94 / 123
すべてが嘘だった
しおりを挟む
「僅かな時間でも伯爵家に行くためだけに前伯爵夫人の死を隠したというのか」
黙り込む陛下を気遣う様に見ながら、王太子殿下はアヌビートに尋ねました。
「はい。私は前伯爵夫人の治療を行う名目で王妃様に同行致しました」
「だがそれは本当に短時間だろう。宿泊等は出来なかった筈だ。だが母上は確か一度だけにヶ月近く伯爵家に戻っていたことがあったと聞いている。その時フィリップを授かったのではないのか」
「それは」
アヌビートは何度も躊躇うしぐさをし、王妃様の方をちらちらと何度も見た後、最後には決心した様に口を開きました。
「あの頃、王妃様は子供が流れたばかりで王宮にいるのが辛いとそう理由づけて、悲しみに泣き暮らしておいででいた。ですから体が戻るまでとの条件で陛下は伯爵家の滞在をお許しになったのです」
「子供が流れたばかり? それですぐフィリップを授かったというのか?」
「それは……。子供が流れたというのも、そもそも妊娠も嘘だったのです。どうしても伯爵家に暫く滞在したいから妊娠を偽造し、腹が目立つ時期になる前に子が流れた偽装をせよと」
それも王妃様からの命令だったのでしょう。
どれだけ王妃様は嘘を重ねているのか分かりません。
「なんだと、あれだけ嘆き悲しんだのは嘘だったというのか。私はまだ子供だったが母上の嘆く様子を覚えている。それ程母上の悲しみは深かった。あれが嘘だったと?」
王太子殿下は驚いた様にアヌビートに問いかけます。
それはまるで舞台に上がった役者の様に用意された台詞を言っている様に見えました。
「はい。私は王妃様の命令で妊娠を偽装し、子が流れるのも偽装しました。子が流れる原因の場所は王太后様の宮のお茶会の後が良いと王妃様が仰り、私は服用してから数時間後に体調を崩す薬を用意しました。妊娠の偽装はある薬を日々服用することで月の物が来ることを止めました」
「そんな薬があるのか」
どうしてアヌビートはそんなに詳細に話が出来るのでしょうか。
王太子殿下は、私達を観客に王妃様の断罪劇を続けていきます。
そうこれは芝居なのでしょう。
そう思わなければ、恐ろしさでこの場にいられません。
黙り込んだままの陛下、床に手を付き頭を下げたままのフィリエ伯爵、王妃様の罪を告白し続けるアヌビート。
王妃様は小さな声で何か呟きながら、ギラギラとした瞳でフィリエ伯爵を見つめ、フィリップ殿下は王妃様の姿を悲し気にただ見ているだけです。
「子が流れたとするにはその月の物を利用すると王妃様が思いつかれ、王太后様の宮で定期的に行われるお茶会に丁度月の物が来るよう薬の服用を止めていたのです。私は用意していた体調を崩す薬を、王太后様の宮で飲食を始めて少し経った頃に効果が出る様に量を調整して王妃様へお飲みいただきました。そうして王妃様は王太后様の宮でお倒れになりました。月の物の出血を子が流れた為と私は嘘をつきました。私は妊娠中の王妃様の体調管理の為という理由で傍に控えていましたから、王太后様の侍医は王妃様を診ることはなく私の言葉を疑うものはいませんでした」
王太后様の宮のお茶会で何かを食した後倒れたら、その場にいた人達が王妃様を害したと疑われたことでしょう。
自分の欲望を満たす為、王妃様は他人を陥れたのです。
「その日のお茶会を余は覚えている。忘れられぬ、あの日王妃を害したと疑われたのは余の従妹だった」
「陛下の従妹? まさか」
言われてお父様はそう呟いてお母様と視線を合わせました。
「はい。疑われたのは王妃様に手ずから淹れた茶を勧めた陛下の従妹様です。ただ茶になにも証拠が無かった為罪には問われませんでした。ですが、その騒動が元で従妹様は自ら領地に謹慎すると言われて、それからずっと王都にはいらっしゃることは無かったと聞いております」
「確かにあの時あれは皆から疑われ、だが証拠が出なかった。まさか王妃よ、そなたあれを陥れたのか」
ぶつぶつと王妃様は何かを呟いています。
陛下が王妃様を呼ぶ声も、届いていないかの様です。
「王妃、王妃よ! そなたは誠に彼女を陥れたのか、罪のない彼女を!」
「罪が無い? あの人はお義兄様を誑かそうとしていた女狐よ、私を卑しい出だと馬鹿にしながらお義兄様に夜会で自ら声を掛けていた恥知らずな女よ。だから私が身の程を分からせたのよ。それの何が悪いと言うのですか。私はあの人に馬鹿にされていたのですよ。卑しい女だ、顔と体で陛下を誑かした女だと笑って馬鹿にしていたのですよ」
