよ。ウヅキ君、私達はウヅキ君に怪我をして欲しくない、悲しい思いをして欲しくない。辛い思いも苦しみもじゃ」
どうして、俺なんかにどうして。
「だって俺は役立たずな馬鹿だから、生きてる価値なんかないのに」
愛されたい、愛したい。
少しでも役に立てたなら、ニルスさん達はゲルトさんは俺を愛してくれるだろうか。
魔法の練習も、毎朝の稽古も、料理も全部根底にあったのはそれだった。
捨てないで、俺を愛して。
怪我をしても、苦しくても俺頑張るから。
「まあ、ウヅキは馬鹿だな。それは確かにそうだ、ゲルトやニルス会頭がこれだけおめぇを大事に思ってんのに分かんねぇんだから、大馬鹿者だな」
「ウヅキ君。あなたがグレオを逃したのは彼を守るため、それと同じ様に私達はあなたを守りたいの。怪我なんてして欲しくないのよ。痛いのに慣れているから平気だなんて、そんな風に言って欲しくないの」
でも、俺。
「ウヅキ君は、自分の目の前でゲルトが怪我をしたら何て思うの?」
「ゲルトさんが怪我、俺の前で? そんなの考えたくありません。目の前でそんな風になったら、俺怪我させたこと後悔しちゃう」
「そうでしょ、私達だって同じ様に思うわ。どうしてあなたに怪我をさせてしまったのか、どうして守れなかったのかってね。悲しむし後悔するわ」
俺が怪我をしたら? 後悔する? 悲しむ?
「どうして、俺なんかを?」
俺なんか怪我しても、そんなの放置していていいのに。
大神様、俺やっぱり分かんないよ。
だって、俺はそんな風に思ってもらえる価値なんかないんだ。
「お前なぁ。だーっ、ルル分かった。こいつは絶対に依頼は一人じゃ受けさせねえ。ゲルトが側にいらんねえなら俺が一緒に受ける。そうじゃなきゃ、駄目だ」
「ワルドさん、俺そんなに頼りないですか」
魔法いっぱい覚えてて、魔力も体力もあるんだって見せたらいいのかと思ってたのに。どうして?
「そうじゃない、ウヅ」
「ゲルトさんも、俺が弱いから同じこというんですね」
俺の心の弱さが、周りに心配させる原因なんだろうか。
俺が強くなれば、いいのかな。
強くなって、役に立って、そしたら俺は捨てられても平気になるのだろうか。
「俺はやるぞ、ウヅキ。魔力切れして魔力増やして魔法も覚えてやるからな。子供のお前に出来るなら俺にだってやれる筈だ」
「ワルド何を急にやる気になってるのよ」
「うっせぇよ。やる気になって悪ぃのかよ」
「悪くはないわ。ワルドは頭が硬いだけだもの、実力はあるのよ」
いいなあ、俺も自信が欲しい。そしたら怖くないのに。
楽しそうな二人の会話に、俺は羨望の眼差しを向けたんだ。
俺は何が悪かったのか分からなくて、でも皆の表情から駄目なことしたんだって、それだけは理解したから謝らなくちゃって思ったんだ。
「ウヅ、謝る必要はない」
「そうじゃよ、ウヅキ君謝る事など何もしていないじゃろう?」
「でも、俺」
俺が何かして、何か理解をしてなくて、だからルル先生が。
「俺、ごめんなさい。馬鹿だから、俺」
怒ってるんじゃない、多分心配されてる。
それは俺が弱いから? それとも馬鹿すぎて呆れられた?
失敗ばかりしてたら、俺は呆れられて嫌われてしまう?
