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魔石の買取額は?3
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怖くて視線をゲルトさんに合わせられない。
どうしよう。
急に鑑定が出来るとか、絶対におかしいよね。
あ、でも魔法だって急に出来る様になったんだから、急に鑑定が出来てもおかしくないのかな。
でも、そう何度も同じ様に出来る様になるのって変だって思われないだろうか、変だって思ってこんな奴と一緒にいるの嫌だって思って、そして……。
「ウヅ」
「は、はいっ!」
ひょいっと体を持ち上げられて、ゲルトさんの膝を跨いで向かい合わせに座らせられる。
そしてそのまま、ぎゅっと抱きしめられて、背中をトントンってしてくれる。
「お前が何を不安になっているか分からないが。何があっても俺はずっと、ずっとお前といる。ずっと一緒だ、約束する」
どうして不安になっているって分かるんだろう。
また、耳としっぽが自己主張しちゃったのかな。
「俺が信用出来ないか?」
「信用してます。信じてます」
だけど俺は多分変だと思われて当然だ。
大神様は過保護な程に俺に色んなものをくれたんだ、それって俺にはとってもありがたいけれど俺がこの世界に来た理由を知らない人達から見たら絶対におかしい存在なんだって、俺の頭でも分かるんだ。
「ゲルトさん、俺とずっと一緒にいてくれますか」
「ああ、勿論。そのつもりだ」
ゲルトさんは躊躇うそぶりも無しに即答してくれるから、俺は胸の奥がジンと熱くなる。
「ゲルトさん。ゲルトさん」
ぐりぐりと顔をゲルトさんの胸に摺り寄せて、俺の短い腕をゲルトさんの体に伸ばしてぎゅうっと抱き着いた。
「ふ。疲れたなら寝ておけ、俺が買い取りの手続きを終わらせておく」
「大丈夫です。疲れてないです。買い取って貰ったら状態回復薬を買って、それからゲルトさんと串焼きを買って帰るんです」
「そうだな」
帰るって良い言葉だ。
俺には家が出来たんだ。
実感は全然ないけれど、ニルスさんとマリアさんは俺の養い親になってくれて、あの家は俺の家でもあるんだ。
母さんと暮らしたアパートは、家だと思えなかった。
あそこは、俺には辛い場所で、でも母さんと暮らす場所だった。
同級生が楽しそうに家に帰る姿が羨ましかった、あんな風に俺も家に帰るのが楽しいと思える暮らしがしたかった。
「ゲルトさん、お家に帰ったら剣の練習付き合って貰ってもいいですか?」
「まだ練習するのか? 本当に疲れてないのか?」
「はい。ゲルトさんと練習したいです」
家に帰ると言いたくて、ゲルトさんにおねだりする。
剣の練習は好きだ。だって、ゲルトさんを独占できちゃうんだ。それって、最高だ。
「そうか」
「はい。ゲルトさん、早く一緒に依頼受けられるようになりたいです」
「そうだな。でも何回か薬草採取の依頼は受けないとな」
「はい。初心者は絶対にやらないといけないんですよね」
「そうだ。薬草は冒険者なら誰でも世話になるものだ。だからどんな風に生えているのか、どういう風に採取するといいのかしっかり覚えないといけない」
「旅の間にゲルトさんに教えて貰いましたけど、依頼を受けて採取したものを確認して貰うのは必要なんですね」
「ああ。旅の間は俺が良し悪しを判断したが、それを自分だけでやって依頼達成出来なければ覚えたとはいえないからな、頑張るんだぞ」
「はい。ゲルトさん」
頭を撫でられながらゲルトさんの低い声を聞いて、そうされながら温かい腕の中にいるとなんだか眠くなってくる。
「ゲルトさん」
ずっと側にいて下さい。
俺を側に置いて下さい。
言葉には出来ないから、ゲルトさんの体にしがみ付く腕に力を籠める。
「寝てろ。俺が買い取りは終わらせておく」
「は……い」
それじゃ駄目だと思うのに、眠くてたまらなくて瞼が閉じてしまう。
「ゲルトさん」
側にいて、離れないで。
眠る時って不安なんだ。一人にされるんじゃないかって、怖いんだ。
「大丈夫だ、ウヅ。こうしてお前を抱いているから安心して眠れ」
