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スライムを狩ってみよう2
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「考えたのだがな、今日行く町ではなくグリームの町で登録してはどうかの」
「何か違いがありますか?」
わざわざ予定を変えるには理由があるんだろう、そう考えてニルスさんに尋ねる。
「どこの冒険者も初心者には手厚く対応してくれるとは思うが、やはり自分のギルドで登録した初心者には余計に面倒見がいいんじゃないかと思うんじゃよ」
「どうしてですか?」
ニルスさんの言っている意味が分からなくて、俺は首を傾げる。
登録するのってどこでも出来るなら、どこで登録しても同じなんじゃないのかな。
「大抵の者は登録したギルドで基礎講習を学ぶじゃろう、そこである程度ギルドと冒険者とのつながりが出来る。そうなると互いに親しみがわくじゃろ?」
「そうですね。分かりました。俺グリームの町で登録します」
ニルスさんの説明に納得して、俺の登録はグリームの町で行う事にした。
本当はここで登録して何度か依頼を受ける筈だった。
早く依頼を受けてみたいけれど、俺はグリームの町でニルスさん達の家にお世話になるって決まったから、その町に住んでいる人のアドバイスは聞いておいた方が良いと思う。
「グリームの町はここから遠いんですか?」
この町に到着するのも数日掛かったけれど、まだまだ遠いんだろうか。
確かそんな話を先日聞いた気がするけれど、具体的な日程は聞いてなかったと思う。
「遠いのお、馬車で一ヶ月は掛かる。町々に泊まり行商をしながらになるからもっと掛かるのぉ」
のんびりとニルスさんは馬を操りながら言うから、じゃあ俺はその間に少しでも体を鍛えて体力つけようと決心した。
どう考えても俺の体は小さ過ぎる。
小柄なマリアさんでも俺をひょいっと抱き上げられちゃうくらいだ。
冒険者登録しても、最初は魔物と戦ったりしない依頼しか受けられないみたいだけど、それでも体力アップは必須だろう。
俺は現在レベル1らしい。体力は運動やレベルアップで上がると手紙に書いてあった。だとしたら運動をまずは頑張るしかないよな。
「時間があったらゲルトさんに剣術とか習ってもいいですか」
俺、日本では足を使って喧嘩してたんだよなあ。
俺は痩せてて、一応自重筋トレはしていたけれど筋肉は付きにくい方だったし、殴るっていうのは避けていた。
手を使わなかったのは、怪我したらバイトできなくなるからだ。
だから因縁つけられたら、兎に角蹴りまくってから相手の隙を見て人通りの多いところに逃げる。
それが俺の戦い方だった。
なんであんなに因縁つけられてたのか分からない。
学校でも油断してると空き教室に連れ込まれそうになったりしてたから、普段から人気のない体育館倉庫の付近はなるべく近寄らない様にしてたんだけど、どれだけ喧嘩してたか分からない。
でも俺喧嘩のセンスはあったのか、負けたことは無かったんだ。
「ウヅキ君は剣はやったことあるの?」
「持ってるだけで、使ったりはまだ」
「そうさのう。私は魔法は使えるが剣の方はさっぱりじゃから、それはゲルト君に頼むほかないかのう」
ニルスさんは魔法が使えるんだ。
え、この世界の人って皆戦えちゃうのか?
「魔法? ニルスさんも魔物を狩ったりするんですか?」
「狩るまではいかないな、防御程度のものさね」
「もしかして、マリアさんも?」
「私は出来ないわね。私はねえ薬を作っていたのよ」
「薬?」
「そうよ、ポーションとかを作っていたのよ」
マリアさんの言葉で、そう言えば俺の能力に調薬ってあったなと思い出した。
今俺が使ってる能力は鑑定と料理くらいなものだ。その他には探索とかもあったけど、これも日常で使ったほうがいいのかな。
でも、探索って何を見るんだろう。魔物とか?
鑑定みたいに意識すると分かるのかな? ちょっとやってみようかな。
神様は言わなかったけど、鑑定みたいに常時発動してたら能力上がるかもしれないもんね。
「ポーション作ってみたいです」
俺のレベルは低いし、調薬ってやった事ないけどちゃんと作れるのかな。
でも、出来るから能力なってるんだよね。
だったらやってみたいな。
期待を込めてマリアさんにお願いすると、マリアさんはニコニコ笑って頷いてくれた。
「まあ、それじゃあグリームの町に着いて落ち着いたら作ってみましょうね。色んな可能性を見つけるのも大事ですものね。もしかしたら冒険者よりも薬師の方が向いているかもしれないし、何でもやってみるのは大切だと私は思うわ」
「はい」
マリアさんと約束して、俺は満足しながら探索をしてみることにした。
鑑定は、見たいと思うアイテムを鑑定したいと意識すると説明が頭に浮かぶ。
これは暇さえあれば鑑定しまくっているから、だいぶ説明も詳しく出てくるようになったんだ。
分かんないけど、鑑定って冒険者する時も役に立ちそうな気がする。
探索も覚えたら役に立ちそうだよね。
「え」
馬車半径一キロ程度に魔物がいないかを探索したい。
そう強く意識したら、進行方向の少し先に何かがいる様な気がした。
「どうしたんじゃ」
「ええと、なんかいる?」
肉眼では見える? ギリギリ見えたような?
俺の探索レベルじゃ、なんかいるかも? 程度にしか分からない。これレベル上がったらもう少し詳しく分かるようになるのかな。
「なにか?」
「なにか、お椀をひっくり返した様なものが、あれは魔物ですか?」
段々肉眼でもはっきりと見えるようになって来て、俺はは見えたものを指さした。
「お椀をひっくり返した? スライムかのう」
のんびりと言うニルスさんは「ウヅキ君の練習にいいものが出たのお」と笑ったんだ。
「何か違いがありますか?」
わざわざ予定を変えるには理由があるんだろう、そう考えてニルスさんに尋ねる。
「どこの冒険者も初心者には手厚く対応してくれるとは思うが、やはり自分のギルドで登録した初心者には余計に面倒見がいいんじゃないかと思うんじゃよ」
「どうしてですか?」
ニルスさんの言っている意味が分からなくて、俺は首を傾げる。
登録するのってどこでも出来るなら、どこで登録しても同じなんじゃないのかな。
「大抵の者は登録したギルドで基礎講習を学ぶじゃろう、そこである程度ギルドと冒険者とのつながりが出来る。そうなると互いに親しみがわくじゃろ?」
「そうですね。分かりました。俺グリームの町で登録します」
ニルスさんの説明に納得して、俺の登録はグリームの町で行う事にした。
本当はここで登録して何度か依頼を受ける筈だった。
早く依頼を受けてみたいけれど、俺はグリームの町でニルスさん達の家にお世話になるって決まったから、その町に住んでいる人のアドバイスは聞いておいた方が良いと思う。
「グリームの町はここから遠いんですか?」
この町に到着するのも数日掛かったけれど、まだまだ遠いんだろうか。
確かそんな話を先日聞いた気がするけれど、具体的な日程は聞いてなかったと思う。
「遠いのお、馬車で一ヶ月は掛かる。町々に泊まり行商をしながらになるからもっと掛かるのぉ」
のんびりとニルスさんは馬を操りながら言うから、じゃあ俺はその間に少しでも体を鍛えて体力つけようと決心した。
どう考えても俺の体は小さ過ぎる。
小柄なマリアさんでも俺をひょいっと抱き上げられちゃうくらいだ。
冒険者登録しても、最初は魔物と戦ったりしない依頼しか受けられないみたいだけど、それでも体力アップは必須だろう。
俺は現在レベル1らしい。体力は運動やレベルアップで上がると手紙に書いてあった。だとしたら運動をまずは頑張るしかないよな。
「時間があったらゲルトさんに剣術とか習ってもいいですか」
俺、日本では足を使って喧嘩してたんだよなあ。
俺は痩せてて、一応自重筋トレはしていたけれど筋肉は付きにくい方だったし、殴るっていうのは避けていた。
手を使わなかったのは、怪我したらバイトできなくなるからだ。
だから因縁つけられたら、兎に角蹴りまくってから相手の隙を見て人通りの多いところに逃げる。
それが俺の戦い方だった。
なんであんなに因縁つけられてたのか分からない。
学校でも油断してると空き教室に連れ込まれそうになったりしてたから、普段から人気のない体育館倉庫の付近はなるべく近寄らない様にしてたんだけど、どれだけ喧嘩してたか分からない。
でも俺喧嘩のセンスはあったのか、負けたことは無かったんだ。
「ウヅキ君は剣はやったことあるの?」
「持ってるだけで、使ったりはまだ」
「そうさのう。私は魔法は使えるが剣の方はさっぱりじゃから、それはゲルト君に頼むほかないかのう」
ニルスさんは魔法が使えるんだ。
え、この世界の人って皆戦えちゃうのか?
「魔法? ニルスさんも魔物を狩ったりするんですか?」
「狩るまではいかないな、防御程度のものさね」
「もしかして、マリアさんも?」
「私は出来ないわね。私はねえ薬を作っていたのよ」
「薬?」
「そうよ、ポーションとかを作っていたのよ」
マリアさんの言葉で、そう言えば俺の能力に調薬ってあったなと思い出した。
今俺が使ってる能力は鑑定と料理くらいなものだ。その他には探索とかもあったけど、これも日常で使ったほうがいいのかな。
でも、探索って何を見るんだろう。魔物とか?
鑑定みたいに意識すると分かるのかな? ちょっとやってみようかな。
神様は言わなかったけど、鑑定みたいに常時発動してたら能力上がるかもしれないもんね。
「ポーション作ってみたいです」
俺のレベルは低いし、調薬ってやった事ないけどちゃんと作れるのかな。
でも、出来るから能力なってるんだよね。
だったらやってみたいな。
期待を込めてマリアさんにお願いすると、マリアさんはニコニコ笑って頷いてくれた。
「まあ、それじゃあグリームの町に着いて落ち着いたら作ってみましょうね。色んな可能性を見つけるのも大事ですものね。もしかしたら冒険者よりも薬師の方が向いているかもしれないし、何でもやってみるのは大切だと私は思うわ」
「はい」
マリアさんと約束して、俺は満足しながら探索をしてみることにした。
鑑定は、見たいと思うアイテムを鑑定したいと意識すると説明が頭に浮かぶ。
これは暇さえあれば鑑定しまくっているから、だいぶ説明も詳しく出てくるようになったんだ。
分かんないけど、鑑定って冒険者する時も役に立ちそうな気がする。
探索も覚えたら役に立ちそうだよね。
「え」
馬車半径一キロ程度に魔物がいないかを探索したい。
そう強く意識したら、進行方向の少し先に何かがいる様な気がした。
「どうしたんじゃ」
「ええと、なんかいる?」
肉眼では見える? ギリギリ見えたような?
俺の探索レベルじゃ、なんかいるかも? 程度にしか分からない。これレベル上がったらもう少し詳しく分かるようになるのかな。
「なにか?」
「なにか、お椀をひっくり返した様なものが、あれは魔物ですか?」
段々肉眼でもはっきりと見えるようになって来て、俺はは見えたものを指さした。
「お椀をひっくり返した? スライムかのう」
のんびりと言うニルスさんは「ウヅキ君の練習にいいものが出たのお」と笑ったんだ。
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