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依頼達成1
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「グレオさん、ウヅキさんお帰りなさい。ご無事で良かった、安心しました」
「リサさん、はい怪我なく帰ってきました」
ワルドさん作踏み台に乗って机にカゴを置いて、リサさんと話す。
「グレオさんもお怪我ありませんか」
「は、はい大丈夫です。あの、俺」
グレオ君は少し元気なく、カゴを机に置いた。
「俺、納品があの」
「グレオさんは薬草と魔草、ウヅキさんは薬草の採取でしたね」
「はい。あの、俺のは」
「リサさん、俺のこれです」
勢いよくカゴから薬草を取り出し、机の上に並べる。
「え」
グレオ君は自分のカゴの中を見て、小さく声を上げた。
「あの、リサさん。魔草も見つけたんです。こっちは毒草です」
「では確認しますね。こちらの箱に入れていただけますか。グレオさんはこちらの箱にお願いします」
「はい」
「あの、俺。ええと、これです」
グレオ君は何故か俺の方を困った様な顔で見ながら、薬草を箱に入れていく。
薬草を入れた箱と一緒にカゴを返却し、確認を待つ。
「では確認しますのでお待ち下さいね。ええと、はいウヅキさんは薬草採取依頼分の数があること確認しました。間違って採取しているものは無いですね。あとこちらの魔草と毒草も採取依頼の数を満たしていますが、依頼分としますか?」
「はい、お願いします」
「では、魔草、毒草の依頼を達成として、本日三件依頼達成となります。採取初めてで間違いなくしかも状態も良かったです。ウヅキさん頑張りましたね。依頼料のお支払いはあちらの会計で行いますので、こちらを会計に渡して依頼料を受け取って下さいね」
リサさんはニコリと笑いながら、労ってくれた。
依頼料の内容が書かれた紙を受け取る。
初めての依頼料だ。
踏み台から下りて台を机と机の間に戻してから、もう一度紙を眺める。金額はそんな多くないけど、達成したっていう事実が嬉しかった。
「グレオさんの採取したものも状態がいいですね。こちらも問題ありませんので、グレオさんは本日の依頼ニ件の達成で下級冒険者の昇級試験の資格を得た事になりますが、試験の手続きはなさいますか」
「あの、俺」
「グレオ君?」
グレオ君は何故か頷かない。
どうしたんだろう、昇級試験の中で下級試験だけは無料で受けられると聞いてるから、お金の問題じゃない筈だけど、
「リサさん、俺下級にもし上がってもちゃんと魔物狩れるかな」
「下級試験は魔法使いの場合攻撃魔法がきちんと使えるかどうかを、ギルド内の魔法練習場で的を使い確認します。下級試験に受かるだけの実力があるなら下級冒険者が受けられる魔物狩りは達成出来る筈です」
「試験に受かるなら、ですか」
自信がないのかな、そうだよねこの間魔法を覚えたばかりだもん。
俺だって全然使いこなせてないし、初級冒険者ならこの程度のレベルなんだと思う。
「俺、魔法まだちゃんと使えないからもう少し練習してから試験受けます。それでもいいですか」
「勿論です。下級試験が無料なのは三回までですから、一度受けてみて駄目だったら、二回目は間を置いて受けるという事も出来ますので、ご検討下さいませ」
「はい、ありがとうございます。よく考えます」
ぺこりと頭を下げたグレオ君は精算の紙を貰い、少し俯きながら俺の手を引いて会計の方へ歩き出したんだ。
「ウヅキ」
「なあに?」
「俺のあれ、ウヅキがやった?」
グレオ君はなんだか悲しそうな顔で、俺に聞いたんだ。
「リサさん、はい怪我なく帰ってきました」
ワルドさん作踏み台に乗って机にカゴを置いて、リサさんと話す。
「グレオさんもお怪我ありませんか」
「は、はい大丈夫です。あの、俺」
グレオ君は少し元気なく、カゴを机に置いた。
「俺、納品があの」
「グレオさんは薬草と魔草、ウヅキさんは薬草の採取でしたね」
「はい。あの、俺のは」
「リサさん、俺のこれです」
勢いよくカゴから薬草を取り出し、机の上に並べる。
「え」
グレオ君は自分のカゴの中を見て、小さく声を上げた。
「あの、リサさん。魔草も見つけたんです。こっちは毒草です」
「では確認しますね。こちらの箱に入れていただけますか。グレオさんはこちらの箱にお願いします」
「はい」
「あの、俺。ええと、これです」
グレオ君は何故か俺の方を困った様な顔で見ながら、薬草を箱に入れていく。
薬草を入れた箱と一緒にカゴを返却し、確認を待つ。
「では確認しますのでお待ち下さいね。ええと、はいウヅキさんは薬草採取依頼分の数があること確認しました。間違って採取しているものは無いですね。あとこちらの魔草と毒草も採取依頼の数を満たしていますが、依頼分としますか?」
「はい、お願いします」
「では、魔草、毒草の依頼を達成として、本日三件依頼達成となります。採取初めてで間違いなくしかも状態も良かったです。ウヅキさん頑張りましたね。依頼料のお支払いはあちらの会計で行いますので、こちらを会計に渡して依頼料を受け取って下さいね」
リサさんはニコリと笑いながら、労ってくれた。
依頼料の内容が書かれた紙を受け取る。
初めての依頼料だ。
踏み台から下りて台を机と机の間に戻してから、もう一度紙を眺める。金額はそんな多くないけど、達成したっていう事実が嬉しかった。
「グレオさんの採取したものも状態がいいですね。こちらも問題ありませんので、グレオさんは本日の依頼ニ件の達成で下級冒険者の昇級試験の資格を得た事になりますが、試験の手続きはなさいますか」
「あの、俺」
「グレオ君?」
グレオ君は何故か頷かない。
どうしたんだろう、昇級試験の中で下級試験だけは無料で受けられると聞いてるから、お金の問題じゃない筈だけど、
「リサさん、俺下級にもし上がってもちゃんと魔物狩れるかな」
「下級試験は魔法使いの場合攻撃魔法がきちんと使えるかどうかを、ギルド内の魔法練習場で的を使い確認します。下級試験に受かるだけの実力があるなら下級冒険者が受けられる魔物狩りは達成出来る筈です」
「試験に受かるなら、ですか」
自信がないのかな、そうだよねこの間魔法を覚えたばかりだもん。
俺だって全然使いこなせてないし、初級冒険者ならこの程度のレベルなんだと思う。
「俺、魔法まだちゃんと使えないからもう少し練習してから試験受けます。それでもいいですか」
「勿論です。下級試験が無料なのは三回までですから、一度受けてみて駄目だったら、二回目は間を置いて受けるという事も出来ますので、ご検討下さいませ」
「はい、ありがとうございます。よく考えます」
ぺこりと頭を下げたグレオ君は精算の紙を貰い、少し俯きながら俺の手を引いて会計の方へ歩き出したんだ。
「ウヅキ」
「なあに?」
「俺のあれ、ウヅキがやった?」
グレオ君はなんだか悲しそうな顔で、俺に聞いたんだ。
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