「は……」
優しいゲルトさんの声に俺はとうとう意識を手放したんだ。
どうしよう。
急に鑑定が出来るとか、絶対におかしいよね。
あ、でも魔法だって急に出来る様になったんだから、急に鑑定が出来てもおかしくないのかな。
でも、そう何度も同じ様に出来る様になるのって変だって思われないだろうか、変だって思ってこんな奴と一緒にいるの嫌だって思って、そして……。
「ウヅ」
「は、はいっ!」
ひょいっと体を持ち上げられて、ゲルトさんの膝を跨いで向かい合わせに座らせられる。
そしてそのまま、ぎゅっと抱きしめられて、背中をトントンってしてくれる。
「お前が何を不安になっているか分からないが。何があっても俺はずっと、ずっとお前といる。ずっと一緒だ、約束する」
どうして不安になっているって分かるんだろう。
また、耳としっぽが自己主張しちゃったのかな。
「俺が信用出来ないか?」
「信用してます。信じてます」
だけど俺は多分変だと思われて当然だ。
大神様は過保護な程に俺に色んなものをくれたんだ、それって俺にはとってもありがたいけれど俺がこの世界に来た理由を知らない人達から見たら絶対におかしい存在なんだって、俺の頭でも分かるんだ。
「ゲルトさん、俺とずっと一緒にいてくれますか」
「ああ、勿論。そのつもりだ」
ゲルトさんは躊躇うそぶりも無しに即答してくれるから、俺は胸の奥がジンと熱くなる。
「ゲルトさん。ゲルトさん」
ぐりぐりと顔をゲルトさんの胸に摺り寄せて、俺の短い腕をゲルトさんの体に伸ばしてぎゅうっと抱き着いた。
「ふ。疲れたなら寝ておけ、俺が買い取りの手続きを終わらせておく」
「大丈夫です。疲れてないです。買い取って貰ったら状態回復薬を買って、それからゲルトさんと串焼きを買って帰るんです」
「そうだな」
帰るって良い言葉だ。
俺には家が出来たんだ。
実感は全然ないけれど、ニルスさんとマリアさんは俺の養い親になってくれて、あの家は俺の家でもあるんだ。
母さんと暮らしたアパートは、家だと思えなかった。
あそこは、俺には辛い場所で、でも母さんと暮らす場所だった。
同級生が楽しそうに家に帰る姿が羨ましかった、あんな風に俺も家に帰るのが楽しいと思える暮らしがしたかった。
「ゲルトさん、お家に帰ったら剣の練習付き合って貰ってもいいですか?」
「まだ練習するのか? 本当に疲れてないのか?」
「はい。ゲルトさんと練習したいです」
家に帰ると言いたくて、ゲルトさんにおねだりする。
剣の練習は好きだ。だって、ゲルトさんを独占できちゃうんだ。それって、最高だ。
「そうか」
「はい。ゲルトさん、早く一緒に依頼受けられるようになりたいです」
「そうだな。でも何回か薬草採取の依頼は受けないとな」
「はい。初心者は絶対にやらないといけないんですよね」
「そうだ。薬草は冒険者なら誰でも世話になるものだ。だからどんな風に生えているのか、どういう風に採取するといいのかしっかり覚えないといけない」
「旅の間にゲルトさんに教えて貰いましたけど、依頼を受けて採取したものを確認して貰うのは必要なんですね」
「ああ。旅の間は俺が良し悪しを判断したが、それを自分だけでやって依頼達成出来なければ覚えたとはいえないからな、頑張るんだぞ」
「はい。ゲルトさん」
頭を撫でられながらゲルトさんの低い声を聞いて、そうされながら温かい腕の中にいるとなんだか眠くなってくる。
「ゲルトさん」
ずっと側にいて下さい。
俺を側に置いて下さい。
言葉には出来ないから、ゲルトさんの体にしがみ付く腕に力を籠める。
「寝てろ。俺が買い取りは終わらせておく」
「は……い」
それじゃ駄目だと思うのに、眠くてたまらなくて瞼が閉じてしまう。
「ゲルトさん」
側にいて、離れないで。
眠る時って不安なんだ。一人にされるんじゃないかって、怖いんだ。
「大丈夫だ、ウヅ。こうしてお前を抱いているから安心して眠れ」
「は……」
優しいゲルトさんの声に俺はとうとう意識を手放したんだ。
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