髪を振り乱し、王妃様は陛下に向かい叫びました。
王妃様が髪を振り乱す度、白い髪がはらはらと落ちていきます。
艶の無いパサパサの髪が落ちていく様は、とても惨めで目を背けたくなる光景です。
子供を何人産んでも若く美しいと言われていました。
その美しかった顔は今私からは見ることは出来ませんが、物語の数百年生きた老婆の様な白髪はバサバサと揺れ抜け落ちて行くのです。
「お義兄様は私のものよ。誰にも渡さない。私のお義兄様よ。だからお義兄様に近づく者は排除するのよ。当然の報いなのよ」
狂気なのだと思いました。
自分の欲の為に他人を害しそれが当然だと叫ぶ姿は醜悪で、恐怖でしかありませんでした。
「泣いて泣いて、笑いたくなるのを堪えられなかったけれど、それを誤魔化すために泣き暮らしたの。皆が面白い位に騙されてくれたわ。私を嫌う王太后様まで謝罪に来てくれたのよ。わざわざ私の宮に来て、王太子妃になり息子を産んだ私に「下賤な出の身には渡せない」と言って見せびらかすだけだった王家の王妃が受け継ぐ首飾りを、その時に下さったの。馬鹿みたいね。私はそんなもの欲しくなんて無かったというのに、本当に馬鹿みたい。誰もかれもが私の嘘を信じたのよ」
狂った様な王妃様の独白、それは叫ぶような声だというのに何故か泣いている様に聞こえたのです。
黙り込む陛下を気遣う様に見ながら、王太子殿下はアヌビートに尋ねました。
「はい。私は前伯爵夫人の治療を行う名目で王妃様に同行致しました」
「だがそれは本当に短時間だろう。宿泊等は出来なかった筈だ。だが母上は確か一度だけにヶ月近く伯爵家に戻っていたことがあったと聞いている。その時フィリップを授かったのではないのか」
「それは」
アヌビートは何度も躊躇うしぐさをし、王妃様の方をちらちらと何度も見た後、最後には決心した様に口を開きました。
「あの頃、王妃様は子供が流れたばかりで王宮にいるのが辛いとそう理由づけて、悲しみに泣き暮らしておいででいた。ですから体が戻るまでとの条件で陛下は伯爵家の滞在をお許しになったのです」
「子供が流れたばかり? それですぐフィリップを授かったというのか?」
「それは……。子供が流れたというのも、そもそも妊娠も嘘だったのです。どうしても伯爵家に暫く滞在したいから妊娠を偽造し、腹が目立つ時期になる前に子が流れた偽装をせよと」
それも王妃様からの命令だったのでしょう。
どれだけ王妃様は嘘を重ねているのか分かりません。
「なんだと、あれだけ嘆き悲しんだのは嘘だったというのか。私はまだ子供だったが母上の嘆く様子を覚えている。それ程母上の悲しみは深かった。あれが嘘だったと?」
王太子殿下は驚いた様にアヌビートに問いかけます。
それはまるで舞台に上がった役者の様に用意された台詞を言っている様に見えました。
「はい。私は王妃様の命令で妊娠を偽装し、子が流れるのも偽装しました。子が流れる原因の場所は王太后様の宮のお茶会の後が良いと王妃様が仰り、私は服用してから数時間後に体調を崩す薬を用意しました。妊娠の偽装はある薬を日々服用することで月の物が来ることを止めました」
「そんな薬があるのか」
どうしてアヌビートはそんなに詳細に話が出来るのでしょうか。
王太子殿下は、私達を観客に王妃様の断罪劇を続けていきます。
そうこれは芝居なのでしょう。
そう思わなければ、恐ろしさでこの場にいられません。
黙り込んだままの陛下、床に手を付き頭を下げたままのフィリエ伯爵、王妃様の罪を告白し続けるアヌビート。
王妃様は小さな声で何か呟きながら、ギラギラとした瞳でフィリエ伯爵を見つめ、フィリップ殿下は王妃様の姿を悲し気にただ見ているだけです。
「子が流れたとするにはその月の物を利用すると王妃様が思いつかれ、王太后様の宮で定期的に行われるお茶会に丁度月の物が来るよう薬の服用を止めていたのです。私は用意していた体調を崩す薬を、王太后様の宮で飲食を始めて少し経った頃に効果が出る様に量を調整して王妃様へお飲みいただきました。そうして王妃様は王太后様の宮でお倒れになりました。月の物の出血を子が流れた為と私は嘘をつきました。私は妊娠中の王妃様の体調管理の為という理由で傍に控えていましたから、王太后様の侍医は王妃様を診ることはなく私の言葉を疑うものはいませんでした」