あぁ、俺は大神様が言っていた通りだ、嫌われるのが怖い、捨てられたらと思うと怖くて仕方なくなる。
大神様に言われたのに、信じなくちゃいけないのに。
「き、きら」
嫌わないで。そう言いそうになって両手で口を塞ぐ。
感情を隠していられない。そう大神様は言ったけれど、言っていいことと駄目なことはあるんだ。
「ウヅ? どうした気分が悪いのか」
両手で口を抑えたまま、首を横に振る。
注意されて、理解出来ないまま謝ったあげくに嫌わないでなんて言うなんて、ウザい奴以外のなんだと言うのだろう。
「わ、わかんない。ご、ごめんなさい」
ルル先生が何を駄目だと言ってるのが分からないんだ。
だって、俺が痛いだけなら、俺は痛いのなんか平気だから。
怪我したっていいって思ったんだ。俺は大丈夫だから、俺なんて怪我したっていいんだから。
「ねえ、ウヅキ君。あなたがグレオを守りたかった様に私達はウヅキ君のことも守りたいのよ」
「え」
俺を守りたい?
俺は心の底から驚いて目を見張る。
どうして、どうして俺なんかを?
「ウヅキ、なんでそこでそんなに驚くんだよ」
「だって、俺なんか、そんな価値ないのに」
誰の役にも立てない。
俺を守りたいなんて、そんなのどうして?
「価値なんて、誰が決めるんだウヅ。お前を守りたいと思うことに条件なんか必要ないだろ」
「そうじゃよ。ウヅキ君、私達はウヅキ君に怪我をして欲しくない、悲しい思いをして欲しくない。辛い思いも苦しみもじゃ」
どうして、俺なんかにどうして。
「だって俺は役立たずな馬鹿だから、生きてる価値なんかないのに」
愛されたい、愛したい。
少しでも役に立てたなら、ニルスさん達はゲルトさんは俺を愛してくれるだろうか。
魔法の練習も、毎朝の稽古も、料理も全部根底にあったのはそれだった。
捨てないで、俺を愛して。
怪我をしても、苦しくても俺頑張るから。
「まあ、ウヅキは馬鹿だな。それは確かにそうだ、ゲルトやニルス会頭がこれだけおめぇを大事に思ってんのに分かんねぇんだから、大馬鹿者だな」
「ウヅキ君。あなたがグレオを逃したのは彼を守るため、それと同じ様に私達はあなたを守りたいの。怪我なんてして欲しくないのよ。痛いのに慣れているから平気だなんて、そんな風に言って欲しくないの」
でも、俺。
「ウヅキ君は、自分の目の前でゲルトが怪我をしたら何て思うの?」
「ゲルトさんが怪我、俺の前で? そんなの考えたくありません。目の前でそんな風になったら、俺怪我させたこと後悔しちゃう」
「そうでしょ、私達だって同じ様に思うわ。どうしてあなたに怪我をさせてしまったのか、どうして守れなかったのかってね。悲しむし後悔するわ」
俺が怪我をしたら? 後悔する? 悲しむ?
「どうして、俺なんかを?」
俺なんか怪我しても、そんなの放置していていいのに。
大神様、俺やっぱり分かんないよ。
だって、俺はそんな風に思ってもらえる価値なんかないんだ。
「お前なぁ。だーっ、ルル分かった。こいつは絶対に依頼は一人じゃ受けさせねえ。ゲルトが側にいらんねえなら俺が一緒に受ける。そうじゃなきゃ、駄目だ」
「ワルドさん、俺そんなに頼りないですか」
魔法いっぱい覚えてて、魔力も体力もあるんだって見せたらいいのかと思ってたのに。どうして?
「そうじゃない、ウヅ」
「ゲルトさんも、俺が弱いから同じこというんですね」
俺の心の弱さが、周りに心配させる原因なんだろうか。
俺が強くなれば、いいのかな。
強くなって、役に立って、そしたら俺は捨てられても平気になるのだろうか。
「俺はやるぞ、ウヅキ。魔力切れして魔力増やして魔法も覚えてやるからな。子供のお前に出来るなら俺にだってやれる筈だ」
「ワルド何を急にやる気になってるのよ」
「うっせぇよ。やる気になって悪ぃのかよ」
「悪くはないわ。ワルドは頭が硬いだけだもの、実力はあるのよ」
いいなあ、俺も自信が欲しい。そしたら怖くないのに。
楽しそうな二人の会話に、俺は羨望の眼差しを向けたんだ。
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