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二股だけじゃなかった2
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「……十和ありがとう」
先輩が諦めそうになかったら、迷わずインターフォンを押して管理人さんを呼ぼうと思っていたけれど、そんな迷惑掛けたくないし付き合っていた相手とのトラブルなんて恥ずかし過ぎる。
でも、十和がいなかったら先輩は無理矢理部屋に入って来ようとしただろう。
鳴いて先輩を追い払ってくれた十和には、本当に感謝以外の言葉が浮かばない。
「それにしても金って、飯代浮かしと金のことがって何なんだろう」
先輩の背中が遥か遠くになったのを確認してから、マンションの中に入る。
自動でガラス扉が閉まって、ほうっと息を深く吐く。
私、かなり緊張していたみたいだ。
「お金、先輩に貸したことなんかないし、お菓子やお酒代は飯代浮かしに入ってるだろうし」
先輩、いつも突然やってきてご飯を作れとか酒が飲みたいとか言うから、文句を言われると分かっていてもせっせと先輩が好きなお菓子やお酒を用意して、食事だって言われるままに用意していた。
食べちらかして片付けもせずに帰って行く先輩に、寂しい気持ちはしていたけれど忙しいところを少しでも私に会いに来てくれたんだって思っていたから、それでも幸せだった。
過去の私、馬鹿過ぎる。目が曇っていたとしか思えない。
「……まさかお財布のお金? でも、毎日中身確認してるし過不足あったことなんか無かったし」
考えながら部屋に戻り、十和をそっと床に下ろしながら玄関に立ったまま考える。
基本的に今は電子マネーで支払うことが殆どだけど、商店街の個人商店はまだまだ現金支払いのみのところがあるから、お財布の中にはそれなりに現金も入っている。
屑夫に苦労させられていたお母さんから、お財布にいくら入っているか絶対に把握している様に躾られている私は朝出掛ける前にお財布の中に幾ら入っているかチェックする癖がついている。
お財布の中身をチェックした時に、記憶より入っているお金が少ないなんて時は無かった。
「お金を盗むなんて、いくら先輩が酷い人でもありえないよね。でも、じゃあお金って」
先輩に何か買って欲しいと強請られたことはなかった。
先輩の言う通り、私は飯代浮かしの為にキープされていたんだろう。
でも、先輩ははっきりと金のことが無ければって言っていた。それは飯代浮かしとは別な気がする。
「お金、家に置いている現金はお財布以外は金庫の中だし、先輩開けられないだろうし」
マンションの権利書とか保険証書とかと一緒に、何かの時の為に置いてある現金は金庫の中に入っている。
金庫は指紋認証で開くタイプの耐火金庫だから、先輩は開けられない筈だ。
「ただ、暴言吐いただけ? でも、そんな感じじゃなかった」
一緒に出掛けるなんて殆ど無かったけれど、その時の食事代は割り勘だったし、何かを買って欲しいと言われることは無かったし、じゃあ何だろう。
「お金って言ったよね、お金」
私が玄関から部屋の中に入ろうとしないのが気になったんだろう、十和が私を見上げている。
前足を揃えて、私を見上げている十和が凄く可愛い、って今はそれどころじゃない。
狐の子どもってこんな近くで見ること今までなかったけれど、可愛いんだなあ。あれ? 狐?
「まさか、貯金箱?」
慌てて靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
「嘘でしょ、まさかそんな」
心臓がバクバクとして息が苦しい。
そんな恐ろしい話ある? だって先輩は会社の先輩で、二股かもしれないけれど一応付き合っていた筈。
「まさか、まさか」
貯金箱はガラスの扉がついた飾り棚の中に大、中、小並べて置いてある。
今はあまり入れていないけれど、貯金箱を買った当初はお金を入れるのが嬉しくて電子マネーで支払えるところでも五百円のおつりが出る様な支払い方をわざわざしながらお金を入れていた。
三体の狐さんに不公平にならないように、それぞれにお金を入れて、でも大きさの違いがあるから小と中はもう一杯で今は大だけに入れていた。
「嘘だよね」
震える手で大サイズの貯金箱を両手で持つ、陶器だから落としたら大変だし中身にかなり五百円玉が入っているから結構な重さがある。
「軽い」
大の大きさの貯金箱は、記憶にある重さじゃなかった。
中も、小も、軽すぎた。
大以外の二つは、ぎっしりと中身が入っていたから振っても殆どお金が動く音がしなかったのに、今はチャリチャリと軽い音がする。これじゃ半分も中身入っていないかもしれない。
「なんで私気が付かなかったの? そう言えばガラスの扉付きの棚の中だから、埃たまらないし掃除もあんまり熱心にしてなかった」
掃除をする時も貯金箱を置いたまま、埃を払う程度。だから殆ど動かしてなかった。
貯金箱にお金が溜まってから、私以外に部屋に入ったことがあるのは、先輩だけ。
つまり、先輩の言っていたお金ってこれのことなんだ。
「嘘だよね、そんなの嘘だよね」
先輩を一人部屋に残して、足りない食材を買いに行くってことは割とあった。
先輩はいつも冷蔵庫を勝手にあけて、飲みたい酒はこれじゃないとか、アイスが食べたいとか言うから私が一人でコンビニとかに買い出しに行っていた。
先輩はそれに付き合ってくれたことはない。
「私が買い物に行ってる隙に盗んだってこと?」
貯金箱は底にゴムの蓋がついていて、お金を取り出すのは簡単。
私が気付かない様に、少しずつここからお金を取って行ったんだろう。
少しずつだって、五百円玉だもん。二枚で千円、四枚で二千円それなりの金額になる。
例えば一回に盗むのがその程度なら、仮に私が頻繁にお金を入れるために貯金箱を動かしていても気が付かなかったかもしれない。
「信じられない、飯代浮かしのキープだったとしても同じ会社で働いているのに」
ガラガラと他人への信頼が崩れていく。
他人への、違う。二股最低人間だとしても、最低限あった先輩へのなけなしの信頼が完璧に崩れていく。
「私、先輩を最低人間って思ってたけど、それでも少しだけ会社の先輩って信頼は残ってたんだ。馬鹿みたい、先輩は信じるに値しない人だったんだ」
世の中に盗みを働く人はいる。
だけど、それがこんなに身近な人だなんて想像したこともない。
「嘘だよ、知ってる。父さんは母さんの財布から良く、お金を抜き取ってたって言ってた」
お母さんはその経験があるから、私は財布の中身を確認しておく癖をつけなさいって言われて育った。
そう言われていても、酷いのは私の父親だった人で、その他大勢の誰かではないと、私は心のどこかでそう思っていたんだ。
「私が、間抜けなの? 狐さんたち、気が付かなくてごめんね。嫌な人に触られて不快だったよね」
鞄からウエットティッシュを取り出して、一体一体拭いていく。
ガラスの扉も丁寧に拭いていく、先輩の手が触れたなんて気持ち悪くて仕方がなかった。
「最低人間、最悪」
先輩は貯金箱のお金欲しさに今日ここに来たんだろう。
部屋の中に入れさえすれば、私をどうにか誤魔化してお金を盗めると、そう考えて来た。
それを想像するだけで、胃の奥がムカムカとし始める。
「キャン」
「十和」
貯金箱を棚に戻しガラスの扉を閉じて、へなへなと床に座り込んでいたら、十和が私を見ていた。
「十和、私は馬鹿で間抜けだね。全然気が付かなかった」
実家暮らしの先輩はお金に困っていたんだろうか、うちの会社そんなに給料悪くないのに、一体何にそんなに使っていたんだろう。
こんなこと考えるのは、現実逃避なのかもしれない。
でも、驚き過ぎてショック過ぎて、私はどうでもいいことを考えることで自分を守っていたのかもしれない。
「十和、悲しいよ。なんでこんな酷いことが出来ちゃうのか分からないよ」
十和を抱き上げて、ポタポタと涙をこぼす。
何がショックなのか分からないほど、私は混乱していたし衝撃を受けていた。
「十和、悲しい、凄く凄く悲しいよ」
「キユウウン」
私の涙に反応するように十和が鳴く、その声に反応するように紺さんからもらったお守りが光っているのを、私は気が付きもしなかった。
※※※※※※※※
私クズ人間設定上手すぎない?
先輩が諦めそうになかったら、迷わずインターフォンを押して管理人さんを呼ぼうと思っていたけれど、そんな迷惑掛けたくないし付き合っていた相手とのトラブルなんて恥ずかし過ぎる。
でも、十和がいなかったら先輩は無理矢理部屋に入って来ようとしただろう。
鳴いて先輩を追い払ってくれた十和には、本当に感謝以外の言葉が浮かばない。
「それにしても金って、飯代浮かしと金のことがって何なんだろう」
先輩の背中が遥か遠くになったのを確認してから、マンションの中に入る。
自動でガラス扉が閉まって、ほうっと息を深く吐く。
私、かなり緊張していたみたいだ。
「お金、先輩に貸したことなんかないし、お菓子やお酒代は飯代浮かしに入ってるだろうし」
先輩、いつも突然やってきてご飯を作れとか酒が飲みたいとか言うから、文句を言われると分かっていてもせっせと先輩が好きなお菓子やお酒を用意して、食事だって言われるままに用意していた。
食べちらかして片付けもせずに帰って行く先輩に、寂しい気持ちはしていたけれど忙しいところを少しでも私に会いに来てくれたんだって思っていたから、それでも幸せだった。
過去の私、馬鹿過ぎる。目が曇っていたとしか思えない。
「……まさかお財布のお金? でも、毎日中身確認してるし過不足あったことなんか無かったし」
考えながら部屋に戻り、十和をそっと床に下ろしながら玄関に立ったまま考える。
基本的に今は電子マネーで支払うことが殆どだけど、商店街の個人商店はまだまだ現金支払いのみのところがあるから、お財布の中にはそれなりに現金も入っている。
屑夫に苦労させられていたお母さんから、お財布にいくら入っているか絶対に把握している様に躾られている私は朝出掛ける前にお財布の中に幾ら入っているかチェックする癖がついている。
お財布の中身をチェックした時に、記憶より入っているお金が少ないなんて時は無かった。
「お金を盗むなんて、いくら先輩が酷い人でもありえないよね。でも、じゃあお金って」
先輩に何か買って欲しいと強請られたことはなかった。
先輩の言う通り、私は飯代浮かしの為にキープされていたんだろう。
でも、先輩ははっきりと金のことが無ければって言っていた。それは飯代浮かしとは別な気がする。
「お金、家に置いている現金はお財布以外は金庫の中だし、先輩開けられないだろうし」
マンションの権利書とか保険証書とかと一緒に、何かの時の為に置いてある現金は金庫の中に入っている。
金庫は指紋認証で開くタイプの耐火金庫だから、先輩は開けられない筈だ。
「ただ、暴言吐いただけ? でも、そんな感じじゃなかった」
一緒に出掛けるなんて殆ど無かったけれど、その時の食事代は割り勘だったし、何かを買って欲しいと言われることは無かったし、じゃあ何だろう。
「お金って言ったよね、お金」
私が玄関から部屋の中に入ろうとしないのが気になったんだろう、十和が私を見上げている。
前足を揃えて、私を見上げている十和が凄く可愛い、って今はそれどころじゃない。
狐の子どもってこんな近くで見ること今までなかったけれど、可愛いんだなあ。あれ? 狐?