王太后様の宮のお茶会で何かを食した後倒れたら、その場にいた人達が王妃様を害したと疑われたことでしょう。
自分の欲望を満たす為、王妃様は他人を陥れたのです。
「その日のお茶会を余は覚えている。忘れられぬ、あの日王妃を害したと疑われたのは余の従妹だった」
「陛下の従妹? まさか」
言われてお父様はそう呟いてお母様と視線を合わせました。
「はい。疑われたのは王妃様に手ずから淹れた茶を勧めた陛下の従妹様です。ただ茶になにも証拠が無かった為罪には問われませんでした。ですが、その騒動が元で従妹様は自ら領地に謹慎すると言われて、それからずっと王都にはいらっしゃることは無かったと聞いております」
「確かにあの時あれは皆から疑われ、だが証拠が出なかった。まさか王妃よ、そなたあれを陥れたのか」
ぶつぶつと王妃様は何かを呟いています。
陛下が王妃様を呼ぶ声も、届いていないかの様です。
「王妃、王妃よ! そなたは誠に彼女を陥れたのか、罪のない彼女を!」
「罪が無い? あの人はお義兄様を誑かそうとしていた女狐よ、私を卑しい出だと馬鹿にしながらお義兄様に夜会で自ら声を掛けていた恥知らずな女よ。だから私が身の程を分からせたのよ。それの何が悪いと言うのですか。私はあの人に馬鹿にされていたのですよ。卑しい女だ、顔と体で陛下を誑かした女だと笑って馬鹿にしていたのですよ」
髪を振り乱し、王妃様は陛下に向かい叫びました。
王妃様が髪を振り乱す度、白い髪がはらはらと落ちていきます。
艶の無いパサパサの髪が落ちていく様は、とても惨めで目を背けたくなる光景です。
子供を何人産んでも若く美しいと言われていました。
その美しかった顔は今私からは見ることは出来ませんが、物語の数百年生きた老婆の様な白髪はバサバサと揺れ抜け落ちて行くのです。
「お義兄様は私のものよ。誰にも渡さない。私のお義兄様よ。だからお義兄様に近づく者は排除するのよ。当然の報いなのよ」
狂気なのだと思いました。
自分の欲の為に他人を害しそれが当然だと叫ぶ姿は醜悪で、恐怖でしかありませんでした。
「泣いて泣いて、笑いたくなるのを堪えられなかったけれど、それを誤魔化すために泣き暮らしたの。皆が面白い位に騙されてくれたわ。私を嫌う王太后様まで謝罪に来てくれたのよ。わざわざ私の宮に来て、王太子妃になり息子を産んだ私に「下賤な出の身には渡せない」と言って見せびらかすだけだった王家の王妃が受け継ぐ首飾りを、その時に下さったの。馬鹿みたいね。私はそんなもの欲しくなんて無かったというのに、本当に馬鹿みたい。誰もかれもが私の嘘を信じたのよ」
狂った様な王妃様の独白、それは叫ぶような声だというのに何故か泣いている様に聞こえたのです。
262
お気に入りに追加
9,068
あなたにおすすめの小説
私のことはお気になさらず
みおな
恋愛
侯爵令嬢のティアは、婚約者である公爵家の嫡男ケレスが幼馴染である伯爵令嬢と今日も仲睦まじくしているのを見て決意した。
そんなに彼女が好きなのなら、お二人が婚約すればよろしいのよ。
私のことはお気になさらず。
虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい
みおな
恋愛
何度生まれ変わっても、私の未来には死しかない。
死んで異世界転生したら、旦那に虐げられる侯爵夫人だった。
死んだ後、再び転生を果たしたら、今度は親に虐げられる伯爵令嬢だった。
三度目は、婚約者に婚約破棄された挙句に国外追放され夜盗に殺される公爵令嬢。
四度目は、聖女だと偽ったと冤罪をかけられ処刑される平民。
さすがにもう許せないと神様に猛抗議しました。
こんな結末しかない転生なら、もう転生しなくていいとまで言いました。
こんな転生なら、いっそ亀の方が何倍もいいくらいです。
私の怒りに、神様は言いました。
次こそは誰にも虐げられない未来を、とー

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?

王命って何ですか?
まるまる⭐️
恋愛
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。

【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる