12 / 80
十和を預けてお出かけ
しおりを挟む
「はい、これを食べさせてやってください」
戻ってきた管理人さんの頭は普通し、しっぽみたいなものも無かった。
やっぱり幻覚だったのかも、酔いが残ってるのかな?
今まであんなに飲んだことなかったから、知らなかったけど私お酒飲むと幻覚見ちゃうのかしら。
「どうしたのかな、具合悪いのかい」
「あ、いえ。十和のトイレをどうしようかなって考えていたもので」
管理人さんからレジ袋に入ったタッパーを受け取りながら、慌てて誤魔化した。
管理人さんの頭に耳みたいなものが見えたので、なんて言えるわけない。
「ああ、トイレ。そうだなぁ、するかどうか分らないがペット用のトイレシートがあればいいんじゃないか? でもすぐに神社に返すなら態々トイレシートを用意するのもなぁ。あとは新聞紙を敷いて代用するか」
まあ、結構ああいう類いのものは高いから、管理人さんが悩むのも分る。
でも、私としては昨日お世話になったんだから少し位の散財は問題ない。使わなかった分は十和を返す時に紺さんに渡して使って貰えばいいんだし。
「あ、じゃあ少しだけ十和を預かって貰っていてもいいですか? 私駅前のドラッグストアまで急いで行ってくるので」
スーパーとかよりドラッグストアの方が揃っているだろうと考えてそう言えば、管理人さんが「預かるのはいいが、態々買いに行かなくても新聞を重ねてもいいんだよ。新聞なら家に沢山あるから分けてあげられるし」と心配してくれた。
長く会話したことなかったけれど、管理人さんは感じていた印象通りの良い人みたいだ。
「ありがとうございます。大丈夫です。急いで行ってくるので申し訳ありませんが、十和の事よろしくお願いします」
「ああ、じゃあ。急がなくて良いから気をつけて行っておいで」
「はい。折角用意してもらったのに申し訳ありませんが、十和にご飯食べさせて貰ってもいいですか?」
「勿論だ」
管理人さんに十和と十和のご飯を渡すと、私はぺこりと頭を下げてから自転車置き場へ走った。
急いでトイレシート買って、ついでに食材とか掃除の道具とかも買ってこよう。
管理人さんに迷惑掛けたお詫びとお礼も買わなくちゃ。
自転車に跨がった私は、勢いよくペダルを踏んだ。
戻ってきた管理人さんの頭は普通し、しっぽみたいなものも無かった。
やっぱり幻覚だったのかも、酔いが残ってるのかな?
今まであんなに飲んだことなかったから、知らなかったけど私お酒飲むと幻覚見ちゃうのかしら。
「どうしたのかな、具合悪いのかい」
「あ、いえ。十和のトイレをどうしようかなって考えていたもので」
管理人さんからレジ袋に入ったタッパーを受け取りながら、慌てて誤魔化した。
管理人さんの頭に耳みたいなものが見えたので、なんて言えるわけない。
「ああ、トイレ。そうだなぁ、するかどうか分らないがペット用のトイレシートがあればいいんじゃないか? でもすぐに神社に返すなら態々トイレシートを用意するのもなぁ。あとは新聞紙を敷いて代用するか」
まあ、結構ああいう類いのものは高いから、管理人さんが悩むのも分る。
でも、私としては昨日お世話になったんだから少し位の散財は問題ない。使わなかった分は十和を返す時に紺さんに渡して使って貰えばいいんだし。
「あ、じゃあ少しだけ十和を預かって貰っていてもいいですか? 私駅前のドラッグストアまで急いで行ってくるので」
スーパーとかよりドラッグストアの方が揃っているだろうと考えてそう言えば、管理人さんが「預かるのはいいが、態々買いに行かなくても新聞を重ねてもいいんだよ。新聞なら家に沢山あるから分けてあげられるし」と心配してくれた。
長く会話したことなかったけれど、管理人さんは感じていた印象通りの良い人みたいだ。
「ありがとうございます。大丈夫です。急いで行ってくるので申し訳ありませんが、十和の事よろしくお願いします」
「ああ、じゃあ。急がなくて良いから気をつけて行っておいで」
「はい。折角用意してもらったのに申し訳ありませんが、十和にご飯食べさせて貰ってもいいですか?」
「勿論だ」
管理人さんに十和と十和のご飯を渡すと、私はぺこりと頭を下げてから自転車置き場へ走った。
急いでトイレシート買って、ついでに食材とか掃除の道具とかも買ってこよう。
管理人さんに迷惑掛けたお詫びとお礼も買わなくちゃ。
自転車に跨がった私は、勢いよくペダルを踏んだ。
3
お気に入りに追加
130
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜
瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。
大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。
そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。

非公開とさせていただきました(しばらくはお知らせのため残しますが、のちに削除いたします)
双葉
キャラ文芸
キャラ文芸大賞に応募していた本作ですが、落選したため非公開とさせていただきました。夢である書籍化を目指して改稿し、別の賞へチャレンジいたします。
審査員の皆さま、読者として読んでくださった皆さま、ありがとうございました。

後宮の裏絵師〜しんねりの美術師〜
あきゅう
キャラ文芸
【女絵師×理系官吏が、後宮に隠された謎を解く!】
姫棋(キキ)は、小さな頃から絵師になることを夢みてきた。彼女は絵さえ描けるなら、たとえ後宮だろうと地獄だろうとどこへだって行くし、友人も恋人もいらないと、ずっとそう思って生きてきた。
だが人生とは、まったくもって何が起こるか分からないものである。
夏后国の後宮へ来たことで、姫棋の運命は百八十度変わってしまったのだった。
蛇のおよずれ
深山なずな
キャラ文芸
平安時代、とある屋敷に紅姫と呼ばれる姫がいた。彼女は非常に美しい容姿をしており、また、特殊な力を持っていた。
ある日、紅姫は呪われた1匹の蛇を助ける。そのことが彼女の運命を大きく変えることになるとは知らずに……。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる