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無事に帰ってこれたんだ2
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「ウヅ、疲れたなら家に戻るか何も今日無理して報告する必要はない」
「駄目です。俺、依頼の報告しないと」
ゴブリンとオークと対峙しながらも背負っていた籠は死守していた。
グレオ君も籠を背負ったままだから、採取した薬草と魔草は持っている筈。
「依頼」
「俺達薬草採取の依頼受けてたんです。提出期限はまだあるけれど、少しでも薬草が元気なうちに納品しなきゃ」
薬草の品質と言いながら、本当は初めての依頼をちゃんと達成したいというだけだった。
グレオ君は今日の依頼を達成すると初級冒険者の依頼分を完了できるって言ってたんだ。だったら絶対に完了したい。
「そうか。そういう気持ちは大事だぞ」
片腕抱きしたままゲルトさんは俺の頭を撫でてくれる。
森の中を歩く間、俺はゲルトさんに抱っこされているのを良い事に、べったりとくっ付いて甘えていたしグレオ君は若干挙動不審になりながらもワルドさんと一生懸命会話していた。
トロールは中級冒険者パーティーが狩りの対象にしてる魔物で、初級冒険者が狩る様なものではないのだと歩きながらゲルトさんが教えてくれた。
魔物をちょっと狩れる様になったとはいえ、俺が狩れるのはコボルト程度までだからトロールはまだまだ格上の魔物っていうことだ。それを聞くと死にかけても仕方ないかなと思う。
「ゲルト、過保護も程ほどにしておけよ。グレオは大丈夫だな」
「は、はい。大丈夫です。俺、何もしてないですから」
グレオ君は俺を置いていったのを気にしている。
俺にとってはあれが最適だと思ってるけれど、グレオ君にとってあれは俺を置いて逃げたっていう認識らしいんだ。
多分というか絶対、グレオ君が一緒にいたら俺はあんな風に戦えなかった。
まだコボルトすら狩ったことがないグレオ君は攻撃魔法だって自在には操れないという、俺だって風神の刃は発動するので精一杯で込める魔力量の調整も出来なければ、魔物のどこに魔法を向けるのかというコントロールも出来ない。
ルル先生の言う通り、実戦ではまだ使えない魔法なんだ。
でもあれが俺が使える魔法の最大で、本当ならトロールに効果的に使える筈の雷魔法や火魔法は練習不足で使う選択肢にさえ入れられなかった。
「どうした」
「俺、全然駄目だなって。ゲルトさんが来てくれなかったらと思うと、怖くて」
「間に合って良かった。トロールは俺にはどうでもいい魔物だが、ウヅに棍棒を振り下ろしている姿を見た時は肝が冷えた」
「ゲルトさんはあれを一撃で狩っちゃうんですから、凄いです」
もう駄目だと思った瞬間現れたゲルトさんは、もう奇跡みたいに簡単にトロールを倒したんだ。
本当にあれは恰好良かった。
なんであの時カメラとか持ってなかったんだろう。
持っていたら、あの瞬間を動画にしたのに。そして何度も何度もその動画を見て、ゲルトさんの恰好良い姿を繰り返し見れたのに。
「ふ。そんな風に言われる程怖い魔物じゃないぞ。ウヅだってすぐに狩れるようになる」
「そうでしょうか」
「そうでしょうかじゃない。ウヅは俺とパーティーを組んでるんだからあの程度は余裕で狩れる様にならないと」
「……そうですね。俺、魔法の練習してトロールなんて雑魚だって言えるくらいになれる様に頑張ります」
そうか、ゲルトさんのパーティ―メンバーってそういうことだ。
俺、もっともっと努力しなきゃ。
ゲルトさんが不安なく冒険者活動が出来る様に、俺実力付けなくちゃ。
「ゲルトさんみたいに、強くなりたいです」
「ふっ。ウヅの希望は簡単だな。俺程度なんていくらでもいる」
「そんな事ないです。ゲルトさんは凄いです。凄くて恰好良かったです」
俺は想いを打ち明けた後、ぎゅうっとゲルトさんの首にしがみ付いたんだ。
「駄目です。俺、依頼の報告しないと」
ゴブリンとオークと対峙しながらも背負っていた籠は死守していた。
グレオ君も籠を背負ったままだから、採取した薬草と魔草は持っている筈。
「依頼」
「俺達薬草採取の依頼受けてたんです。提出期限はまだあるけれど、少しでも薬草が元気なうちに納品しなきゃ」
薬草の品質と言いながら、本当は初めての依頼をちゃんと達成したいというだけだった。
グレオ君は今日の依頼を達成すると初級冒険者の依頼分を完了できるって言ってたんだ。だったら絶対に完了したい。
「そうか。そういう気持ちは大事だぞ」
片腕抱きしたままゲルトさんは俺の頭を撫でてくれる。
森の中を歩く間、俺はゲルトさんに抱っこされているのを良い事に、べったりとくっ付いて甘えていたしグレオ君は若干挙動不審になりながらもワルドさんと一生懸命会話していた。
トロールは中級冒険者パーティーが狩りの対象にしてる魔物で、初級冒険者が狩る様なものではないのだと歩きながらゲルトさんが教えてくれた。
魔物をちょっと狩れる様になったとはいえ、俺が狩れるのはコボルト程度までだからトロールはまだまだ格上の魔物っていうことだ。それを聞くと死にかけても仕方ないかなと思う。
「ゲルト、過保護も程ほどにしておけよ。グレオは大丈夫だな」
「は、はい。大丈夫です。俺、何もしてないですから」
グレオ君は俺を置いていったのを気にしている。
俺にとってはあれが最適だと思ってるけれど、グレオ君にとってあれは俺を置いて逃げたっていう認識らしいんだ。
多分というか絶対、グレオ君が一緒にいたら俺はあんな風に戦えなかった。
まだコボルトすら狩ったことがないグレオ君は攻撃魔法だって自在には操れないという、俺だって風神の刃は発動するので精一杯で込める魔力量の調整も出来なければ、魔物のどこに魔法を向けるのかというコントロールも出来ない。
ルル先生の言う通り、実戦ではまだ使えない魔法なんだ。
でもあれが俺が使える魔法の最大で、本当ならトロールに効果的に使える筈の雷魔法や火魔法は練習不足で使う選択肢にさえ入れられなかった。
「どうした」
「俺、全然駄目だなって。ゲルトさんが来てくれなかったらと思うと、怖くて」
「間に合って良かった。トロールは俺にはどうでもいい魔物だが、ウヅに棍棒を振り下ろしている姿を見た時は肝が冷えた」
「ゲルトさんはあれを一撃で狩っちゃうんですから、凄いです」
もう駄目だと思った瞬間現れたゲルトさんは、もう奇跡みたいに簡単にトロールを倒したんだ。
本当にあれは恰好良かった。
なんであの時カメラとか持ってなかったんだろう。
持っていたら、あの瞬間を動画にしたのに。そして何度も何度もその動画を見て、ゲルトさんの恰好良い姿を繰り返し見れたのに。
「ふ。そんな風に言われる程怖い魔物じゃないぞ。ウヅだってすぐに狩れるようになる」
「そうでしょうか」
「そうでしょうかじゃない。ウヅは俺とパーティーを組んでるんだからあの程度は余裕で狩れる様にならないと」
「……そうですね。俺、魔法の練習してトロールなんて雑魚だって言えるくらいになれる様に頑張ります」
そうか、ゲルトさんのパーティ―メンバーってそういうことだ。
俺、もっともっと努力しなきゃ。
ゲルトさんが不安なく冒険者活動が出来る様に、俺実力付けなくちゃ。
「ゲルトさんみたいに、強くなりたいです」
「ふっ。ウヅの希望は簡単だな。俺程度なんていくらでもいる」
「そんな事ないです。ゲルトさんは凄いです。凄くて恰好良かったです」
俺は想いを打ち明けた後、ぎゅうっとゲルトさんの首にしがみ付いたんだ。
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