「まさか、貯金箱?」
慌てて靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
「嘘でしょ、まさかそんな」
心臓がバクバクとして息が苦しい。
そんな恐ろしい話ある? だって先輩は会社の先輩で、二股かもしれないけれど一応付き合っていた筈。
「まさか、まさか」
貯金箱はガラスの扉がついた飾り棚の中に大、中、小並べて置いてある。
今はあまり入れていないけれど、貯金箱を買った当初はお金を入れるのが嬉しくて電子マネーで支払えるところでも五百円のおつりが出る様な支払い方をわざわざしながらお金を入れていた。
三体の狐さんに不公平にならないように、それぞれにお金を入れて、でも大きさの違いがあるから小と中はもう一杯で今は大だけに入れていた。
「嘘だよね」
震える手で大サイズの貯金箱を両手で持つ、陶器だから落としたら大変だし中身にかなり五百円玉が入っているから結構な重さがある。
「軽い」
大の大きさの貯金箱は、記憶にある重さじゃなかった。
中も、小も、軽すぎた。
大以外の二つは、ぎっしりと中身が入っていたから振っても殆どお金が動く音がしなかったのに、今はチャリチャリと軽い音がする。これじゃ半分も中身入っていないかもしれない。
「なんで私気が付かなかったの? そう言えばガラスの扉付きの棚の中だから、埃たまらないし掃除もあんまり熱心にしてなかった」
掃除をする時も貯金箱を置いたまま、埃を払う程度。だから殆ど動かしてなかった。
貯金箱にお金が溜まってから、私以外に部屋に入ったことがあるのは、先輩だけ。
つまり、先輩の言っていたお金ってこれのことなんだ。
「嘘だよね、そんなの嘘だよね」
先輩を一人部屋に残して、足りない食材を買いに行くってことは割とあった。
先輩はいつも冷蔵庫を勝手にあけて、飲みたい酒はこれじゃないとか、アイスが食べたいとか言うから私が一人でコンビニとかに買い出しに行っていた。
先輩はそれに付き合ってくれたことはない。
「私が買い物に行ってる隙に盗んだってこと?」
貯金箱は底にゴムの蓋がついていて、お金を取り出すのは簡単。
私が気付かない様に、少しずつここからお金を取って行ったんだろう。
少しずつだって、五百円玉だもん。二枚で千円、四枚で二千円それなりの金額になる。
例えば一回に盗むのがその程度なら、仮に私が頻繁にお金を入れるために貯金箱を動かしていても気が付かなかったかもしれない。
「信じられない、飯代浮かしのキープだったとしても同じ会社で働いているのに」
ガラガラと他人への信頼が崩れていく。
他人への、違う。二股最低人間だとしても、最低限あった先輩へのなけなしの信頼が完璧に崩れていく。
「私、先輩を最低人間って思ってたけど、それでも少しだけ会社の先輩って信頼は残ってたんだ。馬鹿みたい、先輩は信じるに値しない人だったんだ」
世の中に盗みを働く人はいる。
だけど、それがこんなに身近な人だなんて想像したこともない。
「嘘だよ、知ってる。父さんは母さんの財布から良く、お金を抜き取ってたって言ってた」
お母さんはその経験があるから、私は財布の中身を確認しておく癖をつけなさいって言われて育った。
そう言われていても、酷いのは私の父親だった人で、その他大勢の誰かではないと、私は心のどこかでそう思っていたんだ。
「私が、間抜けなの? 狐さんたち、気が付かなくてごめんね。嫌な人に触られて不快だったよね」
鞄からウエットティッシュを取り出して、一体一体拭いていく。
ガラスの扉も丁寧に拭いていく、先輩の手が触れたなんて気持ち悪くて仕方がなかった。
「最低人間、最悪」
先輩は貯金箱のお金欲しさに今日ここに来たんだろう。
部屋の中に入れさえすれば、私をどうにか誤魔化してお金を盗めると、そう考えて来た。
それを想像するだけで、胃の奥がムカムカとし始める。
「キャン」
「十和」
貯金箱を棚に戻しガラスの扉を閉じて、へなへなと床に座り込んでいたら、十和が私を見ていた。
「十和、私は馬鹿で間抜けだね。全然気が付かなかった」
実家暮らしの先輩はお金に困っていたんだろうか、うちの会社そんなに給料悪くないのに、一体何にそんなに使っていたんだろう。
こんなこと考えるのは、現実逃避なのかもしれない。
でも、驚き過ぎてショック過ぎて、私はどうでもいいことを考えることで自分を守っていたのかもしれない。
「十和、悲しいよ。なんでこんな酷いことが出来ちゃうのか分からないよ」
十和を抱き上げて、ポタポタと涙をこぼす。
何がショックなのか分からないほど、私は混乱していたし衝撃を受けていた。
「十和、悲しい、凄く凄く悲しいよ」
「キユウウン」
私の涙に反応するように十和が鳴く、その声に反応するように紺さんからもらったお守りが光っているのを、私は気が付きもしなかった。
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